ゾンダ後輪ハブでG3カーボンホイール作製

ゾンダの後輪ハブを使って36mm高カーボンホイールを作りました。もちろんゾンダと同じニップル穴のないリムをオーダーしました。

リムはリムメーカーに寸法をしっかり指定して作ってもらいました。左非ドライブ側には純正スポークを切って使い、右ドライブ側はコンペティションにしました。純正スポークは扁平部分が邪魔をしてスポークカッターが使えません。ねじは切れますので1本ごとに切ってスポークを用意しています。今回の作業はスポークカッターがあるから出来る仕事と思います。なければ難しいでしょう。

スポーク長の出し方はとても大変でした。ハブ実寸を計測したのですが一発でうまくいきません。スポークオフセット値の撮り方が難しかったです。組み立ててはばらす作業を何度も行いました。少しずつデータを取って仮組が終わりました。

仮組が終われば後はニップルを締めこんでいくだけです。通常の作業です。出来上がりはよくできたと思います。

①リムの手配

②スポーク長の計算

③穴なしリムを使う

④厄介な組み立て

ゾンダハブ使用カーボンホイール
後輪882g
カーボンリムはスポークテンションを揃えやすい

とてもハードルが高く作り甲斐のあるホイールでした。出来上がりは882gです。以前購入のゾンダ現物は874gでしたのでほぼ同じ重量です。左右のスポークテンション比は約72:100です。通常のハブでは左が右の半分以下ですのでとても優秀です。 リム高が少し高くなり、外周部がカーボンで軽くなりスポークが重くなったということはホイールの剛性が上がり且つ空力がアップしたと考えます。

1346g超軽量アルミホイールのインプレをいただきました

ヒルクライムは不思議なスポーツです。しんどいけれど達成感がとても大きいと思います。皆さんがのめりこまれるはよくわかります。下りは注意が必要ですがレースとしては割と安全です。

さて、キンリンのXR200ナローリムでヒルクライム用として特化したホイールのご注文をいただきましたお客様よりインプレお送りいただきました。1300g台のホイールはやはり武器となると思います。ホイールは8月にご注文いただきましたがご都合があって最近乗られたようです。

前輪586g
後輪760g

以下インプレです。

組んで頂きましたホイールを、今日やっと履いて走ることが出来ましたので簡単ですがインプレさせていただきます。
本日、150km、2800mupのライドで、組んで頂きましたホイールを使用してみました。
タイヤはVittoria Rubino Pro Speed G+ 23c 新品、バイクはScott addict 2015、 ホイールの比較対象はキシエリPRO SLになります。
登りですが、やはり軽さは正義ですね。客観的に判断してもキシエリより速く登れました。また、嫌な振動も無く、滑るように回ってくれます。工作精度を感じさせてくれました。 ケイデンス90弱位でクルクル回しながら乗るのが気持ちいいホイールと思います。
平地巡行は真っ直ぐ走る分には大丈夫です。ただ、リムハイトが無いし、軽いのでスピード維持は楽ではないですね。
下りですが、タイヤなのかホイールなのか分かりませんが、ヒラヒラし過ぎて正直、怖いです。コーナーでバンク角が1発で決まってくれません。平地巡行でもヒラヒラ感はありました。

結果としては、ヒルクライム専用ならオススメします。ゾンダ買うよりコレ買って余ったお金をタイヤやスプロケットに回した方が幸せになれますね。半目、今日のようなライドだと、トータル的にはキシエリの方が楽に走れますね。登り以外は結構、気を遣います。タイヤのせいかも知れませんが…

私は登り専用に組んで頂きましたので満足しています。 (AL22Wだと、もっと安定してくれますかね?)

お客様はヒルクライムに特化されていますのでキンリンのXR200リムは結果的によかったようです。しかしホイールはこれ1本でオールラウンドOKとはなかなかいきません。今回のご注文のように的を絞ったホイールはとても上手なやり方で楽しいホイールと思います。ホイール沼は広くて深くなかなか一度入り込むと抜け出ることはできませんが趣味の世界ですのでいろいろ楽しむのが一番と思います。

ゾンダスポークを測って見ました

ゾンダのスポークを測りました。278mm10本で約60gです。私はスポークをグラム数で区分けしていますのでゾンダのスポークは6gスポークです。

ゾンダ 右ドライブ側スポーク 10本 59.5g

扁平スポークなのでCX-RAYのように見えるのですが軽いスポークではなかったです。重いスポークでコンペティションとほぼ同じです。コンペティション284mmを10本測ってみました。62gです。6グラムスポークです。

