タイヤを空気圧計で管理

ホイールをお納めしましたお客様よりご連絡いただきました。年間1万km以上は乗られている方です。

私はホイールことには結構詳しいですが自転車の総合的なことになると教えていただくことが多いです。

 

この方の使われているポンプの圧力計があまり正確でなかったようでずっと実際よりも高めの空気圧で乗っておられたようです。長年乗っておられるので感覚が敏感になっておられます。疑問をもっておられたようです。

空気圧計で測るようになり正確なタイヤの管理ができ、便利でいいですよと教えていただきました。

これ使っていると写真で連絡いただきました。アナログなので電池は要りません。

 

私はずっとポンプ付属のメーターで管理していましたので空気圧計はいらないものと思っていました。

しかしチューブレスになって空気圧の違いが今までよりもよくわかるようになりました。私のホイールはチューブレスとチューブラーホイールばかりでクリンチャーは1セットだけです。

チューブレスホイールがふえたから必要というわけではありませんがタイヤの空気圧管理はとても重要とわかりました。

私のはデジタル計で測っています

タイヤは空気圧で乗り味が変わります。実際少し低めの空気圧で乗るとグリップが良くなったように思います。先ずタイヤメーカーの勧める空気圧で乗ってみて少しずつ自分の好みに変えていく方法が良さそうです。

 

ベテランの方から正しく空気圧計でタイヤ管理すればいいですよと教えていただきました。空気圧計はそんなに高価なものではありません。お勧めの一つになります。

いろんな有益な情報はシェアしたいものです。

スポークオフセットを測る

ストレイトプルスポーク前輪ハブの場合

 

ホイール作りにはハブの寸法を知る必要があります。ストレイトプルハブの場合ノギスを当ててハブの直径を測ってもスポークがオフセットしていますのでこの寸法が必要です。

50mm

ハブをじっと眺めていて思いつきました。

47mm

スポークオフセットを測る方法としてこんな方法で測っています。長さの分かったスポーク(今回は5cmのスポークを用意)を実際にハブに通してハブの外側に出ているスポークの寸法を測るという方法です。ハブの外に出ている寸法を測りますと47mmです。ハブの中に3mm入り込んでいることになります。

 

今回のハブは3mmオフセットしていましたのでハブの直径から3mm*2ということで6mmハブの直径から引けばいいのです。これでハブの直径寸法が出ますので計算ソフトに数値入力すればOKです。

 

皆さんどう言う風に測っておられるかはわかりません。メーカーが教えてくれる寸法もありますがホイール作りには基本的には自分で測るものです。失敗は大幅に軽減できます。

Stay home. Build wheels.

海外のセラーよりメールが届きました。

家にいてホイールを組み立てましょうとのことです。

 

朝日新聞にコロナでストレスをためない生活についての記事がありました。

 

心穏やかに過ごすいくつかのヒントの中に

 

小さな達成感を大切に

いつもはできない新しいことを試してみる

というヒントがありました。

 

まさにホイール作りはこの項目に当てはまりそうです。

サピムのホームページよりwheelbuildingについてまとめてあるページがあります。

https://www.sapim.be/sites/default/files/checklist.pdf

以前紹介しましたが良いホイールを作るにはどうすればよいかを的確にまとめてあります。

細かい方法論ではありませんが示唆に富んだ項目でわかりやすいです。

復習のため読まれることをお勧めします。英語の勉強にもなります。

ニップル穴なしカーボンリム、ERDの計測間違い

久しぶりにスポークの長さを間違えました。せっかくのスポークですが短いスポークなので思い切って切ってしまうことにしました。

短いスポーク、間違ったので切りました

おそらくスケールの読み間違いと思います。再度計測することにしました。

 

ERDの数値はメーカーの発表を信じることは厳禁です。リムメーカーが教えてくれるERDはある意味正しいのですが生産のロットによって違うことが度々見受けられます。このためいつもERDは正確に計測しています。

スポークを200mmに切った計測ツール

いつものERD計測ツールはリム穴がないために使えません。このためしっかりとリムの内寸を測ってニップルが隠れている部分の長さを足す方法を取っています。

リム内寸は60cmの定規と小さな直角が分かる定規を使っています。長定規だけでは見る角度によって見誤りがあるので別の定規をあてて測っています。

直角が分かる定規が活躍しています

今回のカーボンリムは内寸法547mmです。リムからニップルが5mm出ているのが見えます。この5mmも正確に測っています。今回は12mmのニップルを使うので差は7mmです。すり割り部分の1mmを引いて6mmプラスということにしました。547mm+12mm=559mmで決定です。

今回の内容はホイールを作る人にはよくわかる話です。ERDの出し方はいろんなやり方があるので私の方法がベストではありません。いい方法があればシェアしたいものです。

穴なしリムを使うための道具

穴なしリムを使ってホイール作りには事前練習を何回も行いました。

いろんな方法が紹介されています。テグスのような糸、細い針金を使ってニップルを穴の位置まで引っ張ってくるとか方法が紹介されています。いちばんオーソドックスな方法はマグネットを使う方法です。

