シルバーホイールの作製

神戸のビルダーさんが販売されているホイールと同じようなホイールが欲しいとご連絡いただきました。リムは22mm高のシルバーリムに台湾ハブ、スポークはサピムのRaceという組み合わせのホイールです。

手組ホイールファンでは22mm高のリムはご用意できなく26mm高、31mm高ではご用意出来ますとお返事しますと26mm高で見積依頼があり、ご注文いただきました。

ホイールは下記の仕様です。

リム キンリンXR26T/RT  前後ともに32H

ハブ 前輪 シマノHB-RS400 32H

   後輪 シマノFH-5800 32H

スポーク 前輪 ピラーTB2015 後輪左 TB2015 後輪右TB2018

ニップル ピラー ダブルスクエア シルバー ブラス

前輪813g
前輪スポークテンショングラフ
後輪1044g
後輪スポークテンショングラフ

シルバーリムはなかなか手に入れることが難しいリムです。自転車部品を扱う店ではプレミア価格となっているショップもあります。当方もいつも仕入れるセラーさんに頼んで仕入れたリムです。

シルバーホイールはクロモリフレームによく似あいます。クラシックな自転車にはぴったりのホイールです。今回のリムは26mm高24mm幅と最近のワイドタイヤにも適したリムでクラシックなイメージですが実際はモダンなホイールが出来上がります。リム高がありますので剛性が高いホイールです。

ハブはシマノハブを提案しました。シマノハブはユーザーが育てるハブです。こまめにグリスアップを行いますと20年使われても大丈夫です。リムのほうが先にすり減ってしまうくらい長持ちします。

スポークは中央部が1.5㎜のバテッドスポークを使います。細いスポークは地面からの衝撃を吸収してくれますのでロングライドに適しています。

ニップルはダブルスクエアを使いました。前からでも後ろからでもテンションアップが出来るニップルです。扱いやすいのでお勧めです。難点は手に入れにくいことです。

見た目はクラシック、製品内容はモダンというホイールです。リム剛性が高くスポークテンションを揃えて仕上げていますので踏み込めば反応してくれるホイールです。ロングライドに適した存在感たっぷりのホイールが出来あがりました。

重量は前輪が813g後輪が1044g合計1857gと決して軽くはありません。普通なら敬遠する重量ですがホイール選びで誤解されていることが多いので説明したいと思います。

軽いホイールが欲しいとおっしゃる方が多いのですが軽いから走るという考えは間違いです。勿論軽さは必要な条件ですが軽さよりも剛性と組付けが大切ということを見逃してしまうことが多いようです。剛性の高いリムは凹みにくいです。どんなホイールにも体重がかかるので地面と接している部分は凹んでいます。この凹みの連続で前に進むわけですが剛性が高いと体重による凹みが小さいので駆動ロスが少ない訳です。組みつけが大切なのも同じです。すべてのスポークがロスなく働いてくれるように均一なスポークテンションで組み上げることが必要です。

1500g以下と当初ご希望でしたが出来上がりは1857gです。重量があるのですがこのホイールはよく走ります。理由は剛性高いリムと組みつけの良さです。ホイールは軽いに越したことはありません。しかし軽さ以上に大切なことはリム剛性とスポークテンションです。

お客様はこの説明をご理解いただきました。インプレが楽しみです。

4セット目のホイールをご注文いただきました

アルミホイール、カーボンホイールと何度もリピートいただきましたお客様より今回はワイドリムを使ったカーボンホイールをご注文いただきました。

どうしても自慢話になってしまいますが以下お客様より伺ったお話です。

お客様はいろんなブランドホイールを試してこられて手組ホイールファンにたどり着かれました。以来ホイールは手組ホイールファンにご注文いただいています。

お客様のライド仲間は超高級の自転車、ホイールに乗っておられる方々が多いグループのようです。手組ホイールファンの無印ホイールを取り付けて走ると何処のホイールかと仲間より聞かれるとのことです。そんなグループの中で手組ホイールファンのホイールは頑張って!?います。

