トラック用カーボンホイールの作製

何度もご注文いただいています超ベテランライダー様よりトラック用の後輪カーボンホイールをご注文いただきました。競輪場を仲間で借りて練習されるようです。

当初はシマノDURAハブで考えておられたのですが台湾のBitexも作っていますよと提案しました。カップアンドコーンではありません。シールドベアリングを使っています。

シマノだけではありません。

リムは36mm高28mm幅のカーボンリムです。何度も使っていただいていますのでどんなリムかはご理解いただいています。今回は28穴の穴なしリムです。

スポークは練習用なので丸スポークも考えておられたのですがサピムのCX-RAYシルバーをお勧めしました。練習用といえども競技に使いますので少しでも空力の良いほうがいいと思います。ニップルはDTのSquorx-pro ブラスでシルバーを選択しました。

穴なしリムの利点は第一にテープが不要です。剛性を比べたことがないのですが穴がないので穴アリリムよりは強度は高いようです。ホイールを作る側には面倒なリムですが使う側には利点の多いリムといえます。

今回は28穴で作らせていただきました。スポークテンションは124kgfで出来るだけ均一になるように調整しました。

シルバースポークにシルバーハブが新鮮です。
ダブルスレッド JIS組 3クロス
出来るだけ均等になるようにスポークを張っています

トラック用の後輪ホイールは左右スポークテンション差がありません。前輪を後ろに取り付けるようなものです。ホイールはとても新しい感覚です。今までのトラック用のホイールとは少し違います。左右のテンション差の駆動ロスはないので走りの結果を楽しみにしています。

カーボンホイールの評価を頂きました

36mm高のディスクカーボンホイールをお納めしました方より評価をいただきました。

とても良いといっていただいています。少し自慢話のようになりますがお客様よりいただきました生の声ですので参考になれば幸いです。

そしていい意味での発破をかけていただきました。とてもありがたいことです。感謝申し上げます。

以下、インプレです。

拝啓 手組ホイールファン様

先週、高さ36ミリのディスク用カーボンホイールを購入させていただきました**です。 まだまだ暑い日が続きますが、早速タイヤを組み付け2時間ほど試走してきました。 普段、山に向う時は、30ミリのアルミホイール、平坦な行程の場合は45ミリのカーボンホイールを使うことが多いのですが、 まず感じたことは、このホイール向かい風でも良く進むホイールだという事です。 特に斜め前からの時には、何故か後ろから押される感覚があり、非常に楽ですね。 また、横風に対しても神経質にならずに巡航できるところが有り難いです。 そして登りも問題なく適応できるポテンシャルを確認出来ました。 いつもと同じ坂道も1〜2枚重いギアを使えました。 乗り心地もGOODでカラダに優しいし、 うーん、これならこれ1本でいけそうな 使い勝手の良い「万能ホイール」さんです。 あくまで個人の感想ですが、これからもコスパの高い良質なホイールを作成願います。

                                       敬具

ホイール内容は次の通りです。

前輪670g

前輪

リム  36mm高28mm幅カーボンリム 24h  

ハブ  TNI REVO 100mmスルーアクスル

スポーク サピムCXRAY 2.0/2.3/0.9/2.0mm 黒 2クロス組

ニップル  DTswiss suorxpro ブラス 

重量  670g 

後輪793g

後輪

リム  36mm高28mm幅カーボンリム 24h     

ハブ  TNI REVO 142mmスルーアクスル 10・11速用

スポーク サピムCXRAY 2.0/2.3/0.9/2.0mm 黒 2クロス組

ニップル  DTswiss suorxpro ブラス

重量  793g  

前後1463g

穴なしリム使用 テープがいりません

リム高、重量のバランスが良いホイールです。お客さのお言葉通りこれ1本で行けそうです。

超軽量ホイールのご依頼

このブログに連絡が入りました。約40年近い超ベテランの方より練習用のアルミホイールをご依頼いただきました。以下ご依頼要件です。

下記の条件を満たすホイールは作成可能でしょか?

