プライムのハブについて

安価で軽量ハブを探していました。

Wiggleでプライムハブを見つけたので購入しました。価格は送料込みで9500円ほどです。送料込は大きいです。

届いたので内容を見てみました。

はっきりとわからないのですが、どうもノバテックの製品ではないかなと思います。

製品としてしっかりした品物でしたら別にどの名前でもいいのですが、プライム?なに?と思っていました。

 

ハブフランジのサイズを見るとノバテックA291SB,F482SB-11の寸法と同じサイズです。

ハブの塗装は違いますが基本的なサイズは同じです。

後輪のABGアンチバイトガードが装備されています。これはノバテックの特許だそうです。

 

サイズ、形、中のベアリング、ABGとこれらから判断してノバテックと思っています。

どこで作られたとかべつにどうでもいいことですが価格がお安く性能がよかったらいいのです。20/24hしか販売されていませんが安価にいいホイールが出来ると思います。

32hのホイールを依頼されました②

DuraハブHB7700,FH7700を使ってホイールが完成しました。

超ベテランの方からの依頼です。少し気合が入っています。

 

ハブデータは実測しました。

デジタルハイト計で計測

理論値の後輪スポークテンション比率は66:100で左が高い数値です。スポークが32本ありテンション比率もいい数値です。駆動ロスが少なく長時間乗っても疲れにくいホイールに仕上がります。

後輪用 オフセットリム 447g
前輪用 417g

リムはDTのRR411を使いました。チューブレス対応のリムで後輪はオフセットリムです。420~450gの重量はアルミリムでは剛性を得るにはこのぐらいの重量が必要と考えます。キンリンのXR200などを使うともっと軽くできますがあえてこのリムをお勧めしました。チューブレス+オフセットのメリットは大きいです。

前後ともに3クロス組
前輪 711g
後輪 989g
前輪 3クロス組
後輪 3クロス組

 

王道の3クロス組です。スポークテンショングラフは以下の通りです。出来るだけ振れを取りながら各スポークのテンションを均一にする。簡単に言えばこれにつきます。

 

昨日完成しましたが1日おいて再調整しました。実際一日置くとスポークのテンションが少しですが落ちていました。またテンションを上げて仕上がりです。

このハブ使ったホイールは美しい。私も欲しいです。

O様より応援メールいただきました

ヤフオクに出品していました私のホイールに興味を持っていただいた方より励ましのメールをいただきました。許可をいただいていますのでこのブログに掲載いたします。応援していただいてありがたいです。

広いスペースに保管されています。以下全文です。

 

以前ホイールを2セット購入したOです。
色々とお世話になりました。

私のような素人目線からの素直な感想を見て多少の参考になる方が居ればと思って書かせて頂きますね。

高校生の時のロードバイクは、ミヤタのフルアルミ製10万位の14段のWレバー。ホイールは、格安手組みに練習用の千円程度のチューブラー仕様でした。
44歳になり、昔の良き思い出だけを頼りに再びロードバイクを中古購入するが、あまりの違いに愕然としました。アルミフレームですけど、フォークはカーボンなのにガチガチな乗り心地で手も痺れて軽快さが無い!歳のせいか、思い出が美化され過ぎてるのか???
ホイールは、フルクラムレーシングクワトロに
コンチネンタルグランプリ4000SⅡです。
雑誌やネットで調べて悩み続ける日々でした。
ホイールやタイヤで走行性能が大幅に変わるとの情報が多く、フルクラムレーシング3で検討してました。軽さは大事で、後悔したくないならレーシングゼロ!って意見も多いけど価格も…
ふと、高校時代からの友人がシマノに勤めている事を思い出し早速相談しました。
そもそも手組みの良さを知ってる人に完組みは、ガチガチでお勧めしない事や今の世の中チューブラーでは無い事も初めて知りました(汗)

軽さを求めたホイールは、速度維持するのに大変な事やハブとリムのバランス、慣性の説明も聞き軽さ神話は脆くも崩れ落ちました。
何気にヤフオクで物色してると、ただならぬ違う匂いの出品者に心寄せられました(笑)
測定器の校正をしてるのは、ただのヤフオクの出品者では無いなとすぐ分かりましたね(笑)
売ってしまえば終わりと考えるなら、超軽量ホイールにして目を引けば簡単ですがそうじゃない所が流石だと思いました。
ブログを一通り読ませて頂き、体重や使用目的をお伝えして、要望はチューブレスにする事と、オリジナリティを出したいのでスポークをアクセントに少しカラー化したいと伝えました。

