キンリンリムのシールを取り除く

キンリンのシールをはがして納品できますかと依頼されたことがあります。簡単に納品できますと答えましたが裏に結構難儀した思い出があります。

シールを取ってほしいと依頼されました

キンリンリムTB25チューブラーリムのシールを取ってきれいにしました。

リムのシールを取れてすっきりしています。しかし残念ながらシールは簡単に取れたのですが接着剤は残ます。これはミヤタのチューブラーテープをはがした時と同じです。タイヤは取れたがあとのテープが残りこれをはがすのが大変苦労します。これと同じようなことが起こりました。

シールを取り除くにはヒートガンを使っています。簡単に取り除くことができます。

しかしシールの接着剤は残ってしまいます。

溶剤で溶かしてふき取る方法も考えたのですが原始的な方法で取ることにしました。指でこすり取るのです。ミヤタのテープの時と同じように皮手袋を使って指を守りながらこすり取っています。もちろんこの時はヒートガンで温めながらこすり取るのです。

皮手袋が活躍

皮手袋で指を防御しながらシールあとをこすり取っています。シールはがしの溶剤を使ってもうまくいかなかったので困りました。これならどうかと皮手袋で指を守りながらこすり取りますと本当に楽に取り除くことができました。以来この方法で行っています。

To tie or not to tie?

ホイールのスポークを針金で結んで半田付けする手法が昔からホイールの強度を高めるとして行われてきました。

NDS側をソルダリング

今やこの手法は完組メーカーではほとんどなされていません。手組ホイールを販売されているビルダーさんと個人でホイールを組んでいる人が行っているように思います。

 

Jobst Brandtさんというアメリカのスタンフォード大学で学ばれた伝説的なエンジニアさんがThe Bicycle Wheelという本を出されています。ネットでどなたかがアップしていますので興味のある方は読まれたら勉強になります。

ブラントさんがスポークのソルダリング(針金で巻いてはんだ付け)は有効かという実験をしています。

結論としましてはリム、スポークの強度が増した結果、針金でくくってもくくらなくてもホイールの強度に関してほとんど影響しないとしています。微量に変化はあるがこのソルダリングは大きく影響しないと結論しています。

このThe Bicycle Wheelという本を出されて以来ブラントさんの影響が大きいのかソルダリングはやらないという人が増えたとか。

 

海外でも日本でもいろんな自転車フォーラムでこのソルダリングの話題は出てきます。まあ昔から論じてこられた議題です。手組ビルダーさんはソルダリングをやる人が多いです。あるビルダーさんから伺いました。競輪ではソルダリングは減ったようです。

 

私はこのソルダリングは行うのですが効果のほどはよく分かりません。どちらかというとブラントさん寄りです。

手作り感が高くホイールを作りこんでいるという感じがよく出ていますので行うことがあります。

細い銅線、はんだ、コテ
練習しました

いちばん細い銅線をホームセンターで買ってきました。はんだ付けの道具は百均で購入しました。100円では買えませんでしたがこんなところで買えると驚きました。

ユーチューブでこのソルダリングの仕方を説明している方がいます。How to Solder Wire Tied Spokesです。Jet bicycle wheelsというところのビデオですがこんなやり方もあるのかと参考になりました。はんだコテを使わずバーナーでやっているところが面白いです。

テンションドロップについて

ホイールはタイヤをインストールしますとスポークテンションは下がります。タイヤの種類によってテンションの変化は違います。

 

チューブラーホイールはいちばん変化が少ないです。チューブラーのタイヤによって違いますが0~5%ぐらいまで下がるときがあります。

クリンチャータイヤの場合10~15%スポークテンションが下がります。一番下がりが大きいのはチューブレスタイヤです。チューブレスの場合15%~30%ぐらい下がってしまうことがあります。

 

このようにチューブレスではビードがリムを強く締め付けるので大きくテンションが下がります。この下がることについてはあまり知られていないようです。

 

性能の変化についてはあまりデータがないのが実情です。タイヤをはめるとこれだけのテンションが下がりますと詳しく発表されていないようです。

 

性能の点でそんなに影響ないのかもしれません。はっきりわかりません。しかしスポークテンションが緩くなると駆動効率が下がるのはなんとなくイメージできます。

 

新品のホールが1年、2年使いますとなんとなくぬるくなるというか力が入らない感じがするのはわかるのですがこれもはっきりしたデータはありません。感覚で話している感じです。

