前輪46mm高、後輪56mm高カーボンホイールのご注文

アルミリムホイールXR31T・RT、24・28hホイールをお使い頂いていましたお客様よりカーボンホイールのご注文をいただきました。リピートオーダーのお客様です。

前輪46mm高 456g 穴なし
後輪56mm高 489g 穴なし

ご指定いただきましたリム高リム幅は前輪が46mm高20h、後輪は56mm高24hで2:1組です。前輪後輪の高さを変えて乗り心地と空力の配慮をされた組み合わせです。

ハブもよく考えておられます。前輪はミケハブの20hです。台湾ハブよりは少し重いのですがベアリングが6001と大きいので安定感があります。ベアリング取り換えも楽なハブです。何より頑丈なところがいいです。

後輪はBITEXハブのBX301を使います。2:1組専用の24hハブでストレイトプルスポークが必要です。フリーの爪は6個ありアンチバイトガードがついていますのでスプロケットのかみつきを防止できます。価格も値ごろ感のある良いハブです。

 

リム、ハブをご指定されての作製です。言わば黒帯の方よりご注文いただきました。

きれいで存在感あります

カーボンリムは一般的なUD仕上げではありません。カーボンの網目がはっきりわかり存在感は驚くばかりです。白色のシールもご指定です。どこのメーカーなのだろうと目立つことは必至です。

 

ホイール作製に於きましてはスポークのテンション均一化を十分行い振れを最小にします。8:16の後輪はスポークの長さを決めるのにjベントのハブよりも長さの決定には注意が必要です。

どちらのハブもサイズの計測はしっかりと行わないといけないのですがストレイトプルスポークではスポークオフセットの数値がどのくらいあるのかを正しく測らないと正しい数値は出ません。スポークの伸びも計算の中に入れる必要があります。

前輪 702g
前輪スポークテンショングラフ
ミケハブ CXRAY使用

前輪

リム 46mm高28mm幅 460g

スポーク サピムCXRAY

ニップル DT SqourxPro ブラス黒

ハブ ミケ 20h

重量 702g

後輪 889g
後輪 スポークテンショングラフ
8:16組 コンペティション黒

後輪

リム 56mm高30mm幅 490g

スポークDTコンペティション ストレイトプルスポーク黒

ニップル DT SqourxPro ブラス黒

ハブ BITEX BX301 8:16組専用

重量 889g

 

出来上がりましたホイールは前後1591gです。乗り手よし、見た目よし、走りよし、三方よしで最高です。

ロングライドに適した32hホイールのご注文

ブルべ200kmなどロングライドの大会に参加される方よりご依頼いただきました。オーナー様は重量にはこだわらないので安心安全のホイールをご希望でした。

リム、ハブはお持ち込みです。リムはアラヤのAR713、ハブはシマノのティアグラハブです。ともに32穴用です。スポーク、ニップルは私が提案しました。

部品お持ち込み
アラヤ AR713

 

ロングライドになりますと安心安全のホイールが必要です。スポークがトラブルで折れても無事に帰れるホイールです。また疲れにくいホイールということも必要です。

 

ホイールは地面からの振動を伝えます。ダイレクトにハンドルへ振動が伝わりますと長時間乗っている間に手がだるくなりハンドリングにも影響してきます。

 

このようなマイナス要因を避けるにはホイールを選択することで疲れを防ぐことができます。ご意見はいろいろとあると思いますが一般的にはスポークが多いとスポークが地面からの振動を吸収してくれます。おまけにホイールは長持ちします。

スポークテンションを下げて調整するということではありません。スポークテンションはしっかりと100kgfはキープする必要があります。

 

ショックアブソーバーの役割として最適なスポークは中心部の細いスポークです。サピムでは1.5mmのLaser、DTではレボリューションの2点があげられます。2mmのストーレートになりますと剛性が高くなりすぎて少し不向きと思われます。中間の1.8mmスポーク、サピムRaceやDTコンペティションはオールマイティのスポークとしてお勧めです。ねじれにくく扱いやすいスポークです。

