フックレスリム使用36mm高カーボンホイールのインプレ

11月10日の記事にしています36mm高のフックレスリム使用のカーボンホイールのインプレをいただきました。熟練のライダーさんが感じられた印象記ですので細かいところも良く感じ取っていただいています。お客様より許可いただいていますので参考にしていただきたいと思います。

前輪 631g フックレスリム使用
36mm高フックレスリム使用 813g

以下原文です。

ホイールの感想です。

80km.1900m upのライドをしたファーストインプレッションです。

タイヤは「シュワルベプロ1TL 」

平坦 漕ぎ出しは完組と比べもっさり感あるものの、速度が上がればぐーーんと伸びる感じ。

30kmくらいの巡航はとても楽、手持ちの完組は尖った印象に対し、手組みは乗り味マイルド、踏み込みコシあり、よく転がりバランスがよい印象。

登坂 ぐいぐい登れる。踏むヒルクライムにはとても良いかも。手持ちの完組のヒラヒラ感とは違い、しっかり堅実に登る感じ。ホイール重量は手持ちの完組とほぼ同じですが、乗り心地の質の面でかなり違いを感じます、

今まで完組でないと走らないと先入観がありましたが、手組み、首折れスポークがここまで走るとは驚きです。今後のホイール選択に手組みも入ってきました。

趣味ライドで十分気持ちよくライドできます。

手組ホイールは走らないと思っておられたそうです。しかし実際はよく走ってくれているようです。良い印象で安心しました。優良可で点数つけますと優の下、良の上というところだと思います。気に入っていただきましてよかったです。

ホワイトインダストリーハブで46mm高ディスクホイールの作製

もう何度もご注文いただいていますリピーターのお客様よりホワイトインダストリーのハブを手に入れたので奥様用のホイールを作ってほしいと連絡いただきました。

リムは定番ホイールの46mm高リムを使います。スポークはどうしましょ?とお尋ねしましたら丸スポークがいいということでした。ドライブ側を1.8mm、非ドライブ側には1.5mmのスポークを提案しました。DTのコンペティション黒とレボリューション黒でお作りすることになりました。

前輪752g
前輪スポークテンショングラフ
後輪863g
後輪スポークテンショングラフ
穴なしリム テープがいらないリムです
ホワイトインダストリー 左右2クロス組
ホワイトインダストリー 左右2クロス組

オーダーホイールはこんなところが良いところです。スポークを選んで作り込んでいきます。スポークはとても大切な部品です。スポークの選択次第で乗り味が変わりますので実力、好みに応じたホイールを作り上げることが出来ます。

ご自分でホイール作りに挑戦したい方は高価なスポークですが扁平スポークで作ることをお勧めします。丸スポークは難しいです。特に1.5mmのスポークはねじれ易いので難しいです。理由はテンションを上げるときにスポークにねじれが生じます。これを防ぎながらテンションを130kgfまで上げるには技術が必要です。

扁平スポークなら容易にねじれを防止できますので簡単という訳です。これを考えますと性能が良くなると扁平スポークをしつこく勧めるショップには要注意かもしれません。Laserで組んでほしいと注文するとビルダーの腕前が分かります。

ハブの寸法データはホームページから得ることが出来ますが実寸を測るのがいいと思います。往々にしてホームページのデータは違っています。2度手間にならないようにするには正確に測ることです。

スポーク長の計算ソフトはいろいろあります。今の計算ソフトはスポークの伸びまで考慮してスポーク長を出すソフトまでありますのでいろいろ試されたら良いと思います。

リムは穴ナシリムを使いチューブレス仕様のホイールです。作るのは難しいホイールですがリムテープがいらないので取り扱いはとても楽なホイールが出来上がります。テープがいらないホイールの良さを知りますとなかなかリムテープ運用のホイールには戻れないとよく伺います。

前輪752g後輪863g軽量ホイールが出来上がりました。時間をかけて馴染みだしを行っています。ご夫婦で走ると伺っています。楽しいライドのお手伝いができまして喜んでいます。

フックレスカーボンリムで36mm高ホイール作製

CADEX36リムブレーキホイールの購入を考えておられた方よりご連絡いただきました。

手組ホイールファンの定番カーボンホイールが考慮中のホイールと似ていることからご連絡いただきました。

お好みのホイールを伺い、提案しましたホイールが次の仕様です。

リム 36mm高28mm幅フックレス 前輪20H・後輪24H

ハブ スターラチェット方式の台湾製軽量ハブ

スポーク 前輪 wing21

スポーク 後輪 左wing21 右CX-SPRINT

ニップル SquorxPro ブラス

フックレスタイプのリムです

リムはフックレスタイプの穴なしリムを使ってチューブレスホイールに仕上げます。ブレーキ面はオプションで強化タイプがあります。

サードパーティーのスターラチェット方式ハブ

ハブは台湾製のスターラチェット方式ハブです。DTの特許期限が過ぎ手数料を支払わなくてもよくなったのが増えてきた理由です。高価なDTハブでなくサードパーティーから手に入るようになりました。

