中古ホイールのスポークテンション

中古ホイールを求める際まずブランドを考えてしまいます。次に振れは出ていないか心配しますが、一番に考えないといけないことはスポークテンションだと思うのです。

 

見た目がよく、振れも出ていない。しかし長く使われたホイールは確実にスポークテンションが緩くなっています。掘り出し物買えたと思っても新品の時の状態が分かる人は少ないと思うのです。

スポークテンションが緩くなれば前へ進む力にロスが発生することは否めません。ベストのパフォーマンスを得ることは難しいと思います。

でもこれは見ためではわかりません。走行距離3000km走りましたと書かれてもわかりません。あなたが3000kmでも前の方は何キロですか?と尋ねたくなります。

自分の使用目的がはっきりしていて

1 テンションアップなど新品の時の状態に戻すことができる方

2 メンテのできる人(自転車屋さん、知人)が近くにいる人

はホイールハンティングをされたら楽しいと思います。

 

ブランドに惑わさては失敗します。中古ホイールは玉石混交です。

私は35kmで走るのが精いっぱいでどんなホイールで走っても同じような実力ですがこれ進むな!くらいはわかります。

偉そうにいうな!と叱られそうですが何度も失敗してきたから書いています。

スポークが折れた経験

10年前にホイールのスポークが折れた経験があります。

今になって思うのですがホイールはスポークテンションを緩めにしておきました。フロント80kgfリア100kgfで仕上げました、柔らかい乗り味を喜んで乗っていました。実際柔らかい乗り味だったのですが5,6回乗った時です、リアの左スポークが折れました。ビックリしました。事故にならなくてよかったです。

 

折れた原因は何なのか考えますと

 

1 スポークテンションが緩い

2 スポークテンションが均一になっていない

3 材料が悪い

 

などが考えられます。

 

DTチャンピオン アンブロッシオ クロノ シマノ105 32hで作ったので3はないと思います。

 

折れたのはリアでしたので右100kgfなら左は45kgf、10~20%狂っていれば左は35~40kgfで非常に緩い状態です。

おそらくスポークは緩くてテンションが揃っていなかったのだと思います。

 

この時私は縦横の振れ取を最優先に考えていました。振れ取はとても大事なことですが振れ取りを行ったところでやめました。もう一歩進んでテンションを揃えていたらよかったのにと思うのです。

シマノホイール購入

シマノホイール購入

 

手組ホイール派として研究の為シマノホイールを求め良い所、ここはダメと調べるためにシマノの下位グレードRS010のホイールを購入しました。前後セット1万円ほどで販売されています。

 

私が買ったのは

前輪

リム   21mmワイド 内寸15mm 深さ25mm 20h クリンチャー

ハブ   専用ハブ  20h

スポーク  2.0mm  ラジアル組

ニップル   ブラス

重量  843g

 

 

後輪

リム   21mmワイド 内寸15mm オフセットリム

深さ25mm 24h クリンチャー

ハブ   専用ハブ  24h 10/11速兼用 ブラック

スポーク  2.0mm jベント 2クロス組

ニップル  ブラス

重量 1103g

 

前後合計1946g

 

結論

非常に優秀なホイールです。ワイドタイヤを試すとかヒルクライム用としてもっと軽量のホイールさがしておられる方には向いてはいませんがこの破壊的な価格のホイールはよく回り普段使いとして素晴らしいです。但しスポークテンション調整が甘いのでフレが出やすいです。ハブ調整やホイール作りの練習台としてもおすすめ。

 

リムについて

後輪リムにオフセットリムを使用しています。リム穴が片方に寄っています。リム穴が中央の場合左スポークテンションが緩く比率として左0.45~0.5右1の割合になります。しかしオフセットすることにより左テンションが約0.6:1となり左が大幅に上がります。このことは駆動力のロスを減じ効率アップにつながります。

このオフセットリムを前後で1万円~2万円のホイールに使われるようになり手組ホイールは駆逐されるに至りました。

 

 

スポークテンションについて

このシマノを求めて一番残念と思ったのはテンション管理です。縦横振れもなく非常によく作られています。売り物にするのに一番買い手が気にするのはフレです。そして重量。大量に生産されるホイールでは最低限のテンション管理ができていれば良とされます。なにせ1万円のホイールですから。

 

下図が購入したときのテンションです。この状態決して悪くないです。振れも出ていません。振れ優先に作られています。しかし長く乗っていると緩いスポークからニップルが緩み、振れが発生、駆動ロスが発生するのです。1万円で販売するホイールにそこまで時間をかけられません。数が勝負のホイールですから。

前輪購入時のテンション よくできている

調整後のテンション  ほとんど変わらない

私は買ってからスポークテンションを調整し振れを最小にテンションを最大限均一にしています。

後輪購入時点のテンション  後輪は左右のテンションがちっがうので難しい

調整後のテンション  じっくり調整し振れも少ない テンションも揃う

これでOKです。

WiggleのH+SON手組ホイール感想

Wiggleで手組ホイールが販売されています。

 

H+SON ARCHETYPE 、アルテグラハブ、サピムRaceという内容です。しっかりと作られているのかずっと出品が続いている品物です。

今はどこを向いても同じようなホイールですのでリムデザインも洒落ています。オシャレなホイールとして人気あるのでしょう。完組ホイールにはないホイールです。

 

私は何度もこのリムで組んだ事があるのでわかるのですが、リム重量は490g前後あります。軽すぎず重すぎずの重量です。アルミリムの場合軽すぎるリムは前へ進む力が逃げるのか剛性が足りないと思います。その点このリムは剛性があるリムでよく進みます。

 

ハブはシマノのアルテグラを使っています。重量はあるのですがカップアンドコーンでグリスアップなどのメンテナンスをしっかりすれば本当に長く使える良いハブです。

 

スポークはサピムのRaceです。サイズは2.0/1.8/2.0mmでDTのコンペティションと同等品です。いわゆる定番スポークを使い、組み方は前後共に3クロスで手組ホイールの基本中の基本的なつくりです。

時速40kmでぶっとばすにはスポークに対する空気抵抗が邪魔をしますが35kmまでくらいの巡行には最適なホイールです。いわゆる多スポークホイールですので空気抵抗には弱いのですが、地面からの振動を吸収する力があり長時間乗っていても振動による疲れが出にくいホイールです。ロングライドにピッタリです。

 

重量があるのはハブが重たいからで軽量ハブを使うともっと軽量化を計れますがメンテナンス性などの事を考えると一長一短です。

ホイールを選ぶのに重量は大切なファクターですが使う目的でいろんな選択肢があります。

 

レースには出ないが良く回るホイールに乗りたい。メンテナンスフリーで手間がかからなく新しいワイドタイヤにも対応したホイールを探しておられる方にピッタリの製品です。

価格は現在66335円で日本にはいるときに2000円ほど関税はかかりますが送料は無料です。レーティング・サマリーは4.5/5で★4.5の高評価です。

性能が良くみんなと違うホイールという事で良く売れているみたいです。長く続いているということはそういう事でしょう。

 

ここからが私の本題です。

自分で作ればどうなるか?

リム2本 15000円

ハブ アルテグラセット 16000円

スポーク、ニップル 64本 7000円

合計38000円

シマノハブはとても良いハブです。下位グレードも性能が良いと思います。しかしDura以外はほぼ同じと思っています。そこでティアグラのRS400で組みますとハブが6000円ですので10000円安くなって性能はほぼ同じ。28000円です。

Wiggleの手間代は約30000円です。この金額は職人さんの手間賃が入っていますから妥当と思います。いろんな海外のビルダーの出している価格を検討してもまあまあと思います。