アルテグラホイールのテンション調整

アルテグラホイールのスポークテンション調整でお預かりしました。結論から言いますととても取り扱いはとても難しいホイールと思います。

前輪718g
後輪956g オフセットリム使用

シマノアルテグラホイールは前輪16H後輪20Hで後輪はオフセットリムを使っています。オフセットリムを使えば左右のスポークテンション差を10%ほど是正できます。硬い柔らかいの表現で言いますとどちらかといえば柔らかいホイールのようです。少ポークホイールであるにもかかわらず前後で1674gは決して軽くはありません。これはハブ重量が重いのが理由です。中心部の重さなので回転には影響ないと思います。ハブシェルに剛性があれば回転は安定しますので重量はデメリットではありません。

調整前にまず全体をきれいにしてプラグを回しやすくするためにホンの一滴ですがオイルを注しています。スポークはストレイトプルスポークを使っていますが各スポークはニップルではなくプラグと呼んでいるニップルのようなものを回してスポークテンションを調整します。

上 パークツール SW14.5 下 シマノ純正工具

一般的な3.2mm、3.4mmのニップル回しではサイズが合いません。特殊なサイズなのでパークツールのニップルレンチSW14.5を使っています。このレンチは賛否両論ですがそんなに悪くないと思います。シマノの純正レンチでは小さくて回しにくいです。しかし使えなくはありません。結局はいろいろ試すしかありません。

プラグを回すときの注意点ですが通常のニップルとは逆回りです。今まで調整依頼を受けたホイールはこの回転が逆なのをご存知ない方が多くご自分でやってみてにっちもさっちもいかなくなって連絡いただいた方が多いです。

余談ですがマビックも同じようなプラグを使っていますがこの場合は通常のニップルと同じ回し方です。連続で調整となりますと右かな左かなと頭の切り替えが大変です。

最近お預かりするブティックブランドのホイールはどのホイールもハイテンションでした。ホイールメーカーが作る品物ですのでハイテンションが本当はどうなのか考えてしまいます。手組ホイールファンでは過度に張りすぎはよくないと考えています。

座屈と呼ばれる現象がありますが圧縮荷重がある値より大きくなると安定性が失われます。この座屈まで変形するのではありませんがスポークを過度に引っ張りすぎると剛性が落ちるように感じています。適度な張りでスポークテンションを調整するのがとても大切です。

前輪スポークテンショングラフ
後輪スポークテンショングラフ

一般には120~140kgfくらいが良いといわれています。経験値から出る値ですがこの範囲でおさめるようにしています。ホイ―ルの調整は振れ取りだけをすませばいいものではありません。スポークテンションを揃えることがとても大切です。

レーシング3リム、シマノハブで3Gホイール作製

レーシング3のリムだけありましたので新しくホイール作れないかと試してみました。ハブはシマノ・ティアグラハブを使います。

ティアグラグレードはシマノハブでは下位グレードですが回転では上位グレードと差異は感じません。外見の仕上がりは上位と比べてはっきり差がありますがカップアンドコーンハブの回転性能では上位と遜色ないと思います。お勧めハブです。

Racing3リム シマノFH-RS400 28H 3G組
左非ドライブ側 一穴飛ばしで作っています
ドライブ側は2クロス 非ドライブ側はラジアル組

オリジナルのレーシング3は左7本右14本の組み合わせです。いわゆる2:1組の3Gホイールです。ティアグラハブは28Hを使います。左は穴の半分使って一穴飛びのラジアル、右は2クロス組で組みます。シマノではラジアル組は推奨していませんのでハブが壊れても自己責任ということで作っています。

スポーク長ですが2:1組の場合今までは数式を使って計算していました。最近は専らwheelproの計算ソフトを使うことにしています。使用料がいりますが必要な項目を入力すればスポーク長が出ますので楽させていただいています。

