XR31T/RTリムは優秀

連日暑いのでまだ新しいチューブレスホイールは乗らずにおいています。もう空気を入れて3日経ちますが空気はほとんど漏れずにチューブレスタイヤはしっかり空気を保っています。シーラントなしでも結構持つものです。おそらくリムのあたりがよかったと思います。造りの良いリムに当たったようです。同じリムでも漏れてシーラントが必要なリムもあることを経験しています。

総じてこのXR31T/RTキンリンリムはとても高性能リムでコストパフォーマンスが高いリムです。重量は500g前後です。空力がよくオフセットリムも作られているのがいいと思います。

オフセットリアリム 512g
フロントリム 497g

ホイール作りに2クロス3クロスとスポークの組み方を工夫しても後輪左側のスポークテンションは2%のテンションアップです。このオフセットリムなら特別に工夫することなく通常の組み方で10%ほど左スポークのテンションアップを得ることができます。これが気に入っている理由の一つです。

 

リムテープ接着面もつるっと滑らかでテープはとても貼りやすい表面です。リムテープとの相性もいいようです。。

リムテープは貼りやすい

 

いつも勉強させてもらっているアメリカのノベンバーサイクルズではこのリムのいいところを述べています。

https://novemberbicycles.com/blogs/blog/rim-reviews-fsw3-kinlin-xr31t?_pos=1&_sid=7cba20531&_ss=r

 

この会社はいろんなリムの風洞実験も行っていてXR31T/RTの優秀なところを証明しています。ジップ303やFLO30にも負けていない結果を出しているリムです。このリムはコスパがよく性能がいいのをわかっていたのでずっと海外から買っていたのですが、うれしことに国内でも簡単に手に入るようになりました。

 

TNIのAL31WはキンリンのXR31と同じものと思われます。少し前までこのXR31T/RT20/24hリムは海外から購入するしかなかったのですが今や容易にかつ安価に手に入ります。トライスポーツの目利きはなかなかのものです。

フロント20リア24hが1500g前後で仕上がります。高級カーボンホイールでどや顔して走りたい人は別ですが実質本位、安価でよく回り、走るホイールを探している方にはおすすめのリムだと思います。4万円くらいの投資で20万円以上のホイールに負けないホイールを手に入れることができます。ただし見栄をはることはできませんが…

リムが届きました

キンリンのリムを20本注文していました。

20本届きました

XR31T、XR31RTは風洞テストの結果も良好で(アメリカのhttps://novemberbicycles.com

が風洞テストを行っています)、重量は24mmワイド31mmハイトの割には485g前後と比較的軽量です。ワイドリムのため25mm以上のタイヤに適します。タイヤはロードでは25,28,32mm位まででしょう。剛性も十分満足いく強さがあります。

チューブレスレディーですのでリムテープにチューブレス用を使うとチューブレスホイールとして使えます。バルブとシーラントを用意するだけです。もちろんタイヤはチューブレス専用です。

 

XR31RTは後輪用で3mmオフセットしています。つまりスポーク穴が3mm片方にずれているのです。これが何を意味するかと言いますと後輪のスポークテンションを是正するのに役立っています。

ホイールが8、9速、10速とスプロケットが増えるに連れてハブの構造が変わってきました。今や11速が標準となっています。11速になるとハブの構造が大きく変わりました。

スピロケット1枚増えたために左スポークテンションは大きく変わりました。右スポークはキンキンに張っているのに左が緩いホイールとなったのです。左が緩いということはホイールの駆動パフォーマンスが下がることになります。

 

ハブの構造は11速そのままで左スポークのテンションを上げるにはリムの穴の位置を左にずらすことで左スポークテンションを上げることが出来ます。

 

リムの穴の位置がずれたリムを使うことによりスポークの左右スポークテンション差を少なくするのです。シマノホイールのRS21など下位グレードのホイールがよく走ると評判がいいのもこのオフセットリムを使っているからです。

 

下図を比べていただきますとよくわかります。

オフセットリムを使うと右2/左2クロス組で理論上では左49%が左62%と大きく是正されています。

3mmオフセット

3mmオフセットリム使用で左テンションが大きく変わることが分かります。

スポークの組み方を右2/左3クロスで組んでも51%で2%ほどしかスポークテンションは変わりません。この組み方で劇的に変わるなら世界中のホイールメーカーが使っています。しかしながらやらないよりはましです。過度に期待してはダメということです。

こういう理由で後輪はオフセットリムをお勧めしています。

 

現在の11速ハブの構造ではオフセットリムを使う、2:1組で左のスポーク本数を半分にして左右のスポークテンション差を是正する方法が考えられます。また1:1組では右テンションを目いっぱい上げて相対的に左も上げる方法も考えられます。

 

あとは目的別にホイールの特性を考えることかなと考えています。前回提案したように多スポークは多スポークの利点があります。少スポークホイールは空力がいいとかそれぞれの利点を生かしてホイールを考えたらいいと思います。

Light Bicycle カーボンリム

カーボンホイールを久しぶりに作ろうと思いリムを物色していました。

今まではGigantexのリムを買っていましたが海外の有名なビルダーのブログを読むと出てきましたのがLight Bicycleのリムでした。

価格的にもリーズナブルで評判もいいので買ってみました。

チューブラーリムを買ったのですが説明書きが付いていました。

Wheel Building Tips and Instructions

***Important, please read carefully***

以下 略

 

要点として

ビルダーを選ぶのに経験あるビルダーがけっしてプロフェッショナル ビルダーではありません。感覚だけでホイールを作っているビルダーはたくさんいるが カーボンホイールはそれでは不十分でしっかりとテンションメーターを使用してスポークテンションを均一に且つ適切なストレスリリーブ(なじみだし)を行う事が必要ですと書いています。

 

ニップルに注油

スポークのネジ部分とリムとニップルが触れる部分に少量のオイルを注してテンションを上げるのを助けスポークのねじれを防ぎます。

 

お勧めのスポーク

丸スポークを使う場合は2.0/1.8/2.0mmまで、DTならコンペティションでストレイトスポーク2.0mmスポークは丈夫すぎてカーボンホイールには向かないと書いています。CXRAYなどの扁平スポークはお勧めです。

 

スポークテンション

スポークはテンションの均一を測り右も左も許容誤差は5%以内に収める。テンションは120kgf~130kgfに収めしっかりとストレスリリーブ(なじみだし)を行う。

 

以上の様な事を書いた説明書でした。

 

ホイール作りの基本を書いています。読んでいてカーボンホイールは難しそうに書いていますが、丁寧にテンションメーターで確認しながら作ればそんなに難しくありません。

材料費は高くなりますがアルミリムと比べて狂いが少ないのでかえって作りやすいと思います。

 

ファーストホワードのカーボンホイールは全く普通の手組ホイールと同じです。リムも中華リム、ハブはDT、スポークも市販品です。特別に作ったハブを使っているわけでもありません。熟練のビルダーが作ったとしても全くの手組ホイールです。F4Rはウエムラサイクルで18万円、Wiggleでは15万円前後で販売されていますが私には納得できないホイールです。赤いラベルがいいのかもしれませんがメーカーのブランド戦略に乗る必要はないと思うのですがどうでしょうか?