カーボンホイール後輪を作製②

作り終えたカーボンホイールのテンション比率を検証いたしました。

ホイールの詳細です。

ニップル穴の方向が2:1組用に開けている

リム ライトバイシクルAR46 2:1組用 チューブレス対応 穴なし

ハブ バイテックス BX301 16:8

ハブは簡単に分解できる

スポーク DTコンペティション ストレイトプルスポーク 黒

ニップル DT Pro Lock Squorx Pro Head ブラス 黒

重量 869g

今回のホイールではスポークテンション比率は左73:右100です。左テンションが非常に高いホイールに仕上がっています。空力の良さは以前作成しましたホイールで検証済みです。

グラフでわかりますようにリムの品質が高いためスポークのテンションを均一化することが楽にできました。スポークテンションのバラつきは5%以下に抑えることができています。2:1組の場合左がなかなかテンションを揃えにくいのですがこのリムでは楽に均一化できています。

ストレイトプルスポーク使用の場合丸スポークではニップルを回していきますとスポークが回転してしまいます。この点がこの丸スポークの扱いにくい理由となっています。プライヤーなどで固定しながらニップルを回しています。CX-RAYのような扁平スポークを使えば回転を防ぐことができます。

このホイールは穴なしリムのためチューブレステープがいりません。リムが穴アリと穴なしでは感覚的に剛性が違うように感じています。はっきり数値で表示できないのですがリムの中央に穴が開いているリムと穴が開いていないリムでは強度が違います。メリットはただ単にリムテープがいらないという経済的な理由だけではありません。剛性の高いリムはホイールの性能に大きく影響いたします。

カーボンホイール後輪を作製

Bitexハブ BX301 16:8組 ストレイトプルスポークを使いカーボンホイールを作りました。

ホイール重量 869g
ハブ重量227g
穴なしリム使用
2:1組用に穴あけ

カーボンリムはライトバイシクルの46mm高AR46リムを使っています。このリムは穴のあけ方を2:1組用に依頼しています。チューブレス用として穴なしを注文しています。

 

ホイールを作るにあたり注意事項があります。

 

①穴なしリムで作る

②2:1組のためスポーク長の計算が特殊

③ストレイトプルスポーク使用のためスポーク長の出し方に注意がいる

 

こうしてみますとちょっと難しいホイールです。対処方法としては次の通りです。

 

①穴なしリムではマグネットねじを使います。

②2:1組のスポーク長はエクセルで計算しています。

この計算式からエクセルで計算

③ストレイトプルスポークハブにはスポークオフセットがあります。

スポークオフセットは上図のようなことです。ハブの構造上から計測しなければならない数値です。

上記の①②③を考えて作りますのでホイール作りの中では難易度が高いと思います。しかしホイール作りが好きな方にはとてもやりがいのあるホイールと思います。

ディスクブレーキホイールを作製

以前ホイールをお納めしました方よりディスクブレーキ用のホイールを受注いたしました。再度ご注文いただけることはありがたいことです。

お互いにメールで連絡取り合いホイールの仕様を決めていきます。

今回のホイール仕様です。

リム DT RR411DB 非対称リム 24h

ハブ TNI REVO ROAD ディスクハブ

スポーク 前輪 CX-RAY黒 後輪 左CX-RAY黒 右コンペティション黒

ニップル Pro Lock Squorx Pro Head アルミニップル(リムに付属)

前後ともに2クロス組です。

 

リム重量は435g前後ですのでとても軽く剛性もあります。

DT RR411 DB  rim 435g

スポークテンション比率はスポーク長計算ソフトで出すことができます。wheelproのソフトを使いました。

フロント

リア

前輪後輪ともにオフセットリムを使いますのでスポークの左右テンション比率は68:100でとても高くスポークの緩みから来る駆動ロスは減じることができます。駆動効率の良いホイールに仕上がります。このテンション比率なら2:1組に挑戦する必要はないようです。つまりゾンダ、レー3に負けないということです。

前輪699g

 

後輪832g

重量は前輪699g 後輪832g  合計1531gです。

 

ゾンダ Disc 1675g、レーシング3 Disc 1660gですので比較しますと軽く出来上がったことがよくわかります。

 