関西人はいいものを安く買うことに喜びを感じます。お客様はもともと関西人ですが今は違うところにお住まいです。しかし関西気質は変わりません。お仲間のホイールと比べて1/3の価格で買ったホイールで十分互角に走れていることが楽しいといっていただいています。

無印のホイールですがスポーク調整がよくできていればブティックブランドのホイールと乗り比べても互角とは言いませんが十分楽しめます。高級車に乗るのが楽しい方も沢山おられます。乗ったことがないのですがその気持ちは分からないでもありません。しかしリピーターのお客様は見る目があれば余計なお金を駆けなくても充分楽しめるというお考えです。実際大いに楽しんでおられ、ご友人まで紹介していただきました。

今回ご注文いただきましたホイールは次のようなホイールです。

前輪638g
前輪スポークテンショングラフ
後輪790g
後輪スポークテンショングラフ
リムは迫力あります

リム 30mm幅40mm高 カーボンリム 前後共24h 穴ナシリム フックレス

ハブ ノバテック ストレイトプルハブ前後共24h

スポーク サピムCX-RAY wing21

ニップル DT SquorxPro ブラス 黒

リムにはうねりがあります。ブティックブランドのホイールのようです。フックレスタイプでご注文いただきました。通常のリムと比べて格上のプロ仕様のリムです。当然価格も倍ほどしますがとても軽量です。勿論通常のリムも充分な強度があるのですが軽さが違います。

ハブは量産ハブのノバテックのストレイトプルハブです。ブティックブランドのハブではありませんが性能に関しては必要十分なハブと考えています。しっかりとした材料、部品で作られたハブなら高価なハブと比べて価格差だけの違いがあるのかという見方です。ハブに性能差があるのかもしれませんがその差よりもホイールの作りなどトータルで考えられています。価格も重要な必須条件です。こうしたお考えでご注文いただいています。

スポークは軽くて丈夫で空力のあるサピムのCX-RAYを前輪、後輪左に使い後輪ドライブ側には少し太いwing21で剛性を高めています。

ニップルは目立たない部分でありますが重要な部品です。高価なニップルですが内部に固着防止剤が注入されているSquorxProを使いました。

ホイールの出来栄えはスポークテンションで決まります。しっかりとスポーク調整行いました。お客様のインプレが楽しみです。

3セット目のカーボンホイール作製

リピーターのお客様より3セット目のカーボンホイールをご注文いただきました。

ブランドホイールにはないご自分の乗り方に合ったホイールが出来るということで気に入っていただいています。既成ホイールの1/3の価格も魅力と思います。今回ハブはご自分で手配されて持ち込みされました。

前輪683g
後輪808g
フックレスタイプのリムです

リムは36mm高28mm幅の定番リムを使っていますがフックレスタイプです。フック、フックレスどちらも選べます。出来上がりにはリム入荷にすこし時間が掛かりますが好みのタイヤが使えるホイールが出来上がります。

ハブはご自分で手配されたノバテックハブです。

スポークは粘りがあって軽量、衝撃を吸収してくれるサピムのCX-RAYを指定されました。ロングライドに向いている万能スポークです。

ニップルは少しお高くなりますが内部に固着防止剤が入っているDTのSquorxProニップルのブラスを使います。

メールで相談しながら部品を決めていくのですがもう3回目となりますと簡単に話が進みます。お待ちいただくこと約一ヶ月です。組みあがりにはスポークテンションが均一になるように注意しています。お客様は乗る場面に応じてホイールを選んでおられます。理想的な乗り方です。

31mm高24mm幅キンリンワイドリム使用アルミホイールの作製

約1年このブログをお読みいただいた方よりスポークテンションが揃っているホイールはどのようなものなのか使ってみたいとご連絡いただきました。

今使っておられるホイールはDTのRR411リムの28穴です。ご自身のホイールと比較してみたいので新しいホイールは28穴のホイールを提案して欲しいとご依頼いただきました。

