仲良しの自転車屋さんは必要です

先日のことです。いろんなことを教えていただく自転車屋さんのメカニックさんといつものように情報交換していました。そこにホイールを持ったお客さんが来られました。初めての方のようでした。持ってこられたのは海外通販で購入のゾンダでした。

 

振れ取りと再調整を依頼されたのですがこのメカニックさんはうちではできませんとやんわり断られました。

 

お客が帰られた後できるのにどうして断られたのですか?とメカニックさんに伺いました。

うちで買われてないのにミスをしたら私とこが弁償しないといけないので断りました、とのことでした。

まあ、そうでしょうね、来られたお客さんはいいとこどりですからね、ということです。

wiggleより

ちなみにこのゾンダはwiggleでいま買いますと写真の値段です。安いですね。しかしこの値段で買えるかと思いますと間違いです。輸入の際に税金がかかります。

実はゾンダは私も買いました。確か2400円ほど税金を払った記憶があります。Wiggleでは送料は無料ですが国内に入るときには税金がかかります。あとのメンテナンスはしてくれません。

まあそんなにうまくはいかないという話です。税金からは逃げられません。Wiggleは立派な会社ですのでアンダーバリューという法律違反はしてくれません。でも安いのでついついこの安さに負けてしまいます。私は自分でメンテができますので勉強がてらに買いました。

 

別の話です。

 

私は夕方によく自転車に乗ります。2か月ほど前の話ですが、3日連続同じ人にお会いしたことがありました。この方のロードバイクはキャノンデールの最高級のフレームにカンパのBORAと高級バイクの出で立ちです。いいホイールですね、と話しかけてしばらく一緒に走ることができました。

 

ホイールはどちらでお求めですかと伺うとキャノンデールのショップで一緒に買いましたとのことでした。

wiggleより

Wiggleとかでは割安と聞きますが海外通販では買わないのですねとさらに聞きました。

返事は、税金がかかるしやはりメンテナンスのことを考えたら少し高くてもこちらのショップで買うのが安心ですと答えていただきました。

 

この方は保険と考えたら少し高くても知り合いのショップで買うほうがいいと後々のことを考えられたようです。なかなかよくわかっておられるなと感心しました。メンテナンスのことも考えられて購入されています。

海外通販のホイールを買うときの注意事項として面倒見てくれるショップが近くにあれば買われたらいいと思います。なかなかこんなショップはないのですが…

 

別の話をもう一つ

 

海外の自転車フォーラムを読んだときのことです。

LightBicyclの完成ホイールを買ったのだけれどセンターが1mmずれていて直したいのだが近くの自転車屋さんで断られたのでどうしたものだろうか相談に乗ってほしいという投稿がありました。

 

そのフォーラムでは直球の回答がありました。高くても直してくれるところがあるから直してくれる自転車屋さんを探しなさいという答えです。

笑ってしまう答えでしたがその通りです。直してくれる自転車屋さんは必ずあります。でもその場合とても高くつきますね。

 

私も一度同じような経験をしたことがあります。

Light Bicycleのリムのことでお客様より相談が入り、いろいろメールでやり取りしましたが結局は価格的なことで折り合いがつかず直接Light Bicycleに完成品約1100ドルを注文された方がおられます。この方からはご丁寧に断りの連絡をいただきました。とても行儀の良い方でした。

しかし今はメンテナンスをどうされるのかと思っています。センターが1mmずれていたらどうされるのかな?まさか私に直してほしいとは言ってこられないと思いますが…

 

このようにいろいろと買い方の方法がありますがメンテナンスが必要な品物には特に注意が必要です。

 

お安く買って1年過ぎたら売りにだすのも一つの方法です。しかしこれも結局割高になってしまいます。また、自分でメンテナンスの技術を磨く方法もありますがこれはすこし技術習得に時間が掛かります。

結局近所の自転車屋さんと仲良くするのがいいと思うのです。人と人の付き合いですから違うところで買っても属人的な関係ができていれば多少の無理も聞いてくれると思います。

しっかりといい付き合いをしてできるだけ些細なものでも買ってあげる。これは大事なことと思います。

 