 

ここにオーダーいただいたホイールのスポークテンショングラフがあります。キンリンのxr31RT 28h サピムCX-RAYで作った後輪ですがテンションはこのようになりました。

左74.9/右120.6kgf

タイヤをインストール後のグラフ

左61.3/右102kgf

IRCのフォーミュラー lightをインストールしました。インストール後のスポークテンションは右ドライブサイドが120から102kgfと下がりました。下がるのを予見してスポークテンションは高いテンションにしています。下がって100kgfをキープしたいからです。ホイールのセンターは右に0.5mmぐらいずれます。

 

クリンチャーではここまで変化しないので最初はびっくりしました。

ホイールの性能にはあまり影響ありませんのでブレーキ部分で調整していました。

 

しかし右にずれるのが分かっているのでチューブレスに乗るのであれば最初から少し左に寄せておけば最初から気持ちよく乗れます。

 

一度センターを出してからスポークの左側のニップルを1/4回転ほど回して0.5mmほど左に寄せておけばよいと思います。

 

もちろんタイヤをインストールしてから再調整するのがいちばんですができないこともありますのでいろんな状況に応じて対処するしかないのですがスポークテンションは下がってホイールは右に寄るということは変わりません。

チューブレスタイヤをインストール

チューブレスタイヤをインストールする時にIRCの説明を読みますと下のように書かれています。

 

組み付け①

最初にリムとビード部に石けん水を塗布してください(図1)。塗布後、一方のビードをバルブの反対側付近からリムセンターの溝にはめ込んでいき、最後にバルブ付近をはめ込みます(図2)。リムフィットが完全でない場合のビード部からの空気漏れが確認しやすいよう、石けん水を塗布し、視認性を高めることをおすすめします。

IRCのHPより

 

石ケン水を湿布するとはどうしたらいいのか?

どんな石鹸水を使うのか?

タオルや雑巾を使うのか、どのくらい石ケン水をつけたらいいのか?

泡が出るくらいに塗り付けるということだがどのくらい塗ればいいのか?

空気漏れがすれば泡が出るというがほんとに泡が出るのか?

 

こんなことで悩みました。

結局は繰り返してやるしかないのです。まあ、慣れの問題ですができるだけ失敗しないようにしたいものです。

 

私はこのようなやり方でタイヤインストールしています。いろんなやり方があると思いますが一例です。

 

最初は石ケン水をどのように塗ればよいのか悩みました。最初はみんな同じと思います。

やり方は簡単なほうがいいと思います。石鹸水の代わりに中性洗剤液をスプレーで吹き付けています。

スプレー吹きに台所の中性洗剤を少量入れて希釈した洗剤を使っています。

リムにタイヤを取り付けるときに位置決めします。皆さんこんなところに細かいこだわりがあるようです。別にどの位置にとりつけても機能は変わらないのですが通常バルブ穴に合わせてタイヤのマークを合わせます。位置がずれると嫌がる人が多いのは確かです。

 

この位置決めしたときにタイヤがリムにくっついています。この時に洗剤をタイヤ、リム面に霧吹きのように吹きかけていきます。リム面の左右ともに洗剤をたっぷり吹きつけます。洗剤でタイヤが滑らかにすべるような感じになりますのでゆっくりはめていきます。

洗剤で滑りやすいのでタイヤがリム面に引っかかることなくはまっていきます。

最後はバルブ部分で終わるようにはめていきます。上図②のようにバルブ部分に向かっていきます。

IRC タイヤレバー

IRCの専用レバーは使っていいと説明書にも書かれています。しかしどの自転車屋さんに聞いても手でインストールしています、タイヤを痛めるので手でやるのがいいですというのですが私はIRCのレバーを使っています。

バルブ付近でIRCのレバーを使いぐっとレバーを引き上げています。レバーを使えばタイヤ部分が傷つくと言われるのですが私の場合うまくいかなかったことはありません。

チューブラーはがしには皮の手袋を使っています

連日チューブラータイヤの張り替えを行っています。自分のホイールの他に家族のホイールもあるので部屋中がチューブラーホイールでいっぱいです。

タイヤインストールが簡単なのでミヤタのテープを使っていますが剝がすのが大変です。ミヤタのテープは貼るのが楽で手軽でいいのですが何本も取り換えるとなると親指の皮が水膨れになってしまいます。(やった人ならわかります)