・アルミホイール

・重量は前後で1300g台

・クリンチャーで構わない

 結構大雑把で申し訳ないのですが。 ハブ、スポークはとりあえずおまかせで構いません。

お客様はヒルクライムの本番ではカーボンチューブラーホイール、普段の練習ではゾンダやシマノホイールを使っておられます。

キンリン XR200リムはナローリムです。軽量ながら剛性が高い

さて、1300g台となりますと使用リムは限られてきます。キンリンのXR200なら390g前後ですので試算して提案しました。

一案単品重量数量重量合計
XR200 20/243902780
ノバテックハブ3101310
前輪スポーク CX-RAY4.52090
後輪左スポーク Laser51260
後輪右コンペティション61272
nipple 14444
1356g

当初は前輪をCX-RAY、後輪左Laser、右コンペティションというスポーク選択でした。

ご連絡を重ねてご質問、ご希望を伺って前後ともにCX-RAYで組むことになりました。

決定案単品重量数量重量合計
XR200 20/243902780
ノバテックハブ3101310
前輪スポーク CX-RAY4.52090
後輪左スポーク CX-RAY4.51254
後輪右スポーク CX-RAY4.51254
nipple 14444
1332g

今使っておられる練習ホイールがすべてCX-RAYで組まれていて、シュータッチがしないということですので剛性は足るということで決定しました。ホイールの剛性はスポークが大きな要因です。

CX-RAYは粘りがありLaserとの差はほとんどないというものの歴然と差はありますので選択としては間違いありません。ただ価格的なことでは大きく違います。この辺りの折り合いをつけるのはお客様の判断です。

果たしてCX-RAYに決められましたが長く使われることを考えますとよい選択と思います。

前輪586g リムテープ込み  左右CX-RAY使用
前輪スポークテンショングラフ 
後輪760gリムテープ込み 左右CX-RAY使用
後輪スポークテンショングラフ

スポークテンションデータと一緒にお送りしました。13mmのナローリムはお客様には昔を思い出すリムとして懐かしがられました。

軽量ながら剛性があるリムですのでワイドリムが主流になっている今もよく使われるリムです。しばらく使ってみてご感想いただけます。楽しみです。

XR31T/RT 24・28hホイールの作製

このブログにご連絡いただきました方よりご注文いただきました。

最初はキンリンのXR31T/RT 20・24hをご希望でしたが残念ながらリムの在庫がなく24・28hを手配できることを申し上げました。

スポーク数が前後で8本増えますので40gほどの重量が増えます。重量が増えることのデメリットよりもメリットの方をお話いたしました。

スポークが増えることによりホイールの安定感は増します。コーナーでよれることなく回れます。ダンシングでもシュータッチはしなくなります。若干空気抵抗が増えるかもしれませんが微々たる増加と考えます。スポークが増えて丈夫になりますので振れは出にくくなります。つまり回転が安定します。40g増えることによりホイールは強化されます。いわばトレードオフの関係です。

最初は重量が増えることに躊躇われたのですがけっしてこれがマイナスではないことをご理解いただきましてご購入いただきました。

前輪24穴後輪28穴ホイールの重量は1600g少し超えたところで完成しています。

前輪スポークはCX-RAY、後輪左にLaser、右コンペティションという組合せです。

スポークの良いところを引き出していると思います。

CX-RAYを前輪に使います。空力とスポークのサスペンション機能を引き出す目的です。後輪の右側にコンペティション、6gスポークを使って剛性を高め、左に5gスポークLaserで軽量化とスポークテンションアップを図っています。

組み方は前輪をラジアル、後輪左は3クロス組、後輪右は2クロス組としています。

いつも使っていますwheelproのスポーク長計算ソフトでは左右のテンション比率が表示されますので理論上の違いがよくわかります。

ノーマルリム 左右2クロス組 テンション比率は43:100%です。左が低いです。

通常リムでは左右2クロスで組む場合43:100のテンション比率です

3mmオフセットリム 左右2クロス組 56:100%の比率です

リムはオフセットリムですのでオフセットリムで13%のアップです。

3mmオフセットリム 左3クロス右2クロス 58:100の比率です

後輪の3クロスで通常の左右2クロス組と比べて2%テンション比率は上がります。

が今回の組み方では58:100と計算上では非常に高い比率に仕上がります。あくまで計算上の数値です。

左を細いスポークで組んでいますのでさらにテンションを上げることができます。実測では左86kgf右123kgfと左右の比率は約70:100の比率です。

ゾンダ、レー3のように2:1組によりスポークテンション比率の差異を改善することなく1:1組で十分な比率を得ることになります。

これはスポークの役割から見ても有益なことです。つまり2:1組の場合仮にゾンダで見てみますとゾンダ後輪は21本です。2:1組ですので左が7本右14本です。左はラジアル組なので駆動には直接働きはありません。右の14本が駆動に影響します。

