ダイナモホイールを使ってみました

先日作りましたダイナモホイールをクロスバイクに取り付けました。ライトはシマノのダイナモライトです。安価でこのシンプルさが気に入りました。点灯スイッチがついていませんのでライトはつけっ放しです。これも安全のためにはいいかなと思います。

ライトは昼もつけっ放し
ハブとスポークがシルバー

ハブだけを手回ししますと回り方が固いので大丈夫かなと思いましたが全くその心配は無用です。最初は回転ロスが生じるのかなと思っていましたがこれも思い過ごしでした。とてもよく回り快適です。

Vittoria zaffiro pro

タイヤはVittoriaのzaffiro pro trainingです。いわゆる普段使いの練習タイヤ、最安値のタイヤですが私にはこれで十分です。人様にはホイールはタイヤが大切といっていながら本人は安いタイヤです。ニヤッとされると思いますが上も下も試しています。用途に応じて今回は下にしています。

新しいタイヤは値段の高低関係なく気持ちがいいです。タイヤも鮮度なんですかね?しかしこれもすぐに慣れてしまいますが、zaffiro、いいタイヤです。コスパがいい。

このホイールのスポークはちょっと奢ってCX-RAYで組んでいます。たまたまカットしなくてもいい長さのCX-RAYが残っていまして、しかもシルバーでしたのでハブの色と合わせて組みました。これが良かったと思います。勿論サピムLaserを叩いて扁平にしたのがCX-RAYですのでLaserも同じ感覚で乗れます。

非常に楽ちんです。スポークがショックアブソーバーの働きをして地面からの振動を吸収してくれますので楽です。突き上げ感がありません。細いスポークで作り上げた多スポークホイールの良さがよくわかります。

このホイールはお客様に教えていただきました。教えていただきましたお客様はブルべのロングライド用にとオーダーいただきました。理由が納得できます。

ご注文いただきましたホイールのアイデアから私も作ったわけですがこれはお勧めです。私にかかりますと何でもお勧めですがこれはいいです!

疲れにくい、夜も昼も安全、電池の心配無用、ちょっとだけの優越感、少し高価になりますが総合点はとても高いホイールです。

クロスバイクのホイールをご注文いただきました

私は普段クロスバイクをよく乗っています。ロードバイクはアルミとクロモリを持っていますが主にクロスバイクが多いです。ジャイアントのエスケープに乗っています。ホイールはキンリンのリムXR31T/RTで作った手組ホイールです。ホイールのほうが値段が高いです。コンポーネントはそのままでペダルはSPDです。近所に行くときも自転車用の靴に履き替えるとことろが面倒ですがとても乗りやすく気に入っています。サイクルロードを時速30kmで走るのが楽しみです。お声掛けして100万円の自転車で走っている人の後ろを走るのは楽しいです。ベンツと軽が走っている感じですが結構楽しく走れています。

前置きが長くなりました。

さて、クロスバイクで楽しんでいる方よりこのブログをお読みいただいてご連絡いただきました。

いつも乗っておられるクロスバイクのホイールを替えてみたいというご希望です。

タイヤインストールして納品

提案しましたホイール内容は下記の通りです。

XR22T/RT  28h  後輪オフセットリム
シマノティアグラ シルバー 28・28h
前輪スポーク ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm
後輪スポーク ピラーTB2018 2.2/1.8/2.0mm
後輪スポーク ピラーTB2015 2.2/1.5/2.0mm
nipple ピラーダブルスクエア   IRCチューブレスタイヤ インストールして納品
135mm用ハブ軸

ティアグラハブで見積しましてホイールを納品しましたが大きなミスでした。クロスバイクのエンド幅は135㎜だったのです。

ハブは135mmで提案しないといけなかったのですがうっかりミスで確認できていませんでした。やり直しです。

ハブをいろいろ探したのですが今の部品状況では手に入らないのが現実です。最近の自転車部品の逼迫状況は大きくは変わりません。半年くらい待たないといけないことが当たり前になってきています。

