マビックハブのエンドキャップはこれで外せる

マビックホイールのハブ玉押し調整には専用の道具が必要です。勿論ハブの分解にはこれがないと前に進めません。

専用の道具が必要です

正規に購入しますとホイールにはついてきますこのプラスチックの道具です。注意していないとなんの道具か分からなく捨ててしまうこともあります。実際、約20年前ホイールビギナーだったころ捨ててしまったことがあります。あとで必要なものだとわかり買いなおしました。

最近マビックのハブを手に入れましたので分解、組み直しなど行いましたがこの時も専用道具が必要で、ほかの道具が使えないかと考えていました。専用道具があればこれで回せばいいことですが持っていない人もおられると思います。

スナップリングプライヤーで回します
スナップリングプライヤーで外せます

スナップリングプライヤ―、この道具が使えます。これで回すことが出来ました。専用道具がなくてもマビックハブは扱えますので安心です。

カップアンドコーンの24穴ハブを取り出す

12月2日のブログ記事「カップアンドコーンの20Hハブが欲しい」の続きです。後輪ホイールWH-RS100後輪ホイールが届きました。一度も使うことなくホイールを分解するのは少し心が痛みますがハブでまた蘇りますのでいいかなと思っています。

いわゆる文鎮ホイールですがスポーク調整すればよく走ります

シマノハブはカップアンドコーンですが今手に入る穴数は28穴、32穴ばかりです。24穴は今のところありません。しかし裏技として24穴ハブを使ったホイールから取り出す方法があります。

ハブの見た目は飾り気がないハブでソラクラスと思われます。高級感はありませんが必要十分の性能を持っています。実用主義でホイールを作っていますのでこれで十分使えます。派手さはありませんがいいハブです。

ホイールが届きましたので先ずはホイールの健康診断を行います。グラフにするとよくわかります。

値段が値段だけに要求するのは難しいと思います バラつき度が大きい

グラフで見るとスポークテンションのバラつきが非常に大きいホイールでした。値段が値段なので仕方ないと思います。しかしこれを丁寧に均一にしますと振れが出にくく駆動ロスも軽減できます。重いが走るホイールに変身しますのでやってみる価値は十分あります。

今回はすぐに分解してハブを取り出しますので余計なことは考えません。取り出したハブを計量しましたら364gでした。重いハブですが使うときは中心部の重量ですのでホイールの回転には影響ありません。

後輪ハブ 364g 24穴
後輪オフセットリム547g

カップアンドコーンのハブは28穴32穴36穴だけなのでこのような裏技でしか用意できないのが残念です。余計なことをしなくて24穴ハブが欲しいです。

カップアンドコーンの20Hハブが欲しい

今のところカップアンドコーンのハブで20Hのハブは単体では売っていないと思います。ではどうしたらよいかといいますと完成品のホイールから取り出す方法があります。

カップアンドコーンのハブは自分で手入れがし易いのでいいと良く伺います。シールドベアリングを使ったハブはベアリングを取り換える方法でメンテナンスしますがこれは少しハードルが高いようです。シールドベアリング交換はとても簡単ですがどうしても難しいと思われがちです。

カップアンドコーンのハブを使ったホイールを作ろうと考えましたのでシマノホイールを購入しました。ホイールからハブを取り出します。

使い道の多いシマノホイール 前輪848g
部品を外したリム 重量521g 重いということは剛性があるということでもあります

ハブの造りは質実剛健で見た目は全く高級感がありません。しかし必要十分なハブであることは間違いありません。少しくらいゴリ感があっても使えばすぐに当たりが出ます。自分でメンテナンス出来る優秀ハブと思っています。一定のファンがおられるのはよくわかります。

安価なホイールに高精度を求めるのは無理と思いますがスポークテンションのバラつきは大きい

新品が届きましたので分解前にホイールの内容確認をしました。いつものようにスポークテンショングラフにしています。スポークテンションのバラつきは大きいです。しかし価格を考えますと要求しすぎると思います。とてもよくできたホイールです。

スポークは2mmの丸スポークを使われていますので剛性は十分で、むしろ有りすぎる剛性と思います。体重の軽い人から重い人まで幅広く乗り手を考えて作られていますので剛性が高いのは仕方ありません。1.5mm、1.8mmのバテッドスポークに取り換えるのも一案と思っています。スポークを替えることで乗り味が柔らかくなりロングライドに使えるホイールに変わりますが、今回はあっさりと分解いたします。

