TNIのワイドリムでホイール作製

お客様よりご連絡いただきました。リピーターの方です。TNIのワイドリムが手に入るのでホイール作製依頼です。

長らくTNIのリムが欠品でした。1年くらい待っていましたがトライスポーツでは輸入が始まったようです。いろいろなところから販売され始めています。これは手組ファンには朗報です。

お客様からはハブ、リムをお送りいただきました。

スポーク、ニップルは私が用意します。

ハブはシマノのティアグラ、ソラシリーズで作ります。

ホイールの組み合わせは次の通りです。

リム 前後ともに TNI AL22W 28h 後輪はオフセットリム

ハブ 前輪 シマノ ソラHB-RS300 28h

   後輪 シマノ ティアグラ FH-RS400 28h

スポーク 前輪 サピム Laser 20./1.5/2.0mm 黒

     後輪 右 サピム Laser 20./1.5/2.0mm 黒

        左 DT コンペティション 黒

ニップル ピラー DNSニップル シルバー

ハブはシマノの下位グレードハブです。前後6000円ほどで手に入ります。価格はDuraハブの1/6~1/7の値段です。では性能はどうなのかということです。個人的には同じスピードで走れると思っています。重量的にはDuraハブや台湾の軽量ハブと比べますと重いです。重いは頑丈ということができます。アルテグラハブ、105ハブとはほぼ同じです。ハブの仕上げは大きく違いますので見た目は違います。上位ハブははっきりとそれなりの存在感があります。しかし中身を実質本位で考えますとシマノの下位グレードのハブはとてもよく回ります。

シマノハブの良いところは上位も下位グレードも手抜きしていないことだと思っています。高級ハブと下級ハブではスピードが違うのかといいますと私には同じです。それは違うよという人もおられるかと思いますが私が感じるのは同じです。ただ下位グレードのハブは新品時にはハブの調整が必要のようです。ハブを育てるというか、自分の好みにアタリ調整をされたほうがいいようです。

お客様は玄人好みのプランを立てられています。

リムはコスパの良いワイドリムを選択し前後ともに28穴です。シマノハブは28穴なら販売されています。細いスポークで乗り心地をよくされています。ハブは安価でよく回るハブです。スポークはショックアブソーバーの働きをするLaserスポークと、1.5㎜の細いスポークを沢山使って乗り心地をアップしています。後輪ドライブ側には剛性を高めるために1.8mm径のスポークを使います。スポーク数が28本ありますとお客様の体重では十分剛性を得ることが出来ます。

組み立てを当方にお任せいただきました。

後輪 1015g 外周部が軽いので漕ぎ出しは軽い
スポークテンションはできるだけ均一に
前輪 774g 細いスポークで地面からの振動を吸収
スポークテンションはできるだけ均一に

スポークテンションの均一化を図りテンションのバラつき度を5%以内に収めています。

この5%以内のばらつき度を評価していただいてホイールを組める方からもご注文していただいています。ホイール作りより乗るほうが楽しい方はご連絡いただければ幸いです。

MTBホイールの作製

何度もご注文いただいていますベテランのお客様よりMTB用のホイールをご注文いただきました。

ハブ、リムはお客様よりお送りいただいています。

ハブ、リムはお送りいただきました

ご自分でも自転車、ホイールを組まれる方なのですがやはり餅は餅屋で、いつも遠方の私にご注文いただいています。ホイールはご自分で組まれた自転車で試し乗りをしていただき印象を教えていただいています。とても勉強になります。

お送りいただきました部品は次の通りです。

リム スタンス MK3アルミリム 28h

軽量リムです

ハブ シマノ Deore HB-M8110-B,FH-M8110-B   ブースターハブ 28h

ブースターハブです 大きいのにこの重量は軽量です

ハブデータはシマノホームページから取れます。ハブの実測は本来必要ですが信頼できるデータですのでシマノハブに関しては実測しなくても良いかと思います。

シマノ ホームページより
シマノ ホームページより

送られてきましたハブの回転はとても滑らかです。この滑らかさは素晴らしいとお客様に連絡しますと同じお考えでした。シマノハブはカップアンドコーンなので自分でアタリを調整できます。別の言い方で育てる感じです。グリスの具合やナットの締め具合すべて個人で行えます。そんなに難しくありません。下位グレードのハブになりますと自分の好みにする手間が結構いるのですが今回のハブでは全く必要ありません。最初から大人で来ました。フリーの回転も素敵です。

リムもデータが発表されています。しかしリムには実測が必要です。

リムは実測が必要です ERD605mmですが実際は違います

ホームページでの発表データではERDは605です。リムにもそう記されています。しかし実測では610mmでした。5mm違いますので605でスポークを準備しますとまた買いなおさなければなりません。手間を惜しまなければ無駄な出費はありません。