今回はLaserを提案いたしました。オーナー様の体重は60㎏台ですので32本のスポークは細くても十分対応できます。

 

お客様に前輪左右はLaser、後輪は左にLaser右にコンペティションと右側のドライブ側に剛性を上げる目的でコンペティションをお勧めいたしました。

提案をご了解いただきまして完成しましたのが写真の通りです。各スポークテンションはできるだけ均一になるようにして振れは最小にしています。完璧に納めることはできませんができるだけ近づくようにしています。ホイール仕上げのコツはこの2点が要です。

他にもいろいろと細かいお作法がありますがこの2つを押さえればいいのです。

 

あるお客様が「ホイール組初心者には希望を与え、ホイール組経験者には絶望を与えるチャート」と言っていただいていますこのグラフを参考にしてください。

 

数をこなす経験が必要ですがホイール作りは楽しいです。性能、出来栄えには差がありますが出来上がればうれしいものです。道具や時間の節約にはご一報いただければ幸いです。

前輪836g
前輪スポークテンショングラフ
前輪 左右Laser 3クロス組
後輪1080g
後輪スポークテンショングラフ
左Laser右コンペティション 3クロス組

出来上がりました。お受け取り後のご連絡にはインプレ送りますとのことでした。

とても楽しみにしています。

チューブラーホイールのインプレお送りいただきました

マビックのオープンプロ・チューブラーリムを使ったホイールの記事を書きました。

オーナー様よりインプレいただきました。ブログ掲載の承諾をいただきましたのでご紹介いたします。

マビック チューブラーホイール
後輪スポークテンショングラフ
マビック チューブラーホイール
前輪スポークテンショングラフ

チューブラーホイールは現時点ではカーボンホイール販売されているだけで完組ではなかなか手に入れることはできません。チューブラーホイールを試すには手組しかありませんがこのチューブラーホイールの良さを知ってしまいますとなかなかクリンチャーに変えることができません。

 

ホイールの宣伝になりますがチューブラーホイールを知っていただくうえでとても参考になります。以下いただきましたインプレです。

 

ある程度、乗ることができたので感想を書きます。

まず、最初に乗った時に「自分に合っている」ということを強く感じました。同じものをもう1セット作ってもらおうかな?と思ったほどです。それは、「力を逃さずに前に進んでくれるホイール」だからです。

特に感じるのが、ギアを大きくした時です。力がそのままスピードになるのがよく分かります。提案してくださったスポークが効いていると思います。乗っていて、すごく楽しいです。

このホイールの良さはそれだけではありません。次に、「長い距離を乗っても疲れが残らない」というのもこのホイールの良さです。疲れが残らないからこそ、毎日乗りたいと思えます。

疲れが残らないホイールになるのは、スポークテンションのバランスが良いからだと思います。スポークテンションが均一で(グラフを見てびっくりしました。機械でもここまで精度が高いホイールを作るのは難しいと思います。)乗り心地が抜群に良いです。

乗り心地において、32Hの手組とチューブラーは最高の組み合わせだと思っています。このような素晴らしいホイールを作ってくださり、ありがとうございました。これから暖かい日が続き、自転車乗りのシーズンです。しばらく乗り続けたら、また感想をお送りします。

最初の打ち合わせの時はスポークはDTのチャンピオン(2.0mm)でした。しかし剛性が強すぎるのでバテッドスポークのコンペティション(2.0/1.8/2.0mm)をお勧めしました。結果的にはこちらのほうが良かったようです。手組ホイールはいろいろな組み合わせができるのでお勧めしました。