普段は100km~120km走られるロングライドをメインで楽しんでおられるようです。クロモリフレームに乗っておられるベテランの方です。

提案のホイールはこのブログで何度も紹介していますキンリン社のXR31T/RT 31mm高24mm幅のアルミリムを使ったホイールを提案しました。

ハブはノバテックの軽量ハブ、スポークは前輪にバテッドの1.5mmスポークです。後輪左は1.5mmのバテッドスポークを使い、右には1.8mmのバテッドスポークを使います。中央部が細いバテッドスポークはショックアブソーバーの働きをしますので地面からの衝撃を吸収してくれます。ロングライドに適した疲れにくいホイールです。

左前輪用 右後輪用 3mmオフセット

前後ともに28穴リムで作製します。後輪はオフセットリムなのでスポークテンションの左右差を少なくできます。約10%是正できますのでこれは大きなメリットです。リム重量は約500gと重量はあるのですが31mm高なので軽いほうといえます。リム剛性が高いので走行中の体重が原因で起こるリムのひずみは小さいです。このため駆動ロスが少なく、空力の良いよく回るホイールに仕上がります。以下詳細です。

リム XR31T/RT 前後共に28H

ハブ ノバテックA291SB,F482SB 共に28H

スポーク 前輪TB2015 2.2/1.5/2.0mm シルバー

スポーク 後輪左Laser 2.0/1.5/2.0mm 右コンペティション 2.0/1.8/2.0mm シルバー 

ニップル DSN シルバー

前輪750g
出来るだけスポークテンションを揃えています
後輪936g
オフセットリム使用で左のテンション値が高く仕上がっています

出来上がりました。振れは最小になるように、スポークテンションは出来るだけ均一になるように調整しています。特に後輪左のスポークテンションは高く仕上がっています。

今使っておられるDTホイールとこのキンリンホイールの乗り比べは楽しみです。

因みに当方のキンリンホイールとゾンダを乗り比べられたユーチューバーの方がおられます。この方のご意見ではキンリンのほうがいいようです。

クロスバイク用ホイールのインプレいただきました

4月4日の記事にしていますクロスバイク用ホイールのインプレをお送りいただきました。

結論から言いますとホイールは気に入っていただきました。お客様はご自分でホイールのシールまで作られて存在感を高めておられます。これはとても参考になりました。

シールはご自分で作られました
トレックのホイールではありません
トレックのホイールではありません

今まで何度かシールのことはお客様より提案いただいていました。本腰を入れて作ろうと思っています。

今回のホイール提案の際、ホイールにもお寿司屋、うなぎ屋のように松竹梅ばありますが梅でいかがですかとご提案しました。そのホイールが今回の梅ホイールです。

あとで松、竹ではどう変わりますか?とお尋ねいただきました。変わるのはハブとスポークですとお答えしています。台湾ハブの軽量ハブを使いますと約300g、シマノハブでは約500gと200gの差があります。スポークもサピムCXRAYのような上位スポークを使えばスポークの値段は3倍以上価格は違います。しかし性能は何倍も違いうのかといいますと数ワットの違いです。レースに出るのなら最上位スポークがいいかもしれませんが普段使いのホイールなら梅クラスのホイールが良いとお勧めしました。

ハブはシマノの下位グレードです。スポークはバテッドの丸スポークを使っています。

シマノハブは乗る人が育てるハブです。玉あたりを上手に調整すればグレードに上も下もありません。どちらもとてもよく回ります。グリスアップを怠らなかったら長く使える丈夫なハブです。

長い前書きとなりました。

今回のホイールはブログの記事にさせてくださいとお願いしていましたので少し加点いただいたかもしれませんがご感想をお送りいただきました。ホイールは予想以上であったことがよくわかります。読者さんにもホイールをお勧めいただきました。