このためハブ軸を135mmで使える品物と取り換える方法で了解いただきました。本来ならハブを交換するのですが交換ハブは半年以上の先の話になりますのでご理解いただきました。

シマノハブではハブシェルは130,135ともに同じサイズですので軸を変えることで対応できます。勿論ハブセンターが左に寄りますのでスポーク長が変わります。ホイールは組み替えになります。

135mmのハブ軸に交換しました

最近はネットでシマノの部材は販売されていますので容易に交換できます。昔は限られた業者しか扱えないようになっていましたが今は違います。その気になればだれでもできるようになりました。

軸を変えることは簡単です。しかし事前にハブの構造を確認しておく方が良いかと思います。シマノのホームページからハブ構造を知ることが出来ます。スペーサーの位置なども調べておく方が良いかと思います。

ベアリングをセットするときにグリスを十分充填しておきました。

ハブ軸を交換して135mm幅用にしましたのでスポークテンションを測ってみました。

図では一番下のグラフを参照ください。

前輪スポークテンション
最初に作りました130mmハブのスポークテンション
135mmハブで作ると左スポークテンションは非常に高い

130mmから135mmに替えると2.5mm左にリムが寄ります。つまり左スポークテンションが大きく変わります。

グラフを見ていただきますとよくわかります。130mmの時と135mmのグラフを比較できます。135mm幅では左スポークテンションは非常に高い仕上がりです。左右差が少ないホイールに仕上がります。

納品後にお客様よりこのような連絡をいただきました。

いつものコースを走りました。往復20.23Kmです。発進する場所が坂道でコケたことがあるのでコケるのではとの恐怖がいつまでも消えなくて漕ぎだしの軽さを感じる余裕がないのが残念でした。上り坂も苦しさは相変わらずでした。体重と車の重量を持ち上げるのですから当然ですね。

タイムは短くなりました。1時間20分くらいが1時間13分です。15km/h16.5km/hです。

上り坂はグイグイ上がる感じがありました。平地に近いほど加速感が増している印象です。

結果としてタイムの短縮と疲労度が少なくなっているのかなとも思います。

10年ほど乗られていましたクロスバイクのホイールを交換され走りは大きく改善できました。

自転車のアップグレードはタイヤ、ホイールからがいいとよく言われます。なるほどその通り!と感心しています。

46mm高ディスクホイールのインプレをいただきました

46mm高のディスクカーボンホイールをお納めしましたトライアスリート選手からのインプレをいただきました。以下いただきましたメールです。少し恥ずかしくなるくらいおほめいただきました。認めていただきましてうれしいです。

46mm高28mm幅ホイール

以下いただきましたインプレです。

先日、作っていただいたホイールのレビューです。

2回乗っただけですが、素晴らしいの一言です。

タイヤ:IRC FORMULA PRO TUBELESS RBCC 25c (前後)

・総評

まさしく万能。実用速度域でのベストな選択だと思います。35万円と言われても納得な感じです。

何よりも自分の体重や目的に合わせてセットアップされているという特別感(プラセボ)がやる気にさせてくれます。

・加速感

 まさに思っていた通りの感じです。スカスカ、ヒラヒラした感じが無く、しっかりと踏んだ力をダイレクトに地面に伝えてくれる感じです。

 特に8%以上の上りでぐっと力をかけたときの加速感が素晴らしいと思いました。

下りの加速感は60mmの方が明らかにあると感じましたが、トータルで考えるとこちらのほうが良いと思います。

・巡航性

45km/hぐらいまでの実用域の速度安定性も素晴らしいです。

それ以上になると下りは安定していますが、平地は60mmの方が安定していると思いました。しかし、普段はそこまでスピードを上げないので、レースもこのハイトのほうが良いかもしれないと思いました。