こんなことブログの話題にふさわしくないかもしれませんが最初にお話ししましたメカニックさんと一見さんとのやりとりをみて、お客さんが帰られたあとで感じました。

きれいに仕上げる

ホイール作りにおきましてニップル穴にオイルを注すことは欠かせません。しかしながら完組ホイールはニップルホールにオイルを注すことはどうもしていないようです。なぜならふき取らなくてはいけませんので仕上げ段階で手間がかかるのです。

この理由でおそらくニップルホールにオイル注しは行われていないと思います。時間の節約です。

 

ニップルを回してスポークテンションを上げていくときにはニップルを円滑に回すためにはほんの少しのオイル注しを行うことで解決できます。

このひと手間はベテランのビルダーさんなら必ず行っていることです。またどのホイールの教科書本にも記載されています。

しかしオイル注しを行うとどうしてもリムがべたべたしてきます。油が漏れてリムがべとつくのです。あとでしっかりふき取らなくてはいけません。自分用のホイールなら少々油がついてもかまわないことですがやはりできるだけきれいに仕上げたいものです。

 

解決方法として最近ではグリスを使っています。

刷毛でニップルにグリスをひと塗り

ニップルをスポークに通す前にひと手間かけるのです。ニップルインサーターを使ってスポークに通す前にグリスを刷毛でひと塗りしています。ほんの少量グリスを塗ることでニップルの滑りをよくします。グリスですので油分が漏れ出ることを防いでくれます。

 

こうすれば

あとでリムの油分をふき取る手間も半分以下に収まっています。時間が節約できそして出来上がりも良好です。

この方法をやられていない方には是非ともお勧めしたいです。手間もそんなにかかりません。急がば回れです。とてもきれいに仕上がります。

ポリイミドテープは1回巻きでOK

お客様より共有情報です。

 

XR31T・RTのリムを使ったホイールをお買い上げいただいた方よりいい話を聞かせていただきました。

通販で買ったポリイミドテープ 20mm幅

チューブレス用としてのポリイミドテープは一回でOKです、もちろんほかのテープでも1回巻きですと教えていただきました。

 

私はどうも心配性でどのホイールにも2回巻いていました。1回ではどうしても心もとない感じでいました。お客様は1回巻きで十分空気は止まりますよと教えていただきました。バルブ部分だけは10cmほど重ねていますがほかの部分は1回巻きで十分ですとのことでした。

 

本日テープを貼り替えることがあり1回巻きに挑戦しました。果たしてうまくいきました。空気は漏れずにタイヤは正常の状態です。

ポリイミドテープは強度的には十分であるのはわかっていましたがなんとなく心配でした。しかしもうこれからは1回巻きでやろうと思います。経験者からの情報です。

 

いい話はシェアしたいです。

ヘキサニップルの電動ドライバー用ビット

ヘキサニップルを電動ドライバーで使うにはホームセンターで販売されている5.5mmのビットは太すぎて通常のリムには使えません。

このビットは太くて使えない

ヘキサニップルをリム穴から回して締めていくのに便利なY型ニップルレンチSW-15を使っています。単体のSW-18も使っていましたが手回しではとても不便でした。

SW-18を分解してビットの部分だけを取ればいいのではと思いつき根元から切り取ることにしました。少してこずりましたが鋸で根元をカットしてビットの部分を取り出しました。やすりで飛び出ている部分をきれいに削り取り電動ドライバーに取り付けやすくしました。

電動ドライバー用にビットを手作りしました。Y型ニップルレンチSW-15と併用することによりリム穴からヘキサニップルを締め付ける作業効率は一段と改善できました。

一般的にはいらない道具ですがあれば非常に便利です。

カーボンホイールの印象を連絡いただきました

LightBicycleのリムを使ってのホイールをご注文いただきました。

ハブはお持ち込みで、リムとスポークはご指定いただきこちらでご用意するという形でのご注文です。

いろいろご要望を伺いながらホイールを作り上げていきました。お客様とやり取りしながら作るのですがいろいろ勉強になります。

穴なしリム

今回の一番の特色は穴なしチューブレスリムを使うことです。穴アリが一般的ですがチューブレスリムでタイヤ交換ごとにテープを貼り替えるのは面倒で、テープの費用も掛かります。そして空気の漏れも最小にすることができます。作るのは少し難儀しますがいいところが満載です。

