レーシング3ホイールの調整

レーシング3の調整する機会を得ました。

前輪669g
後輪917g
2:1組です

後輪スポークが一本折れてご自分で直されたのですがどうも調子が悪いようです。見た目は変わらないのですが以前のように走らないと言っておられます。

前輪は非常にいい状態です ほとんど触るところがありません

お送りいただきましたホイールを点検しました。スポークのテンション状態を見ればよくわかります。グラフにしてみましたところ前輪は非常によくできていました。3か所さわりましたがテンションが変わるほどではありません。グラフで見ますとよくわかります。左右のグラフがきれいに円になっています。

ドライブ側 非ドライブ側 共にバラつき度が高いです

後輪はやはりスポークテンションが揃っていませんでした。テンションバラつき度も大きくなっています。スポークが折れてバランスが崩れた上に再調整後も引っ張る力が少なくてほかのスポークにも影響しているのが分かります。

調整後の後輪です スポークテンションばらつき度が少ない(いいということです)

再調整しましたホイールグラフです。スポークテンションが揃っているのが分かっていただけると思います。

最近ゾンダにBora、レー3とテンション調整が続いています。手前味噌になりますが今までスポークテンションのことばかりブログに書いてきましたのでおわかりと思います。スポークのテンション調整が一番大切です。

ホイールは振れ取りが終わればいいということではありません。ホイールメーカーも細かいことまで説明しません。強度、軽さは強調しますがスポークテンションのことまで説明すると墓穴を掘ります。テンションを揃えるにはとても時間が掛かりますので1万円のホイールに時間をかけることはできません。一般には振れさえなければいいホイールです。

隠し味を利かしたホイールは高価です。当たり前のことですが調整に時間が掛かっているのです。手間賃を考えれば当然です。秘伝のたれは自分で作れないことはありませんが時間が掛かります。ご自分で穴ナシホイールを直せる力のある方もホイールをお送りいただきました。正直うれしいです。

クロスバイク用ホイールのインプレいただきました

4月4日の記事にしていますクロスバイク用ホイールのインプレをお送りいただきました。

結論から言いますとホイールは気に入っていただきました。お客様はご自分でホイールのシールまで作られて存在感を高めておられます。これはとても参考になりました。

シールはご自分で作られました
トレックのホイールではありません
トレックのホイールではありません

今まで何度かシールのことはお客様より提案いただいていました。本腰を入れて作ろうと思っています。

今回のホイール提案の際、ホイールにもお寿司屋、うなぎ屋のように松竹梅ばありますが梅でいかがですかとご提案しました。そのホイールが今回の梅ホイールです。

あとで松、竹ではどう変わりますか?とお尋ねいただきました。変わるのはハブとスポークですとお答えしています。台湾ハブの軽量ハブを使いますと約300g、シマノハブでは約500gと200gの差があります。スポークもサピムCXRAYのような上位スポークを使えばスポークの値段は3倍以上価格は違います。しかし性能は何倍も違いうのかといいますと数ワットの違いです。レースに出るのなら最上位スポークがいいかもしれませんが普段使いのホイールなら梅クラスのホイールが良いとお勧めしました。

ハブはシマノの下位グレードです。スポークはバテッドの丸スポークを使っています。

シマノハブは乗る人が育てるハブです。玉あたりを上手に調整すればグレードに上も下もありません。どちらもとてもよく回ります。グリスアップを怠らなかったら長く使える丈夫なハブです。

長い前書きとなりました。

今回のホイールはブログの記事にさせてくださいとお願いしていましたので少し加点いただいたかもしれませんがご感想をお送りいただきました。ホイールは予想以上であったことがよくわかります。読者さんにもホイールをお勧めいただきました。

以下原文です。


15年使った街乗りクロスバイクのホイールを変えようと探してもほとんどがディスクブレーキ仕様でした。

リムブレーキで探すと 手組みホイールファンがヒット。
早速連絡をすると松竹梅のメニューがあるが梅仕様をすすめられました。
梅は重いので漕ぎ出しが少し重く感じられるが走り出すと良く走る旨でした。

実際には取り外したボントレガー アルミホイールより軽かったです。

素人ながらの感想は良く走ります。
漕ぎ出しも違和感なくスピードに乗ります。
段差もボントレガー製に比べショックが柔らかいです。

リーズナブルな価格で街乗りクロスバイクには十分な性能です。
おススメします。

ありがたいインプレでした。

オーダーホイールなので決してお安くはありませんがお高くもありません。こちらの説明をご理解いただきご注文いただきました。お客様とはとてもいいご縁をいただきました。

Bora One 50の再調整

Boraのスポーク調整依頼を受けました。

通販のページから写真を借りました

結論から申し上げますと非常によくできたホイールでした。ニップルをさわることはさわったのですがほんの数か所でほとんど調整はしていません。お客様は改めてご自分のホイールがいいホイールだということを確認できて安心されたと思います。フリクションなくクルクルよく回り、欲しい!うらやましい!欲しい!と思いました。