車輪のスポークはプル、プッシュの役割がありますが14本のスポークでプルが7本です。

2:1組のゾンダでは7本がプルスポークです。

では今回の28穴ホイールの場合はどうでしょう。1:1組ですので左14本右14本で構成しています。プルスポークは14本、プッシュスポークも14本です。この14本のスポークがすべて同じ力で張られていませんので左側の7本が右側に比べて緩く張られていますので7本の約60%としまして4本分の力をプッシュスポークとして働いていると考えます。

合計11本のスポークがプッシュスポークの働きをします。

プルスポークの違いだけでホイールの性能を論じるのは大雑把すぎるとご批判あると思いますが論理的には誤っていないと思っています。

後輪 リムテープを巻きまして938g
左スポークテンションはとても高く出来上がっています。
前輪24h リムテープ巻きまして701g
前輪スポークテンションは110kgfで仕上がています。

当ホイールの一番足りないところはお客様には申し訳ないのですがとても地味なところです。この点はどうしようもありません。3G組のホイールなら遠くから見てもわかりますがこのホイールにはそんなプラスアルファの要素がありません。実質本位です。

あなたのカンパには負けないよ!という天邪鬼的な方にはもってこいのホイールです。私から申し上げますのは厚かましいですが今までの実績から判断しましていいホイールには間違いありません。コスパは最高です。

お客様からの印象が楽しみです。

ディスクカーボンチューブラーホイールの作製

2年前、アルミのチューブラーホイールとクリンチャーホイールを2セットお買い上げいただきましたお客様より連絡ありました。カーボンホイールを2セット作ってくださいと剛毅なご注文です。売上は確かにうれしいのですが、信頼していただいたことがなお一層ありがたいです。

ご依頼はシクロクロスのレース用にチューブラータイプのカーボンホイールのご注文です。

ホイールのことはよくご存じで使用目的がはっきりされています。ご注文の内容は的確で私のほうも提案しやすかったです。

チューブラーリム 35mm高25mm幅 365g
穴なしリムです

ご提案しましたリムは35mm高25mm幅のチューブラーカーボンリムです。重量は365gと非常に軽量です。ハブはTNIのレヴォハブ24・24hです。

TNI REVO ディスクハブ使用

一般にカーボンホイールではよく使われるスポークはサピムのCX-RAYです。しかしながら今回はDTコンペティション2.0/1.8/2.0mmを提案しました。

理由は剛性です。シクロクロスのレースでは瞬発力が大切と聞いています。私はレースに出ませんのでこのような情報はお客様より教えていただいた生の情報です。ストップアンドゴーの激しいシクロレースでは剛性がとても重要です。

CX-RAYは万能スポークと考えがちですがホイールの剛性はスポークの総面積に比例するという原則から考えますと剛性を出すならコンペティションとなります。ブランドには信頼がついてまわりますがスチールはスチールです。

CX-RAYなどの5gスポークではなく、6gスポークのコンペティションで組み上げることになりました。

1グラムの差ですがホイールの剛性はガラッと変わります。注意点はリムメーカーでは剛性のある2㎜のスポークを使うのは禁止ということです。カーボンが割れる恐れがあるのです。果たしてメーカーが勧めるギリギリの1.8mmスポークで作ることを提案しました。

尚、スポークが太くなりますとホイールはとても組みにくくなり、組み上げの難しさはぐっと増しますので注意が必要です。

カーボンリムはチューブラータイプです。幸いにもニップル穴のないタイプが手に入りますのでいつものように穴なしリムで作ります。このタイプのリムは扱いが難しいですが穴ありリムより強度があります。