スポークは空力の良いwing21を使い、後輪右は剛性を上げるためにCX-SPRINTにしています。

SquorxProニップルは高価なニップルですが固着防止剤が中に入っています

ニップルは高価なニップルですが内部に固着防止剤の入ったDTのSquorxProブラスニップルを選んでいます。

部品はお客様と相談しながら決めていきます。スポークテンションが揃ったオーダーメイドのホイールですのでご納得いただけると思います。仕上げは馴染みだしをシッカリと回数重ねていますので振れが出にくい仕上がりです。

後輪813g
後輪 グラフにするとわかりやすい
前輪631g
前輪 グラフにするとわかりやすい

今は円安で輸入部品の価格は値上がりしていますが完組のブランドホイールと比べると価格競争力はあります。理屈がわかる人が選ばれる、飾り気のない実質本位のホイールと思っています。後ほどインプレを送るといっていただきました。楽しみです。

ピストホイール再調整のご依頼

2年前にピストホイールをご注文いただきましたお客様のホイールの再調整の連絡をいただきました。

お送りいただきましたピストホイール ハブはDuraハブ スポークはLaser

先ずはホイールの状態を確認いたします。グラフにしますとよくわかります。次のグラフが今回の状態です。

スポークテンションのバラつき度が5%に上がっていますが大きな変化ではありません

納品時点のデータが残っていますので比較しますとよくわかります。

2年前納品時のスポークテンショングラフ

若干スポークテンション値は下がりましたが振れもほとんどありません。ピストホイールは左右テンションが前輪も後輪も同じスポークが寸法なので同じ値を示します。多少の差異はありましてもほぼ同じ値です。

スポークのテンションを揃えておきますと長く使われてもほとんど変わりません。これは振れが出にくいということになります。

数か所ニップルを回しました。この際スポークが供回りしないようにプライヤーレンチなどでしっかり押さえながらニップルを回します。

スポークテンションのバラつき度を改善しましたが大きな変化ではありません

出来上がりました。もとの状態が良く、大きな変化がなかったということで再調整の依頼を受けまして安心しました。

ジップ303後輪ホイールの調整依頼

2010年ころの古いジップ303後輪の調整依頼がありました。

シルバースポーク、シルバーハブは珍しい
後輪641g 軽量です
右ドライブ側はラジアル組 左非ドライブ側はクロス組

届きましたホイールがこのホイールです。昔この303を持っていましたので懐かしいです。

ハブ、スポークがシルバーです。今では別誂えのホイールでないと手に入れることが出来ないスタイルです。お客様もこのスタイルがお気に入りでクロモリフレームに取り付けておられるようです。

お預かり時点のスポークテンショングラフ

ホイールはいつも現状を確かめます。グラフにするとわかりやすいので一番にグラフで確認いたします。現状はスポークテンションのばらつきが大きく目立ちます。

組み方は右ドライブ側がラジアル組、左非ドライブ側はクロス組と変則組で仕上げています。この組み方で組むと左右クロス組よりも2~3%ほど左右比が改善できます。しかし右のラジアル組は駆動には参加しませんのでプルスポークが6本、プッシュスポークが6本ということになります。この組み方だから非常に駆動効率の良いホイールが出来上がるということはわかりません。今では珍しい組み方です。

リムについてですが、現在手に入るカーボンリムとこの13年前のリムと比べますと強度的には大きく変わっています。このリムではドライブ側のスポークテンションが100kgfありません。今のリムとは違いますのでこのテンションよりも大きくテンションアップをはかることは危険なのでやめました。

幸いにもこのリムはチューブラーリムなのでタイヤインストール後のスポークテンションは変わりません。クリンチャーリムならスポークテンションは大きく変わりますがこれについては心配は要りません。

左右のスポークテンション比率は約60:100を得られていますのでテンションアップは考えず、均一になるように調整を行いました。

調整後のスポークテンショングラフ

調整後のグラフを示します。これなら一目瞭然です。乗り味は大きく変わらないと思いますが安心度は増しました。

技術料+送料が往復かかりますが安心して乗れるということは大きなメリットと思っています。

MTBダートジャンプホイールの作製

シクロ選手の方からMTBダートジャンプホイールの作製依頼がありました。

もう長いお付き合いとなります。何セットもご注文いただいていますお客様です。組み上げに評価をいただいていると思っています。

TNI ED30リム 496g
前輪ハブ 163g エンドキャップは取り換えできます

今回はTNIリムとシルバーハブをお送りいただきました。スポーク、ニップルはこちらで用意します。ダートジャンプホイールの前輪はブレーキがないと伺いました。通常の32Hのフロントハブです。エンドキャップが取り換えできるタイプのハブです。