2本3本となると親指の皮が大変なことになってしまいますので皮の作業手袋を使っています。

この手袋は作業用の皮手袋です。ミヤタテープを上手くめくり取ることができます。

先ず十分リム部分をヒートガンで温めます。これを行っておきますと作業がとても楽です。

温めたタイヤ部分にマイナスドライバーを突き刺してドライバーを使って引きはがしています。ホイールを股の間に挟んでドライバーを両手でつかんで引きはがしていくのですが私にはこの方法が楽です。人それぞれやり方があるのでこれでないとということはありません。

タイヤを引きはがすとリムにテープが残っていますので皮手袋をはめてテープの残りをこすり取っていきます。テープが新しいと簡単に取れてしまいます。長い間ほっておくとうまく取り除くことができません。最低でも1年に一回はこの作業が必要です。タイヤを外した時に振れ取りも行いホイールの再調整を行っています。

軍手ではテープの残りをうまくこすり取れないのですが皮の手袋はフィット感もありうまく取り除くことができます。少々力を入れてこすっても親指の水膨れが起こりません。

素手でテープの張り替えをやっていたのですがあまりに指が痛くなったので皮手袋をはめてやってみたらうまくテープが剥がれました。以来この方法でやっています。指に水膨れができなくなりました。

力作業には皮手袋が欠かせません。

チューブラータイヤの張り替え③

リムをきれいにしました。ミヤタのテープが固着していましたのでヒートガンを使って大体は取り除いたのですが手がだるくなりましたのでストーブの近くで作業することにしました。悪戦苦闘の2時間です。ピカピカになるまでテープを取り除きました。

ピカピカのリム面

これからは振れ取りとスポークテンションを調整することにしました。

 

緩いスポークテンションですがこの状態で使っておられました。

最初はこの状態からです。まずスポークのテンションが均一になるように調整します。スポークは4本でグループになっていますので強弱強弱でバランスが取れています。緩いスポークだけテンションを上げてテンションが均一になるようにします。手間がかかりますがテンションメーターで測りながら作業を進めばいいです。

一度緩い状態でスポークテンションを均一にしてここから少しずつテンションを均等に上げていけばいいのです。同じ間隔で少しずつテンションを上げていきます。

テンションメーターは頻繁に使います。ゆっくり少しずつテンションを上げていけばいいのです。この手順が技術といえば技術になるのですが数をこなせばわかります。

ゆっくり均等に、これしかないと思います。

預かってからのスポークテンションは倍になりました。約100kgfのテンションで納めています。

手を抜かずにこまめに正確なテンションメーターで測りながら作り上げるのがコツです。

スポークをさわれば感覚でわかるという人がホイールのフォーラムで書いている人がいるのですが私にはわかりません。100kgfのスポークテンションをさわっただけでわかる人はすごいと思います。

チューブラータイヤの張り替え②

ミヤタのテープを取り除きました。2時間くらい掛かって取り除いたのですがこんなことになる前にホールを放置しないでタイヤを取り換えていたら楽にメンテナンスができます。

 

さてホイールの振れを見てみました。そんなに振れはありません。使えないほどではありません。

テンションを測ってみました。グラフで見ますとこの状態でした。

はっきり言って驚いています。

バラバラで緩いテンション

スポーク長が短い

 

点検しまして次のことが気になりました。

  • 平均54kgfで張っていて非常にスポークテンションは緩い。
  • アルミニップルを使っているにもかかわらずスポーク長が短い。ニップルの頭が飛ぶ恐れがあります。
  • テンションの均一化が図れていない。こんなにバラバラではトラブルの元です。

 

残念にもこのホイールはプロの方に作ってもらったホイールです。同じビルダーのホイールに触るのは2回目です。ハブにシールを貼っているのでよくわかります。

 

完組ホイールは性能が均質化されています。総じて値段に応じて性能が分かれていますのでわかりやすい。当たり外れがすくないのが完組です。

 

手組ホイールの場合作り手の技量で性能が左右されます。安価なホイールでも作り手の腕次第で抜群の性能であったり、結構お金を出していてもなんやというホイールもあります。

外れやと言われないように精進したいと思います。

チューブラータイヤの張り替え

ホイールのタイヤ交換を依頼されました。

リムはキンリンのTB25です。ハブはシマノハブです。重いのですが中心部の重さなので回転には影響ありません。メンテナンスが楽です。グリスアップも手軽にできるのでとてもいいです。