Racing3のリムは穴ナシリムです

レー3リムは穴なしリムです。マグネットを使ってニップルをリム穴から引っ張り出して組んでいく方法しかありません。手間と慣れが必要です。時間が掛かりますが仮組が終わると出来上がったと同じです。組み上がり後の達成感は絶大でまた組みたいと思ってしまうホイールです。

左右のスポークテンションがほぼ同じ

シマノハブを使いますとハブのセンターオフセット値がちょうどいい具合の値です。左右のスポークテンションはほぼ同じテンションに出来上がります。計算値では左:右は100:99の割合でしたが実際値もほぼ同じでした。これはなかなか面白い数値です。左右の引っ張りが同じなら前輪と一緒なので駆動効率がよくなるのではと期待しています。

今使っているゾンダ、レーシング3を分解してハブを取り出して先ずは3Gカーボンホイールをつくります。残ったリムにシマノハブで新しく3Gホイールを作るという企画は楽しめます。

キシリウムホイール エリートのスポーク調整

リピートでご注文いただいているお客様よりキシリウム エリートの後輪ホイールの調整依頼でお送りいただきました。

キシリウム エリート 後輪877g

このキシリウムはスポークが1本折れたので購入されたショップに持ち込まれて修理を依頼されたそうです。ホイールは一応直ったのですが乗り味が変わってしまい再調整を手組ホイールファンに依頼されたという曰くのホイールです。

10本で84g、エリートのスポークは意外と重いスポークでした

お客様よりスポークの予備も一緒にお送りいただきました。このスポークが役立ちました。キシリウムのスポークを持っていなかったのでこのスポークでテンションデータを取れます。

スポークテンションを校正器で事前に確認しておくとわかりやすい

スポークは2mm丸スポークを元にした少し重めの扁平スポークでした。少スポークで作られたキシリウムホイールは剛性の高いスポークを使わないと成果が出ない構造です。事前にドライブ側を130kgf前後で仕上げるにはテンションメーターの示す数値を知っておけば作業能率が上がります。

お預かり時のホイールセンターは左に約1mmも寄っている仕上がりでした。縦ブレも大きく振れていました。おまけにドライブ側スポークテンションは約150kgf前後のハイテンションで作られていました。預けられたショップの振れ取り台が安物なのかセンターゲージを当てていなかったのか、よくわかりませんが驚きです。リムを左に寄せているのでドライブ側はハイテンションでした。1mmも左に寄せると右側のスポークテンションは当然高くなってしまいます。どうしてこんなことをするのか理由が分かりません。

左側を緩めてスポークテンションを全体にスポークテンションを落としてからドライブ側を約130kgfに揃えることが出来ました。事前にスポークのテンションデータを知ることが良かったです。縦ブレ、横ブレを出来るだけ最小になるように調整すること、スポークテンションを出来るだけ均一になるようにすることを同時に行います。コツが分かれば簡単ですが会得するまでには経験が必要です。

マビックのスポークプラグには2種類あります

テンション調整のプラグは2種類あります。5.5mm径と6.4mm径があります。このホイールは取り換えたスポークには5.5mmのプラグ、ほかのスポークは6.4mmのプラグが使われていました。2種類のスポークレンチを持っていましたので対処出来たのですが、こんなことも勉強になったホイールです。ホイールは見た目ででは分からないという典型的は一例でした。

スポークは0.29の目盛りで約130kgfとなり、この値で調整しています

古いホイールはあきらめてもらって新品ホイールを買ってもらいたいショップと気に入っているホイールを大切に使いたいユーザーのやり取りの軍配はユーザーに上がりました。これはだめです、直りませんの言葉を鵜呑みにすることなく一呼吸置くのも大切なようです。

Elitewheel のスポーク替えと調整

最近Elitewheelというブランドをよく聞きます。お客様より連絡があり、スポーク替えと調整の依頼を受けました。

前輪756g お預かり時点でのホイール
後輪 893g 2:1組 左8本右16本 
ピラーPA1423 20本 127g ホイールに使われていたスポークです
wing21 20本 98g このスポークに取り換えます