シマノハブ145gは台湾ハブと比べて倍の重さですが丈夫で手入れが楽です 

高級なブティックブランドのハブではありませんがカップアンドコーンのシマノ20hハブが手に入りました。シマノホイールはいろいろ使い道が沢山あります。今回はカーボンホイールに使おうと思っています。

マビックのCOSMOSフロントハブを分解、組み立て

マビックの24穴フロントハブを手に入れましたので分解してメンテナンスしました。

バイスを活用すると楽にできます

マビックハブは特殊な道具を使います。メンテナンスには専用道具がないと分解できないようになっています。ハブの構造はとても簡単です。写真のようにバイスに固定してから作業を始めています。手でもって作業するよりも楽なのでバイスを使っています。

マビックホイールに付属している玉押し用の特殊工具 使い方が分からないと捨ててしまいます

ハブのエンドキャップは引き抜けば取り外しが出来る構造です。片方のねじ式になっているキャップは特殊な道具(玉押し用の工具)を使って外します。エンドキャップをすべて外しますとスポークの頭部分がハブ内部に触れて傷つくのを防ぐためハブの中にはカラーが左右に入っています。切込みの入ったカラーはプラスチック製ですがこれを外すのに苦労しました。ソルダーエイドを使うとうまく外せます。簡単な構造でも思わぬ落とし穴があります。

ハブ内部のカラーを取り外すのに苦労しました
スライドハンマーでベアリングをはずしました

ハブ本体についている部品はすべて外しました。あとはベアリングです。ベアリングはスライドハンマーで引き抜いています。これを使いますと一瞬で抜けますがねじ式のベアリングプーラーを使うほうがゆっくり抜けるので安心度は高いと思います。今回はハンマー式で一気に抜き取りました。

NTN 6001 LLB C3

ベアリングはNTNの6001です。シールは非接触型LLBのC3規格のベアリングにしました。C3という規格は通常のベアリングではなくベアリングの隙間が少し通常より広い品物です。勿論通常規格のベアリングでもいいのですがミケハブではC3クラス使っているようなのでこれに見習いました。正直なところ自転車ハブの回転数でC3ベアリングが必要なのかはよくわかりませんがミケ社にあわせました。

プレス工具で圧入しています

ベアリング圧入にはプレス工具を使っています。めったに使わない工具です。

他の方法として長ネジを使ってプレスしていく方法も良く使われる方法です。上からたたく方法もありますがずれやすいのでセンターは出しにくいです。慣れると一瞬で圧入できますがプレス式で行う方がずれにくいと思います。

以上、古い中古のハブを使って分解から組み立てまでやってみました。ハブは簡単な構造です。難しい部品は使われていませんので要領さえつかめば簡単です。今回は中古品なので外観は少し傷んでいますがベアリングを交換すれば新品状態に戻ります。

シマノのダイナモハブで前輪ホイール作製

段々と日が暮れるのが早くなりライトを使う機会が増えました。

シャッタープレシジョンのダイナモハブで作ったホイールを使っています

普段ダイナモハブのホイールを使っていますがとても便利です。電池を気にする必要ありません。ずっとライトをつけた状態で走っています。安心安全でハブによる減速は感じません。よく走ります。レースに出ないのならお勧めです。レースでもブルべにはとてもいいかと思います。ブルべに出ておられる方より注文いただいたことがあります。ホイールが重くなるという理由で使わない方にはお勧めです。このホイールの便利さは格別です。

リムのジョイント部分に問題ありました

さて、新車の自転車から取り外したホイールを分解して置いてあったリムがありました。リムはシルバーなので好みのタイプです。クロモリ自転車に合うかなと思いハブダイナモを使ったホイールを作りました。ハブはシマノのダイナモハブを使っています。発電容量は小さいですが十分使える光量です。

今回のリムはナロータイプです。普段使いなので特別な仕様もありません。唯一スポークを細くして乗り味を柔らかくすることだけのホイールです。通常の3クロスの組み方なのですぐに仮組が終わりテンションを上げて左右の振れ取りをするということを行いました。調整は順調に進みましたがどうしても一ヶ所がうまくできません。縦ブレを取ってスポークのテンションを出来るだけ均一になるようにしましたが一ヶ所だけはどうしても揃いません。スポークテンションを揃えると振れが大きく出ます。振れを取るとテンションが揃わない。この繰り返しです。