わずかの差の積み上げが結果的に大きな差につながります。いわゆるマージナルゲインの積み重ねです。ニップルは腐食に強く強度の高いブラスニップルを使います。

前輪ホイール
均一にスポークは張られています
シルバースポークは手組ホイールの象徴
スポークテンションが均一です

ホイール作製の注意点として駆動効率のロスが発生しないように各スポークテンションをできるだけ均一になるように調整します。ホイールは作り方で出来不出来が決まりますのでとても重要なポイントです。

高性能の手組ホイール ブランドホイールに負けません

前後セットで1500gを切るホイール、2セットの完成です。レースに使われたご感想が楽しみです。

チューブラーホイールの作製

ブログより連絡入りました。チューブラーホイールのご依頼です。完組チューブラーホイールは今やカーボンホイールしか手に入らない状況です。アルミリムの場合手組ホイールしか選択肢はありません。

前輪 819g
後輪 1037g

多スポークホイールでロングライドにご使用したいとご連絡いただきました。時々競輪場でも練習をされるとか。この時は時速40kmの巡行で走ると伺いました。

これは凄いと思います。なかなかこのスピードでの巡行はできません。私も気合入りますが作製には特別なことはありません。通常のホイール作りと変わりません。

ティアグラハブ 前輪用
ティアグラハブ 後輪用

ハブは当初DURAハブ、アルテグラハブをご希望でしたが今はなかなか手に入りません。ティアグラハブがご用意できましたでこのハブに決定いたしました。ハブのグレードの違いはありますが性能には差はないと考えています。見た目の仕上がりの違いは大きくありますが回転性能に関しては遜色ないという考えです。

シマノハブは購入時点が極端な言い方ですが一番状態の悪い時と思います。使い込むとあたりがでてもっと回転が良くなります。ハブのあたり調整も好みに調整できます。

今回新品状態では少しゴリ感がありましたのでほんの少しですがナットを緩めて調整しました。

スポークはDTコンペティション黒を使用しています。使いやすいコンペティションです。ニップルはブラスで作ります。

25mm高 433g

チューブラーリムはキンリンのTB25を使っています。430g~440gのナローリムですが剛性が高いうえに25mmのリムハイトもありますので空力も期待できます。価格はリーズナブルで非常に使いやすいリムです。手に入れ易いおススメのリムです。派手なホイールではありませんが実利優先の方には是非ともトライしていただきたいホイールです。

トレーニング用にツーリング用に用途が広く、安価でよく回り、スポークが折れても無事に帰れる安全安心のホイールです。

また、32本スポークが多いと空気抵抗は少し増えますがほかのプラス面が多いので優秀なホイールには変わりありません。競輪では36hですので空気抵抗はそんなに問題ではないと思います。

前輪スポークテンショングラフ
後輪スポークテンショングラフ

ホイールを組む際ハブが11速ではスポークの左右テンション差は大きくなります。この対処方法は右テンションを高くすることで相対的に左スポークテンションを上げる方法が一般的です。今回もこの方法を使うことにして右を高めに張ることにより左スポークテンションも一緒に高くするようにしました。左右のスポークはできるだけ均一になるようにスポークを調整しています。

自転車は1フレーム2ホイールといいますので是非とも使っていただきたいホイールです。

46mm高でディスクカーボンホイール作製

ブログよりご連絡がはいりました。46mm高のディスクカーボンホイール作製のご注文です。

メールだけのやり取りで商談を進めるのですがお客様には勇気がいることだと思います。しかし私のほうもありがたいことですが心配なこともあります。言わばお互い様です。

これらの心配事を超えてお客さまが喜んでいただいたご連絡を頂戴すると格別なものがあります。お顔あわせてご商談できればもっといいのですが、離れていましてもとても達成感を感じます。

最近のカーボンホイールのご注文はディスクホイールが多いです。やはり時代かもしれません。ツールドフランスではイネオスはリムブレーキでしたがほとんどのチームがディスクホイールでした。