チューブラーホイールはリムにタイヤを貼り付けるのですが貼り付ける方法として接着剤とテープを使う方法があります。本格的には接着剤ですがミヤタテープを使うと手軽にできます。私はテープ派です。ロングライドでのパンク修理にはテープでやれば簡単です。10分もあればパンクは直せます。クリンチャーよりも早くできます。チューブラーホイールのハードルは高くないです。

インダストリー9ハブを使ってカーボンホイールを作製

DTのRR411リムを使ったホイールを以前ご依頼いただきましたお客様よりディスクカーボンホイールのご注文をいただきました。

 

お客様は懇意にされているショップにハブを注文されていましたがホイールの作製はショップを超えて私のほうにご注文です。今まで何度も書いていますがリピートオーダーは本当に嬉しい限りです。

 

使用リムは36mm高28mm幅のカーボンリムで私のほうでは定番の穴なしリムです。前後ともに24hです。

I9 Torch 24h  112g
I9 Torch 24h 252g

ハブはインダストリー9のディスクハブです。入荷に3か月かかったそうです。今世界中で自転車部品は欠品が多く皆さん難儀されています。いろんな国のホイールビルダーさんのホームページを見ますとどのショップも部品が欠品していることを書かれています。それだけ自転車に対して見直されているということなのかもしれません。

 

さてこのインダストリー9のハブは新しい自転車が買えてしまうくらいの高価なハブです。見るからに存在感があります。高額のハブをお預かりしましたが少し緊張します。

 

このオーナー様はバイクフレームにあわせてハブの色を決められました。スポークはコンペティション黒で作ります。敢えてCX-RAYを使わないところに自転車に対するこだわりを感じます。

 

一般的には黒一色のホイールがほとんどですのでハブをフレームと同色にされるとオリジナル感が出てとてもいいなと思います。重量も前輪681g後輪816g前後1497gと非常に軽量です。リム重量は400gほどですので外周部はとても軽く36mmのリム高ですので空力も期待できます。平地にも登りにも対応できまさにオールラウンドホイールといえる仕上がりです。

穴なしリム使用36mm高28mm幅 1497g
前輪681g
前輪スポークテンショングラフ
後輪816g
後輪スポークテンショングラフ

完成しました。ブルーのハブが利いています。とても美しいホイールです。

DTSwiss DICUT PR1400ホイールの組み換え

DTSwissホイールを組み替えるご相談をいただきました。DICUT PR1400ホイールのハブを使ってカーボンホイールの組み換えです。このホイールの組み換えはこれで2回目です。

穴アリリム36mm高です
前輪670g
前輪スポークテンショングラフ
後輪811g
後輪スポークテンショングラフ
後輪ハブ ドライブ側 1クロス組
後輪ハブ 非ドライブ側 1クロス組
前輪 ラジアル組

ストレイトプルスポークを使ったDT240ハブですが一般に販売されているハブとは違う形状です。前輪は20hラジアル組、後輪は24h1クロス組です。後輪ハブは特殊な構造をしています。

ストレイトプルスポーク使用のハブ
DT aero comp® wide t-head

スポークはDTAero compというあまりなじみのないスポークです。ストレイトプルスポークですが頭部分はT-headという形になっています。つまり頭部分を叩いて平らにしてあるスポークです。ハブ内部におさまりが良いように加工してあります。金床でたたいて平らにすればよい話ですがうまく考えたものです。

 

ハブを計測しスポーク長を出しますとスポークをカットすれば新しいカーボンリムに使えます。リムは36mm高ですのでスポークのカットはどのスポークも10mmほどカットすればうまく再利用できます。リム高が46mm高になりますとスポークが使えないのでCX-RAYを使用などほかの方法を考えなければいけませんが今回はそのまま使えます。

ドライブ側でスポークを引っ掛けています

このホイールの後輪ハブはスポークをハブのドライブ側でスポークの頭をハブフランジに引っ掛けて使う方法を取っています。特殊な構造です。通常はハブにスポークを通すのですがこのハブではスポークの頭をハブフランジに引っ掻けます。通常のハブのようにスポークをハブフランジ穴に通す方法ではないこのハブの方式はは作業効率の良い方法です。しかしリムが穴なしリムの場合これが最大の難所となりました。