穴ナシリムです
リムが銀色に光るのはバランス取りされているからです
ドライブ側のスポークテンションは約120kgfです  均一です
スポークテンションは均一に張っています

このような高級ホイールを使ったことがありませんのでとても興味深い、楽しい経験をさせていただきました。

このホイールはさすがに最上級の仕上げや管理をされたホイールと感心しました。組み終わってから何度も馴染みだしをされていると思います。長く乗られてもほとんど振れは出ていません。いわゆる手間が掛かっているホイールでした。お金は正しいのかもしれません。買える方なら購入されるのをお勧めします。間違いありません。

ほとんどメンテナンスがいりません。これは大切です。こういう機械ものは買った時からメンテナンスが始まります。勿論ほったらかしはいけませんが適時のグリスアップさえ怠らなかったらいつまでも調子がいいと思います。機械さわりが好きな人には残念なホイールです。

ホイールメーカーも振れ取りがいらないですよということで作っているのかわかりませんがこのホイールはニップルレンチが通常のレンチでは回せません。4mm幅の一般には売っていないニップルを使っていますのでパークツールなど販売されているニップルレンチでは全く使えません。これには驚きました。たまたまですが使えるニップル回しを持っていましたので回せたのですが一般的に販売されているレンチは使えません。合うレンチがなければそのままお返しすることになったわけですから良かったです。

このホイールのオーナーさんでご自分で振れ取りする方はおそらくないと思います。勿論、こんなホイールを持っておられる方はメンテはメカニックさんにやってもらうものと思っていられるでしょう。

ホイールの細部を観察しまして感じたことですが、

やはり長く乗られるのならメンテが出来るショップで買われるのが良いかと思います。残念ながらメンテできるショップといいましてもホイールを組めないショップも多いです。ショップ選びの目利きがいると思います。

メンテフリーの逆手を取るのもありと思います。つまりある程度乗り続けて鮮度があるうちに売ってまた新しいホイールで楽しむという方法です。これを出来る人は少ないと思いますが常に最良の状態で楽しめます。

この度はとても優秀なホイールということを知ることができました。ありがたいことです。

ここからは厚かましいですが手組ホイールファンの宣伝です。

Boraのハブは2:1組なので同じハブは用意できませんがBoraと同格のリムは用意できます。スポークも同じです。性能はBoraと比べたことがないのでわかりませんがそんなに負けていないと思います。手組ホイールファンのホイールを使って表彰台に上がった人もおられます。価格が3分の一なので手組ホイールファンのホイールも結構やります。残念ながら無印なので優越感を得ることはありませんが負けてないで!とやる気を得ることはできます。

ゾンダホイールの再調整

お客様からのご紹介でまたご縁が広がりました。

Y様からの紹介であたらしいお客様より今乗っておられるゾンダを再調整してほしいと送ってこられました。ゾンダのスポークテンションを調整します。

前輪684g

後輪916g

先ずスポーク状態を調べてみることにしました。グラフにしますとわかりやすいです。現状を知るということはとても大切です。

左右のテンションが違いますのでセンターは少しずれています  左右共に均等に張られていますので優秀です
右ドライブ側のバラつき度が約12%ほどあります 左は6.5%です  完組では普通でいいほうです

前輪、後輪ともに少しさわれば良いという程度で、とてもよく回る良いホイールでした。いつも思うのですがゾンダはよくできています。

以下ホイールの現状と作業状況です。

前輪  左右の振れを見ながらスポークテンションを揃えます

前輪

若干左右のスポークテンションの平均値が少し違っていますのでセンターが少しずれています。全体のスポークは均等に張られていますのでばらつきは少なくグラフはきれいな形をしています。左右のスポークテンションの平均値を揃えることでほぼセンターがでます。

後輪  右ドライブ側を揃える  左は振れとのバランスで頃合いの良い点を見つけます

後輪

スポークはドライブ側のテンションバラつき度は11%ほどあります。しかしこのくらいのバラつきは完組では一般的な数値です。完組ホイールはまず見た目を重視しますので振れがないように組まれています。売り物ホイールでは振れが大敵です。ホイールにとってスポークテンションを均一にするのがとても大切なことですがこれは次のこととして扱われるようです。つまりスポークテンションを均一にするまで調整すると時間が掛かります。作業効率は下がりますのである程度で打ち切るということです。