しかし新しく自転車をオーダーされる方なら自転車業界はディスクホイールに移っていますのでディスクブレーキの自転車となるのは当然のことです。

ご依頼主は硬めのカーボンフレームに載せるといっておられます。スポーク決めるときにCX-RAYは乗り味が柔らかくなるので硬いフレームとは相性がいいと多くの方から評価いただいていることを申し上げました。果たしてスポークはCX-RAYということになり話はトントンと進みました。

前輪708g CX-RAY使用
前輪スポークテンションは均一です。
後輪 823g CX-RAY使用
スポークをいかに均一に張るかが一番大切です。

カーボンホイールのご注文はすべて穴なしリムのご注文です。穴なしリムは穴アリと比べて剛性の上では穴なしリムのほうが若干高いようです。おまけにテープがいらないのでとても扱いやすいホイールになります。作るほうは厄介ですが使う方にはメリットが多いです。

ニップルはDTのSquorxProブラスを使っています。このニップルは通常ニップルの2倍以上の値段がしますが強度面では価格以上の良さを感じます。ニップルにはグリスを塗りながらスポークを通しています。グリスを塗るのは回転しやすくするためです。ニップルとリム面の摩擦を減らして回転しやすくしています。面倒な作業ですがスポークテンションを上げていく際滑らかにニップルが回りますので作業がし易いです。オイルを注せば簡単ですがべとつきますので綺麗に仕上がりません。個人用ならオイルを注すのが簡単です。

ニップルに磁石ネジを取り付ける方法が楽です

ニップルを通すのに穴なしリムでは専用の磁石ねじを使って磁石で引っ張り出す方法が楽です。いずれにしましても仮組までが大変です。しかしこれを乗り越えればもう普通のホイールと同じです。スポークテンションを揃えて均一に、振れを最小になるように調整するだけです。 ホイールの重量は非常に軽量です。穴なしリムですので通常の穴ありリムより剛性が高く空力の良いリムです。

ノンブランドのホイールですが高価なブランドホイールに負けないパフォーマンスを発揮してくれます。お金を出せばいいホイールが手に入る。これはある程度は当たっていますがホイールは簡単に値段で決まるものではありません。

銀輪ホイールのインプレお送りいただきました

ご注文いただきました銀輪ホイールのインプレをお願いしていました。

お客様からいつも走られるコースで乗られた印象を写真と一緒にお送りいただきました。

私がこのホイールいいですよとお勧めしましてもやはりお客様からのインプレが一番安心できます。通販会社の星マークと同じですが、このブログでは何も編集しないでそのままの印象を発表したいと思っています。

私にもホイールの改良点を見出すことができますし、ブログ読者さんもインプレを参考にホイール探しができると思います。

以下、お送りいただきました文章そのままです。ブログに発表させていただくことを念頭にお送りいただきました。

昨日、40kmほどライドしてきました。獲得標高500mほどのヒルクライム、ダウンヒルを含むコースです。

インプレをお知らせします。

自転車はラレーCRF(クラブグリーン)。三ヶ島のフラットペダルにハーフクリップをつけています。

ライダーは体重64kg。週に一度程度、40~100kmほどのライドをしています。

以前はスペシャライズドのアレースプリントに乗っており、ホイールは完組だとゾンダ(C17)、レーシングゼロ、レーシングゼロカーボン、ROVAL CL50などを使ったことがあります。手組ホイールはナローリム(リム幅20mmほど)のマビックオープンプロを使ったことがあります。

今回のホイールはご提案いただいたキンリンのワイドリムXR26を使用したものです。リム幅は24mmありますので、25cタイヤにぴったり。同じタイヤ(GP5000)をオープンプロにつけていた時は、リム幅が狭いので、タイヤも細く見えていました。前後とも32Hの多スポーク。ハブはシマノ105(R7000系)。重量は前輪805g、後輪1058g、合計1863gと近年の完組ホイールに比べれば重いですが、リムハイトが26mmある割にリム重量は470g前後とそこそこ軽量です。もっと軽量なハブ、小スポークを選べば1600g以下にもできると思いますが、今回はロングライド向け+剛性感のあるホイールにしたかったのでOKです。