装着したタイヤは、IRCのフォーミュラプロのライトです。
走行してみると、振動吸収性はタイヤ要因もありますが明らかに良く手がしびれ無くなりました。漕ぎ出しでは元々ガツガツ踏まないので驚く程軽くは無いですが、少し走りだすと速度は明らかに出てます。ペダルを止めても速度を維持し続ける回転力も凄く向上しています。

乗るのが楽しくなり、乗る機会がとても増えて楽しいです。
20キロ~27キロの速度しか出さない子供でも、違いはすぐ分かるようで、お試しで貸しただけなのにあまりに欲しがったので、2セット目も注文しました。子供に勿体無いと妻は言いましたが、せっかくロードに乗るなら本当の良さや楽しさももっと知って欲しいと思いました。私自身が高校の時に手組みチューブラーの良さを知って存分に楽しんだ思い出があるから余計そう思いました。
自分のホイールのタイヤは自分で装着しましたが、手が腫れる程辛かったので息子のホイールを注文した際にはタイヤ付きで購入させて頂いたのは言うまでもありません(笑)
IRCさんのホームページのタイヤ装着動画は簡単そうに付けてますが、自転車屋で聞けばあんな簡単に付けれないメーカーだよ!との事でした…

シーラントの運用ですが、私のホイールでは無しで使っております。基本的に乗る度に空気入れるタイプなので数日大丈夫なら気にしません。息子のホイールは、同じリムを使用してますがシーラントを使用して使っています。出先でのトラブルに対処出来ないからもあります。

サイクルイベントに行っても、同じ仕様にまず会わないですし、お勧めします。
遠方からの注文でしたが、下手な自転車に触られたくないのでアフターまでお任せ出来るので安心ですよ♪
良く無ければ子供のホイールまで再び買いませんからね。
ハイアマチュアレベルでの感想もありましたが、私のような素人でも性能的にもデザイン(見映え)も大満足です☆素人が体感出来るってのは、それだけ変化が大きいのだと思います。
写真も添付しておくので良かったら使って下さい♪

お父さんのバイクです。 グリーンスポークをアクセントにしています。

息子さんのバイクです。 グリーンのスポークで作製。

振れ取り台にダイヤルゲージを取り付け②

X-toolsの振れ取り台はなかなかコスパの良い製品と書きました。この丈夫さ、使いやすさで約1万円はお買い得と思います。

使い勝手をよくするためにはダイヤルゲージを取り付けて使えることが必要です。これにはマグネットベースを使っていました。このマグネットベースを振れ取り台の足の部分を使って取り付けていましたがもっと楽に使える方法がないかを考えていました。

ステンレス平板でマグネットベースを使います

ダイヤルゲージはマグネットベースに取り付けていますので机が鉄であれば簡単でいいなと思っていました。このため30cmx40cmx0.5mmのステンレス平板を使うことにしました。価格も1000円ほどです。このぐらいのスチールの板があれば簡単にマグネットベースを設置できます。実際に置いてみました。とても使いやすいと思います。簡単でお勧めです。

体重とホイールの関係について

ホイールを作る際体重を考えて作る必要があると考えています。ホイール作製の依頼を受けるときは必ず体重を伺っています。

 

ホイールの剛性はスポークの太さ、タイプでも違います。またリムの形状によっても違います。このためこのリムを使ってこのスポークでは体重がこの体重までというような厳格な分け方をしていません。現に完組ホイールメーカーでも分けていません。体重何kgまでということは決めているようです。柔なホイールでも人を乗せることはできます。

 

しかし大体の目安はいると思います。いろんな経験豊かなビルダーさんの意見をあつめて私なりの目安を決めています。

 

20/24h  75kg+少しの重量

24/28h  90㎏まで

28/32h  110㎏まで

32/32h  どなたでも

 

この指標を目安にスポークの太さで調整しています。

前後32hであればどなたでもOKです。こんな意味でも多スポークホイールの32hは乗る人を選ばないホイールです。

 

一例をあげますと、400g以下の軽量アルミリムで20/24hのハブを使い細いスポークで組み上げると1280g~1300g前後で組み上げることができます。

この軽量ホイールがどなたでも対応できるかといえば難しいと思います。90㎏の人でももちろん乗れることはできますが上り坂でぐいぐいとダンシングすれば剛性の面で、コーナーでのホイールの撓みなど強度面、耐久性で体重に合わない軽いホイールは危険と思います。

 

雑誌のサイクルスポーツでは『軽さは正義』と名を打ってロードバイクの軽量化の記事を載せていました。確かに理論的にも軽量ホイールは有利ですが剛性が伴っての軽量化と思います。