・剛性感

 私が乗っている限りではたわむことはなく、加速性、直進性、安定性の全てにおいて満たされています。踏み込み時のDiskの擦れもありません。

・TNIのハブ

小気味良いラチェット音でよく回ってくれている感じがします。こちらも満足です。

・横風

風速8m程度、突発的に風速12mの向かい風の中を走りました。フロントが風の流れに従うようになり不安定な挙動がありました。普段はTTで前乗りなのでフロントが暴れることはありませんが、ロードだとフロントの荷重が弱いので暴れるのかと思いました。こういうものかなと思える程度です。リムの性質だと思いますが、風の向きが切り替わってももう少しマイルドに従ってくれると良いかなと思いました。ZIPPのNSWだとならないのですが、ロードに履かせると違うのかもしれません。TT用を作成していただくことになった場合に参考にします。

以上

いいものを作ってくださり、本当にありがとうございます。

このインプレにはビルダーとしまして大喜びをしています。

ジップ404NSW前輪ホイールの再調整

カーボンホイールをお納めしましたお客様より連絡があり現在レースに使われているジップ404NSWのスポークテンション調整依頼を受けました。

細部を計測します

こういう高級ホイールを点検させていただきますのはとても緊張します。やることは同じなのですがやはり失敗しないかと思ってしまいます。

先ずはお預かり時点のスポークテンションを計測して記録することから始まります。

お預かり時  右側にテンションばらつきがありますがよくできていました
ほとんど修正することがなくよくできたホイールです

横ブレ、縦ブレを調べてみますととてもよくできていることが分かりました。当たり前です。振れはは少しありましたがすぐに直せるくらいの振れです。ブランドの名に恥じない仕事でないとブランドではありません。

いろいろ調べさせていただけるのがありがたいです。

ブレーキ面が強化されています

リムのブレーキ面は強化加工されています。これは速さには関係ありませんが安全面で有利です。長持ちするブレーキ面は高価でも結局は経済的です。

スポークはサピムのCX-RAYストレイトプルスポークです。ハブ、リムを計測しました。

これらのデータからスポークの角度を計算しますと次のような結果となります。

ブレイシングアングルが大きい
計算結果

スポークのブレイシングアングルが大きいことがよくわかります。このリムを支えるツッパリ棒的な角度が大きいのです。通常6度前後が多いのですが9.9度あります。この角度は大きいです。角度が大きいほどつまりぐっとリムを支えているということになります。これは横剛性が高いことを意味します。

ハブを見ますとフランジ幅が80mmあります。通常の台湾ハブでは70mmですが10mm横に広いです。この10mmは大きいです。ハブシェルも太く、フランジの径が大きいです。台湾ハブでは30mmが多いのですが38mmあります。シマノハブと同じです。

ハブシェルが太く、フランジ幅が広いハブということは剛性が高いということです。

●ブレイシングアングルが大きい

●フランジが大きい

●リム剛性が高い

スポークのリムを支える力が高く、リム剛性が大きいホイールは撓まないのでコーナーに強いです。駆動力のロスなくコーナーを回れることは大きなメリットです。

いろいろ調べる機会を得ました。ありがたいです。とても良くできたホイールでした。羨ましいです。

ミケハブを使った32h多スポークホイールのご注文

このブログでイタリアのミケ社ハブについて記事にしていますがこのハブを使った多スポークホイールをご注文いただきました。

前輪 822g
後輪 1006g

お客様はクロモリロードで乗られています。

提案しました内容は下記の通りです。

リム キンリン社XR31T/RT 32h

ハブ ミケ社 シルバーハブ 32h

スポーク 前輪ピラー TB2015 2.3/1.5/2.0mm

     後輪左 TB2015 2.3/1.5/2.0mm

     後輪右 TB2018 2.3/1.8/2.0mm

ニップル ピラーDSN シルバー

スポークを細くして、数を増やすことで剛性を確保します。細いスポークはショックアブソーバーのように地面からの振動を吸収します。

後輪右側に中央部が1.8mmと太いスポークを使って剛性を上げています。

ミケハブ シルバー 32h 3クロス組
ミケハブ シルバー 32h 3クロス組

ミケハブのシルバー32hはなかなか手に入りません。クラシックなシルバーハブはとても素敵です。

ピラースポークはJベント部分が2.3mmありますので強化されていると考えます。よくJベントが心配する人が多いのですが強化されているのが安心材料です。スポークが折れる原因はスポークテンションが揃っていないことがほどんどです。作り方が悪ければ折れる、作りが良ければ折れない、ただそれだけです。ストレイトプルスポークのほうが優れていると考えるのは間違いと思っています。