 

詳しい説明は割愛しますがとても難しいハブであることには違いありません。穴ありリムの場合にはこのハブを使うと簡単に出来上がります。とてもよく考えられたハブと感心いたしました。

 

仮組みには時間はかかりますがゆっくりと一つ一つスポークを通していけば組みあがります。あとはスポークテンションを上げていきます。カーボンリムの場合精度が高いので均等にニップルを回していけば割と楽に仕上がります。

スポークはDTAero Compという私には初めてでなじみのないスポークです。規格では1.2mmの厚みの扁平スポークということなのでスポークテンションの交換表でテンションの数値がわかるのですが念のためテンション校正器で調べることにしました。120kgfで0.35mmという値ですのでほぼ正確に測れることが分かりました。

 

リムメーカーのスポークテンション推奨値は120~130kgfです。メーカーの勧める値に仕上げます。なじみだしは3回行いました。最終のなじみだし後はほとんどスポークテンションの変化はありません。我ながらよくできたと思っています。お客様のレビューを楽しみにしています。

超軽量ディスクカーボンホイールのご注文

超軽量ディスクリムを使ったカーボンホイールのご注文をいただきました。

 

リムは45mm高でありながら390gと超軽量です。いつも使っているリムの高級版です。一本1万円ばかり高くなりますがこのリム高でこの重量は非常に軽量です。2本で約6万円、高いだけのことはあります。

後輪 391g 穴なしリム 28h
前輪 393g 穴なしリム 24h

ハブはBitexのディスクハブです。価格と性能のバランスが良いと思います。

 

スポークは前輪左右にサピムのCXRAYです。高級スポークを使っています。スポークホルダーを使えばねじれは防げますので非常に扱いやすいスポークです。ホイール作りのビギナーさんにお勧めです。1本350円以上しますのでなかなか簡単に購入できる価格ではありませんが扱いやすさや性能を考えると一番お勧めのスポークといえます。

後輪スポークは左側にCXRAY、右ドライブ側には剛性を高める意味合いで左側より太いDTコンペティションを選んでいます。

DT Squorx Pro アルミニップル

ニップルはDTトルクスを使いました。このニップルは通常ニップルよりも頭の部分が丈夫です。ニップルに関してはアルミをご希望されましたので強度の高いトルクスニップルになりました。

 

普段はガルバニック腐食を考えましてブラスニップルをお勧めしていますがオーナー様は天候がドライの条件で使用されるということでしたのでアルミトルクスを選ばれました。

前輪 641g
前輪スポークテンショングラフ
後輪 797g 28h
後輪スポークテンショングラフ

仕上がり重量は前輪24hで641g、」後輪28hで797gです。スポークが多いにもかかわらず前後で1438gです。やはりこの高級リムの利点は大きいです。外周部の軽さは非常に魅力的です。スポークが多いことは地面からの振動を吸収し乗り味が柔らかくなります。

 

ホイールは穴なしリムを使用していますのでテープ代はかかりません。意外とテープ代金はかさむものです。ホイール代は2万円ほどお高くなりますがランニングコストが少ないないことは結果的にとてもよい選択をされたと思います。

 

ホイールはすべてお客様とご一緒に作り上げていきます。アドバイスはいたしますが決められるのはお客様です。私は作製のお手伝いになります。

 

ホイールはいつものことですがスポークのテンションをできるだけ揃えています。カーボンリムは精度が高いのでテンションのバラつきが少なく、作る立場からいいますと調整は楽です。均一にニップルを締めつけていけば割とすんなりと仕上がります。

 