 

あるライダーに私の作ったホイールや、ユーラス、レーゼロなど5種類のホイールを乗り比べた実験をしていただきました。この方は73kの体重でFTPは300という強者です。この実験で32hの2000gを超えた手組ホイールが7%の登りで結構よい結果を出しています。

これに反してサピムCX-RAY でしっかり作ったつもりの私の軽量ホイールは7%の登りで32hのホイールにタイムで負けました。

 

これはホイールの剛性と乗り手の体重が影響していると考えています。重くても剛性と体重の関係がよければホイールは走ります。軽ければ軽いほどホイールはいいホイールという考えではなく乗る人の体重を考慮に入れて剛性を含んだ軽量化が必要と思います。体重の重い人がスポークの細い軽量ホイールに乗ってもホイールは撓んで力を逃がしてしまうに違いありませんし危険度が増します。軽さは重要なファクターですが軽いだけで選択するのは間違いと思います。

Duraハブを再利用

ハイトゲージでduraハブの計測を行います。

ネットでデータを得ることができるのですが実際に測るほうが正確で安心できます。

デジタルハイトゲージはゼロ設定ができるので取り扱いが簡単です。

ハブの軸幅と両フランジ幅を測れば左CtoF幅、右CtoF幅が出ます。

測った数値をスポーク長計算ソフトに入力すれば容易にスポーク長が出ます。

 

新品のハブでしたら気にする必要ないのですが再利用の場合は気を付けなくてはいけません。ヘッドイン、ヘッドアウトのスポークを通す穴に要注意です。

写真のように前のスポーク跡がありますのでこの穴を追って同じようにスポークを通します。これをしないとフランジが折れる原因となります。気を付けなくてはいけません。

もうすぐほかの部材が届きます。いいホイールが出来ると思います。

32hのホイールを依頼されました

超ベテランの方よりホイール組みの依頼を受けました。ちょっと緊張します。

クロモリロード、アルミロード、カーボンロードと3台のロードバイクで月1000kmを走る方です。私なんか足元にも及ばない自転車歴です。

シマノDuraハブ7700の32hハブを前後で持っているのでホイールを提案してほしいとのことです。

軽いリム

チューブレス

タイヤは23c

という条件でした。

オーソドックスに前後を3クロスのド定番を勧めました。リムはDTのRR411のリムを使います。これならリアはオフセットリムなのでリム左側NDSのスポークテンションを高くできます。またチューブレスレディーですので依頼された条件にぴったりでした。

理由は今までのブログにも書きましたが、長時間のライドに疲れにくく、後輪のスポークは1:1組でもリムのオフセットとハブ自体のセンターオフセットが少ないハブで左側スポークを高くとることができます。

 

見た目は地味な仕上がりですがホイールはパワーロスの少ないホイールに仕上がります。

リム重量も430g~450g前後で軽量リムといえます。チューブレスレディーですのでクリンチャーとしても使えます。

 

ハブが届きましたので実測してみます。ハイトゲージで測りました。

後輪左右3クロスで組むとしてスポークテンション比率を出しますと                左66:右100 となります。

左がとても高い数値です。この数値ならオーソドックスな組み方が最適です。

左右16本で組むということはスポークの負担を少なくして組むことができます。

 

多スポークホイールの長所を生かしながら軽量化を図るためスポークは前輪を軽量スポークで仕上げ後輪は剛性を高めるために少し太いスポークを選択します。

 

このようなスポークの選択で組みたいと思います。

Duraハブについて

キンリンのXR31t/rtを使ったホイール作製のオーダーいただきました。

24/28h サピムCX-RAY 黒を使ったホイールです。今部品の到着待ちですが改めてハブを見直すことになりました。

 

この現行品Duraハブを

センターホールのリムで後輪ホイールを組みますとスポークテンションは

左45:右100 の比率です。

3mmオフセットリムで作ると

左58:右100 の比率です。

11速の場合上記のスポークテンションです。やはりオフセットリムでないとテンションを上げることが難しいです。58:100でしたら右をキンキンにテンション上げなくても十分左を上げることができます。

実測重量はフロント121g、リア247g、合計368gです。軽いという重量ではありませんが回転の調子は滑らかです。簡単に当たりの調整ができるのもいいです。値段は前後で約4万円ほどしますので海外通販ならゾンダが買える値段です。まあ高いといえば高いですね。