リムブレーキのほうのRR411リムもよくできたリムです。ジョイントは溶接で品質が良く取り扱いの面で安心できます。チューブレスでも使えます。

TNIのREVOハブも価格的にこなれたいいハブです。安価なハブを求めて海外通販で買わなくてもいいように感じます。ただこのハブは24hだけしかありませんので出来上がりのホイールには体重をよく考える必要があると思います。

フロントハブ132g
リアハブ245g

ディスクブレーキに移行を考えておられる方が多くなってきています。しかしディスクの場合6ボルト、スルーアクスル、センターロックなど規格が多すぎる感じです。もう少しハブの規格が統一されるといいなと思っています。いずれにしましてもフロント100リア142のスルーアクスルハブで乗られる方にはこのホイールが参考になるとと思います。

BitexHub BX301が届きました

バイテックスのストレイトプル2:1組(16:8)ハブが気になっていまして注文しました。

227g

重量はカタログ通りの重量です。

 

Weight

227g
Bearings 4 sealed Enduro 688 bearings
PCD NDS 32mm – DS 52.5mm
Center-to-Flange NDS 38mm – DS 13mm
OLD 130mm
Flange Diameter NDS 38.4mm – DS 56.2mm

 

Wheelproのスポーク長の計算ソフトでスポークの左右テンション比率が出ますのでこのソフトを使って大まかなテンション比率を出してみます。

下図に表示します。

左右のスポークテンション比率は左71:右100で悪くありません。DTのRR411のオフセットリムを使うと90:100で仕上がります。

分解してみました。5mmのヘックスレンチと17mmのソケットレンチで簡単に分解できます。ベアリングの取り換えも簡単にできます。

手組で2:1組に挑戦するのによいハブと思います。

簡易振れ取り台の提案

友人から振れ取り台が欲しいと相談されたのですが新しく買うほどのこともないようでしたのでこんな方法もあるよと勧めたやり方です。

自転車をひっくり返して振れ取り台がわりにする方法もありますが場所を選びます。

私が提案した方法はバイクスタンドを利用する方法です。

フロントには後輪クイックにスペーサーを使う

用意するものは

バイクスタンド

定規(30cm)

タイバンド2本

色テープ

前輪用に不要のボールペンなどで作ったスペーサー(3cm)

写真を見ていただいてわかりますように30cmの定規に色テープを貼ります。

間隔はテープではリムの幅に近い幅で巻いています。テープを指標にします。

あとは定規をバンドで止めて終わりです。

センターを出すには自転車に戻しながらにするかセンターゲージを用意する必要があります。ミノウラのゲージは安価ですが手軽にするには段ボール紙で自作する方法もあると思います。

簡易的に振れ取りをするならこれで十分です。これで友人からはとても喜ばれました。

スポークテンションを揃える

XR31RT 24hリムで後輪ホイールを作っています。

 

後輪スポークは右から左にと以前このブログに書きました。

後輪ホイールは先ず右側のドライブサイドのスポークテンションが揃うようにテンションを上げていきます。左は最初の緩みだけを取った後はさわりません。右側だけ縦ブレを取りながらニップルを回します。8割ぐらいの完成を目指します。

 

縦ブレを取ってからリムを左側に寄せるようにします。今度は左側だけを少しずつニップルを回してリムのセンターを出していきます。右側はさわりません。左側だけを少しずつニップルを回してリムセンターを出していきます。

縦ブレ横ブレが取れきれいに回るホイールに仕上がります。この作業で一度ホイールは完成します。見た目は完成しています。縦ブレ横ブレもできるだけ取ることができました。一度テンションを測ってみます。

矢印の位置のテンションが低い

上のグラフがこの状態です。スポークのテンションは全く揃っていない状態です。しかし各スポークのテンションはばらついていますがホイールの回転はとても滑らかで振れがありません。

10年くらい前では私のホイールはこの状態でした。ホイールの振れを取ることばかり専念していました。残念ながらスポークテンションは振れが取れたらしっかりと揃うと思っていました。

 