このホイールは仮組までが一番厄介です。穴なしリムですのでちょっとした力の入れ具合でポロンとニップルがリムの中に落ち込んでしまいます。そうなると作業を止めニップルが出てくるまでリムを振り続けなければいけません。ニップルを取り出してまた作業開始です。

 

仮組が終わりますと後は振れ取りですので作業は順調に進んでいきます。

 

こうして組み上げましたのがこのホイールです。前後で1438gと軽量ながらスポークは24・28hです。スポークが多いと安定した乗り味が期待できます。

チューブラーホイールを組ませていただきました

昨年お納めいたしました方より再度のご注文いただきました。

リピートのお客様は本当にありがたいです。いつも書いていることですが、まえ良かったから今回もということですのでうれしいことです。商いの醍醐味です。

リム、ハブを送っていただきました

ハブとリムはお客様よりお送りいただきました。

Duraハブ 145g
Duraハブ 368g 美しいです!

ハブは8速のオールドDURAハブです。今も性能は驚くばかりです。私個人的にはこの時代のハブのほうが現行ハブより好きです。出来が違います。センターオフセット値が小さいのでスポークの左右テンション差は現行の11速用よりも高い数値です。つまりホイールの走行性能としては現行ハブより上です。

 

細かくギアチェンジをされる方は11速が必要かもしれませんが私の走り方では8速、9速で十分です。しかし好きと仕事とは違いますので現行ハブもできるだけ良いパフォーマンスを得られるようには行っています。

リム重量 388g  軽い!

リムはマヴィックのオープンプロ・チューブラーです。昔はリフレックスと言っていました。現在なかなか手に入りにくいリムです。海外通販でもマビック製品は購入が難しいです。どのサイトでも日本には送れませんと書かれています。このリムを上手に手に入れられたと感心しています。

 

軽量リムながら剛性もしっかりしています。アンブロシオのリムとどちらがいいかと迷ったものです。久しぶりですがやはりいいものはいいです。

 

スポークの選択では私のほうからお願いしました。当初DTチャンピオン2.0mmのストレートスポークをご希望でしたがコンペティション2.0/1.8/2.0mm黒で十分剛性も得ることができますし軽量化できますとお願いしましたら私の意見を聞いていただきました。コンペティション黒でおつくりすることになりニップルは黒のブラスです。

前輪 759g
前輪スポークテンショングラフ
後輪 984g
後輪スポークテンショングラフ

いつものようにスポークテンションはできるだけ均一化を図って作りました。前輪759g、後輪984g前後1743gで仕上がりました。

 

リムの外周部は388gと超軽量リムです。ハブの中心部は若干重いのですが中心部の重さなので回転には影響ありません。テンションバランスも11速ハブよりはるかにいいです。見た目とは違う秘めた力を持っているホイールに仕上がりました。

 

いいホイールを作らせていただき感謝感謝です。

銀輪ホイールのご注文

銀輪ホイールのご注文いただきました。

前後 1623g

オーナー様は現在クロモリロードをオーダーされていますのでオーダーフレームの出来上がりにあわせてのホイールです。

 

なかなか銀輪リムを手に入れることは難しくいろいろ探しました。キンリンリムのXR26T/RTでは銀輪リムを作っていますので取り扱っている会社を探しましたらうまく見つかりました。ハブ、リムともに入手でき作らせていただくことになりました。

 

リム、ハブ、スポークはピカピカでクロモリロードにはぴったりの組み合わせです。

前輪 716g 
前輪スポークテンショングラフ
後輪 907g
後輪スポークテンショングラフ

シルバーハブはバイテックスRAR12,RAF12の組み合わせです。

Bitex hub RAF12 28h  2クロス組
Bitex hub RAR12  32h  3クロス組

スポークは前輪にサピムのLaser2.0/1.5/2.0mm、後輪左はサピムのD-light2.0/1.65/2.0mm、右はDTコンペティション2.0/1.8/2.0mmを使うことにしました。

 