ニップルはピラーのDSN(ダブルスクエアニップル)です。このニップルは前からも後ろからも回すことが出来ます。特に締め増しするときに後ろから締めるのが楽です。ハイテンションになっているスポークのニップルを回すときに後ろから回すと回しやすいです。これはとても便利で扱いやすい利点となります。通常のニップルよりも高価ですが使う価値は高いと思います。

左前輪用 右後輪用 3mmオフセット

リムは31mm高のリムです。ワイドリムでチューブレスレディーです。重量は500g前後と軽いリムではありませんが剛性が高く空力の援護を得ることが出来る優秀なリムです。コスパの高いリムの代表と考えています。

後輪はセンターが3mmオフセットしていますのでスポークテンションを10%ほど高くできます。

手組ホイールの良さは体重、乗り方に、好みに合わせてリム、スポークの数、太さを変えることが出来ることです。

多スポークホイールの良さは今までの記事で何度も書いていますので参考にしていただきたいのですが一言で言いますと乗り味が柔らかいことです。

スポークが地面からの衝撃を吸収してくれますので疲れにくいホイールに出来上がります。ブルべなどの長距離を走る場合にはもってこいのホイールです。おまけにスポークが多いということは落車でスポークが折れても振れは出ますが何とか乗って帰ることが出来ますのでトラブルに強いところも利点に上げられます。

少ないスポークのホイールが今は流行りですがスポークが少ない分太いスポークを使います。どうしても硬いホイールが出来上がります。硬いホイールがいいホイールではありません。乗り方、乗る人に合ったホイールがいいホイールと考えます。

出来るだけスポークテンションを揃えています
スポークテンションんを揃えることが一番大切です

ホイールはスポークテンションを出来るだけ均一になるように、出来るだけ振れを少なくなるように調整しています。

お客様からのインプレが楽しみです。

ダイナモハブ使用前輪ホイールの作製

お客様よりご連絡いただきまして台湾ハブのシャッタープレシジョンーハブを使いましてホイールを作らせていただきました。このブログに発表しています。

今回は自分用にダイナモホイールを作ることにしました。

存在感たっぶりのホイールです

とてもいい感じにできました。

ダイナモハブはドイツのSONブランドしか知らなかったですがお客様より教えていただきました。なかなかいい感じのハブです。国内では東京サンエスさんが輸入代理店です。

クロモリフレームに取り付けようと思いましてシルバーにしました。32hです。

リムはキンリンのXR31T32hです。リム高31mmで重量は500g前後で重いといえば重いのですが剛性が高く空力を得ることもできますので重量は大切な項目ですがそれだけではないと考えます。

スポークはたまたまカットしなくても良いサイズのサピムCX-RAYシルバーがありましたのでこれを使うことにしています。少しスポークに贅沢しました。

ニップルはブラスにしています。丈夫さを買っています。

ライトは手軽で安価なシマノのダイナモハブライトにしました。ライトの付属端子がJ2方式でした。ハブには接続端子E2端子がついています。J2端子は使わなかったのですがこのE2端子の接続も簡単でした。

スポークはCX-RAYですので軽量に仕上がります。弾力もありますので地面からの衝撃を吸収してくれる役割を果たしてくれます。ロングライドで疲れにくいホイールに仕上がっています。

簡単に接続端子をつなぐことができます

ブルべに使いたいということでご注文いただきましたホイールと同じように作っています。使いますライトは少しちゃちな感じですが実用品ですので私にはこれで十分です。チューブレスホイールとして使おうかなと思っています。