スポークはいろいろスポークの提案をしました結果コンペティション黒に決まりました。ニップルは12mmのニップルにしています。リム内の中央部が浅いので長いニップルは使えません。このようにリムの高さがない場合ニップルの長さを考えないといけません。後ろから締めることもできるダブルスクエアタイプは便利なニップルですがこのようなリムに深さがないタイプには使えないので注意が必要です。

前輪ホイール 883g
リムベッドは浅いタイプのリムです 長いニップルは使えません
3クロス組

組み方は3クロスで組みました。リム径が650タイプのリムでスポーク長が短くなります。これはホイールの剛性が高くすることが出来ます。中央部が1.8㎜のスポークで十分剛性が得られます。

スポークテンションを揃えることでトラブルが少なくなります

前輪ホイールは駆動に大きく影響しませんが振れが出にくいホイールにするためにはやはりスポークのテンションを揃えることが大切です。いつものことですが重要なポイントとして作製しています。

Primeホイールをピストホイールに組み替え

ハブとホイールをお送りいただきました。こちらではスポークとニップルを用意してピストホイールのご注文です。

お預かりのホイールです

最近ピストに乗るようになりましたがとても面白いと思います。クランクを回した時はダイレクト感があってロードバイクとは違います。シンプルな構造も気に入っています。

プライムホイールはとてもハイテンションで作られていました。価格を考えますととてもよくできたホイールと思います。しかしメンテはどうするのかを考えて購入されるのが良いかと思います。買った時からメンテは始まりますがなにか不都合なことが起こった時に直せるかが問題です。自転車屋さんに持ちこんでも直してくれないと思っておくのが良いかと思います。自分で直せるか直せる環境があるのなら購入されるのは良いかと思います。しかし昨今の円安ではあまりメリットもないかもしれません。IKANのホイールはアマゾンでも高くなっているので驚いています。安く買ってもメンテが出来なければ心配です。

話題を戻します。

グランコンペのハブ

ハブはグランコンペの両切りハブです。ホイールのスポークテンションは左右同じに仕上がりますのでとても剛性が高いホイールが出来上がります。ピストが面白いのはこれが理由かもしれません。踏み込んだ時の反応は驚きです。

ホイールをばらしました。ストレートプルスポークのハブを使ったホイールです。すべてばらしてリムだけ取り出して組み直します。

スポークはピラーのWING21で組みました。スポーク長を出しますと262mmのスポークです。リムが50mm高です。スポークが短いので太いスポークでなくても剛性の高いホイールが出来上がります。

ニップルがダブルスクエアを使いましたのでテンション調整は後ろからでも締め増しできます。これが出来るニップルは扱い易いので通常の12mm、14mmニップルよりもテンション調整には良いかと思います。少し値段が高いのですがわずかなことなのでお勧めです。

完成しましたピストホイール

完成しました。何度も馴染みだしを行います。一度乗ってから調整するのが一番いい方法ですが遠方のお客様なのでそれもできません。時間をあけて調整する予定です。

SACRAホイール前輪のスポーク替え

ACRAホイールの前輪スポーク2本が歪んで取り換えの依頼がありました。メーカーは廃業されましたので部品調達などのメンテは大変かもしれません。

前輪623g 18h

お預かりホイールの前輪エンドキャップははめ込み式ではなくネジ式でした。5㎜のアレンキーを2つ用意してひねれば簡単に外れます。

スポークはストレートプルスポークでニップル側を緩めればあとは容易に外せます。少しの勇気と慣れで進めることはできます。作業は簡単ですが精度の高い道具が必要です。このような作業がお好きな方は自分でやるのが楽しいと思います。費用対効果を考えますとビルダーに任されるほうが安心です。

①スポーク長の確認用 ②③傷んで取り換え

スポークの長さを確認するために傷んでいないスポークを1本外して長さを確認致しました。ホイールには予備のスポークが3本ついていたようです。このスポークを使い取り換えます。外したスポークの長さを調べて予備スポークの中から選びますと1本だけカットすればいいことが分かりお預かりスポークから取り換えスポークを2本準備しました。

2本取り換えました  スポークは歪んでいました

スポーク2本を取り換えるだけではきれいな仕上がりにはなりません。スポークを外した時点でほかのスポークはバランスが崩れています。すべてのニップルを緩めて組み直すほうがうまく調整できます。急がば回れです。