コンペティション黒10本 62g

ゾンダは前輪16本後輪21本のスポークを使っています。こんなに少ないスポークで剛性を出すにはやはり重いスポークでないと剛性は保てません。

折れたり、ゆがんだりしてスペアスポークを手配しないといけないとき高価なスポークを購入しなくても6gスポーク、コンペティション黒を代用すれば使えます。純正スポークを購入しなくても見た目さえ気にしなければコンペティション黒で十分代用できると考えます。

歪んだスポークを取り換えました

この8月にお買い上げいただきましたお客様より連絡が入りました。林道を走っている時に小枝がスポークに挟まりがこけられたそうです。お怪我がなくてもよかったですが、前輪が小枝でロックされスポークに大きな力が入り歪んでしまいました。

丁寧な梱包です ホイールバッグで送られました
大きな力でニップル穴が歪みました
アンビルの上で叩いてリムを修正
写真上スポークが大きく歪んでいました

お送りいただいたホイールを調べますとリムも少し歪んでいます。スポークを取り外し直せる範囲でリム面を叩いて歪修正しました。もとには戻らないですが使える範囲には収まります。ニップル穴も少し変形しましたのでニップルワッシャーで補強しています。

リムはキンリンのXR31T/RTリムで剛性があるのか大きな歪は出ていません。一部歪みみましたが十分使える状態でした。このリムは本当に優秀です。

8月納品時のスポークテンショングラフです
修理後のスポークテンショングラフ 均一にしています

スポークのテンションをチェックして仕上がりです。何度もなじみだしを行います。こうすることで振れは出にくくなります。テンションの状態をグラフにしましてデータと一緒にお客様にお返ししました。

ゾンダかレー3

いつも走るコースでカンパのホイールに乗っている人に私はホイール屋ですので声をかけることがあります。

ハブでわかりますので並走しながらカンパのホイールですか?と聞きますとゾンダです、と多くの方が答えてくれます。

ゾンダはどうですか?ともう一度尋ねますと、よく走ります、もうこれで十分ですという人が結構おられました。

そりゃそうです、普通サラリーマンのライダーさんならそんなにとっかえ、ひっかえホイールを替えるわけにはいきません。

☆が沢山のゾンダ wiggleホームページより

皆さんいろいろネットで調べ、評価を参考にします。自転車屋さんにもホイールのことを相談するとゾンダかレー3を買っておけば間違いありませんという答えが大概返って来ます。また、試乗会で試乗してもガンガン走れるわけでもありませんので詳しく比べることが出来ません。つまりネットショップの評価、自転車屋さんだけが参考になります。

最近のことですがヒルクライム用として軽量ホイールをご注文いただきました。ご依頼主は2017年にヤフオクに出品しましたシマノホイールをお買い上げいただいた方でした。今回のホイールで2セット目のお客様ということです

何故新品のシマノホイールを出品したかといいますとホイールのテンションを調べたかったのです。データを得られたのでヤフオク出品しました。

WH-010シマノホームページより

ヤフオク出品の時のデータです。残していました。

調整前の後輪ホイール
調整後の後輪ホイール

約1万円の新品シマノホイールWH―010を丁寧にスポークテンション調整して出品しましたところお買い上げいただいたわけですが今でも快調に走り、別に持っておられるゾンダよりもよく走ると評価されています。

シマノのエントリーモデルがゾンダよりもよく走るという話は興味深いお話です。理屈の分かったお客様です。

ブランドの力は大きいです。おまけにどこの自転車屋さんも援護射撃してくれます。購入するほとんどの人はいろいろ乗り比べた人ではありません。2000gのホイールから1500gに交換したら違いが大きくでるのは当然です。ゾンダ、レー3がいいのは当たり前です。

確かにゾンダ、レー3を選べば間違いありません。これは正しくその通りです。否定しません。しかしながら1万円のシマノホイールはよく走ると思っています。ホイールをよく知っている人たちの意見です。

知り合いの方でゾンダを続けて乗っておられた方が久しぶりにシマノのエントリーモデルを乗った時の感想です。このホイール、よく走る!と再認識されたようです。

この方はビギナーの時はホイールが悪くて走らないと思ってゾンダに替えたのですが長く乗っている間に地力がついたようです。少し重いエントリーモデルでもしっかり回せる力がつきました。結果的にシマノエントリーモデルのホイールは悪くないと思われたようです。