どんなに頑張ってもうまく調整できないリムです あきらめました

見た目が良くても精度の低いリムは結局は駄目ホイールです。いくら頑張っても良くなりません。残念ですがこのリムはあきらめました。改めて中古ですがMavicの古いリムで組むことにしました。偶然にもリムのERDが同じでしたのでスポーク長は変えなくて済みました。

前輪1091g 重量あるのはハブが重いのが理由ですが外周部は軽いので問題ありません 便利さ優先です
とても精度の高いリムなので組みやすいです

結果は正解でした。仮組からテンションを上げていきますが一発で決まりました。リムがいいと何事もうまくいきます。今回の失敗はリムのジョイント部分でした。この部分の精度が悪いためうまく組めません。振れ取りは出来てもテンションが揃わなければしばらく使うとまた振れが出てきます。

マビックリムで作ったホイールのスポークテンショングラフです

古いマビックリムのブレーキ面はすり減っていましたが十分使える状態です。ジョイント部分の精度が高く容易にスポークテンションが揃います。やはり名前だけのことはありました。

リムの精度はくじ引き的なところもあり多少は当たり外れがありますが総じて問屋さん経由のリムは安心です。

何本作ったら気が済むの?と叱られそうですがホイールは奥が深いです。ダイナモハブのホイールは普段使いに最適です。ママチャリについているのがよくわかります。おススメです。

スターラチェット方式のハブ

リムブレーキ用スターラチェット方式のハブを入手しました。223gでとても軽量です。

スターラチェット方式のハブ 223g

スターラチェット方式のハブといえばDTSwissですが、このハブのブランドはDTSwissではありません。

爪方式のハブ

ハブには爪方式とDTハブのようにギアとギアをかみ合わせて駆動推進する方式があります。効率がいいのはDTの方法だといわれています。しかしDTの方式でハブを作ればハブメーカーは特許料を払わないといけません。この辺りのことはよくわかりませんが従来の爪方式なら料金は発生しませんのでどのハブメーカーも爪方式で作っているようです。

TNI Biteハブ ホームページより

TNIのBiteハブはスターラチェット方式のハブです。36Tギアが使われているハブです。

今回手に入れたスターラチェット方式のハブを分解しました

今回手に入れたハブを分解してみました。全くDTのハブと同じ構造です。星形のギア2枚入っていましてばねで押し上げられています。

スターラチェット方式のハブがちらほら販売されてきだしたということは特許関連の問題がクリアになったのではないかと思います。高価なDTハブの半額以下で性能の良いハブを使えるということなら、名を取らずに実を取るのも良いかなと思います。

ホームページのデータにはご用心

カーボンホイールのご注文をいただきました。ハブはお客様がご用意され、ENVEハブをお持ち込みいただいています。リムを注文していますのでスポークも同時に準備をしました。

ENVE 前輪ハブ124g
ENVE 後輪ハブ232g

ハブメーカーのホームページではサイズデータが発表されていることが多いのでこのデータを見てスポークを注文される方がおられるかと思います。リム、ハブが届く前にスポークを注文しておく手順です。段取りとしましてはいい方法ですがこれは失敗することが多いです。

今回のENVEハブですが、ホームページのハブデータを参考にするとスポーク長は間違います。現物とホームページのデータは違っていました。このようなことはよくあることでホームページから得たサイズは間違っていることが多いので注意が必要です。

ハブの実寸を測ってからスポークを発注しました。現物から出しました寸法ですので正確です。リムが届けばすぐに取り掛かれます。

知っている人には当たり前でも

表題の通りのことですが最近DTハブの整備をいたしました。知っている人には当たり前のことでもたまにしかやらないことには迷うことがあります。

DT350ストレートプルハブを分解します

このハブはスターラチェット方式のハブです。ハブのエンドキャップは嵌め込み式で取り外しには引き抜くだけです。硬くて抜けないときがありますがこんな時はバイスに固定してポンと引き抜くと意外なほど簡単に抜けます。

フリーを外して中のラチェットを取り外します。ばねで押さえてありますのでばねもそっと外します。

ハブ内部の構造はとても簡素にできています

古いグリスで汚れた部品をきれいにふき取りまた新しいグリスを塗って順番に元に戻していきます。とても簡単な作業で整備が出来ます。

元に戻すときですが、ばねには方向性がありました。分解するときにじっくり観察すればいいことなのですがフリーを引き抜くときに一緒に取れたので向きが分かりません。

今回はDTSwissのホームページから整備方法をYouTubeやテクニカルマニュアルで教えてくれますので確認しました。ばねの向きなんて慣れている人には当たり前のことなのですが、どうしたらよいのか迷うときもあります。こんなことの積み重ねで上達するのだとあらためて感じています。