 

ニップルに小ねじを付けてニップルの穴の位置まで磁石で引っ張ってくるという方法です。

鉄のねじを使えば良いといろんな人が紹介しています。マグネットを使ってニップルを引き寄せてくる方法です。

私もいろいろ試してみましたがこの方法がいちばん良いと思います。

こんな方法も考えました。鉄の小ねじを使えば良いといろんなところで紹介されていましたので小ねじにはスポークのねじ部分をカットしたねじの部分を使うことにしました。

ニップル+スポークのねじ部分

練習のためアルミリムでやってみました。

マグネットを使ってニップルを引っ張っていきます。ニップルの穴の位置まで引っ張っていくことはたやすくできるのですがニップルを穴の外に引っ張り出すのが難しいです。

前後にゆすってニップル穴に出てくるようにしますがなかなかうまくいきません。いろいろゆすり方を試してみますがなかなか飛び出てきません。マグネットと鉄のねじ部分がうまく合うことがありその時にニップルが飛び出てきます。

私のへたな説明ではうまく表せないのですがそっと前後にゆするのがいちばんうまくいきます。

YouTubeで見るゾンダの工場では簡単そうにやっている作業ですがこれはなかなか難しい。ましてマグネットねじではないのでなかなか飛び出してきません。

マグネットねじ

結論です。専用のマグネットねじを使うのがいちばん楽な方法です。このマグネットねじをニップルにはめ込んでマグネットを使って穴の位置まで引っ張っていきます。マグネットとマグネットなのでお互いに引っ付いてうまくニップルを穴から引っ張り出すことができます。専用の道具がいちばん楽にできます。

ニップルの作業がうまくできればホイール作りは80%できたようなものです。

チューブレスタイヤをインストール、コツを共有

お客様とは手紙やメールで技術的なことをシェアすることが多いです。 中でもチューブレスタイヤについては簡単そうに見えて厄介なところが多いように思われます。

 

テープはどこの何々がいいとか情報を交換しています。アマゾンでテープを1万円以上使ってしまったとおっしゃった方もおられます。皆さん結構失敗を繰り返しておられます。

 

チューブレス用のポンプを買われた方も多いです。やっぱり専用道具は力を発揮します。

チューブレスようにタンク付きを使っています

今回テープ貼りなどのコツをわかりやすくまとめていただいたメールいただきましたので情報を共有出来たらいいかなと思います。

しわがあるとダメ
ピッタリと貼る

以下メールの内容です。

今回の体験で学習できた点についてお送りします。
参考になったのmasaさんからの手紙、Youtubeでチューブレスタイヤの取り付け方。

結局、リムテープは3回位貼り替えました 笑
1)リムテープを貼る前にアルコールでリム面の脱脂をしっかりやる。
2)リムテームを貼った後にテープの両サイドをウェス等で押さえつけながら
しっかりリム面に定着させる。
3)バルブ用の穴あけは慎重に、キリを使って開ける。
4)バルブ取り付け後は止めボルトをしっかり締める。
 後でシュワルベのバルブをゲットしました。
 こちらのほうがリム面に接着する樹脂の台座のようなもので、リム面に
 密着しやすいかも。
5)タイヤを嵌めて空気入れるもビードがリムの窪みにうまくセットされてないと
 ビードが立ってくれず、購入したインフレータで一発解決しました。
 いざというときの保険になります。
6)空気を入れた後、自然に空気が抜ける状態を確認して、シーラントを少量
 注入、再度空気を既定値まで入れ、入れた後、バイクに取り付け、数キロ
 試走、これから空気が抜けない状態を1日監視してライドに出かけました。

こんな感じです。

 

貴重な体験を踏まえてわかりやすくコツを教えていただきました。参考になると思います。

役に立つ情報はシェアしたいものです。

タイヤの空気の漏れはバルブを疑う

チューブラーホイールを組み替えましたのでタイヤも新調いたしました。

タイヤはヴェロフレックス カーボンです。

ちょっとお高いタイヤですがロードバイクで一番手軽で簡単にアップグレードできる方法はタイヤの交換です。

ヴェロフレックス カーボンを新調

タイヤをとりつけ空気を7気圧入れて様子を見ました。約2時間後に触ってみますとタイヤがへこんでいます。これは少し変です。タイヤが不良品なのかな?購入して半年もたっているので返品もできないしと思いましたがおそらくバルブが原因だろうと調べてみました。

 

コア外しでバルブコアは簡単に外せます。外せないタイヤもありますがちょっとお高いタイヤはほとんどはずせます。

パンクしたチューブから取り外して保管していたコアに取り換えてみます。取り換える前に水道管の漏れ止めに使うテープをほんのすこし使いぐるっと1~2回ほどまいてもとに戻します。これは念のための作業です。

 