以下原文です。


15年使った街乗りクロスバイクのホイールを変えようと探してもほとんどがディスクブレーキ仕様でした。

リムブレーキで探すと 手組みホイールファンがヒット。
早速連絡をすると松竹梅のメニューがあるが梅仕様をすすめられました。
梅は重いので漕ぎ出しが少し重く感じられるが走り出すと良く走る旨でした。

実際には取り外したボントレガー アルミホイールより軽かったです。

素人ながらの感想は良く走ります。
漕ぎ出しも違和感なくスピードに乗ります。
段差もボントレガー製に比べショックが柔らかいです。

リーズナブルな価格で街乗りクロスバイクには十分な性能です。
おススメします。

ありがたいインプレでした。

オーダーホイールなので決してお安くはありませんがお高くもありません。こちらの説明をご理解いただきご注文いただきました。お客様とはとてもいいご縁をいただきました。

31mm高24mm幅アルミリム使用チューブレスホイール作製

リピーターの方からご連絡いただきました。いつもお客様は部品を指定されます。勿論こうしたらどうですかと相談しながらホイールを作り上げていきます。

今回はリム、ハブを先に指定されています。

リム キンリン XR31T/RT 前輪20H後輪24H

ハブ ノバテックA291SB20H F482SB24H

スポークは前輪を細いスポークであればエアロスポークの2クロス、後輪左は細いスポークに右を2mmの太いスポークで剛性を上げるというプランでした。

一般には前輪20Hはラジアル組が多いのですが2クロスで組むのは珍しいです。シクロ選手がよく使うようですが横剛性が上がりクロス組の為乗り味が柔らかくなるといわれています。この辺りは長く乗り込んで比較できる知識がある方でないと分からないと思います。

後輪リムは3mmオフセットしていますのでこれでスポークテンション比率は大きく変わります。前輪と同じ形の通常リムを使った場合より左右スポークテンション比率は10%くらい違います。

左前輪用 右後輪用3mmオフセット

後輪左は細いスポークで3クロス組、右は太いスポークで2クロス組と指定されています。いわゆるヨンロクという組み方です。左のスポークテンションを高くするという方法のようです。計算上では左2クロス組より1%アップします。

このようなプランからスポークを前輪はサピムのCX―RAY、後輪左はピラーのトリプルバテッドスポークTB2015(2.2/1.5/2.0mm)、右はホイールスミスDH13(2.3/2.0mm)のシングルバテッドスポークを提案しました。

部品は連絡を取り合って決定していきます。この部品はいかがですか?というようなやり取りです。

前輪2クロス組
左3クロス組 右2クロス組

組み上げは出来るだけスポークテンションを揃えて、出来るだけ振れを取ります。出来上がりましたらストレスリリーブと呼んでいます、馴染みだしを何度も繰り返して完成です。

前輪705g 2クロス組 乗り味は柔らかくなります
後輪913g 左3クロス組 右2クロス組

同じようにアルミリムを使って前輪20H後輪24Hのホイールが販売されていますがやはりオーダーホイールは乗り手の体重、乗り方にあわせて作ります。

リム、ハブ、スポーク、ニップル、4つの部品の組み合わせですがとても奥が深いです。ホイール沼にはまり込むとなかなか抜け出せませんが、少しは試されても良いものです。

46mm高カーボンホイールのインプレをいただきました

3月にお納めしましたカーボンホイールのインプレをいただきました。

ホイールの内容は3月14日の記事にしています。

いつもお客様にホイールをお納めしましたらインプレをお願いしています。これは勿論宣伝効果を期待しての厚かましいお願いですが新しいホイール購入を考えておられる方や自分で作ってみようと計画しておられる方にはとても参考になると考えます。