そうです、力がまだまだの時には重いホイールは走らないと思いますが重いホイールは剛性が高いです。力のある人はホイールの剛性を求めます。力がつくと剛性が分かるようになるのでこの話は理屈に合っています。

クリスキングのハブが届きました

カーボンホイールのご注文いただきました。クリスキングのハブを希望されましたが残念ながら私のほうでは適当なハブを手配することが出来ませんでした。いろいろ連絡のやり取りの結果ハブはお客様が手配されることになりリム、スポークは私のほうで準備しますということで商談は進みました。

今回のリムはハイグレードリムなので在庫していません。入用買いを行っています。ハイグレード軽量リムは通常より時間が掛かります。

お客様はクリスキングのハブを手配され先に送ってこられました。10万円以上もするハブですがお送りいただきました。お客様とはメールのやりとりだけです。お顔合わせて商談というわけではありません。それなのにこちらを信頼していただき高価なハブをお送りいただいたことに感謝いたしています。

憧れのクリスキングハブですが特徴はこんなところにあるのかもしれません。

・自社製作の精密ベアリング

・丈夫で軽量

・メンテナンスがほとんど不要

・見て美しいハブ

・豊富な色を選べる

・みんなが羨む、とても大切なポイントです

リムが届くのはもうしばらくかかると思いますが毎日ハブを眺めてニヤニヤしています。美しいハブです。

2:1組 46mm高カーボンホイールの作製

アルミホイールを2セット、カーボンホイールを1セットと3セットご注文いただきましたお客様よりリピートオーダーのご連絡いただきました。

既に1セットカーボンホイールをご注文いただいていますので今持っておられる2台のフレームに前輪を兼用して後輪2セット用意するという組み合わせです。なかなかうまく考えられました。

お持ちのホイールは前輪46mm高28mm幅、後輪ホイールは56mm高30mm幅です。今度は後輪のリム高を46mm高にして10mm低いホイールで乗り比べるといっておられます。

タイヤも変えて試される予定です。28mm幅と25mm幅のタイヤの違いも比べられる予定です。いろいろ試されたこと教えていただきますのでありがたいです。

16:8ストレイトプルスポークハブ 

リムは右16本左8本のスポークで組みますので2:1組用に別注しています。ハブはバイテックスの16:8ストレイトプルスポーク専用ハブです。

1:1組の場合スポーク長を出すときに計算ソフトは沢山ネットで発表されています。しかし2:1組の専用ソフトは適当のものがありません。このためエクセルで計算しています。

注意点はスポークオフセット値をしっかりとらえることです。

ストレイトプルスポークハブではスポーク長がとてもシビアに反映されます。もちろんこれはJベントでも同じですがハブの計測で間違えやすいのです。スポークオフセット値を正確に測らないとうまくいきません。

組み立ては準備をしっかりとしてしまえばJベントのハブよりも組み立ては楽です。

Jベントもストレイトプルスポークも仮組が終われば後は同じことです。しっかりスポークテンションを揃えることです。

後輪868g
カーボンリムはスポークテンションを均等にするのに適しています

出来上がりは868gです。グラフでわかりますが左右のスポークテンション差が小さく仕上がります。リム剛性が高いので駆動ロスが少ないホイールです。今回はホイール比較の感想も教えていただけると思います。インプレが楽しみです。

35mm高超軽量カーボンホイール作製

リピートオーダーのお客様です。

登りが得意の方で剛性が高く、軽いホイールが欲しいと連絡いただきました。当初はアルミリムでのお話でしたがこんなカーボンリムもありますよと提案しますとトントンと話が進みました。

35mm高28mm幅で357gは軽量です

リムは35mm高28mm幅で350g台の穴なしリムです。リムテープが不要です。以前このブログで紹介したことがあります。このリムはいかがですかということで提案しますとお決めになりました。

ハブはTNIのREVOハブ、スポークはCX-RAYです。私がお勧めするディスクカーボンホイールの定番部品です。

空力面で考えますともう10mm高いほうが空力がよいと思いますが扱いやすいのはこのリムハイトと思います。

特にクルクル回す乗り方の方には相性が良いでしょう。ホイールはとても個性が出るパーツと思います。リム、スポーク、ハブ、ニップルのたった4つの部品で作りますがとても奥深いものとつくづく実感いたします。

仮組に1日かかります。スポークテンションを適正に上げて作りこんでいくのですが日を開けたほうが出来上がりは狂いが出にくいです。テンションを上げた各スポークがなじむといいますか落ち着くようです。時間をあけてなじみだしを行いながら仕上げていきます。トータルの作業時間は6時間ほどですが日を開けていますんで完成には3日かかります。

