軽量ホイールのご注文

超軽量ホイールのご注文をいただきました。

 

この仕様は何度もご注文いただいていますので評価が固まってきたと思います。

 

前輪

TNI AL22 20h

ハブ ノバテックA291SB 20h

スポーク サピムLaser2.0/1.5/2.0mm 黒

ニップル ブラス

前輪 535g

後輪

TNI AL22 24h

ハブ ノバテック F482SB 24h

スポーク 左サピムLaser2.0/1.5/2.0mm 黒

右DTコンペティション2.0/1.8/2.0mm 黒

ニップル ブラス

後輪 773g

重量は前輪535g後輪773g 計1308g

 

ニップルはアルミにしますと20g軽くできますが2,30g重くなってもそんなに変化はわからないと思います。今のアルミニップルは強化アルミを使っていますので丈夫ですがより安全性を考えてブラスニップルを提案しています。

 

リムは実寸幅13.3mmですのでナローリムと呼ばれるリムです。推奨タイヤ幅は23,25,28ですが23,25cがお勧めでしょう。

リム重量はは380g前後ですのでとても軽量です。しかし軽量ながら剛性もしっかりありますのでヒルクライムホイールとしては適していると思います。ただオールラウンドとして考えるなら重量が少し重くなるAL22W(24mm幅22㎜高)を選ばれるのもよいかと思います。どういう使い方をするかでリムの選択は変わってきます。1バイク2ホイールがお勧めです。

 

ハブは台湾のノバテックハブを使いました。手組ホイールの定番ハブとなっている感があります。メンテナンスが楽です。ベアリングを変えれば新品に戻ります。

 

ホイールの作製で一番注意している事柄はスポークテンションを揃えることです。この話は今までの記事の中で何度も書いている事柄なので今更説明はいらないと思います。

 

1週間ほど前にこのホイールと同じ仕様のホイールをお求めいただいた方がおられます。ヒルクライムがお好きな方です。坂道でホイールを回すのが楽でとても気に入っていただきました。やはり軽さは武器になるようです。

振れ取り台の改良

普段サブで使っている振れ取り台をもう少し使いやすくしようと思い改良いたしました。

縦ブレ取りのメーターを取り付け
L金具で簡単に取り付け出来ました
取り外した振れ取り金具

縦ブレチェックのためにメーターを取り付けました。取り付けは簡単です。ホームセンターで取り付け金具を打っているコーナーがあります。ねじなどを打っているそばです。ここでL金具を買ってきました。金具の穴は4mmなのでステンレス製の4Mねじを用意して取り付けました。メーターは自動車工具屋さんで手に入る安価なメーターですが十分役に立ちます。測定子は通販で購入しています。

縦横メーターを取り付け

横ブレはは以前から取り付けていましたのですがやはり縦ブレがいちばん大切です。

横ブレ縦ブレはメーターで数値管理したほうが振れ取りしやすいです。作業効率が格段に向上します。おまけに正確です。

パークツールの純正では高価な振れ取り台になりますが今回の改良で十分使えるものに変身しました。メーターで見るのはとても楽です。

Laserスポークはいいぞ!

サピムのLaserスポークをよく使います。

 

良い点を上げますと

軽量、丈夫、安価

難点は

取り扱いが難しい

 

以下サピムのHPからの引用です。

LaserスポークはこのHPの案内でも熟練のビルダーでないと難しいと書いています。つまりねじれを防ぎながらホイールを作れば優秀なホイールを作り上げることができます。

価格はCX-RAYの1/3の価格です。空力はCX-RAYの99%と1%劣っています。

価格よりほんの少しでも良い性能の積み上げをというマージナルゲインの積み重ねを求めていく方にはCX-RAYスポークをお勧めします。しかしながら財布に優しいLaserスポークは魅力ある実力派のスポークです。

このスポークの良さをご存じない方が多いのかLaserスポークはあまり人気がありません。日本では取扱店も少ないのが現状です。また取り扱いがあっても50本の箱単位で購入とかハードルが高くなっています。

またスポークをカットして多様なリムに使うにもこのスポークはカットしてリムにあわす範囲が狭いのも少し難点です。

 

