カップアンドコーンのハブで容易に手に入るのはシマノの製品です。しかしユーザーが容易に手に入るハブの穴数は限定していまして28、32、36穴のハブがほとんどです。ディスコンになっている古い製品には18、24、28、32、36とバリエーションがありました。しかし残念ながら現状ではこのようなハブは販売されていません。
ここで奇策を取ることにしました。完成品のホイールからハブを調達するわけです。シマノのエントリーモデルは価格的には驚くばかりです。こんな価格が成り立つのかといつも思います。
前輪20H後輪24Hのカーボンホイールを計画しているのですが軽量の台湾製ハブを使用すれば簡単ですがベアリングの調整が必要ながらカップアンドコーンのハブで作ったホイールが欲しいというユーザーさんも沢山おれらます。
新品のシマノホイールから目的のハブを取り出して使うことにしました。一粒で2度おいしい使い方です。ハブとリムは2回使えますが取り出したスポークは2mmスポークなのでほとんど活躍する場面がありません。このため2mmスポークがたまる一方です。
今回新しく取り寄せたホイールはシマノのWH-R500です。重量は862gです。決して軽くはありませんが乗る人の用途に合えば素晴らしいホイールです。今回は新品状態ですぐに分解となりました。
新品の状態でスポークテンションを調べてみました。結構優秀です。しかしこの状態からスポークをいつも行う馴染みだしを行いますと次のようになりました。15%くらいテンションは下がりました。
スポークテンションは大きく緩み、ばらつきも大きくなっています。こうなった理由はホイールメーカーの馴染みだしにはプレス方式を取っているからです。リムを固定してハブを押して馴染みだしする方法です。作るのにスピードを要求するホイールメーカーでは仕方ないことでしょう。
馴染みだしの足りないホイールはホイールをフレームに取り付けてしばらく乗るとこのようになるということです。おまけにタイヤをインストールしますとまた10~15%テンションが下がります。これがエントリーモデルはだめだといわれる原因かもしれません。本当はとてもよく走るホイールです。高価なアルミホイールに決して負けるホイールではありません。ただし調整が必要です。
いっそのことラベルを外すのも良いかと思います。安物ホイールを使っているという心理的な影響があるかもしれません。ホイールはとてもプラセボ効果が出る部品です。安物を使っているという負い目が走りに出るかもしれません。冗談ですが…
ホイールは見た目が大切です。購入の際、先ず振れがないかを皆さん調べます。このポイントは大切ですがもう一歩踏み込んできっちりストレスリリーブ(なじみだし)が行われたホイールかということが大切です。勿論価格的にはメーカーとしては手間をかけることはできないわけです。メーカーは見た目を大切にしています。おまけによく走るホイールになってしまいますと高級品が売れなくなります。わかっていてもやらないのが現状かもしれません。
①前輪20後輪24Hのカップアンドコーンハブにはシマノのエントリーモデルがある。性能は優秀です。シマノハブはユーザーが育てる必要があります。これがポイントです。
②ホイールを作る力があれば取り出したアルミリムは重量がありますので剛性の高いホイールを作ることが出来ます。軽いだけが走るホイールではありません。剛性が大切です。
③調整をしっかりすれば本当はとてもよく走るシマノエントリーモデルです。スポークを替えればなお一層よくなります。
このようにシマノのエントリーモデル称されるホイールは2度楽しめるホイールです。ディスコンになる前にまた買おうと思っています。部品不足に悩むことはなくなります。