チューブレス対応のホイールですが、ビットリアラテックスチューブにGP5000で運用しています。以前、ROVAL CL50でシュワルベプロワンTLE+カフェラテックス40ccでチューブレス運用していましたが、空気圧を同じ(フロント6.2BAR、リア6.8BAR)にすると乗り心地に違いはありません。どちらも極上です。重量的にもほぼイコール。転がり抵抗はビットリア+GP5000の方が数値的に低いそうですので、パンク対応の手軽さからも今後、クリンチャー運用していくと思います。

【見た目】

非常に地味(笑)ですが、狙い通りのきれいな銀輪ホイールで満足しています。クロモリはアルミ・カーボン車に比べるとチューブが細いため、30mm以上のリムハイトになると違和感が出てくると思います。個人的には26mmあたりまでが無難にまとまる限界かなと思います。ラレーはクロモリのなかではチューブが太めですが、もっと細いパイプを使用しているクロモリの場合は、同タイプのシルバーリムで22mm(XR22)がお勧めです。しかし現在、世界的なパーツ不足で、市場に出回っていないそうです。黒いリムなら在庫があるようですが、やはりクロモリにはシルバーリムが似合います。22mmハイトを狙っている方は、在庫の復活を待つのがベターです。

【漕ぎ出し】

特筆すべき点はなし。ホイール全体の重量は重めですが、ワイドリムのゾンダ(480g程度?)より軽いリムのため、嫌な重さはなく、軽快に漕ぎ出せます。もっともっさりするかと思っていましたが杞憂でした。

【加速感】

時速25~30kmくらいに至るまでの加速が思いのほかスムーズでした。軽量なカーボンホイールに比べれば劣りますが、簡単に巡行速度まで持っていくことができます。

【巡行】

速度維持が楽です。足を止めても、すぐにスピードが落ちません。26mmハイトなので、多少はエアロ効果も出ているのでしょうか。レーゼロカーボンは最高の加速性がありますが、リムが軽量過ぎて(390g前後)、足を止めるとスピードが落ちていきます。私が常用する速度域(25~35km位)だと、ROVAL CL50と大差はないように思いました。

【ヒルクライム】

飛びぬけた性能はないものの、リム・ハブとも剛性があるので、グイグイ上ることができます。ホイールが寄れて、ブレーキシューにタッチすることもありません。別のホイールを使用していた時は、10%を超える斜度になってくると、ケイデンスが落ちて、時速10kmを下回ってしまうことが多かったのですが、このホイールだと10kmを下回ることはありませんでした。低速になった時、力が逃げないのでふらつかず、安定している印象です。

【ダウンヒル】

このホイールの一番優れているポイントはダウンヒル性能だと思いました。ワイドリムになったことでエアボリュームが増えたことと、ハブの剛性感が高く、安定性が抜群です。ROVAL CL50と同等の安定感を感じました。普段時速56kmほどで下っていた箇所で、60kmを超えたのですが、まったく不安がありませんでした。まだまだ飛ばせそうな気配です。ブレーキもよく効きますし、ハブの回転性能もかなり高いのではないでしょうか。

【まとめ】

尖った性能はないものの、全体的にバランスの良い、コスパに優れた優良ホイールです。クロモリに似合う銀輪ホイールのデファクトスタンダードになり得ると思います。見た目はクラシカルですが、性能は現代的。クロモリには見た目的にも性能的にも、ゾンダよりこちらをお勧めします。もっと見た目をクラシカル寄りにしたい方は、XR22のシルバーリムを入手し、トラディツィオーネやホワイトインダストリーズなんかのハブで組めば最高と思います。105ハブはシルバー色ですが、塗装したシルバーですので、金属そのものの質感とは異なります。

手組ホイールに使用するシルバーリムは当初、ベロシティのA23かH Plus sonのアーキタイプを検討していました。どちらもリム幅23mmのワイドリムですが、一本あたり9000円~13000円ほどします。キンリンXR26は重量はほぼ同じで、24mmのワイドリム、送料は別ですが一本あたり6000円ほどと、お値打ちです。

今回、はじめて手組ホイールファンさんに依頼させていただきましたが、各パーツのメリット・デメリットを細かく提示してくださり、終始安心してやり取りすることができました。キンリンのシルバーリムも提案いただかなければ知らないままでした(黒リムがあるのは知っていたのですが)。組み上がったホイールも、丁寧な仕事ぶりがわかるものです。この度はありがとうございました