 

さて、以下印象を連絡いただきました。

 

今までは、キシリウムエリートでしたのでリム重量が410gと軽量でしたが、高速巡行が厳しいホイールでした。

比較の為、スプロケット、チューブ、タイヤは流用して確認しました。

出足はさすがに若干重い感じがしますが、廻り始めてしまえば

気にならない重量と35~40㎞前後は空力と慣性の為なのか楽な印象です。

フロントのクロス組は良かったです! コーナーでバイクを倒した時の

フロントが突っ張るような感じが無く素直です。

スポークも綺麗にクロスしており、丁寧な作成をありがとうございます。

コストパフォーマンスを考えれば素晴らしいホイールです

前輪 CX-RAY 2クロス
後輪 コンペティション 左右2クロス

ホイールは前後ともに2クロスです。前輪スポークはサピムCX-RAY、後輪スポークをコンペティションにしてスポークを太くされています。剛性を高めるために選択されています。前は扁平=空力、後ろは太く=剛性を考えられました。すべてお客様のアイデアです。

私の出る幕はありません。敢えて申し上げるならブラスニップルの提案くらいです。

私はホイールを組み立てただけですが喜んでいただきました。このように乗った印象をご連絡いただきありがたいです。次の仕事に活かせます。

ユーチューブは勉強になる

ホイール作りを勉強してもなかなか上達しません。先ずしっかりと解説された本が少ないのが現状です。特に日本語で書かれた本はないといってもいいと思います。

英語では

The Bicycle Wheel 3rd Edition 

Professional Guide to Wheel Building 7th Edition

体系的にしっかりと解説されたとてもいい本がありますが一般的ではありません。しかし英語の勉強にもなりますのでとてもいい本と思います。

 

そんな意味でもYouTubでの勉強はとても分かりやすく習得が早いと思います。

視覚に訴えることがとても有効であることはいろんなYouTubから証明されています。

参考になる次のYouTubをお勧めします。

ステイホームで少しでも気が休まるようにと考えられたのか、アメリカのDaveさんがホイールビルダーの秘伝の技を惜しみなく披露しています。

YouTubで下記のタイトルで検索できます。リンクはいたしません。

 

November Bicycles Wheel Lacing

 

何気なく見ているとそう作るのかと見終わってしまうのですが、ええええそんなネタを明かしてもエエの?と思うくらいの技を知ることができます。いつもどうするの?と考えている人にはとても良いヒントが隠されています。

作者のDaveさんはできる人はみんなやっていることだという思いなのでしょう。それとも簡単にはできないよという思いなのでしょうか?

見ている人はとても少ないのですが世界中のプロビルダーが参考にしていると思います。

 

Hambiniさんのブログは復活しています

べリングのことを調べていた時ですがとても興味深いブログを知ることができました。

英国のHambiniさんのブログです。YouTubにも投稿されているのでHambiniのキーワードでホームページ、YouTub共にすぐわかります。勝手にリンクはやめておこうと思います。

 

Testing to Find the Fastest Bicycle Wheel Hubs

Testing to Find the Fastest Bicycle Wheels

 

この2つのタイトルで発表されている内容はとても興味深い内容でした。しばらく読めなかったのですがまた復活しています。FLOのホイールにも言及していましたのでもめていたのかもしれません。

エンジニアとしてホイール、ベアリングを研究しているので説得力あり勉強になります。

シマノのDuraハブは神話的になっていますがカップアンドコーンの利点と欠点もわかり私の神話は打ち消されました。またミケのハブは重いがいいぞ!ということなどとてもいい勉強になりました。

少し重いがとてもいいハブです

ホイール好きの方に一読お勧めします。

再調整のご依頼いただきました

昨年8月にご購入のXR31T・RT 20/24hホイールの振れ取り再調整のご依頼いただきました。

お買い上げの時の後輪のグラフはこの通りです。

右72.0kgf左120.1kgfで仕上げてきます。

しっかりスポークのなじみだしを行って納品いたしました。

 