スポークテンションのバラつき度を5%以下になるように調整しました。バラつき度の数値は少ないほどいい状態ということです。今までに出会ったDuraホイールのバラつき度は5%くらいでしたので作業の目標としましてはDura以上を目標としています。今回のホイールはとても程度がいいのであまりさわるところはありませんがテンションメーターを使って確認取りながら作業を進めました。

以下、このホイールの細部を見ての感想です。

●スポーク数は前輪が16本、後輪が21本です。少スポークホイールの典型で、やはり70kgまでのライダーでないとホイールのパフォーマンスを得ることは難しいと思います。自転車屋さんは体重まで聞いてくれるところは少ないと思いますが体重制限アリと理解したほうが良いと思います。体重のある人には向かないホイールです。

●リムは穴ナシ構造にしています。組み立てでは時間が掛かりますがリム全体を強化するということでは成功しているよく考えられたリムです。

●リムは余分なところは削り取り軽量化を図っていますがスポークニップル穴の周りはアルミリムの厚みがあり強化されています。

●スポークはストレイトプルスポークですが後輪右と左は太さが違います。前輪スポークと後輪左スポークが同じです。後輪右側は少し太くなっています。

●ドライブ側のクロス部分には綾が取られていません。最近は綾を取らないホイールがふえています。

●リムは穴ナシリムです。スポーク替えなどの組み替え修理は一般的には難しいです。

●ニップルはがっちりとロックタイトのような固着剤を使われて固めてありますのでニップルは回しにくいです。

さて、調整が終わりました。この度の作業だけではほとんど大きな変化はないと思いますが、ホイールの現状を知ることが出来ました。このことが重要と思います。まめなグリスアップ、タイヤの選択、適切な空気圧の調整、流行言葉でいいますとマージナルゲインを積み重ねることで良い成果が出ると思います。お客様のご感想が楽しみです。

カンパのことはカンパに聞く

ゾンダのハブを分解して新しいカーボンリムを用意してチューブレスホイールを作りました。前々回の記事にしています。

ゾンダのハブはシマノと同じカップアンドコーンのハブですが少し造りは違います。ハブを分解するのは簡単ですがシマノハブと比べますと細かいところが違います。取り扱いの経験数から言いますとシマノハブがほとんどでカンパはたまに扱うという感じです。

カンパニョーロ ホームページより

やはり慣れていないハブを扱うときは注意が必要です。こんな時はメーカーが出しているホームページからサポートのページを探して再確認しています。

カンパのことはカンパに聞く、これが一番早道で間違いがありません。いつもはシマノのホームページを参考にしていますが今回はカンパのホームページにあるサポートの欄をよく読んで復習してからハブを分解しました。

カンパニョーロホームページより  的確で分かりやすい

シマノのサポートページもよくできていますが、カンパもわかりやすいです。順序通りにやれば出来るようになっています。大きなメーカーの部品はサポートがしっかりしていますので安心です。

ゾンダホイール、スポーク替えのお勧め

カンパニョーロのアルミホイール、ゾンダは皆さんがいいホイールだと認めています。自転車屋さんではゾンダかレー3を買っておけば間違いありませんと勧めてくれます。いわばアルミホイールの指針的ホイールです。

しかしゾンダに長く乗っていますといくら名ホイールでも不満が目立ってきます。

先ず考えられるのは剛性不足です。ゾンダは前輪16本、後輪は2:1組の21本でスポークが構成されています。空力とホイール重量を意識されているのでしょう、スポーク数が少ない設計です。

ホイールの剛性はスポークの総面積に比例しますので体重が75kg以上の脚力ある方には少し剛性が足りないとホイールです。いくら自転車さんが勧めてくれるブランドホイールでも剛性が足りなければ不満が出ます。

上 ゾンダより取り出したスポーク 下 DT コンペティション
前輪16本で83gでした

ゾンダ前輪スポークを取り出して重量を量ってみると16本で83gでした。1本5.2gです。DTのコンペティションは16本で100gなので1本6.3gのスポークとなります。差異はほんの数グラム増となりますが太いスポークに取り換えますとホイールの剛性は格段に上がります。

先ずは後輪右ドライブ側のスポークを取り換えて剛性を上げますと走りは見違えって変わります。コーナーのハンドリングを安定させたいのなら前輪も太くされたら良いと思います。

最近ボントレガーの後輪ホイールのスポークを取り換えました。細いスポークを太いスポークに交換されたお客様がおられますので格段にホイール剛性が上がったことは実証済みです。