まだまだ最高のスポークとCX-RAYは優位にあります。性能では優位ですが性能の違いの差を知ってしまうとこの価格差は何だろうと考えてしまします。CX-RAYはねじれがわかりやすいので作り手には楽なスポークです。

 

CX-RAYは優秀なスポークですので空力を意識する前輪にはCX-RAYを選択して後輪は他のスポークを使う方法もあります。

以下サピムのHPよりCX-RAYの解説を紹介します。

こうしてみるといいとこだらけのCX-RAYですがLaserスポークもいいぞ!と思います。

「自転車サビとり再生術」読んでみました

近くの本屋さんにぶらっと立ち寄りますと面白い雑誌を見つけました。

「自転車サビとり再生術」というバイシクルクラブの別冊誌です。この出版社のシリーズ的な雑誌はついつい買ってしまいます。

 

プロの自転車屋さんもご存じない修理の技術を上手に解説しています。

 

いつもよく話をする凄腕メカニックさんから伺った話ではファッション性をメインに打ち出している自転車屋さんは意外と技術はいい加減なところが多いとのことです。ママチャリが得意の店は腕がいい。

この別冊誌ではママチャリを取り上げて十分に解説しています。これは面白いです。意外と知らなかった技術を得ることができます。

カーボンホイールのご注文

このブログを通じてご連絡いただきカーボンホイールのご注文をいただいました。

 

リムはライトバイシクルのR55を使うことで決まりました。ニップル穴のないリムを使ってチューブレス・クリンチャーどちらでも使えるリムにしています。

スポークはDTコンペティション 黒

ニップルはDTPro Lock Squorx ブラス 黒

ハブはノバテックハブ

手組ホイールではメンテナンスが楽な汎用部品を使っています。

前輪701g

後輪 908g

合計1609g

 

リムは55mmの高さですがとても軽量に仕上げることができました。ニップルは丈夫なブラスニップルを使用しています。スポークは260mm前後の長さになります。スポークが短くなるとホイールの剛性も高くできます。空力がよく軽量のホイールです。しかもチューブレスホイールです。もちろんクリンチャーにも使えます。先ずクリンチャーで乗られて後でチューブレスに変更されたらどうですかと提案いたしました。

 

チューブレス用のリムですのでどちらにでも対応できます。穴なしリムの利点です。

作るのは難しいリムですが利用価値の高いリムです。カーボンホイールのご注文ではほとんどが穴なしリムでのご注文です。

前輪チューブレスホイールが空気漏れ

私のお気に入りクロスバイクはチューブレスホイールで乗っています。約6気圧弱の空気圧でチューブレスホイールに乗りますとクリンチャーホイールとは違う乗り味です。うまく表現できないのですが芯があるのにまろやかな感じでとても気に入っています。

 

バイクに乗る前ホイールを確認しますと空気が漏れてタイヤは凹んでいました。チューブレスタイヤをはめて半年くらい経ちますのでタイヤ自体の穴あきのパンクではなくどうもリムテープの劣化のようです。

 

タイヤを外してタイヤ外周を目視点検しました。タイヤに穴があいたのではないようなのでリムテープを貼り替えることにしました。

シーラントがこびりついたタイヤ
シーラントを取り除きました

タイヤはきれいにシーラント分を除去します。タイヤを洗ってから時間を取って一日乾かすことにしています。一日経っていますのでタイヤのヘリ部分にはシーラントの固まったゴム状のものを取り除きやすくなっています。皮手袋をしてきれいに取り除きました。

 

以前にタイヤをきれいにしなかったことが原因でうまくビードが上がらず困ったことがありましたのでタイヤはできるだけきれいな新品状態に戻すことを心がけています。

皮手袋で指を保護します

タイヤのヘリ部分は特に注意してシーラントをきれいにこすり取ります。指先を痛めるので皮手袋をはめてこすり取っています。

皮手袋でやるととても楽です。指を痛めません。だれかに教わったという方法ではありません。私なりの方法です。タイヤはとにかくきれいにすることです。

ポリイミドテープの一回巻き

リムもきれいにしました。テープのゴム状接着ノリもこすり取ります。油分をアルコール等でふき取り新しいテープを巻きました。今回はポリイミドテープを使っています。3Mのテープもなかなかいいです。どれも1回巻きにしています。重なる部分は10cmほどです。テープの情報はベテランのお客様より教えていただきました方法です。