スポークを使う場所に応じて選んでいます。まさに手組ホイールの良さがよく出ています。前輪にはショックアブソーバーの働きをするLaser、後輪は剛性を高めるために太いスポークを使うという組み合わせです。

 

使用するキンリンのリムは非常に軽量ながら剛性があります。キンリンのホームページを参照しますと使用アルミが違うようです。高さも26mm高で重量も460g前後です。空力も期待できるリム高です。

 

スポークテンションには最大の注意を払って作製しています。テンションのバラつきは5%以内に仕上げています。スポークのバラつきを押さえることで前に進む力をロスすることなく伝えることができます。素材を生かすうえでホイール組の一番大切なところと考えています。

 

前輪716g後輪907g 前後1623gです。ワイドリムで多スポークホイールとしては非常に軽量です。後輪にはオフセットリムを使っていますので左スポークテンションは通常よりも10%以上高い仕上がりです。これは駆動ロスを減じることにつながります。

 

2:1組のように組み方で左右テンション差を少なくするために凝った造りにしなくても左右のプルスポークを総動員して駆動に参加させる方法はとても理にかなった方法と思います。もちろん2:1組を否定しているわけではありません。それぞれ長所短所があるわけでこれが最良というものではありません。価格、重量などバランスが必要です。

 

特殊なハブを使わなくても好結果を得られる方法としてオフセットリムを使うことは最良の解決策と思います。

オフセットリムを使用したXR26T/RTは重量、高さなどとても良い塩梅です。これから大いに使っていこうと思います。ロングライドに適したいいホイールが出来上がります。

5セット目のオーダーを頂きました

DTのPR1400のハブを使ってカーボンホイールに作り替えるというご注文です。今回で5セット目のご注文です。

前回の記事にも書きましたがこちらの力を認めていただいているということですのでリピートのオーダーは本当にうれしいしありがたいです。

ベアリングはセラミックベアリング
スポークは扁平スポーク

ハブとスポークをお送りいただき、リムはこちらでご用意いたしました。

 

最初気楽に考えていましたが非常に難しいとことが後でわかりました。

DT aero comp® wide t-head 特殊なスポーク

扁平スポークは扁平部分が広くて私のスポークカッターでは切れないのです。

ハブ自体はストレイトプルスポークのハブですが構造がまた特殊でした。

T-head spoke を使った特殊構造のハブです

前輪はハブの寸法を計測すればラジアル組ですので割とすんなり寸法が出ます。後輪は特殊な作りのためスポークオフセットの寸法がすっきり出ません。

穴なしリム

リムはニップル穴なしのカーボンリムです。スポークにうまくニップルがはまらなかったらポロっとリム内に落ちてしまい作業を中断してニップルを取り出します。ニップルを取り出しにはリムを振って運に任せるしかありません。ゴロゴロとニップルが出てくるまで降り続けます。運が良ければポロっと出てきますが出ないときは3分以上振り続けます。

 

もう今回はお手あげでハブを変えてくださいとお願いしようかと思ったのですがせっかくお話いただいたのでやり遂げないとという変な意地が出ました。

 

前輪は割とすんなり作り替えが出来たのですが後輪は難儀しました。

 

ハブを最初見て2クロス組という先入観がありましてスポーク長の計算には2クロスで計算していました。1回目を組んでみたのですがスポークがゆるゆるです。理由がわかりません。計算ソフトにハブ計測の数値を入れて出た数字が違うのでハブをまた測りなおしました。

スポークオフセット値が違うのが分かったので再度スポークカットしなおし組み直したました。

 

果たしてまたスポークがゆるゆるでした。

 

じっとハブを観察してわかりました。ハブは左右共に1クロスのハブでした。ほとんどのハブは2クロスか3クロスのハブですが1クロス組のハブを初めて経験しました。1クロスのストレイトプルスポークハブです。注意不足でした。あとでこの話をお客様にしましたがお客様も驚かれていました。あとで確認の写真を送っていただきました。