リム 46mm高28mm幅カーボン穴ナシリム ブレーキ面は強化加工

ハブ ミケハブ 24・28穴

スポーク wing21 黒

ニップル SquorxPro ブラス

前輪はラジアルでなく2クロスで組んでいます。後輪は通常の3クロス組です。

お客様は手組ホイールファンの試作ホイールを試していただいたことがあります。ボントレガーのアルミ軽量ホイールのスポーク替えのご依頼もいただきました。このホイールの比較インプレもいただきました。3月9日の記事にしていますので参考になるかと思います。

今回のインプレにはXR31T/RTで作りましたキンリンリムのことが出ますがこれは試作品のことです。

以下本文です。


ホイールを平坦とヒルクライムを走ることが出来たので、以下の通りインプレを送ります。

1.平坦巡行

2.ヒルクライム

3.ダウンヒル

4.コーナリング

5.なだら下りのもがき

6.ブレーキング

1.平坦巡行

 チューブレス運用で、タイヤはGP5000STRです。

 最初はゼロスタートが、重たい感じがありました。28cのタイヤ(5.5bar)をインストールしたためとかと思っていましたが、空気圧を4.5barまで下げてサドルを1ミリ上げることで解決出来ました。今ではゼロスタートの加速が、気持ちいい感じになりました。かなりの加速で、かかり具合がキンリンやボントレガーを超えているのでかなり気に入りました。おそらく、Wing21で3クロス組がかなりいい仕事をしているのではないかと思っています。かかりがいいので、ゼロスタートから20秒くらいで30㎞を越えていきます。巡行速度も35㎞は何のそので、40㎞巡行もキンリンよりも楽に維持出来ました。

2.ヒルクライム

 剛性が高いので踏みすぎると、すぐに脚にきてしまいます。解決方法としては、ギアをいつもより1枚軽くしてクルクル回すようにすると、スーと登りはじめてかなり気持ち良かったです。驚くことに、ボントレガーよりも登れてしまいました。思わず笑いが出てくるくらい、めっちゃ楽しかったです。4%くらいまでであれば、かなりのスピードを維持できます。5~6%でクルクル回すと、気持ちよく走れます。8%当たりから重さを感じるのですが、ダンシングで乗りきれました。ダンシングも力が逃げないので、気持ちいいですね。ボントレガーの時は、力が逃げて践みすぎてすぐに脚にきていたのですが、今回は脚のダメージを最小限に出来ました。ダンシングして、脚を休めれたのはかなり大きいアドバンテージです。

3.ダウンヒル

 エアロ効果を試す為に、漕がずに今回も下ってみました。体感ですがキンリンよりも速く感じ、速すぎて恐怖心が出るくらいでした。車に追い付いてしまったので、タイムは出なかったですがエアロ効果と回転性能はかなりいいです。

4.コーナリング

 キンリンよりもかなり安定感があり、かなりの安心感がありました。コーナーでフロントが全くよれることなく、曲がっていくのでもめっちゃ楽しかったです。2クロスにして良かったです。2クロスにして、横剛性が強化されてるのだと思います。更に28cをはいているので、接地感が半端なくいいです。思ったラインをトレースできるので、コーナーが全く恐怖心が無いです。

5.なだら下りのもがき

 今回もやってみたのですが、最高速は58㎞でした。これは風の影響とヒルクライムを今回はなだら登りも多くやったので、脚が残ってなかったのではないかと思います。今回は120回転くらいまでしか上がらなかったので、少し践みすぎてる感がありました。改善は出来そうな感じです。しかし、加速感はキンリンより良かったと感じています。践みすぎたので、途中から脚にきてしまいトップスピードまで乗らなかったのではないかと思います。肩甲骨周りがあまり使えてなかったので、次は肩甲骨周りの意識をして試してみます。

6.ブレーキング

ブレーキ面強化の効果なのか、アルミリムよりもしっかり効いてくれる印象です。なので、安心してコーナーに入っていけました。ブレーキがよく効くので、コーナーギリギリでブレーキがかけれるのでコーナーめっちゃ速いです。