右3Mテープ 左ポリイミドテープ
石ケン水のスプレー

IRCのH.Pより

定番の石ケン水をスプレーで吹きかけてタイヤビードを上げますと1回でうまく上がりました。これは事前にタイヤをきれいににしておいたからです。私なりの注意点は以下の通りです。

 

リムはきれいに油分を取る。

タイヤは綺麗な状態に戻す。

テープは1回巻きでよい。

ホイールの調子が良くても定期的に(年2.3回)テープを取り換える

 

 

チューブレスホイールはベテランのライダーさんでもチューブレスビギナーが多いので扱いに困られた方がたくさんおられます。

 

チューブレスタイヤのビードを上げる方法としてはテープの選択、石ケン水、ワックスなどいろんなお作法があります。

 

このようにチューブレスタイヤのメンテナンスは結構面倒なのがこのタイヤの特徴です。チューブレスの乗り味はいいのだが扱いがややこしいと考えられる方が多いと思います。

何事もトレードオフです。片方がよくても片方で面倒なことがあります。私はメリットのほうが多いと感じていますのでチューブレスタイヤを気に入っています。

 

今回は半年過ぎたところで空気が漏れました。やはり最低年2回のチューブレスホイールのテープ貼り替えは必要です。早めがいいですね。

チューブレスタイヤの情報をシェアして快適にチューブレスホイールを楽しみたいものです。

オフセットリムの向きを間違えた

ハブが9速10速11速とギア数が増えるとハブの構造も変わりました。オフセットの数値が増えるわけです。右スポークが張っている割には左が緩い状態になります。11速では右スポークテンションの半分以下になります。これはハブ幅が変わらない限り仕方のないことです。この構造的弱点を改善する方法にオフセットリムがあります。リムのセンター位置を数ミリずらす構造です。キンリンのリムではオフセットリムの品ぞろえがありますので後輪はほとんどオフセットリムを使います。

 

話が長くなりましたが、このオフセットリムを使用してホイールを作っていました時リムの向きがあるのに逆の向きで作ってしまいました。左スポークのテンションを高めるつもりが超ゆるゆるテンションになってしまうところでした。

リムを重ねてスポークを移動させるだけ

暑さでボーっとしていたのか気づいたのは仮組が終わった時でした。組み直しです。

 

通常は全部ばらすのですが同じリムがあれば簡単にやり直しができます。

同じリムでもう一つ作る予定でしたので同じ穴数のリムを正しい向きで写真のように穴位置を合わせて固定します。

移動させるリムから新しいリムに順番にスポーク、ニップルを移動させていきます。これは簡単です。もうスポークは組んでありますからニップルインサーターを使って移動させるだけです。2,30分で移動は終わります。あとはホイールを組み上げていくだけです。

 

このやり方はリム交換の時に使う方法です。ホイールをばらすと再度組み上げるには時間が掛かりますが移動させるだけなら簡単です。ちょっと気を抜いたらとんでもない遠回りになります。単純な作業ほど気を付けないといけません。

カーボンホイール後輪を作製②

作り終えたカーボンホイールのテンション比率を検証いたしました。

ホイールの詳細です。

ニップル穴の方向が2:1組用に開けている

リム ライトバイシクルAR46 2:1組用 チューブレス対応 穴なし

ハブ バイテックス BX301 16:8

ハブは簡単に分解できる

スポーク DTコンペティション ストレイトプルスポーク 黒

ニップル DT Pro Lock Squorx Pro Head ブラス 黒

重量 869g

今回のホイールではスポークテンション比率は左73:右100です。左テンションが非常に高いホイールに仕上がっています。空力の良さは以前作成しましたホイールで検証済みです。

グラフでわかりますようにリムの品質が高いためスポークのテンションを均一化することが楽にできました。スポークテンションのバラつきは5%以下に抑えることができています。2:1組の場合左がなかなかテンションを揃えにくいのですがこのリムでは楽に均一化できています。