タイヤの空気の漏れがひどいときはバルブを疑っています。

バルブコア交換後、空気を7気圧に入れ直して一日置きました。果たして空気は少し減っています。一日前の7気圧から5気圧に変わっていました。これなら通常の減りです。

 

チューブレスタイヤをインストールしてビードがうまく上がったのに空気が漏れるときがありますがこんな時もバルブが原因であるときが多いです。バルブコアと交換するとうまくいくときもあります。

チューブレスタイヤの場合はテープ貼りが大切ですがバルブのチェックも必要です。チューブレスの場合結構調べるところが多いので慣れと経験が必要です。

 

このブログはベテランの方々には笑うような話が多いのですが誰でも最初は初心者です。私もいつもいろんな方から教えていただいています。いい話はシェアしたいです。

スポークをギターピックではねています

スポークテンションの均一化にはテンションメーターをメインに使っています。

テンションをグラフ化して緩いところ、きつく張っているところを調べると早く解決できます。

これらは私のやり方ですのでテンションメーターを使わない人もおられますし人それぞれです。

テンションメーターを使うほどでもないときとか最後の微調整で確認するときにはギターピックを使って音を聞きながら調整しています。

ギターピック

スポークをはねた音を聞いて張り具合を調べることは昔からなされていた方法です。指ではねればいいのですが均質な音量で聞き分けるにはギターピックがよろしいようです。簡単に音を聴き比べできます。高い音でスポークの張りが強ければニップルを緩め、低い場合はスポークの張りを強くします。

常にこの作業では逆に面倒なので通常はテンションメーターを使い最後の仕上げ段階で行っています。

ギターピックでないとダメという話ではありません。YouTubeで見たのですが、スポークを小さいハンマーでたたいて音を聞き分けているビルダーもいました。音をきいてスポークを調整する方法は意外と便利です。

ホイールチューンアップの続き

タイヤ取り換えがホイールチューンアップにいちばん良いといいます。

チューブレスタイヤに替えるなどXR31T前輪ホイールを特別にお金がかからないチューンアップを続けています。昨年このホイールのハブベアリングを変えました。まだゴリ感がないのでもう少し使う予定ですがサイドキャップを外してみるとやはり汚れています。写真に残していませんがキャップを外してきれいにふき取ってグリスを塗っています。

グリス塗りは筆を使っています。グリスを塗るのに筆を使うことなど自転車ビギナーだった時には思いもつかない方法でした。ずっと指にべたっとつけて塗っていたのです。筆を使うきっかけは海外のホイールメーカーのYouTubeを検索したときに見つけました。海外メーカーのビデオなどから思わぬアイデアをいただけることがあります。

後はホイールのバランス調整です。一円玉でバランス取る方法をとっています。

リムはスリーブジョイントリムですのでバルブ穴の反対側、つなぎ目のところにスリーブが入っています。このためにホイールが静止しますとスリーブ部分が重さで下になって止まります。

振れ取り台にホイールをセットして一円玉をスリーブの反対側に貼っていきます。今回は7枚でバランスが取れました。

一円玉7枚=7g

ゴルフのクラブに使う鉛の重りを貼ってバランスを取りました。

バランスとる前と取った後の回転ですが何回まわるか数えています。5回ほど繰り返して平均値を出しています。

私のホイールはバランスとる前は平均150回(シールなしのベアリング使用)まわっていましたがバランスを取って回転を調べてみますと平均165回でした。約10%よく回るようになっています。

 

これが走りにどれくらい影響しているのかはデータが取れていませんが少しはましになっていると考えます。

 

チェーンをきれいに洗って5ワット、空気穴の少ないヘルメットで5ワットと手軽なチューンアップはいろいろ考えられます。お金のかからない方法ですのでお勧めします。

ポリイミドテープ、結果よし!

ポリイミドテープを使ってチューブレスタイヤをインストールしました。

XR31Tリムを使ったフロントホイールです。

20mm幅テープ

タイヤはIRCフォーミュラーライト25cを使います。ホイールはクリンチャーで使っていましたのでタイヤを外してすべて整備しなおしました。

 

先ずスポークテンションを120kgf前後になるように調整しなおしました。

一通りテンション調整が終わり、リムテープにポリイミドテープを使って巻きます。

テープは2回巻きました。巻きやすいテープです。空気のふくらみを取りながら巻くのものも楽です。

 

フロントの120kgfは高いように見えますがタイヤインストール後のテンションダウンを考えますと高くはありません。下のグラフのように約20%テンションダウンします。

123kgfで調整タイヤインストール後のテンション

タイヤインストールには石ケン水をスプレーで吹きかけてタイヤを滑りやすくしています。私は力がないのでIRCのレバーを使っていますが特別問題も起こっていません。

レバーなしで入れないとダメという人がおられます。まあそれに越したことはありませんがハードルを下げても大丈夫のようです。

IRCのレバーでインストール

空気を6気圧入れて一日置きました。翌日4.5気圧に減っています。シーラントなしでこの結果です。感想としてはいいテープと思います。