電池のいらないライトは便利です。毎日の通勤に使われる方ならとても有効なホイールと思います。

アルミホイールがカーボンホイールに生まれ変わる

以前このブログでPR1400ホイールをカーボンホイールに組み替えを行いました記事を見つけられた方よりご連絡いただきました。

道路の不整備で落車されDTホイールを損傷されました。幸いにも大きなお怪我がなかったようですが大切なホイールは使えなくなりました。ホイールのハブ、スポークは使える状態でしたので修理できるところを探しておられたようです。当ブログにご連絡いただきました。

お送りいただきましたPR1400 リム、スポークは変形しています

DTホイールのリムは高さ21mmです。ご希望のカーボンリムは高さが25mmですのでカーボンホイールに組み替えできないかとお問い合わせをいただきました。

PR1400ホイールのハブとスポークを使う組み替えは以前このブログで発表しています。経験済みですのでお受けすることにしました。

リムは25mm高25mm幅の軽量カーボンリムを使います。スポークカットが出来る余裕があれば組み替えはできます。お客様に何とか出来るでしょうとお返事しました。

25mm高のリムで穴なしを注文しますと最初はメーカー側からの返事では通常受付していないと返事でした。販売していない理由としてリム内部の空洞が狭いためニップルが通りにくいということです。何回かメーカー側とのやり取りで受付してもらえることになりました。このリムには交渉が必要です。何度も使った経験があると連絡してリムは受付してくれました。

25mm高リム 入手に時間かかりました

リムは注文しまして約2か月手に入るのに時間がかかりました。長くお待ちいただきましたがやっとのことで手に入りました。

前述のようにこのリムはリム内部の空きが小さいのでニップルが通りにくいという難点があります。メーカー側もこのことを強調して難しいからやめたほうがいいとアドバイスしてくれましたが当方も経験済みなので何とか出来ると思っていました。

実際リムが届いてからの作業は難しかったです。リムを作る段階での作業でリム内にウレタンのような異物が残ります。今回も少し残っていたのですが幸運でした。リム内部をニップルが動く余裕が残っていました。カンカンとたたきながらニップルを通すことが出来ました。

このホイールの組み替えの課題は仮組まで無事にたどり着けるかどうかです。通常の倍くらい時間が掛かりましたが何とかできました。

整理しますと

①スポークをカーボンリム用にカットする

②ニップルを空洞の狭い穴なしリムに通す

③仮組

3つの山を越えないと作れません。

経験済みの案件でしたのでお受けしましたが難しい作業でした。

仮組が終わりましたらスポークのテンションアップです。ここまで来ますと通常の作業です。注意点はスポークテンションの値を正確にとることです。スポークは特殊なスポークなのでテンションメーターの交換表では扱いのないスポークです。予備スポークをテンション校正器で測って110kgf、130kgfの張りに対してのメーターの数値を事前に調べておきました。

スポークが交換表にないので校正器で調べてから調整行いました
テンションを揃えることが大切です
この数値は正しいかと正確に知ることが必要です

テンションメーター校正器で事前に測りましたこの数値を信じるしかないのですがスポークを握ってこれくらいでいいだろうというようないい加減な方法ではしっかりとしたホイールはできません。出来るだけ正確な数値を知っていてこそ出来る作業と思います。

この数値も完璧な絶対値ではないと思います。ただスポークを握って作る、感覚だけでの作り方ではありませんのでかなり信頼度は違います。

カーボンホイールに蘇りました
前輪631g
後輪768g
穴のないリムは剛性が強化されてテープがいらないので経済的です

リム入荷まで長い時間かかりましたが出来上がりが楽しみですとご辛抱していただきました。こちらからいつまでにリムを送ってほしいというようなことはできません。3か月以上ただ待つだけです。