このホイールは長く乗らずに置いてあったようです。タイヤはミヤタのチューブラーテープで張り付けてあります。

 

タイヤをナイフで切ってバリバリとはがしました。やはり心配していたことが起こっています。リム一面にテープが残っていました。リム一周べったりミヤタテープが貼りついています。これではテープを取り除くのは大変です。

 

1年に最低でも1回はタイヤ交換を行っていればテープがべたっと残ることはないのですがこのリムではテープの残りっぷりはすごいです。リム面1周べたっと残っています。この場合は本当に困ります。簡単にはいきません。

 

ミヤタのテープは取り扱いが容易で私は愛用しています。しかしこんなになるまでにほっておくと大変です。固まってしまっています。

 

取り除くのには本当に時間が掛かります。私がお勧めするのはやはり最低1年に1回はタイヤ交換です。この場合ミヤタのテープも簡単に取り除くことができます。

ヒートガン

残念なことにべたっと残ってしまったらヒートガンを使うことです。ヒートガンがなければヘアドライヤーを使うことです。テープを温めれば楽に取り除くことができます。

手作り校正器の活躍

手作り校正器をいつも横に置いています。テンションメーターTM-1はいつも校正しながら使っています。使うスポークに応じてスポークを変えて測っています。100kgf、120kgfが大切なポイントです。

もう一つ校正器があります。こちらの秤は正式な校正機関に調べていただいた秤で測っています。この機械はドイツから購入しました。この機械はすこし場所を取りますので足元に置いて使っています。

100kgfで張ったスポークを2つ用意してデジタルのメーターで測ると同じ数値が出ますので手作りのほうも使えると判断しました。

万能作業台に設置して使いますと動かないので使いやすいです。使わないときは立てかけて置くことができますの便利です。

スポークの太さを考える

ホイールの剛性はリムの剛性とスポークの太さが大きく影響しています。もちろんハブも考えられますがはっきりわかるのはリムとスポークといえます。

スポークの引っ張り剛性はスポークの断面積に比例します。

坂のコーナーでリムがブレーキシューに当たるなどはホイールの剛性が足りないと考えられます。こんな時はスポークを太くすればよいということです。

このような表を作っています。ホイール作りを計画するときに結構役に立ちます。

ホイールを作るときには先ず体重を考えます。次に乗り方も参考にします。ぐいぐいとコンタドールのようにダンシングを多用する人にはやはり剛性を高めた作りを提案しています。

ホイール作りを始めたころは勘違いをしていましてサピムのCX-RAYで作ればとても優れたホイールが出来ると思っていました。CX-RAYのシルバーは1本350円くらいします。このスポークを使えば最強のホイールが出来ると思っていました。高ければよいと思っていたわけです。

10年以上前からサピムCX-RAYを使用していますので最強のホイールですという風なことをうたっているショップもありましたし今も同じように打ち出しているショップが沢山あります。私も同じくCX-RAY使用していますといって販売しています。CX-RAYはとても優れていることには間違いありません。

サピムのホームページで発表されていますが強度的にはサピムCX-RAYはスポークの中では最強の一つです。これは間違いありません。

いろんな海外での自転車フォーラムでも著名なビルダーはCX-RAYを勧めています。しかしホイールの剛性という観点から見ますとちょっと話が変わります。

太いスポークにすれば剛性が上がるということから星のスターブライトで作るとサピムのCX-RAYで作ったホイールよりスポーク代金は約1/5の価格で剛性の高いホイールが出来上がります。

しかし星SBでは重量が増えてしまいます。重いホイールになってしまいます。

一般的には軽いホイールがいいといわれていますが重いホイールほうがよくなることもあります。

このことはこのブログでも書きましたが(後輪ホイールの改良)Aクラスのシクロ選手の後輪ホイールを作り変えてスポークをCX-RAYから太いチャンピオンに組み替えさせていただきました。結果はとても走りがよくなったと連絡いただきました。

あくまで乗り手の力に合わせての話ですが軽いCX-RAYホイールから重いスポークに替えています。これで剛性が高まり、推進力が高まったわけです。重くなった代わりによく走るようになったのです。

軽くて剛性の高いホイールは沢山あります。しかし軽い分お値段もしっかりしています。

手組ホイールでは剛性が足りなければスポークを太くする。値段の高いスポークでなくてもよいと思います。

スポーク面積表を参考にして使用するスポークの太さを考えています。これでとてもうまくいっています。