スポークテンションのグラフ化についてお話します。
超ベテランの方から32hホイールを組む注文をいただきました。ハブはシマノDuraハブHB7700、FH7700の前後セットです。ハブは持ち込みで私のほうはリムとスポークを用意するという注文です。
納品の際スポークテンションのグラフを添えて納品いたしました。
このグラフはとても説得力があったようです。素晴らしいと唸っていただきました。私にとっては覚書のような位置づけのものでしたが喜んでいただけたようです。
ホイールの作製において振れ取りは一番大切な作業です。通常は振れを取りなじみだしを行えば作業は終わりです。ここで一番大切なことはスポークのテンションができるだけ均一になるように調整されているかが問題です。この作業を怠るとスポークが折れたり、スポークが伸びる原因となります。長く乗っていると必ず出る振れがとても早く出る原因となります。
私は縦、横の振れ取りによる振れの最小化+スポークテンションの均一化、この2つを視覚化して行っています。
これが技術といえば技術なんですがビルダーとしてそんなに長い経験もない私がわりと早く高精度に仕上げれるようになれたもとになっています。
グラフ化し、データを可視化することのよりどのくらいニップルを回せばいいかと逆に計算ができます。
神の手を持たないビルダーが最良の結果を出す方法としてスポークテンションの可視化が一番と思っています。
『手組ホイール』をキーワードにいろいろな方のブログを読みますとJベントスポークのホイールはスポークが折れやすいとJベントスポークホイールをけなしておられるブログに当たりました。ホイールはストレートスポークでないと折れる欠点があると言っている人のブログでした。
私はこの方の意見にはあまり賛成できません。スポーク折れトラブルのほとんどがスポークテンションの不一致が原因と考えています。要は組み方が下手、もしくは手抜きではないでしょうか。経年劣化でない限り折れの原因はスポークテンションにあると思います。上手に組めばなかなか折るものではありません。
こんなことからもスポークテンションのグラフ化は有力なツールといえます。