とてもありがたいご連絡でした。ほめていただくと正直言いましてとてもうれしいです。

46mm高ディスクカーボンホイールの作製

ご自分でディスクバイクを組まれるベテランライダーさんが組まれたバイクに載せるディスクホイールをネットで探されていたところこのブログを見つけられご連絡いただきました。

一般的にはなかなか勇気がいることですがブログで発表しているお客様からのインプレやヤフオクに出品しての評価を参考にしていただいたようです。見積もりしましてご納得いただきご注文いただきました。

申し訳ないことですが納品には時間が掛かります。カーボンリムは高価なので沢山在庫ができればいいのですがリムは入用買いしています。約1月、時間が掛かりますことをご了解いただきました。

46mm高28mm幅の穴なしカーボンリムを使ったホイールのご注文です。穴なしリムは作り上げるには時間が掛かりますがリム自体の強度は穴なしリムのほうが若干高いと思います。リム強度が高くなることはゾンダのリムが穴なしリムを使っていることからも理解できます。

スポークはCX-RAY使用しました。安心のCX-RAYです。ハブはTNIのREVOハブです。

ニップルも重要で軽さよりも腐食に強いブラスニップルを使いました。

前輪 708g CX-RAY 左右2クロス組
振れは最小に、できるだけスポークテンションを均一になるように作ります。
後輪 823g CX-RAY 左右2クロス組
振れは最小に、スポークテンションはできるだけ均一になるようにしています。

前輪 708g 後輪823g 前後1531g

この重量は46mm高のリムを使ったディスクホイールですので非常に軽量と思います。作製にあたり注意点はスポークテンションの均一化です。リムとハブをつなぐスポークテンションがバラバラではいくら良い材料で合っても力を引き出すことができません。駆動ロスの少ないホイール作りにはばらつきのないスポークテンションが一番大切です。

お納めしましたお客様より使用の印象をお知らせいただけるようです。楽しみです。

銀輪ホイールのご依頼

銀輪ホイールをご注文いただきました。32穴リムの多スポークホイールです。リムはキンリン社のXR26T/RTリムを使用しました。

前輪 464g 剛性の高い優秀なリムです。
後輪475g オフセットリムのほうが少し重いです。
左がオフセットリムです。穴の位置が3mmずれています。

銀色の24mm幅26mm高、後輪がオフセットリムです。3mm寄っているので後輪の左右スポークテンション比率は10%ほど改善されます。オフセットリムの威力です。重量は460~470gで剛性の高いリムです。

お送りいただきましたシマノ105ハブです。

ハブはシマノ105ハブを使います。お客様よりお送りいただきました。後輪ハブの回転が少し重い感覚でしたのでほんのわずかですが緩めることにしました。シマノハブは育てる感覚があります。自分で調整出来るところがいいです。

リム キンリンXR26T/RT 32h

ハブ シマノHB-R7000、FH-R7000 32h

スポーク 前輪 サピムLaser2.0/1.5/2.0mm 

     後輪 左Laser2.0/1.5/2.0mm 

        右コンペティション2.0/1.8/2.0mm

ニップル ブラス

前輪 805g 後輪 1058g 前後 1863g

前輪805g
スポークテンションが揃っていることが一番良いところです。
後輪 1058g ハブが重いのでこの重量ですが回転性能はとてもいいです。
スポークテンションが揃っています。左テンションが高いので駆動効率がいいです。
銀輪ホイールは美しいです。

計測すると重いホイールですがハブが前後500gほどありますので台湾メーカーのハブと比べて200g重いことが原因です。中心部の重さですので回転には影響ありません。自転車自体の総重量は増えますが何事もトレードオフの関係でメンテが楽、丈夫でよく回るこの長所はとても有益です。スポークが32本あることも空気抵抗が増えると考えられますが、地面からの振動を吸収するというメリットがあります。1本スポークが折れても振れが出るだけで無事に帰宅できる安心感があるホイールです。

インプレを送っていただけそうなので楽しみにしています。