お預かりのElitewheeはピラーのPA1423という太いスポークを使っています。このスポークはピラーのホームページを見ますと2.0/2.3/1.5mmの扁平スポークです。260mmで6.5gのとても太いスポークです。この重量は2mm径の丸スポークと同じ重量ですので2㎜径スポークを叩いて扁平にしたスポークといえます。カーボンホイールとしては剛性がありすぎる感じです。リムが割れないかと心配してしまいます。

手組ホイールファンのカーボンホイールではこの太さのスポークは使っていません。リムメーカーが禁止しています。スポークの剛性がありすぎてリムが割れる恐れがあるというのが理由ですがこの辺りことはよくわかりません。メーカーの指示に従っています。太いスポークを使う場合は相談してほしいとメーカーのホームページにかかれています。しかしElitewheelでは現に使われていますので心配ないのかもしれません。

Elitewheelのホームページを見ますとスポークをアップグレードできると書かれていますので価格を抑えるための仕様と思います。このスポークではホイールの乗り味はとても硬いと思います。スポーク替えを希望されたのは当然かもしれません。

いつも事前にスポークテンションを調べるのですがPA1423スポークは珍しいスポークなので在庫に持ってなくスポークデータがありません。今回はスポークを取り換えるということなのでまずは1本スポークを取り出しました。取り出したスポークをテンションメーター校正器でデータを取って一覧できるようにしています。例をあげますとテンションメーターの0.29目盛りが110kgfを示していましたのでこのスポークデータを使って調整します。

テンションメーター校正器を使ってPA1423のデータをとりました

お客様のご希望は前輪スポークをwing21に交換です。ニップルはアルミニップルのダブルスクエアでした。アルミニップルの再利用は避けることにしていますのでDTのSquorxProブラスを使いました。リムは穴アリリムなのでニップルは前からでも後ろからでも回せますので比較的楽に仕上げることが出来ます。ただしかかる時間はそんなに変わりません。

後輪はスポークの再調整だけです。

今回の後輪ハブに驚きました。ホイールは8:16のハブでほとんど左右テンション差がありません。カンパの2:1組ハブで組んだホイールでは2:1組といえど左右のスポークテンション差はそれなりにあります。1:1組よりも左右のテンション比率はいい状態ですがカンパでは左右差はあります。

前輪wing21に交換しました 取り換え後のスポークテンショングラフです
測定値は0.29なので実際のテンションは約110kgfで張っています 左右がほぼ同じです

驚きましたのはこのハブでは左右のテンション差がほとんどないホイールに仕上がっています。11速ハブなら通常は左右差があります。2:1組で組んだカンパ、フルクラムでは左右差があって当たり前なのに、このElitewheelでは左右のテンション差がなくほぼ同じです。ハブの構造を工夫して左右差がなくなるように設計されているようです。

お客様は後輪の剛性を残すというプランですのでスポークは太いままです。前輪はスポークを細くされましたので乗り味は柔らかくなると思います。後輪は硬い乗り味と予想します。

どんなホイールも一長一短です。価格面でメリットがあってもスポークの選択、調整に不満が出ることが多々あるものです。いままで出会った高価なホイールは価格だけのことはあって調整の良さが光っていました。高価なホイールはよく調整されています。高い理由は作製に時間が掛かっているということかも知れません。

今回のお客様はうまくプランを立てられました。スポークを交換し、テンション調整もやり直しを依頼されました。構造がいいハブを使い、スポークテンションを揃え、スポーク剛性を見直しされました。結果は高級ホイールに大変身です。グッドアイデアと思います。