最近はティアグラハブばかりで作っていましたのでDURAの良さを忘れていました。やっぱりいいですね。音も静かで十分現行品は高級感あるいい作りです。

これなら定期的にグリスを入れ替えれば20年は大丈夫です。自分用に使ってもいいかなと思います。リム、スポークを取り換えながら好きなタイプのホイールを作っていくスタイルは古いかもしれませんが大切です。

 

古い昔の話ですがカメラメーカーのキャノンはFDレンズユーザーをバッサリ切り捨ててEFレンズにしました。古くからのユーザーはメーカーの言うとおりに従ってまた新しいシステムのボディとレンズを揃えていきました。実際EFレンズは昔のボディには使えません。最新のレンズは最新のボディにというわけです。方やニコンは古いFレンズも使えるシステムで対抗しました。新しいボディになっても古いレンズが使えるシステムを開発しました。古いシステムを捨ててもキャノンレンズがいいからキャノンについていった人たちが多いのも確かです。

バッサリ古い分を切り捨てて新しいシステムをユーザーに使ってくださいと勧めないと買い替え需要が見込めないのでしょう。キャノンもニコンも素晴らしいメーカーですが私はニコンが好きです。

自転車業界もこんな感じに進むのでしょうか?いやもう進んでいますね。私の走るスピードは変わらないのに機械ばかり変わっていきます。

電動ドリル用ビット

ホイール作りのコーチに行きました時に電動ドリルにつけたニップル回しを持っていきました。この電動ドライバーを見られてちょっと驚かれたようです。

ヤスリを使ったニップルインサーターでニップルを取りつけ、仮組が終わってからこの電動ドライバーが活躍します。

通常ニップル回しで振れを取っていくのですがその前にスタートの起点を決めていきます。このドライバーを使いますとあっという間に次の工程に進むことができます。

でニップルを順番に回していきます。ニップルを回すときにスタートの場所を決めますがこのビットを使いますと自動でスタートが決まります。簡単です。ドリルを使って空回りするまでニップルを回しまして一周すると終わりです。ここからニップル回しを使ってスポークの緩みを取っていくのです。

手作りのビット

このビットは手作りです。ホームセンターで買った安価なビットをやすりで削って作りました。安価なビットほど加工がしやすいです。鉄が柔らかいということですね。

写真のようにやすりで削りましたがグラインダーで削ればもっと簡単です。柔らかい素材(安価なビット)なので削りやすいです。

このビットをネットショップで買えば結構な値段です。ご自分で作られたらいいと思います。

作業の終わった後

ホイール作製作業の終わったところです。

振れ取り台に小さなテープがたくさん貼られています。これはねじれマーカーとして使いました。

些細なことを紹介いたしますがホイールを作り始めたころは知らないことばかりで何度もやり直しをしました。ちょっとした工夫で作業が正確になり時間が短縮されます。知っている人、実行している人には当たり前でも結構初めて知ったという人も多いと思います。

ホイールのスポークはサピムのLaserです。太さは2.0/1.5/2.0mmと中央部は1.5mmの細くて軽い優秀なスポークです。CX-RAY の扁平になる前のスポークといわれています。

この丸スポークはとても優秀ですが取り扱いが難しいスポークといわれています。サピムのホームページでも取り扱いに注意が必要と書かれています。それほど扱いにくいスポークですが性能は優秀です。これを使わない手はありません。CX-RAY の1/3の価格です。お財布に余裕のある方はもちろんCX-RAY を使えばいいのです。

何が難しいのか、それはねじれです。ニップルを回すと1.5mmの細さ故スポークはねじれやすいのです。スポークにとってねじれは大敵です。スポーク折れなどのトラブルのもとになります。

このねじれを防ぎながらホイールを組み上げるのにちょっとコツが必要です。

以前紹介しました凄腕メカニックさんと話をしたときにDTレボルーション、サピムLaserの細いスポークを使ってホイール組む時のコツとしてテープを使って旗を立てる組み方をするという話を聞きました。私も同じやり方をやっています。話していてやはりみんな同じようにやるんやと思ったのです。

このブログで紹介したことがあるのですがスポークのねじれを防ぐ方法としてテープの切れ端を使う方法をお知らせしました。

スポークに小さなテープを貼っておきますとスポークのねじれを容易に知ることができます。ちょっとした手間ですがニップルを回す前に各スポークにテープの切れ端を貼っておけばいいのです。ねじれが容易にわかります。このテープとプライヤーなどのスポークを挟み込んでねじれを防ぐ道具を使ってニップルを回します。二重のねじれ防止策です。トラブルの少ないホイールに仕上がることは間違いありません。