カーボンホイールに取り換えれば剛性は上がりますが出費も大きいです。今ゾンダに乗っておられる方で登りの時にシュータッチを経験されているパワーライダーの方には是非ともスポーク替えをお勧めします。剛性不足のホイールはシュータッチを起こしますので簡単にわかります。

ゾンダは穴ナシリムなのでスポーク替えは難しいですがひとつ挑戦するのも良いかと思います。手組ホイールファンではスポークの代金と工賃なので費用もそんなに掛かりません。ブログ記事を宣伝で終わるには恐縮しますが安価に性能アップするということでご理解ください。

ゾンダ15c前輪をカーボンホイールに変身

長い間使わずに置いてあったゾンダの前輪を使ってカーボンホイールに作り替えることにしました。すでに後輪ホイールはカーボンに作り替えています。これはすでに21年11月30日の記事にして発表していますので参考にしてください。

分解前のホイールです  662g
特別軽くはありませんが重くもないりむです  穴ナシリムなので剛性は高い

今回新しく作るカーボンリムはすでに作り替えてある後輪と同じ36mm高の穴ナシリムを使います。ゾンダの穴なしアルミリムの重量を量ってみますと445gでした。リム穴部分のリム高を測りますと26mmなのでスポークは単純に考えますと10mm短いスポークを用意すればいいです。勿論ハブを計測してスポーク長を出します。

使用スポークはCX-RAYより少し重いスポークです  16本で組むなら少し重めのスポークが必要です

スポークの重量を調べました。16本で83gです。1本約5gなのでサピムのCXRAYと比べますと少し重いスポークです。このスポークはサピムではcx-sprint、DTではエアロコンプが同等品といえます。やはり16本なのでCXRAYのような4gスポークでは剛性が不足すると考えられたようです。

今回はスポークを切って使う予定でしたがホイールから取り出したスポークには切れる余裕がなく新しいスポークを用意しました。

使用するスポークはDTのエアロコンプで取り出したスポークとはほぼ同じ重量です。新しく組み替えるにはストレイトプルスポークを使っていますのでハブを分解しなくてはスポークを通せません。

シマノハブは約150g ゾンダは120g 軽くはありませんが丈夫です
ゾンダはカップアンドコーンの造りです

分解してハブを見てみます。ゾンダのハブはとてもよくできています。カンパニョーロのホームページからテクニカルマニュアルを事前に確認しておくとわかりやすいです。

組み方はラジアル組なのでハブ穴に通せば終わりです。比較的簡単に組みあがりますが穴ナシリムなので仮組が終わるまでにはそれなりの時間はかかります。スポークの本数が少ないので振れ取りにはそれなりの慣れが必要と思います。

前輪663g

スポークテンションを均一にして組み上げました。馴染み出しを何度も行いますと後からフレが出ることも少なくなります。今回のハブはリユースハブですが逆に当たりがでた調子のよいハブに成長しています。

鍋料理の残り汁で作った雑炊は特別おいしいです。使い古したホイールも上手に使えば蘇ります。使い切りたいものです。

このサドルは使える

関西人はいいものを安く買った時は恥ずかしげもなくこれなんぼやってん、ということが多いし、周りの人はそれを面白がってくれますし、品のないことだとは言いません。いいものを安く買った時は皆さんとてもニコニコしていますし、友達はよかったね、どこでこうたん?といっています。関西ではそれが普通の光景です。

安価ですが使えます

サドルが傷んだので新しいのを探していましたら通販でこれを見つけました。千円とちょい(関西ではこの言い方でとおる)でこのサドルを購入しました。

長年使ったのでべとついてきました

今まで使っていましたサドルはこのサドルの10倍以上していました。見た目がシャープなデザインで30cmの長さがあるのが気に入っていました。ショップの人がサドルには相性がありましていろいろ試さないと良さが分かりませんが、これはいいサドルですよ、サドルはスピードに関係ないのですが大切ですよ、というアドバイスでした。

この助言でブランドサドルを購入したのですが今回のサドルを買ってみてとても複雑な気持ちです。

千円ちょいの値段に驚きます

安価なサドルですが価格10倍以上のサドルと比べても遜色なく使えます。100gほど重くなるのですがレースに出るわけでもないので1gでも部材を軽くしたいとは思いません。

ブランド品は確かに品質基準がしっかりしていますので安心なのは確かです。しかしブランドというフィルターを取り払うと安価なものでも十分使えるものが沢山あります。いい年してちょっと遅いのですが今頃になってわかりました。関西人だけでなく安くていいものはうれしいものです。