ホイールを点検いたしました。送られてきました時のテンショングラフです。 後輪が1か所0.4mmほど振れていました。スポークテンションは左66.6kgf 右117kgfでした。

約10か月経てほんの僅かですがテンションが緩んでいました。しかしこのスポークテンションは十分高いテンションで性能が落ちるというようなテンションではありません。調整後はグラフでわかるようにいたしました。スポークテンションは左73.2kgf右119.7kgfで調整は終わりました。

もともとのテンションが揃っているので変化はとても少ないです。ご安心ください。

 

グラフのように再調整しましてお送りしました。部品交換が発生しませんでしたので送料代をお振込みいただきました。

 

ご遠方の方には送料代がかかりますがアフターケアに関してはご安心ください。ただし部品交換の場合は実費をいただきます。

カーボンホイールのご注文

チューブレスカーボンホイールのご注文です。

コロナの影響でリム到着に1ケ月かかりました。

前輪 20h 461g
後輪 24h 463g

リムは46mm高です。重量は460g前後のニップル穴なしカーボンリムです。ニップル穴はありますがタイヤ側はバルブ穴だけですのでリムテープは無用です。

計測をしたことがないのですが剛性は穴アリと穴なしとは違うと思っています。

一番の利点はリムテープがいりません。これは結構大事なことでリムテープ代はバカになりません。タイヤだけで済みます。ホイールの維持費があまりかからないことは大きなメリットです。

このリムの難点は作るのが難しいことです。簡単に作れません。それなりのスキルが必要でとても難儀なリムと思います。一度スポーク通しなどで失敗すると間違いなく嫌になります。しかし作り甲斐のあるホイールです。できたときの嬉しさはひとしおです。

 

前輪

リムAR46 20h 左右2クロス サピムCX-RAY

ハブ パワーウェイ 重量651g

後輪

リムAR46 24h 左右2クロス DTコンペティション

ハブ パワーウェイ 重量846g

合計 1497g

テンショングラフを添えて納品しました。テンションの具合が分かるので安心していただけます。テンションのばらつきは5%以内にしています。

 

このホイールの実力はFTP300の力を持つ人から何度もインプレいただいていますので性能はなかなかのものがあると思います。

 

まとめるとこうです。

メリットは次の通りです。利点の多いホイールです。

 

  • リムの値段は1本2万円くらい。そんなに高くない。
  • アルミリムにはない高い剛性を得ることができる。
  • 注文リムのためいろんな高さのリムを使える。
  • 市販ホイールの半分以下の価格で作れる。
  • 持っているハブを有効に使える。
  • テープ代がいらないのでランニングコストはとても安価。
  • CX-RAYでなくても空力の良いものができる。
  • 穴なしリムや!と仲間にいえる。
  • チューブレスタイヤの良いところを享受できる。

 

デメリット

 

  • 作るのが難しい、これだけです。

 

作るのはこちらで作りますのでご相談させていただきます。

カーボンホイールの感想メールをいただきました③

強い走りのライダーさんよりもうすでに2回走行レポートを連絡いただきました。再度AR46リム使用のカーボンホイールの印象をメールしていただきました。

時速35kmで楽々巡行できる人は100人の中で人数は1%以下です。ほとんどの人は35km巡行で走ることはできません。そんな実力派からのレビューはとても参考になります。以下、そのメールです。

 

本日花背へ登ってきました。

 

TTするつもりはなくいつも通り少し余力が残るくらいで登ってみました。

後半にペースをあげる感じで走ってます。

 

 

ほぼ自己ベストに近いタイムがでました。24 :04で293Wです。

 

流石に10%超えてくる斜度になるとやや脚にドシッとくる感じは感じます。

 

ですが後ろへ引っ張られるような重さではないのでもっと早く上がれる方なら全然問題ないかと思います。

 

花背でもこれだけ登れたらもはや文句つけようがありません。

 

下りは寧ろスピードが乗りすぎて怖いです(^^;)平坦、登りもいけますし最高ですね!坂登られる方ならリムハイト低いカーボンホイールを選べばいいかなと思います。

新しくホイールを作られる方は参考にしてください。