一番気に入っているのが、ブレーキの音です。シューっていう音が、カーボンホイールになったという満足感を味わえます。ブレーキをかけるたびにニンマリしてしまいます。

7.最後に

ボントレガー、キンリンと3種類のホイールにのりましたが一番好きなのは今回のカーボンホイールが圧倒的です。オールラウンドな使用感に、かなりかなり満足しています。凄くいいホイールを組んで頂いてありがとうございます。大事に使いたいと思います。

お客様の体重を伺い、乗り方から考えて前輪24本後輪28本で組んでいます。巡行40kmで走れる方なので剛性を重視しています。このスピードで走れる人はなかなかおられません。100人に一人もおられないでしょう。この凄腕ライダーさんに気に入っていただきましたので喜んでいます。

いろいろとおたずねいただき、私なりの答えを出すという繰り返しでプランを練り上げていきました。出来上がり品をハイどうぞとお渡しする既製品とは違います。乗り手に合うように作り上げていきますのでこの過程はなかなか楽しい時間です。お互いに知識が深まります。

売り上げが上がってうれしいのは確かですがそれ以上のやりがいを感じることが出来ます。ありがたいなと思っています。

クロスバイク用ホイールのご注文

このブログに次のようにご連絡いただきました。

 クロスバイクの前後ホイールを探しています。 車体はトレック。 リムブレーキ、タイヤ 700 32C、リヤエンド幅135mm、シマノ105 10速です。 ブランド指定はありませんが派手目好き、スパークはエアロタイプがカッコいいかなとミーハーです。 本人体重は90kオーバーです。

こちらからお客様に次のような提案をしました。

リムは一押しのキンリンXR31T/RT前後共32Hのアルミリムです。

リムを先に決めましたのでグレードを分けて提案しますとハブとスポークでいろんな案がでます。

お客様に寿司屋、うなぎ屋のように松竹梅の見積もりがありますがいかがされますか?梅でも素晴らしい性能ですよ、とお伺いしました。

すると梅で提案くださいとお返事いただきました。

梅クラスのホイールですがこんなホイールです。

リム キンリンXR31T/RT 前後32H 後輪は3mmオフセット

ハブ HB-RS300 32H  FH-TX500 32H

スポーク ピラー前輪TB2015 後輪左TB2015 右TB2018

ニップル ピラーDSN ブラス シルバー

スポークはご希望のエアロタイプではありませんがレースに出て時速50kmで勝負するということでもなければ丸スポークが安価で良いと思います。力は十分発揮できます。

前輪ハブ 145g
後輪ハブ 383g

ハブはシマノハブの下位グレードです。下位グレードではありますが回転部分のカップアンドコーンにまで厳しいグレード分けはできません。下位グレードは回転が悪いというようなことはありません。調整をしっかりすれば回転はすこぶる良好です。外回りの仕上げはなるほどそっけない仕上げですが実用に徹するなら十分使えるハブです。

馴染みだしを何度も行って振れ取りとスポークテンションの均一化を行って仕上げます。

前輪845g
スポークテンションが均一になるように仕上げています
後輪1095g 重いホイールですが重いから走らないということではありません
後輪左のスポークテンションが高い

後輪左右のスポークテンション比率を見ますと非常に優秀です。後輪左75:右100の比率で仕上がるホイールはなかなかありません。これはリムが3mmオフセットしているリムを使っていること、ハブ幅が135mmということが理由です。

通常後輪が130mmのハブならテンション比率は50:100くらいで左が緩い出来上がりです。これはハブの構造上仕方のないことですが今回のホイールのような比率で仕上がることはなかなかありません。ホイールの販売価格は一応の目安になりますがホイールの良さを価格だけでは判断できないということがよくわかります。

今回のホイールは細いスポークを使った多スポークホイールなので地面からの衝撃は軽減します。このため長時間乗られても疲れにくいホイールとなっています。クロスバイクはホイールを替えれば性能は見違えるほどよくなります。自転車のグレードアップはまずホイールからです。