DT PR1400 DICUT 後輪 DTホームページより

3度目です。1クロス組でスポーク長を出しスポークオフセット値も確認しまして組み直しますとうまく組み上げることができました。

後輪 805g
後輪 ドライブ側 127kgfで仕上げています
前輪 676g
スポークテンションを均一に  約125kgfで仕上げています

一時は音を上げたハブですがじっくり観察して完成することができました。

後輪 右DS側 1クロス組
後輪 左NDS側 1クロス組

勉強できたことは

 

初めてのハブはじっくりと観察し正確に計測することです。できれば完成品の写真があればよくわかります。

スポークカットではカッターに入らないスポークの処理の仕方も覚えました。

 

ホイール作りは奥が深いです。改めて感じました。今回で少し上達しました。難しいハブもこなせるようになりました。お客様のおかげです。

 

オーナー様は①前後ともにCXRAY使用、②前輪CXRAY後輪コンペティション、③DTハブDICUTの1クロス組ホイールと同じリムで3種類の組み方のホイールをお持ちです。

これらのインプレを聞かせていただけるのが楽しみです。

ディスクカーボンホイールのリピートオーダー

穴なしカーボンリムを使ったホイールのご注文です。オーナー様は1月に46mm高のリムで作ったディスクホイールをお買い上げいただきました。気に入っていただき2台目のディスクロードを注文されていますので新規のフレーム用にご注文いただきました。先のホイールが良かったで再度のオーダーをいただきました。

どの商いも同じと思いますがリピートいただけるのはありがたいことです。認めていただいたということですのでうれしい限りです。

前後 1448g
前輪 667g

後輪 781g
後輪スポークテンショングラフ

 

ホイールの詳細は次の通りです。

 

リム 36mm高28mm幅カーボンリム ニップル穴なし 前後ともに24h

ハブ TNI REVOディスクハブ 24h

スポーク サピムCXRAY 2.0/0.9/2.3mm 黒

ニップル DT squorx ブラス 黒

 

REVOハブは前後24hの穴数しかありませんので体重のある方は注意が必要です。80kg以上の体重がある方はスポークの本数を増やすほうが良いかと思います。24hでも乗れないことはありませんが私はお勧めしていません。

 

ディスクハブの場合センターオフセット値は小さいので130幅のリムブレーキ用ハブよりは左右のスポークテンション比率は優秀です。ハブ幅が広くなるということは重量も増えるのですがスポークテンションではこちらのほうが優れています。何事もトレードオフの関係です。

 

リムのセンター出しに関してディスクホイールはリムブレーキほどシビアでなくても良いのですがしっかりセンター管理は行いました。タイヤインストール後リムは少し強く引っ張っている方向に寄りますので0.2mmとほんの少しですが事前補正をしてセンターを出しています。

 

一番肝心なのはスポークテンションをできるだけ揃えることです。揃っていれば振れは出にくいです。しっかりとなじみだしを行った後テンションを一致させることが大切です。

 

リムメーカーのテンションばらつき度の推奨値は5%以内に仕上げてくださいとパンフレットに書かれています。もちろん5%以内に仕上げていますがこのハードルは結構高いハードルです。リム自体はとても精度の高い仕上がりですがご自分で組まれる方は注意が必要です。営業になりますができない方はお任せください。

穴なしリムはテープが要りません

穴なしリムを使用したホイールはリムテープがいらないのでメンテナンスが楽です。タイヤ交換はパンクの度にリムテープを交換するのは手間がかかります。テープ代も結構かかります。皆さんリムテープの代替品を探すのはよくわかります。

性能では36mm高のホイールは空力もしっかり得られとても軽量です。リム剛性が高いので踏み込んだ力が逃げません。駆動ロスの少ないホイールです。オールラウンドホイールとして活躍してくれます。価格、性能などブティックブランドに負けません。