魔改造ホイール、後輪が完成しました

シマノDURAホイールを改造するなら使ってくださいと頂戴しましたホイールですが後輪も完成しました。魔改造と大げさに言ってしまいましたが難しいホイール組みでした。

後輪865g
スポークを通す穴の処理が難しい
上スポークはオリジナル 下スポークは新しいスポーク スペーサーを使いました

後輪ハブは実際にハブを触ってみると構造がよくわかるのですが不思議なハブです。シマノといえばカップアンドコーンハブなので回転部分は理解できるのですがスポークの取り付け部分が難しい構造です。このハブならコピーはされないと思います。

ハブ側にスペーサーを入れてぐらつきをなくしました

ストレートプルスポークを使っていますがもともと特殊な構造のプラグという名前の取り付け金具でリムとスポークをつないでいます。これを普通のストレートプルスポークに取り換えるので問題が生じています。単純にハブにスポークを通すだけではハブの穴に強度が担保されているのか心配です。十分かどうかはわかりませんがスペーサーをハブの穴に取り付けて強度を保つようにしました。内部にネジは切っていませんがオリジナルのようなスペーサーを使うことでスポークのぐらつきをなくしました。

ハブはストレートプルスポークハブなのでスポークオフセット値を間違わなければスポーク長は正しく出ます。ハブ側でのスポーク処理をうまくできましたので通常のハブと同じです。

cx-sprint 10本
コンペティション 10本

リムは定番の36mm高リムを使っています。スポークは左がcx-sprint、右ドライブ側にコンペティションを使いました。少しドライブ側が重いです。

組み立ては全く順調にできました。スポークテンションを出来るだけ均一にして、縦ブレ横ブレを最小になるように調整しました。

リムの入荷に約一ヶ月かかりましたが完成です。大げさなタイトルをつけましたが難しいホイールに挑戦できました。ホイールを頂戴しましたお客様に感謝です。

スポークの組み替えが終わりました

5月26日に記事にしていますホイールの組み替えが終わりました。

お預かり時点では前輪818g、後輪914gでした。スポークを細くして組み替えた結果前輪は769g、後輪は890gでした。前後共で74gの軽量化が出来ました。軽量化は意味あることですが実際の感覚としましてはそんなに変化はないと思います。しかしロングライドでの疲れ具合は大きく変わると思います。

818gから769gに変わりました
お預かり時点の前輪スポークテンション
組み換え後の前輪  出来るだけスポークテンションを揃えています
914gから890gに変わりました
お預かり時点の後輪スポークテンション
組み換え後の後輪  出来るだけスポークテンションを揃えています

組み換え後の特徴としましてスポークテンションが出来るだけ均一になるように組みあげています。お預かり時と比較しますとよくわかります。

テンションを均一にしていますので駆動効率が良くなったといえます。強弱のあるスポークではスポークは正しく働いていません。僅かな差でも長く乗られると変化はよくわかります。

細いスポークは地面からの衝撃もスポークがショックアブソーバーの働きをしますので乗り味は柔らかくなっています。ロングライドに適したホイールに変化しました。お客様のインプレを聞かせていただきたいものです。

Dura8750後輪ハブのスポーク取り付けは特殊

頂戴しましたDuraホイールの後輪ハブはスポークの取り付けが特殊です。このスポークをどういう風に処理しようか迷っていました。

DURAホイールから取り出したハブ
ハブの構造
上スポークはオリジナル  下スポークは新しくこしらえたスペーサーをいれる予定

単にストレイトプルスポークを入れるだけではぐらつくような作りになっています。オリジナルのスポークはねじを切ったスペーサーが使われています。この小さな部品が問題でした。

どのように処理をすればうまくいくのか考えまして、ハブの穴の部分にスペーサーを入れてみることにしました。穴のサイズを測りスポークが2㎜径なので内径2.5mm外径3.5mm長さ5mmのスペーサーを用意してスポークがぐらつかないようにしました。

当初は外径3.5mmのステンレスパイプを切ってこの小さなスペーサーを用意するつもりでしたが持っている道具では小さな部品を作るのは大変な時間が掛かります。正確なサイズに切れないことが分かり断念しました。このサイズのスペーサーが揃えばうまくいくと思います。