ホイールの振れは各スポークのバランスが取れると振れが取れます。つまり上図の状態でも振れが取れたホイールになりますので満足してしまいます。

スポークテンションを揃える

ここで一歩進めて次に状態になるようにすることが肝心です。テンションメーターが活躍する番です。ピンとスポークを弾いて音を聞きながらテンションを揃える方法もありますが一般的にはメーターを使うほうが楽なように思います。

 

各スポークのテンションが揃っていればホイールの前へ進む力が減じることなく進みます。緩いスポークが折れるということも防げます。ホイール作りではスポークテンションを揃えることが大切です。

25mm高のチューブレスカーボンホイール

チューブレスカーボンホイールを自転車屋のオーナー様よりご注文いただきました。

当ブログに連絡いただきました。いろいろとご相談しながら最終的に以下の仕様で作らせていただくことになりました。

 

F,R 25mmカーボンリム

スポークF20,R24

Fスポーク CX-RAY ブラック

Rスポーク コンペテンション ブラック

ニップル ブラス

ハブ ノバテック

以上の様なホイールをお願いします。

穴なしリムはライトバイシクルからの取り寄せです。部材は全部当方でご用意いたしました。

コロナの影響でリムが届くまで時間が掛かりました。

401g
400g

リムの重量は写真の通りです。カタログ通りの重量です。ライトバイシクルの担当からはこのリムは取り扱いが難しいが大丈夫かと心配されましたが何の問題もなくクリアーしました。

穴なしリムのチューブレスホイール1406g
前輪 593g

後輪 813g

前輪593g、後輪813gで前後重量は1406gです。とても軽量です。

後輪スポークにコンペティションを選択していますのはやはり剛性を高めるためです。カーボンリムのためリム自体の剛性はアルミリムより十分高いのですが少しスポークを太くすることでさらに効果を高めています。

前輪は地面からの振動を和らげる効果やスポークの粘りを期待して最強といわれているCX-RAYを選択しています。

ニップルは敢えてブラスにしていただきました。最近のアルミニップルは強化アルミを使っていますので強度的には問題ないのですがより丈夫な選択ということでブラスを提案いたしました。

 

自転車屋オーナー様からのオーダーですので普段と同じとはいえうれしものです。しっかりと作らせていただきました。チューブレスのカーボンホイールは完組ではとても高価なホイールです。このようなご注文はありがたいです。とてもモチベーションが上がります。

チューブレスタイヤ空気圧の推移

XR31T・RTのリムを使ったホイールのチューブレスタイヤを取り換えました。

通常の石ケン水でインストールする方法です。

20㎜幅ポリイミドテープ

 

リムテープにはポリイミドテープを使っています。重なる部分が10cmほどの一回巻きで空気を入れました。

テープはアマゾンで購入の20㎜幅のテープです。イーストンのチューブレスキットに使われているテープとあまりにもよく似ています。しかし確かめたことはありません。

イーストンのHPより

 

シーラントなしで空気漏れはどのくらいなのか調べました。3日しか調べていませんがまずまずの成績ですのでお試しください。

一日目 6.72気圧

二日目 6.28気圧

三日目 5.84気圧

と推移しています。十分な結果と思います。

 

チューブレスタイヤはベテランライダーさんも最近始められた方が多いようです。チューブレスタイヤに関しては超ベテランの方々も悪戦苦闘されているようです。しかしチューブレスにするとなかなかクリンチャーには戻れません。

リムの油分をアルコールで拭いています

このタイヤに関してはベテランも素人もありません。皆さん結局は慣れないとダメなようです。いろんな方法を試されています。私もこれがいいようですと連絡取りあっています。

 

山口県のお客様より別の方法を教えていただきました。いろいろ試された結果をいつも教えていただいています。

右 3M 25㎜幅テープ 左ポリイミドテープ

XR31T・RTのリムを使ったホイールには3Mの25mm幅テープの1回巻きがいいと教えていただきました。これも良さそうです。次の機会にはこのテープで試そうと思います。

AL31Wリムを使ったホイールのインプレ

お客様よりTNIのAL31Wリムを使ったホイールのインプレいただきました。

このリムはキンリンのXR31T・RTリムと同じものと考えます。

 