各スポークのテンションをできるだけ揃えて振れを最小に仕上げて完成です。

前輪629g CX-RAY使用
前輪スポークテンショングラフ
後輪745g CX-RAY使用
後輪スポークテンショングラフ
前後合計1374gのけいりょホイール完成です

前輪629g後輪745g合計1374g

非常に軽量ホイールが完成しました。登りに強いホイールです。

40mm高30mm幅フックレスカーボンリムでディスクホイールの作製

これで3セット目のご注文をいただきました。幅30mm深さ40mmのカーボンリムですが重量は400gを切っています。リムはフックレスタイプでニップル穴はありません。

40mm高30mm幅で395gは軽いです
特殊な形状しています。空力向上のためです
ニップル穴はありません

穴なしリムはテープがいらないので扱いはとても楽です。

フックレスタイヤを使用しますので空気圧は低めです。このため乗り味はとても柔らかくロングライドに適しています。

スポークは高級ホイールの定番スポークCX-RAYを使います。ねばりがあり、リム高のあるホイールにはとてもいいように思います。ホイールには好みがはっきり出ますのでもっと硬いほうが好みならドライブ側を少し太くすることもあります。乗り方次第で変えられるのも手組の良さといえます。ニップルはDTのSquorxProのブラスニップルです。丈夫で安心のニップルです。

SquorxPro ブラスニップル 15mm 丈夫です

ハブはTNIのREVOハブを使いました。ブティックブランドのハブではありませんがコスパの良い優秀ハブです。

このハブの輸入元トライスポーツでは最近品切れになりました。早く再入荷をお願いしたいのですが今の部品不足の状況では難しいようです。私の在庫も少なくなりました。

シマノホームページより引用

ホイールの組み方は前後ともに2クロス組です。シマノ方式で組みます。

スポークテンションはリムメーカーの推奨値が前後ともに120~130kgfです。テンションメーターは校正して使っています。

できるだけスポークテンションを均一にします。簡単そうに見えますが難しいです。当ホイールのウリの一つです。

前輪662g
スポークテンションは均一にします
後輪779g
スポークテンションは均一です

お客様からは3セットご注文いただきました。それぞれ個性がありますので行先に応じて変えられているようです。今回のホイールのインプレと今までのホイールの比較が楽しみです。

46mm高28mm幅カーボンホイール作製

当ブログにご連絡いただきました。顔を合わせての商談ではありませんのでやはりお客様はご心配と思います。ご納得いかれるまでご説明いたします。何度もメールのやりとりをしましてこのホイールに至りました。

当初は前輪46mm後輪56mmで商談が始まりました。当然穴なしリムです。

46と56ではリム幅が違います。ブレーキ、フレームにリムが入るかも気をつけなくてはいけません。リムの重量も違います。使用するタイヤもリム幅が違うので25mmが良いのか28mmなのかも相談しました。スポークもCX-RAY、ウイング21のどちらかにするかといったことを細かく決定していきます。

前輪

46mm高穴なしリム スポーク ウィング21 使用
このデータをお客様にお渡しします

後輪

46mm高穴なしリム スポーク ウィング21 使用

最終的に前後とも46㎜リムで決定されました。仕様が以下の通りです。

リム 46mm高28mm幅 カーボンリム 20・24hニップル穴なし

ハブ ノバテックA291SB 20h F482SB 24h

スポーク ピラー ウィング21

ニップル SquorxPro

ピラー ホームページより

ウィング21はまだまだこれからのスポークとおもいます。しかし性能は素晴らしいです。CX-RAYと比べて12本で4~5g重いです。ほとんど重量は変わらないのですがわずかでも重い分だけ剛性は上がります。空力も形状が比翼型ですのでCX-RAYと比べて数ワットいいようです。ブランド力ではCX-RAYのほうが知られていると思いますがこっちもいいなと徐々に広がって行くと思います。

お客様はウィング21をご存知ですぐに決められました。提案してよかったです。

いつものようにスポークテンションをできるだけ揃えてフレは最小に仕上げています。

そしてなじみだしは十分回数を取ります。テンションが揃っていればほとんど振れは出なくなります。テンションメーターは校正して正しい数値を把握しています。ベテランビルダーでもスポークを握ってわかりません。人の感覚はいい加減なものと思っています。

お客様には出来上がりのデータをお示ししています。やはり安心感が違います。お互いに疑問がないようにしていきたいと思っています。ホイール使用後のインプレが楽しみです。