いろいろ調べてみますとこのサイズの既成部品が販売されていることが分かりました。

試し買いでスペーサーを今までは一度にスポーク数20個買ったのですが失敗ばかりしていました。無駄になったスペーサーが40個あります。

上スポークは本来のオリジナル  下スポークは新しくスペーサーで対応しようとしています

0.1mmほどの差で入らないことが2回ありましたので試し買いは1個にすることにしました。今回の部品で3回目です。この小さなスペーサーですが素人の人でも注文できるネット通販は大したものです。僅か1個を注文するのは配達の人に申し訳ないと思いますが、先ずは1個注文して取り付けてみます。果たしてうまくいきました。

着々と進んでいます。ハブの処理がうまくいきそうです。リムは今注文していますので届くのを待つだけです。6月中には出来上がる予定です。

ホイールの組み替え依頼、見た目ではわかりません

何度もホイールのご注文いただきましたお客様よりご連絡いただきました。地元の自転車屋さんで注文したホイールですが2年ほど使っていないホイールがあり、スポークを交換して乗り味を柔らかくしてほしいとご希望されました。

前輪 DT 350ハブ RR411リム DTコンペティション使用
後輪 DT 240ハブ RR411リム コンペティション使用

お送りいただきましたホイールです。見た目はきれいでとても良い部品を使っておられます。よく回りそうな雰囲気です。他所様が作られたホイールをあれこれ批判するのは失礼なことですがお客様にはっきりと申し上げました。

前輪 スポークテンションのバラつきが大きい=振れが出やすい
後輪 スポークテンションのバラつきが大きい=スポークがしっかりと働いていない

とても出来が悪いホイールです。グラフをお示ししますとお客様様もお認めなられました。スポークがしっかりと張られていないため駆動ロスが大きく出るようです。振れが出やすくスピードが伸びないホイールです。これは見た目では分かりません。

地元では有名なビルダーさんが作られたそうですが実際は大したことがなかったようです。注文する側としましては分からないことばっかりでなかなかこうしてほしいと言えるものではありません。長年経験ある自転車屋さんがいう言葉には重みがあります。ましてや選手であった場合など反論なんてとんでもないと思います。こうですよ!と言い切られたら次の言葉が出てこないものです。

結局自分で勉強して試すしかないようです。このようなことを言うのはおこがましいと思いますがいろいろ乗ってみて比較するしかありません。

レーシングゼロはとても良いホイールですが剛性が高いので乗る人を選びます。少し柔らかいゾンダのほうが乗りやすいかもしれません。しかしゾンダは力のある人には頼りないかもしれません。低価格グレードのシマノホイールはよく走るのに正しく評価されていないようです。安いというイメージで損をしているのかもしれません。しっかりした部品を使っているのに値段なりの調整なのでパフォーマンスを引き出すにはスポークの再調整が必要です。 手組ホイールは誂えなのでお客様に合ったホイールが出来るのですがホイールの出来栄えはビルダーの腕で決まります。

写真のホイールの出来上がりが今一つであったので手組ホイールファンに心配ながらもご連絡いただいたと思っています。最初は大丈夫かなと思われたのに違いありません。お金で済む話と、勇気を出してご連絡いただきましたことにありがたいと思っています。リピーターのお客様になっていただきました。

どうしても自慢話になってしまうのですがいろんな方からお声がかかるように励みたいと思います。

レーシングゼロの振れ取り アルミスポークは難しい

レーシングゼロの振れ取りをご依頼いただきました。原因は伺っていませんが10mmくらい大きく振れています。

前輪640g
後輪877g

レーシングゼロのアルミスポークを事前に用意しています。理由は勿論失敗したときの取り換え用ですがテンションメーターの換算表ではアルミスポークのデータがありませんのでスポークテンションを測る際データを取っています。