ピストホイールのご注文

ブログにご連絡いただきました。ピストホイールのご依頼です。

リムはご指定でTNIのAL22Wを使います。ハブ、スポークは手組ホイールファンからの提案でミケのトラックハブ(スモールフランジ)、ピラーのトリプルバテッドスポークTB2015(2.2/1.5/2.0mm)の組み合わせになりました。

後輪ハブ 307g 軽くはありません

ミケのトラックハブは結構重いハブですが軸棒に重量があるのが影響しています。しかし重いということは剛性があるということでもありけっして悪いことではありません。価格的にもこなれています。ベアリングは6001を使用しています。大きいので安心です。

スポークはピラーのトリプルバテッドスポークTB2015(2.2/1.5/2.0mm)です。細いスポークゆえにねばりがあり衝撃を吸収しますので疲れにくいホイールに仕上がります。

組み方は32穴リムでは標準仕様の3クロス組です。

ピストホイールの完組はとても少ないです。このため手組を依頼される方が多いように思います。

前輪861g
前輪スポークテンショングラフ
後輪954g
後輪スポークテンショングラフ  

リム、ハブ、スポークと部品をそれぞれ選んで作り上げていきますので完組にはない楽しさがピストホイールにはあります。勿論ロードのホイールも同じように部品を選んで作るのですが完組も沢山ありますので選択肢は多いです。その点ピストは既成品の数が多くないのでどうしても手組になってしまいます。

お客様はピストレースに出ると仰っています。競輪場でなくクリテリウムとして特設会場で競われますが、機材のお手伝いが出来てうれしいです。

46mm高28mm幅カーボンホイールの作製

定番のカーボンリムを使いましたホイールのご注文です。

リムはリムブレーキ用で46mm高28mm幅の穴ナシリムです。ブレーキ面はフロントのみオプションで強化しています。この強化リムは方向性がありますので使用には注意が必要です。ブレーキ面が強化されていますのでより安心です。ただ是非とも強化というわけではありません。通常のリムも実用では十分と思います。

後輪ハブ213g
前輪ハブ116g

ハブは以前の記事に紹介しましたDTSwiss240ハブです。リムブレーキ用のハブを先にお送りいただきました持ち込み品です。ハブ内容は3月2日の記事にしています。

いわゆるブティックブランドのハブで高級、高価なハブです。ハブの詳細を見てみますとさすがによくできています。値段は正直ですが何分高価なので勇気がいる買い物です。このような高価なハブをなんの心配もなしにお送りいただきましたのはありがたいなと思っています。

スポークはピラーのwing21です。サピムのCX-RAYより少し重いので剛性は高くなります。このスポーク選択はお好みですがホイールは20・24の少スポークなので剛性を上げるにはこのスポークの選択は正解と考えています。前輪を少し柔らかくしたいのであれば前輪のみCXRAYを使われても良いかと思います。

一般には最高のスポークがCXRAYと言われているのですが、よいスポークの一つと考えたほうが良いと思っています。スポーク選びは体重、本数、使用目的などいろんな条件で決めますのでCXRAYさえ使えば間違いないというわけではありません。

ニップルは固着防止剤が中に入ったDTのSquorxPro ブラスを使っています。高価なニップルですが安心です。

リムの入荷に時間取りますので製作に約一か月かかりました。リムが届きますと仮組は一日でできますがスポークテンションの調整には十分な時間をかけています。時間をあけて何度も調整することで狂いの少ないホイールに仕上がります。量産完組ではできないやり方です。

前輪698g
後輪827g

前輪698g後輪827g前後1525gと非常に軽量です。フランジ幅が広いハブなので横剛性が高いホイールが仕上がりました。

作製にはスポークテンションの均一化に注意しています。スポークテンションが均一なら前に進む力はどのスポークにも同じように伝わります。つまり駆動ロスが少なくなるということです。お客様のインプレが楽しみです。