ストレイトプルスポーク使用の場合丸スポークではニップルを回していきますとスポークが回転してしまいます。この点がこの丸スポークの扱いにくい理由となっています。プライヤーなどで固定しながらニップルを回しています。CX-RAYのような扁平スポークを使えば回転を防ぐことができます。

このホイールは穴なしリムのためチューブレステープがいりません。リムが穴アリと穴なしでは感覚的に剛性が違うように感じています。はっきり数値で表示できないのですがリムの中央に穴が開いているリムと穴が開いていないリムでは強度が違います。メリットはただ単にリムテープがいらないという経済的な理由だけではありません。剛性の高いリムはホイールの性能に大きく影響いたします。

カーボンホイール後輪を作製

Bitexハブ BX301 16:8組 ストレイトプルスポークを使いカーボンホイールを作りました。

ホイール重量 869g
ハブ重量227g
穴なしリム使用
2:1組用に穴あけ

カーボンリムはライトバイシクルの46mm高AR46リムを使っています。このリムは穴のあけ方を2:1組用に依頼しています。チューブレス用として穴なしを注文しています。

 

ホイールを作るにあたり注意事項があります。

 

①穴なしリムで作る

②2:1組のためスポーク長の計算が特殊

③ストレイトプルスポーク使用のためスポーク長の出し方に注意がいる

 

こうしてみますとちょっと難しいホイールです。対処方法としては次の通りです。

 

①穴なしリムではマグネットねじを使います。

②2:1組のスポーク長はエクセルで計算しています。

この計算式からエクセルで計算

③ストレイトプルスポークハブにはスポークオフセットがあります。

スポークオフセットは上図のようなことです。ハブの構造上から計測しなければならない数値です。

上記の①②③を考えて作りますのでホイール作りの中では難易度が高いと思います。しかしホイール作りが好きな方にはとてもやりがいのあるホイールと思います。

ディスクブレーキホイールを作製

以前ホイールをお納めしました方よりディスクブレーキ用のホイールを受注いたしました。再度ご注文いただけることはありがたいことです。

お互いにメールで連絡取り合いホイールの仕様を決めていきます。

今回のホイール仕様です。

リム DT RR411DB 非対称リム 24h

ハブ TNI REVO ROAD ディスクハブ

スポーク 前輪 CX-RAY黒 後輪 左CX-RAY黒 右コンペティション黒

ニップル Pro Lock Squorx Pro Head アルミニップル(リムに付属)

前後ともに2クロス組です。

 

リム重量は435g前後ですのでとても軽く剛性もあります。

DT RR411 DB  rim 435g

スポークテンション比率はスポーク長計算ソフトで出すことができます。wheelproのソフトを使いました。

フロント

リア

前輪後輪ともにオフセットリムを使いますのでスポークの左右テンション比率は68:100でとても高くスポークの緩みから来る駆動ロスは減じることができます。駆動効率の良いホイールに仕上がります。このテンション比率なら2:1組に挑戦する必要はないようです。つまりゾンダ、レー3に負けないということです。

前輪699g

 

後輪832g

重量は前輪699g 後輪832g  合計1531gです。

 

ゾンダ Disc 1675g、レーシング3 Disc 1660gですので比較しますと軽く出来上がったことがよくわかります。

 

リムブレーキのほうのRR411リムもよくできたリムです。ジョイントは溶接で品質が良く取り扱いの面で安心できます。チューブレスでも使えます。

TNIのREVOハブも価格的にこなれたいいハブです。安価なハブを求めて海外通販で買わなくてもいいように感じます。ただこのハブは24hだけしかありませんので出来上がりのホイールには体重をよく考える必要があると思います。

フロントハブ132g
リアハブ245g

ディスクブレーキに移行を考えておられる方が多くなってきています。しかしディスクの場合6ボルト、スルーアクスル、センターロックなど規格が多すぎる感じです。もう少しハブの規格が統一されるといいなと思っています。いずれにしましてもフロント100リア142のスルーアクスルハブで乗られる方にはこのホイールが参考になるとと思います。