ご注文いただきました銀輪ホイールのインプレをお願いしていました。
お客様からいつも走られるコースで乗られた印象を写真と一緒にお送りいただきました。
私がこのホイールいいですよとお勧めしましてもやはりお客様からのインプレが一番安心できます。通販会社の星マークと同じですが、このブログでは何も編集しないでそのままの印象を発表したいと思っています。
私にもホイールの改良点を見出すことができますし、ブログ読者さんもインプレを参考にホイール探しができると思います。
以下、お送りいただきました文章そのままです。ブログに発表させていただくことを念頭にお送りいただきました。
昨日、40kmほどライドしてきました。獲得標高500mほどのヒルクライム、ダウンヒルを含むコースです。
インプレをお知らせします。
自転車はラレーCRF(クラブグリーン)。三ヶ島のフラットペダルにハーフクリップをつけています。
ライダーは体重64kg。週に一度程度、40~100kmほどのライドをしています。
以前はスペシャライズドのアレースプリントに乗っており、ホイールは完組だとゾンダ(C17)、レーシングゼロ、レーシングゼロカーボン、ROVAL CL50などを使ったことがあります。手組ホイールはナローリム(リム幅20mmほど)のマビックオープンプロを使ったことがあります。
今回のホイールはご提案いただいたキンリンのワイドリムXR26を使用したものです。リム幅は24mmありますので、25cタイヤにぴったり。同じタイヤ(GP5000)をオープンプロにつけていた時は、リム幅が狭いので、タイヤも細く見えていました。前後とも32Hの多スポーク。ハブはシマノ105(R7000系)。重量は前輪805g、後輪1058g、合計1863gと近年の完組ホイールに比べれば重いですが、リムハイトが26mmある割にリム重量は470g前後とそこそこ軽量です。もっと軽量なハブ、小スポークを選べば1600g以下にもできると思いますが、今回はロングライド向け+剛性感のあるホイールにしたかったのでOKです。
チューブレス対応のホイールですが、ビットリアラテックスチューブにGP5000で運用しています。以前、ROVAL CL50でシュワルベプロワンTLE+カフェラテックス40ccでチューブレス運用していましたが、空気圧を同じ(フロント6.2BAR、リア6.8BAR)にすると乗り心地に違いはありません。どちらも極上です。重量的にもほぼイコール。転がり抵抗はビットリア+GP5000の方が数値的に低いそうですので、パンク対応の手軽さからも今後、クリンチャー運用していくと思います。
【見た目】
非常に地味(笑)ですが、狙い通りのきれいな銀輪ホイールで満足しています。クロモリはアルミ・カーボン車に比べるとチューブが細いため、30mm以上のリムハイトになると違和感が出てくると思います。個人的には26mmあたりまでが無難にまとまる限界かなと思います。ラレーはクロモリのなかではチューブが太めですが、もっと細いパイプを使用しているクロモリの場合は、同タイプのシルバーリムで22mm(XR22)がお勧めです。しかし現在、世界的なパーツ不足で、市場に出回っていないそうです。黒いリムなら在庫があるようですが、やはりクロモリにはシルバーリムが似合います。22mmハイトを狙っている方は、在庫の復活を待つのがベターです。
【漕ぎ出し】
特筆すべき点はなし。ホイール全体の重量は重めですが、ワイドリムのゾンダ(480g程度?)より軽いリムのため、嫌な重さはなく、軽快に漕ぎ出せます。もっともっさりするかと思っていましたが杞憂でした。
【加速感】
時速25~30kmくらいに至るまでの加速が思いのほかスムーズでした。軽量なカーボンホイールに比べれば劣りますが、簡単に巡行速度まで持っていくことができます。
【巡行】
速度維持が楽です。足を止めても、すぐにスピードが落ちません。26mmハイトなので、多少はエアロ効果も出ているのでしょうか。レーゼロカーボンは最高の加速性がありますが、リムが軽量過ぎて(390g前後)、足を止めるとスピードが落ちていきます。私が常用する速度域(25~35km位)だと、ROVAL CL50と大差はないように思いました。
【ヒルクライム】
飛びぬけた性能はないものの、リム・ハブとも剛性があるので、グイグイ上ることができます。ホイールが寄れて、ブレーキシューにタッチすることもありません。別のホイールを使用していた時は、10%を超える斜度になってくると、ケイデンスが落ちて、時速10kmを下回ってしまうことが多かったのですが、このホイールだと10kmを下回ることはありませんでした。低速になった時、力が逃げないのでふらつかず、安定している印象です。
【ダウンヒル】
このホイールの一番優れているポイントはダウンヒル性能だと思いました。ワイドリムになったことでエアボリュームが増えたことと、ハブの剛性感が高く、安定性が抜群です。ROVAL CL50と同等の安定感を感じました。普段時速56kmほどで下っていた箇所で、60kmを超えたのですが、まったく不安がありませんでした。まだまだ飛ばせそうな気配です。ブレーキもよく効きますし、ハブの回転性能もかなり高いのではないでしょうか。
【まとめ】
尖った性能はないものの、全体的にバランスの良い、コスパに優れた優良ホイールです。クロモリに似合う銀輪ホイールのデファクトスタンダードになり得ると思います。見た目はクラシカルですが、性能は現代的。クロモリには見た目的にも性能的にも、ゾンダよりこちらをお勧めします。もっと見た目をクラシカル寄りにしたい方は、XR22のシルバーリムを入手し、トラディツィオーネやホワイトインダストリーズなんかのハブで組めば最高と思います。105ハブはシルバー色ですが、塗装したシルバーですので、金属そのものの質感とは異なります。
手組ホイールに使用するシルバーリムは当初、ベロシティのA23かH Plus sonのアーキタイプを検討していました。どちらもリム幅23mmのワイドリムですが、一本あたり9000円~13000円ほどします。キンリンXR26は重量はほぼ同じで、24mmのワイドリム、送料は別ですが一本あたり6000円ほどと、お値打ちです。
今回、はじめて手組ホイールファンさんに依頼させていただきましたが、各パーツのメリット・デメリットを細かく提示してくださり、終始安心してやり取りすることができました。キンリンのシルバーリムも提案いただかなければ知らないままでした(黒リムがあるのは知っていたのですが)。組み上がったホイールも、丁寧な仕事ぶりがわかるものです。この度はありがとうございました。
とてもありがたいご連絡でした。ほめていただくと正直言いましてとてもうれしいです。