やっと出来上がりましたが待っていただきました甲斐があったと思います。今回のカーボンホイールは自画自賛になりますがよくできたと思います。ホイールが蘇りました。

キャノンデールAI-OFFSETフレーム用ホイールの調整

キャノンデールフレームのAI-OFFSETフレーム用ホイールを自作された方よりご連絡いただきました。

ご自分で作られたホイールのスポークテンションについて疑問があり調整依頼の連絡をいただきました。

キャノンデールのホームページより

AI-OFFSETフレームについてはキャノンデールのホームページで勉強できますが後輪ホイールのオフセットリムと同じ考えをフレーム側で行う方法です。

通常のホイールはギアの多段化でスポークの左右のテンション比は左側がとても緩い仕上がりになります。通常のニップル穴がセンターのリムを使う場合は左側が緩い仕上がりとなります。これを是正するには右ドライブ側スポークテンションを高く上げることで相対的に左を上げる方法やオフセットリムを使う方法が考えられます。つまりリムセンター位置をすこしずらしたリムを使う方法です。

AI-OFFSETフレーム はこのセンターをずらす方法を自転車フレーム側でずらす方法です。同じようにホイールの左右スポークテンションを出来るだけ均等になるように考えられた方法です。

キャノンデールではフレームのセンターを6mmずらしています。このずれたフレームに対応できるホイールは非ドライブ側スポークを強く引っ張って意図的にセンターを6mmずらしてホイールを作ります。

フレームが6mmずれていますのでホイール側を6mmずらしてセンターを保持するためにスポークの左右テンションは均等に近い数値となります。結果的には後輪ホイールが前輪ホイール同じような左右テンションが同じ値で作れるというやり方です。

これはうまく考えたものです。

お客様のホイールはE-bike用のホイールです。特殊なホイールですがこれからはこのようなホイールが増えてくるのは想像できます。

さてお送りいただきましたホイールはよくできていました。実用には十分のホイールです。しかしテンション調整はやはり難しく最終のチェックを依頼されました。

スポークテンションを揃えることが一番大切です。

上のグラフは届きましたホイールのテンション値です。勿論この状態で乗れるのですがスポークテンションを揃えることで振れが出にくくなりますしスポーク、リムなどの偏った部分の疲労も抑えることができます。パフォーマンスの向上です。下のグラフのように調整いたしました。

調整しましたテンショングラフです

後でインプレをいただけると思いますが乗り味は大きく変化ないと思います。ただホイールの安定維持には貢献すると思います。

AI-OFFSETフレーム対応ホイールはまだそんなに知られていませんが面白い方法です。私も大いに勉強できました。

シマノハブのクラス分けについて

シマノハブを使ってみていつも感じることを述べたいと思います。

よく使う下位グレードのシマノハブ  重いがよく回る メンテが楽

カップアンドコーンのシマノハブはとてもよくできています。ハブは下位グレードから上位グレードまで使っていて安心できます。メンテナンスを定期的に行えば何十年も使えるハブです。基本設計がよくできていますのでどのグレードもよく回ります。

こうしてみますといつもシマノハブはダイヤモンドのグレード分けと似ていると思います。

ダイヤモンドのグレードは石の中の不純物の量によってクラス分けしているのですがどのクラスのダイヤも硬さは同じです。輝き方は目を凝らしてみますと少し違いますが通常の使い方では上位クラスのダイヤも下位クラスのダイヤもよく輝きます。

これと同じ考えでシマノハブを見ますとハブの基本は同じです。外回りの化粧の仕方で変わるということになります。見た目の仕上げはクラスによって違いますので印象は大きく違い上位ハブほど高級感があります。しかし回転に関しては上位も下位クラスもよく回ります。同じと言い切るのは少し大胆と思いますが私にとりましては同じくらいの回転性能です。

ハブの中身についてですが機械もののクラス分けでは細かくグレード分けはできないと思います。同じ部品を使っていることがシマノハブデータを見ますとよくわかります。

シマノハブのカップアンドコーンはメンテがし易く長持ちです。とても優秀です。しかし少スポーク用のハブが販売されていません。シマノハブはすべて多スポークホイール用になります。この点はメーカーもよく考えています。ハブ穴は限られています。最低28穴で32,36穴と限られたハブ穴しか手に入りません。

しかしながら世の中うまく考える人がいます。完組ホイールを分解している人が多々見受けることです。シマノ下位グレードホイールのハブには少スポークのカップアンドコーンハブが使われています。これを利用するわけです。何度か注文をお受けしたことがありますが下位グレードホイールから取り外したハブを送ってこられました。