31mm高24mm幅アルミリム使用チューブレスホイール作製

リピーターの方からご連絡いただきました。いつもお客様は部品を指定されます。勿論こうしたらどうですかと相談しながらホイールを作り上げていきます。

今回はリム、ハブを先に指定されています。

リム キンリン XR31T/RT 前輪20H後輪24H

ハブ ノバテックA291SB20H F482SB24H

スポークは前輪を細いスポークであればエアロスポークの2クロス、後輪左は細いスポークに右を2mmの太いスポークで剛性を上げるというプランでした。

一般には前輪20Hはラジアル組が多いのですが2クロスで組むのは珍しいです。シクロ選手がよく使うようですが横剛性が上がりクロス組の為乗り味が柔らかくなるといわれています。この辺りは長く乗り込んで比較できる知識がある方でないと分からないと思います。

後輪リムは3mmオフセットしていますのでこれでスポークテンション比率は大きく変わります。前輪と同じ形の通常リムを使った場合より左右スポークテンション比率は10%くらい違います。

左前輪用 右後輪用3mmオフセット

後輪左は細いスポークで3クロス組、右は太いスポークで2クロス組と指定されています。いわゆるヨンロクという組み方です。左のスポークテンションを高くするという方法のようです。計算上では左2クロス組より1%アップします。

このようなプランからスポークを前輪はサピムのCX―RAY、後輪左はピラーのトリプルバテッドスポークTB2015(2.2/1.5/2.0mm)、右はホイールスミスDH13(2.3/2.0mm)のシングルバテッドスポークを提案しました。

部品は連絡を取り合って決定していきます。この部品はいかがですか?というようなやり取りです。

前輪2クロス組
左3クロス組 右2クロス組

組み上げは出来るだけスポークテンションを揃えて、出来るだけ振れを取ります。出来上がりましたらストレスリリーブと呼んでいます、馴染みだしを何度も繰り返して完成です。

前輪705g 2クロス組 乗り味は柔らかくなります
後輪913g 左3クロス組 右2クロス組

同じようにアルミリムを使って前輪20H後輪24Hのホイールが販売されていますがやはりオーダーホイールは乗り手の体重、乗り方にあわせて作ります。

リム、ハブ、スポーク、ニップル、4つの部品の組み合わせですがとても奥が深いです。ホイール沼にはまり込むとなかなか抜け出せませんが、少しは試されても良いものです。

ゴローの登山靴をオーダーしました

登山靴メーカーの「ゴロー」の記事が朝日新聞3月27日の夕刊に大きく載っていました。

手がけた登山靴12万足以上、職人を志した大学3年の体験とこだわり

この表題に吸い込まれました。職人さんの写真も大きく出ていました。

山から帰ると洗います 乾かしています

実は、長年ゴローの靴をオーダーしたいと思っていましたので昨年8月に行ってきました。今愛用しています登山靴はゴローの靴です。山の仲間には東京まで新幹線に乗って誂えに行ってきたといいましたら驚かれました。

若い時から冒険家の故・植村直巳さんが履いておられたということでゴローの靴に憧れていました。ミーハーですがこれも山登りのモチベーションを高めるにはいいことと思っています。

今はモダンな登山靴が主流なので皮の登山靴は珍しいのですが履き心地は抜群です。

プロの人が採寸してくれます

オーダーするには足形を取ってから、主に使う場所はどんなところなのかとかいろいろ尋ねてくれました。何種類かの靴を提示していただき、どの種類の靴がいいとアドバイスをいただきます。私の場合右足と左足が5mm違いました。この足の寸法差にあわせて靴もオーダーできますよといっていただきました。オーダー品の良いところです。

5mmの違いは足を入れたときの感覚で判るのですが私にはそこまでこだわることもなかったので結局は左右同じの既成サイズで注文しました。

上の写真は山に行った後、靴を洗って乾かしていいるときの写真です。今まで履いていた靴ではこんなにまめに手入れすることはなかったのですが、今では毎度靴を洗っています。乾いた後のワックス掛けは結構楽しい時間です。

長い枕でしたが、さて本題です。

ホイールもオーダーすると走りが変わります。体重に、乗り方にあわせて作るホイールは疲れにくいホイールです。既成のホイールは幅広い乗り手に合うように作っています。どちらかといえば硬いホイールが多いです。60kgの人も90kgの人も同じものを選ぶしかありません。当然ホイールは90kgの人にあわせて作ってあります。こうすれば60kgの人も使えます。大は小を兼ねますので。

ゴローの靴で山に行きますと山仲間からその革靴はどこの靴?とよく聞かれます。ゴローの靴です、疲れにくい靴ですよとちょっと自慢気に答えてしまいます。手組ホイールファンのホイールもこんなイメージを目指しています。