リムは価格的にもリーズナブルで剛性がありとても優秀と思います。

このリムを使ったホイールをお買い上げいただきましたお客様より印象メールをいただきました。このホイールはけっして軽くはないホイールですが乗られた結果は予想以上に良かったのでご連絡いただきました。軽いホイールもいいのですが決して軽さだけではないことを教えていただいています。以下掲載をお許しいただきましたのでご参考になればよいと思います。

ホイールの内容は次のとおりです。

前輪

TNIAL31W28h
ハブ シマノ ティアグラHB-RS400 28h
スポーク サピムLaser2.0/1.5/2.0mm 3クロス組
ニップル DTアルミ
重量806g

後輪


リム TNI AL31W 3mm オフセット 32h
ハブ シマノFHrs400 32h シマノ10速11速兼用
スポーク サピムLaser2.0/1.5/2.0mm 3クロス組
ニップル DTアルミ
重量 1045g

前後1851g

以下感想をお知らせいただきました内容です。

街乗りやヒルクライムを含む約150kmのライドに使用させていただきました。
とても良質なホイールで感動しました。
素人レベルの感覚ですが、少しでもご参考になればと思いご連絡させていただきました。

チューブレスレディ対応のリムですが、扱い慣れているのでクリンチャータイヤ(タイヤ銘柄:IRC JETTY plus 25c)にアルミフレームでの走行です。

漕ぎ出しから巡航まで素直にスッと前に出て行く感覚が気持ちいいです。
足を止めたときに惰性が無駄なく維持されているのがよくわかります。
特に20㎞台後半~30㎞台後半の速度域ではスピードが維持しやすく、直進安定性が抜群でホイールが地面に吸い付いているような感覚です。
スポークとリムの組み合わせ、丁寧に均一化されたスポークテンションの効果かと思います。
コスパ重視のタイヤ選択でしたが、チューブレスや走行性重視のタイヤを履かせるとさらに性能を引き出せるかと。

下りも同様に安定感があり、きつい下り勾配のコーナー進入時のブレーキでヨレる感じや嫌な挙動が全く無くスムーズに減速してくれます。
上りに関しては平均斜度10%以上の勾配が続く峠ではやはりそれなりに力が必要ですが、単に上るだけなら数字で見るほどの重量感は感じず、足枷になるようなネガティブな印象は受けませんでした。

足回りの安定感のおかげで乗車時にバランスがとりやすく(平均台の上に立ったときに平均台の幅が1本分広くなったようなイメージ)、各ポジションで体をリラックスさせやすいのも好印象でした。
長距離を走っていると感じる疲労感や手の痺れなどのストレスがかなり軽減されていて驚きました。

長い距離を快適かつロスを抑えて安定的に乗るのにはうってつけだと思います。
街乗りからロングライドまで幅広くカバーしてくれる丈夫でよく走る質実剛健なホイールです。
リムの剛性による性能への影響は大きいと実感致しました。

同時に感じましたのは、やはりスポークテンションの均一化がより性能を引き出していると感じました。

組み手の丁寧な仕事の賜物です。

チューブレスタイヤで走った際にはまた感想をお伝えさせていただきたいと思います。 

よいホイールとほめていただきました。ホイールは軽さだけではないということですね。ご参考になれば幸いです。

自作品と市販品

福島のパックスサイクルさんのホームページを見ていますと面白い工具が販売されていますのを見つけました。

とても便利なことは私も同じようなツールを使っていますのでお勧めいたします。

パックスさんのホームページより

私のツールは自作品です。もう長年使っていますのでニップルシャッフラー(ニップルを入れてシャカシャカ振りますのでシャッフラーと呼んでいます)も油がしみ込んでいい色になってきています。

このシャッフラーは一合升で作った手づくり品です。

次にニップルインサーターは精密ドライバーに適当なやすりを取り付けています。長さもちょうどよくカーボンリムなどのリム高の高いリムにもうまく対応できて重宝しています。

 

パックスさんのツールには驚きました。私が使っているものと同じようなものが売り出されています。

 

別のニップル入れに自転車のアサヒさんからも販売されています。

アサヒさんのホームページより

このツールはユーチューブでホイール作りを実演されている大阪寝屋川の「サイクルショップはたの」さんのユーチューブで使い方を知ることができます。

 

自作もよし、買われてもよしです。便利で作業効率がはかどります。