10速FH-RS300は11速でも使える用途が広いハブ

恥ずかしいことですが最近10速ハブで使える11速スプロケットの存在を知りました。お客様が教えてくれましたのですが個人的にはずっと10速で乗っていましたのでなんの不便もなかったのが知らなかった理由です。

しかし11速で乗っておられる方にはとてもいい話だと思います。勿論使えるスプロケットは限られていますのでギアの選択肢はありませんがとても良い点が沢山考えられます。

FH-RS300は375gと重いのですが重いハブは剛性が高い

下図はシマノホームページより引用いたしました。ハブの詳細がよくわかります。

XR31RT で左右テンションレシオを計算しますと62%、69%の違いが出ます

①11速ハブよりもフランジ幅が広いので横剛性が高くできる。僅か1mmほどですが幅が広くセンターオフセット値が11速よりも少ないのがいいです。

②ハブの価格が安い。現行の10速ハブはFH-RS300ですが価格は安価でよく回ります。重いハブですが重い=剛性が高いということでもあります。見方を替えれば欠点が長所にもなります。キンリンリムXR31RT との組み合わせはとてもいいと思います。

③シマノは大々的に宣伝していませんが11速ユーザーに10速ホイールが使える道を用意したことは素晴らしいと思います。しかしシマノのホームページから互換表を調べてみたのですが使えるとは書かれていません。ピンとくる人は使ってくださいというところなのかもしれません。とても細い道ですが通れるように作ってくれたことは歓迎です。

④説明が重複することになりますがスポークの左右のテンションレシオが高いホイールが出来ます。左テンションが高いことは駆動ロスが少ないことに通じます。

上記のように長所が沢山あるハブFH-RS300は注目されて良いハブと思います。スプロケットが限定しますが11速で乗られている人は10速ハブが使えます。勿論ヤフオク、メルカリで上手に古い10速ハブを見つけられたら一つくらい買っておかれるのも良いかと思います。兎に角軽いホイールがいいという方には向きませんが実用でよく走るホイールが欲しい方には最適と思います。

DT240ハブが届きました

カーボンホイールのご注文いただきましたお客様よりDTのハブが届きました。

ハブはお持ち込みのご注文です。リムは注文中なのでホイールの完成はこの月末になる予定です。手組ホイールファンでは部品の持ち込みはOKです。持ち込み費用は掛かりません。高価なハブも先にお送りいただけるのは信用していただいている証拠と思っています。

新品のハブをお送りいただきました

DTハブは何度も使っていますが、とてもよくできているハブなので紹介したいと思います。

前輪116g 左右のフランジ間が78mmで広い フランジ径も43mmと非常に大きい
後輪213g シマノハブが350gです

メンテナンスがし易いハブです。YouTubeでDTハブのメンテナンスが解説されていますので困ることはありません。ベアリング交換まではしなくても日常のグリスアップはご自分でされたら良いかと思います。

キャップを引き抜くだけでグリスアップは容易にできます

ご自分で出来るようにDTもYouTubeに動画を上げていますので参考にされるのが良いでしょう。こまめなメンテで無駄な費用を省くことが出来ます。

ハブを調べてみますとフロントの左右フランジ幅が大きいです。フランジ幅が68~70mm前後のハブが多い中でこのハブは78mmあります。8~10mm長いです。このフランジ幅が広いことは横剛性に大きく影響します。

フランジ径が台湾ハブでは30mmが多いのです。しかしDTハブでは43mmと非常に大きいのでスポークがリムに向かう角度が大きくなるわけです。この角度をブレイシングアングルと呼んでいます。塀のツッパリ棒を想像していただければわかりますがこの数値が大きいと横剛性が高くなります。

高価なハブですが細かく数値を見ますと非常にバランスが取れた優秀ハブだと感じました。前輪用116g、後輪用213gと非常に軽量です。もっと軽量ハブもありますが軽すぎるのもやはり剛性に影響します。こんなことからも良く考えられています。

リムがまだ届きませんがホイールが完成しましたらまた報告したいと思っています。