調整しました 出来るだけスポークテンションを揃えています

スポークの取り換えと調整が終わりました。何度も馴染みだしを行います。組みかえですが方法は新しくホイールを作るのと同じです。フレが出にくいホイールにするには手間を惜しんではいけません。

BoraOne 50の調整

BoraOne50を購入された方よりご連絡いただきました。程度のよいホイールを手に入れたのですがやはり心配なので見てほしいとのご相談です。

ハブはそのままで、ニップルを回すだけの調整になると思いますがそれでも良ければお送りくださいとお返事しますと送ってこられました。

200サイズの箱に丁寧にいれてお送りいただきました 上の箱が160の箱です
タイヤがついて820g 軽量です
タイヤがついて997g とても軽量です

200サイズのとても大きな箱に入れられてお送りいただきました。傷がつかないように養生されて梱包を見ただけでも自転車愛が感じられました。

ホイールの点検をしましたところ前後ともにフレは少しありました。0.3~0.5㎜の振れを調整しましたので前後ホイール共に5,6カ所ニップルを回しただけの調整です。やはり高価なホイールはよくできています。

調整は簡単といえば簡単ですが全く初めての方には勇気がいると思います。ホイールは壊れはしない頑丈なものですが扱うには専用の道具が要ります。

このBoraOneは一般的なニップルレンチは使えません。ニップルのサイズが大きいのでパークツールの赤色、黒色ではニップルは回せません。専用のレンチが必要です。使われているスポークは扁平スポークなのでスポークの供回りを防ぐ道具も要ります。振れ取り台もがっちりしていないと微妙な振れが分かりません。

ほんの少しニップルを回すだけでですが理屈が分かっていないとできないと思います。難しい作業です。そのために高い送料を出してまでしてお送りいただきました。

BoraOne 50を点検してわかったことですがこのホイールのスポークは細めのスポークです。メーカーはわかりませんがサピムならCX-RAY、DTならエアロライトクラスのスポークで高級スポークを使われています。

お客様はダンシングで走るとシュータッチがすると言っておられました。ホイールは乗り手との相性がありますのでこのスポークでは少し剛性が足りないのかもしれません。力のあるライダーさんにはスポークの剛性が合っていないのかもしれません。

こんな場合はブレーキのシューを少し広げて擦れないようにするか、スポークの剛性を上げてホイールがよれないようにするしかありません。

今回のお客様にはスポークの交換までしなくてもいいのではないでしょうかという提案で終わりました。もう少し乗ってみて答えを出すということです。

お預かり時点では少し風邪をひいたぐらいの振れでしたので数か所のニップルを回して直しました。結果をグラフにしまして診断書がわりにしていただきました。

前輪スポークテンショングラフ
後輪スポークテンショングラフ

いくら程度が良いホイールといいましてもリユースの場合はやはり心配です。往復の送料と工賃は出費といえば出費ですが安心料と考えていただければ良いかと思います。お客様にはご納得いただきました。

次のホイールは手組ホイールファンにご注文いただけそうです。ありがたいことです。

トラックホイールのご注文です

ハブとリムをお送りいただき手組ホイールファンではスポークとニップルを用意するというご注文です。

AL31W 493g 31mm高でこの重量は軽量です
ノバテック トラックハブ 前輪20H後輪24H

リムはTNIのAL31Wです。ノバテックのトラックハブでお作りします。

スポーク長はハブとリムを正確に測ることが大切です。使いますスポークはDTコンペティション シルバー、ニップルはピラーのダブルスクエアです。

コスパ、性能をよくお考えいただきお客様が選ばれたスポークでした。とても使いやすいバテッドスポークで中央部がショックアブソーバーの働きをしてくれます。扱い易い優秀なスポークでお勧めです。

最終のホイール部品詳細は次の通りです。

TNI AL31W 前輪20H 後輪24H

ハブ ノバテック トラックハブ

スポーク コンペティション シルバー

ニップル ピラー DSN シルバー

出来上がりのホイール
前輪 ラジアル組
スポークテンションが揃っているので振れが出にくい
後輪 2クロス JIS組
トラックの後輪は左右テンションが同じなので駆動効率は高い

ホイールの作製では出来るだけのスポークテンションの均一化を図り、できるだけ振れを少なくする。何度も馴染みだしを行う。文章にすれば簡単です。これを守って作り上げます。

AL31Wリムはよく走るリムで剛性がとても高いお勧めリムです。ホイールは体重による地面に接している部分は凹んでいます。この連続で前に進むのですが剛性が高いとこの凹みが少ないので駆動ロスは少ないというわけです。アルミリムの中ではトップクラスの剛性です。

力のある方は剛性の高いホイールを選ばれます。重量は大切な選択要因ですがそれ以上に剛性は大切で今回のリム選択は理にかなっています。