私は多スポークホイールがメインで使うホイールですのでこのような裏技は行いませんがうまく考えられたものです。

一般にはどうしても軽いホイールの目が行きます。軽いブティックブランドのハブに注目します。余裕があれば私も使いたいハブは高級ハブです。しかし実質本位で考えますとティアグラ、ソラグレードはもっと使われても良いかと思います。

下位グレードの重たい肝っ玉母さん的なシマノハブはよく働いてくれます。これをよくご存知の方は軽量台湾ハブではなくシマノハブを購入されるようです。

輪行によく使う多スポークホイール

シマノハブ、多スポークで作ったホイールは疲れにくいホイールです。長持ち、メンテが楽、疲れにくい、こんな切り口で作り上げたホイールは、軽さだけではないという別の観点からみた優秀なホイールです。

36mm高リムブレーキのカーボンホイール作製

このブログにご連絡いただきました。皆様最初は心配ながらのご連絡ですがご安心願います。

お客様はご自分でもホイールを作られるのですがどうも最終のテンション管理がうまくいかないということです。ご自分で作られる方は振れ取りまではみなさん出来るのですがそれからの最後の仕上げになるとうまくいかないようです。

TNIレボルーションハブ 20・24h

ハブをお送りいただきました。TNIのレボルーションハブです。当方での定番的なカーボンリムを使って作らせていただきました。

リムの高さ36㎜か46㎜か迷われたようですが使いやすくて登りにも強いホイールということで36mmリムを選ばれました。

ハブ、リムが決まればスポークはこちらで提案いたします。最近よく使うピラーのウィング21をお勧めしました。少しだけCX-RAYより重いスポークです。空力はウィング21のほうが良いといわれるのですがまあほとんど同じようなものです。わずかに重いので剛性はこちらのほうがあるでしょう。私には分からないのですがわかる人にはわかるようです。まあそれだけ微妙な違いということかもしれません。いずれにしても優秀なスポークには間違いありません。

穴はバルブ穴だけです

リムは穴なしリムを使います。これも定番です。カーボンリムはすべて穴なしリムを使っています。リムテープの運用がないためタイヤインストールが非常に楽です。クリンチャー、チューブレス、どちらも使えるリムです。ニップル穴がない分穴アリリムと比べて剛性が高いようです。

大きい差ではありませんが差があるのは確かです。

ニップル穴がないため作るのに時間が掛かりますがユーザー様にとってはこれほど良いリムはありません。注文されるお客様は皆さんこのリムを注文されるのはよくわかります。

DT SquorxProニップル

ニップルはDTのSquorxProニップルを使っています。15mmのブラスです。ねじ穴には緩み止め剤が施されています。ブラスのほうが丈夫なのでアルミは基本使いません。20gほど重くなるのですがこの差が分かる人は天才と思います。一般には1gでも軽いホイールがいいといわれるのですがこれも気持ちの問題のようです。安全性優先でブラスをお勧めしています。

ホイールの価格はブティックブランドホイールの約1/3の価格なので3セット注文された強者ライダーさんもおられます。価格は安価ですが性能は負けません。

縦ブレはほとんど真円になるくらい追い込んで作製します。横ブレもありません。カーボンリムはアルミリムのようにつなぎ目がありませんので高精度の仕上がりにできます。

ホイール組みが終わりますとストレスリリーブです。これは何回も行います。足で踏みつけるいうような荒々しい方法ではありません。単純にスポークを握る方法です。時間を開けて行うほうが良いようです。リム、スポークがなじむというか時間空けたほうがいいです。

一番良い方法は一度乗ってテンション調整することですがお客様は遠方の方が多いのでこれは難しいです。このため何度も行っています。

前後 1452g
前輪630g
前輪822g

出来上がりです。テンションデータはグラフにしましてお客様にお渡ししています。出来上がり後のメンテナンスが出来るだけいらないように作っています。しかしいつでもメンテナンスはお受けいたします。ご安心ください。