私の道具について⑿

テンションメーター

 

私はテンションメーターがいる派です。たくさんブログを拝見していらない派、いる派があるようです。

スポークを握って感じ取るのですとか言っている人がいるのです。

いらない人はいらないということにしておいて私は「いる派」ですので「いる派」の考えを述べたいと思います。

 

テンションメーターはあった方がよいがなくてもホイールは出来ます。ホイール製作で一番大切なことは振れを最小にスポークテンションは最大限一致させるということと考えます。適切なテンションでスポークを揃えるにはやはりテンションメーターがあった方がわかりやすいと思います。

 

メーターを使わずにスポークを弾いて、音を聞いてテンションを揃える方法があります。手慣れた人はこの方法を使っているようです。

スポークの音を聞いて揃えるのはいいのですが最初のキーの音を決めるのにやはりテンションメーターがあれば解かりやすいと思います。

 

私は今使っているテンションメーターはパークツールのTM-1とデジタルテンションメーター2台を使っています。

WiggleのH+SON手組ホイール感想

Wiggleで手組ホイールが販売されています。

 

H+SON ARCHETYPE 、アルテグラハブ、サピムRaceという内容です。しっかりと作られているのかずっと出品が続いている品物です。

今はどこを向いても同じようなホイールですのでリムデザインも洒落ています。オシャレなホイールとして人気あるのでしょう。完組ホイールにはないホイールです。

 

私は何度もこのリムで組んだ事があるのでわかるのですが、リム重量は490g前後あります。軽すぎず重すぎずの重量です。アルミリムの場合軽すぎるリムは前へ進む力が逃げるのか剛性が足りないと思います。その点このリムは剛性があるリムでよく進みます。

 

ハブはシマノのアルテグラを使っています。重量はあるのですがカップアンドコーンでグリスアップなどのメンテナンスをしっかりすれば本当に長く使える良いハブです。

 

スポークはサピムのRaceです。サイズは2.0/1.8/2.0mmでDTのコンペティションと同等品です。いわゆる定番スポークを使い、組み方は前後共に3クロスで手組ホイールの基本中の基本的なつくりです。

時速40kmでぶっとばすにはスポークに対する空気抵抗が邪魔をしますが35kmまでくらいの巡行には最適なホイールです。いわゆる多スポークホイールですので空気抵抗には弱いのですが、地面からの振動を吸収する力があり長時間乗っていても振動による疲れが出にくいホイールです。ロングライドにピッタリです。

 

重量があるのはハブが重たいからで軽量ハブを使うともっと軽量化を計れますがメンテナンス性などの事を考えると一長一短です。

ホイールを選ぶのに重量は大切なファクターですが使う目的でいろんな選択肢があります。

 

レースには出ないが良く回るホイールに乗りたい。メンテナンスフリーで手間がかからなく新しいワイドタイヤにも対応したホイールを探しておられる方にピッタリの製品です。

価格は現在66335円で日本にはいるときに2000円ほど関税はかかりますが送料は無料です。レーティング・サマリーは4.5/5で★4.5の高評価です。

性能が良くみんなと違うホイールという事で良く売れているみたいです。長く続いているということはそういう事でしょう。

 

ここからが私の本題です。

自分で作ればどうなるか?

リム2本 15000円

ハブ アルテグラセット 16000円

スポーク、ニップル 64本 7000円

合計38000円

シマノハブはとても良いハブです。下位グレードも性能が良いと思います。しかしDura以外はほぼ同じと思っています。そこでティアグラのRS400で組みますとハブが6000円ですので10000円安くなって性能はほぼ同じ。28000円です。

Wiggleの手間代は約30000円です。この金額は職人さんの手間賃が入っていますから妥当と思います。いろんな海外のビルダーの出している価格を検討してもまあまあと思います。

私の道具について⑾

ERD計測スポーク

 

スポーク長を計算するときに必要な数値です。リムの内径を測ってニップル2個分を足した寸法がERDですがもっとわかりやすい方法があります。いろんなブログで紹介されていますが私にはこれが一番わかりやすい方法です。

 

  • スポークを2本用意します
  • ネジの部分から正確に200mmの寸法でカットします。カット面はやすりで削り

200mmちょうどに調整します。

200mm正確にカットしたスポーク
  • このスポークに使用するニップルをしっかり最後までねじ込んで下準備が終わりです。
  • リム穴にこの200mmのスポークを通します。ちょうど反対側にもう一本通します。しっかりとスポークの下にノートなどをはさみ高さを合わせます。そしてスポークとスポークの間の距離を測ります。

    スポークホールに通す
  • このリムの場合199mmとなっています。スポークの長さが200+200+199でこのリムのERDは599mmです。

    200+200+199  ERD599mm
  • 念のため位置を変えて測り、平均値を出します。
  • ワッシャーを使用するときはワッシャーをセットして同様の方法で測ります。

    ワッシャーをセットして測る
  • リムのカタログにERDが表示されていますが全てご自分で測ることが大切です。実測が肝要です。カタログ値は当てになりません

 

余談ですが10年ほど前の事です。メカニックを売りにしている方にホイールを依頼しました。キンリンXR300のリムで作っていただきました。このメカニックさんERDの測り方を知らなかったようです。リムを持ち込んで作製依頼したのですがカタログからのERDでスポーク長を計算されたようで出来上がったホイールはスポークのネジの部分が見えているホイールでした。少しスポークが短い仕上がりでしたがこの時はビギナーでしたので喜んで帰りました。

私もそれからすこし賢くなりましてこのメカニックさんにERDの測り方をおしえてあげました。

私はメカニックですとホームページで謳っている人も結構知らないことがあるものです。なんでも勉強ですね。

私の道具について⑽

皮手袋でストレスリリーブ

 