スポークを引っ張って計測しています これなら正確です

デジタル計では31が120kgfと出ています。当然グラフ用のソフトは何kgfと出るのですが数値は違っています。つまりその都度換算しなくてはいけません。

お預かりしました時にいつものようにスポークテンションをメーターで測りました。グラフに出ています数値は後で換算します。先にバラつき度を見ています。

お預かり時の前輪 ほとんど振れがありません いい状態です
後輪 お預かり時はバラつきが大きい状態です

前輪はほとんど振れもなく3カ所ほど触りましたがメーターに出るほどではありません。とてもよくできています。

後輪は大きく振れていますのでスポークテンションのバラつきも大きく出ています。

パークツールのSW11  使うほうにテープを巻いてわかるようにしています
DTのスポークホルダーを使いました

用意した道具はパークツールのニップルレンチSW11です。ねじれ防止にはDTのスポークホルダー黒を使いました。このホルダーは赤と黒がありますが太いスポークには黒を使います。ギリギリですがレーシングゼロのアルミスポークに使えます。7cmと幅広くねじれ防止ができますのでスポークが折れにくいです。

アルミスポークは剛性が高く軽いスポークですが硬いので脆い感じがします 扱いが難しいです

今回の振れ取りでは失敗をしています。スポークを折ってしまいました。ちょっとしたことですが面倒くさいと思ったのが原因です。ねじれ防止にプライーを使ったのです。プライヤーでしっかり押さえながらやったのが間違いでした。圧力が一ヶ所に偏ったのでしょう。ぽきんと簡単に折れてしまいました。

用意していましたスポークに取り換えて再度ニップルを回したのですがまたもや折れました。この時はさすがに気持ちが折れました。何が原因なのかしっかり考えました。やはりスポークのねじれ防止のサポートが不足でした。面倒がらずにスポークホルダーを使えば良かったです。

新しくスポークを用意して再度取り掛かりました。今度は慎重になっています。何度もテンションメーターで確認しながらニップルを回しました。スポークホルダーもニップルの根元に来るようにしてねじれをしっかり防止して回します。

実際のスポークテンションは左73kgf・右120kgfです よく揃っています

スポークテンションを出来るだけ揃えて、出来るだけ振れを少なくしました。テンションと振れの兼ね合いで出来上がりが最良にポイントを探して調整します。ある程度の妥協も必要ですが出来るだけいいところを見つけます。

改めて感じる点があります。アルミスポークは難しいです。軽くて剛性が高いスポークですが硬いので脆いようです。ねばりがありませんのでねじれに弱いと思います。手を抜けば簡単に折れますので扱いには注意が必要です。しかし怖がっていても前に進めませんので正しく怖がればうまくいきます。

Duraホイールを分解して新しい前輪を作りました

頂戴しましたDURAホイールの前輪をばらして新しいカーボンホイールを作りました。

DURA WH7850 前輪658g

ハブはストレートプルスポーク用です。正確にハブを計測すれば意外と簡単です。

しかし穴ナシリムを使ってのホイール製作ですので難しいことには違いありません。

新生のカーボンホイールです。

新生カーボンホイール 659g

リム 36mm高28mm幅カーボン穴なしリム 16H

ハブ DURA WH7850から取り出した前輪ハブ

スポーク ピラー wing21 黒

ニップル DT SquorxPro ブラス 黒

スポークはDuraの時のスポークより少し重くなりました。僅かな重量ですが剛性は上がっています。しかしニップルが軽くなりましたのでホイール総重量は変わりません。リム高が増えましたので空力は上がりました。

特殊スポークです

取り出しました前輪スポークは写真のように特殊なスポークです。両側に頭がついています。今回のカーボンホイールに使えないかと考えましたがサイズ的にカットして使うには余裕がありません。このため新しいスポークが必要です。

次は後輪です。今リムを注文しています。6月の入荷予定です。手に入り次第取り掛かります。