ホイールを組み上げて最終に必要なことはいわゆるなじみだしです。ストレスリリーブと呼ばれています。

 

ホイールを作り始めたころは床に置いてぐいぐい押たり踏んでなじみだしをすると思っていました。バイクショップの人に聞いてもこの様に行うと教えてもらいました。しかしこれはやらない方がよいとあとでわかりました。

 

リムを痛めたりハブを損ねたりします。スリーブジョイントのリムには特に危険です。ジョイント部分を損傷します。踏んでなじみだしを行ったことがあります。案の定リムを痛めてしまいました。ジョイント部分が少しずれたのです。止めた方がいいと思います。

皮手袋か軍手を2~3枚重ねる
スポークをグッと握る

 

皮手袋、または軍手を2~3枚重ねてスポークをぐっと握ります。両手を使って各スポークを力いっぱい握ってホイール一周します。これを何周も繰り返します。仮に100kgfのテンションで組み上げたホイールもこのストレスリリーブを繰り返すと80kgfくらいに緩みます。またスポークレンチで少しずつテンションを上げていきます。こうして何度もスポークを握ってスポークテンションを上げていきますと落ち着いてきます。この状態まで続けて完成です。

私の道具について⑼

コーワ・スポークカッター

あるショップを訪問したときに見せてもらいました。

スポークカッターです。とても高価な道具です。

コーワ・スポークカッター

今まではスポーク長を計算して、スポークを発注、長さを間違えればまた発注を繰り返していましたのでこのカッターを見せてもらって時はすぐにこれっ欲しいと思いました。

しかしすぐに買える品物ではありません。いろいろ悩みましたが買ってしまいました。

私にはロードバイクを買い替えるよりもこのスポークカッターの方が欲しい品物でした。

ショップの人は驚いていました。どうするんですか?自転車屋さんを始めるのですか?と聞かれたものです。

このカッターのおかげで失敗した余分なスポークは無くなりました。昔の自転車屋さんには大量のスポーク在庫があったそうです。今のショップは完組ばかりの販売でこの様な道具は必要ないのかも知れません。しかしプロショップと呼ばれるにはこのカッターは必要な道具ですね。

私の道具について⑻

ニップル・シャッフラー

 

この箱は何と思います?

ホームセンターで売っている一合升です。中はこのようになっています。細い木をこの様にニップルが楽にスッと入る間隔で作っています。手作り品です。

手作りニップル・シャッフラー

 

ザザーっとニップルを入れて左右にシャッフルします。振ります。すると右のように並びます。

ニップルの数はすぐにわかります。24個、20個と必要な数だけ残します。ホイールに必要な分だけ残すと間違うことがありません。

丸やすりのニップルインサーターでニップルを突き刺しながらホイールを組み立てていきます。

仮組するだけなら2~30分で作業が終わります。

テーブルの上にニップルを置いて一個一個摘まんでスポークにねじ込んでいた時に比べるとびっくりするほど短時間で終わります。

まさに優れものです。

アメリカの通販で販売していますが結構高いので日本では升があるので手作りをお勧めします。

私の道具について⑺

パークツール ニップルレンチを加工

 

4方向のニップルレンチ(ニップル回し)を使いやすくする方法があります。

写真のように上部をカットします。

こうするとスポークに沿わしてニップルにはめ込むときにとてもはめやすく使いやすくなります。ちょっとした工夫で便利になります。

お試しください。

上部をカット

私の道具について⑹

スポークホルダー

 

ブレードスポークホルダーです。CX-RAYなどの扁平スポークのねじれを防ぎます。

私には使いにくい

よくいろんなブログでギザギザを入れて見えなくしている道具がこれです。日本では売っていないようです。ツウィストレジストとして売っています。アメリカの通販で求めました。これはインナーワイヤープライヤーの頭をカットして作られたものですが結構高いです。このプライヤーを片方の手で押さえながらニップルを回します。しかしなんでギザ入れて隠す人が多いのでしょうかね。これ使いやすいですよと教えてあげたらいいのにね。

ツウィストレジスト

スポークの種類によっていろんなプライヤーを使っています。

これはとても高価なプライヤーですがたいへん使いやすくほとんどこれで間に合います。つかむ部分が平ですのでスポークを傷つけることなく使えます。

これは使いやすい

ホームセンターで見つけた安価なプライヤーですがつかむ部分がプラスチックで作られています。スポークを傷つけなく捻じれを防げます。普通のプライヤーのつかむ部分に電気工事に使うビニールテープを張ってスポークの傷つきを防ぐ方法もあります。丸スポークに使っています。

つかむ部分がプラスチック
つかむ部分にテープを張る。安価。

いろんなところで役立つものがあるものです。

私の道具について⑸

オイラー

 

ニップルを回す時にリムとニップルが触れるところにオイルを注すことが必要です。これはとても大切な工程です。しっかりニップルを回すためにオイルを注すとこで回りやすくします。

オイラーはホームセンターで100円以下で販売されています。これで十分ですがホーザンの精密オイラーは素晴らしく適量のオイルを注すことができます。余分に注さないので余ったオイルでリムを汚すことが少なく気に入っています。

ホーザン精密オイラー

私の道具について⑷

振れ取台

パークツールのTS-2.2にダイヤルインジケーターをつけています。プロツールの振れ取台を使っています。安定した作りで使いやすい振れ取台です。

ダイヤルインジケーターを後で付けたのですが精度の高いホイールを作るのには極めて近道と思います。神の手を持つビルダーはそんなもん使うのは邪道と言われるかもしれませんが私にはこれはいい道具と思います。数値化して可視化するのが私には一番わかりやすい方法です。このインジケーター、それにしても高い。

ダイヤルインジケーター付きです