スポーク、ニップルはこちらで用意します。すべてお任せいただきました。

スポーク コンペティション 2.0/1.8/2.0mm シルバー

ニップル ピラーDNS ブラス シルバー

この部品で組みます。

リムはとても軽量です。スポークはDTコンペティションのクロス組です。

スポークテンションを出来るだけ揃えて振れを最小に仕上げます。

ストレスリリーブを何度も行います。時間をあけて行うほうが逆に効率が良いようです。

試し乗り後に最終テンション調整ができれば一番いいのですがお客様は遠方ですのでそうもいきません。

このため何度もストレス取りを行っています。この手間を惜しむとダメ・ホイールです。何回か行いますとスポークに力を加えてもテンションが変化しなくなります。この状態になるまで行うことがコツといえます。考えてみれば当たり前のことですが多くのビルダーさんは不十分なようです。

前輪 731g
出来るだけスポークは均一に張ります
後輪 883g
ドライブ側は120~130kgfで均一に張ります

出来上がりは前輪731g、後輪883gとても軽量です。合計1614gと軽量です。リム367gと外周部が軽いので漕ぎ出しは軽いです。急な発進が頻発するMTBにはぴったりです。 また感想を教えていただけると思います。楽しみです。

お客様をご紹介いただきました

昨年カーボンホイールをお納めしましたお客様のご友人からこのブログにご連絡いただきました。

トライアスリート仲間からの紹介してもらいましたということです。

そうです、お客様はトライアスロンをなさっています。トライアスロンですので平地がメインですが登りもお好きで平地と登り半々でトレーニングされているようです。

いいホイールを提案してほしいということでしたのでまずは当方の定番ホイールを紹介しました。

36mm高と46mm高、幅はどちらも28mm幅の穴なしリムを使ったディスクホイールです。この2種類は定番的なホイールです。スポーク、ハブの選択で値段は変わってくるのですが一番のお勧めはTNIのREVOハブを使いスポークはピラーのウィング21で組み上げるホイールです。ニップルはブラスです。

以下の組み合わせです。

定番ディスクホイールです

28mm幅46mm高 穴なしはー本リム 24穴

ハブ TNI REVOハブ

スポーク  ピラーウィング21 黒

ニップル DT Squorxpro ブラス 黒

出来上がりは前輪704g、後輪828g 前後1532g 

とても軽量に仕上がりました。

出来るだけ均一にスポークを張っています
できるだけ均一にスポークを張っています

スポークテンションはできるだけ均一に張っています。振れ取りは最小になるように仕上げています。振れ取り台のメーターで見ますとプラスマイナス0.1mm前後のフレで仕上げていますのでほぼ真円に近い仕上がりです。

手組ホイールでは使うスポークの特徴が分かっていますので剛性が足りなければスポークを太くして剛性を上げることが出来ます。

力のある人、体重のある人が乗りますとブレーキがこすれたりします。これはホイールの剛性不足が原因です。こんな時スポークの太さをければホイールの剛性が上がります。

前輪も同じことですが剛性が足りなければまずは後輪右スポークを少し太くします。

左右サピムのCX-RAYなら右ドライブ側スポークをCX-Sprint、DTならエアロコンプに交換です。ほんの数グラムの違いですが間違いなくホイールの剛性は上がります。

まだ足りない場合はCX-RAYすべてを取り換えて左右CX-Sprintかエアロコンプに交換です。まだ足りない場合コンペティションに交換すればよいかと思います。

ホイールの剛性はスポークの総面積に比例します。ホイール全体から見ますと10g~20gの増加で剛性は大きく変わるわけです。

トライアスリートの客様にはこのことをご説明しています。

手組ホイールの良さはお客様の体重、乗り方にあわせて組み上げていくことが出来ます。完組のブティックブランドホイールは幅広いお客様を相手に作り上げたホイールです。誰も欲しがるホイールですが乗り手にぴったり合っているかはわかりません。ホイールには相性があります。高いホイールがすべていいホイールではありません。高価なホイールが乗り手に合っていなければ単に疲れるホイールといえます。

誰もがレースに出るわけではありません。レースに出ない人にはレース向きのホイールはアンマッチかもしれません。こんなことを考えながら組んでいくのが手組ホイールと思っています。

シャッタープレシジョン・ダイナモハブでホイール作製

当ブログを読んでいただきました方よりご連絡いただきました。ダイナモハブを使ってホイールの作製依頼です。後輪も合わせてご注文いただきました。

ご連絡いただきました時に

●シャッタープレシジョンのハブを使ってほしい

●ブルべで使用

●ロングライドの為乗り心地を優先し疲れにくいホイール

このようなご希望でしたが恥ずかしながらシャッタープレシジョンのハブは初めてです。

ドイツのSONブランドなら知っていましたがこのSPブランドは知りませんでした。

シャッタープレシジョン ダイナモハブ 台湾製

お客様にはハブをお送りいただきリム、後輪ハブ、スポークはこちらで提案いたしますということでお見積りいたしました。

ロングライドには多スポークホイールが有利ということを今までのブログに何度も書かせていただいています。お客様はこれらの記事を読まれてご連絡いただいたようです。

プランとして次のように提案いたしました。

リム キンリンXR31T/RT 前後ともに32h

ハブ 前輪シャッタープレシジョン 32h 黒 お客様よりお持ち込み

ハブ 後輪シマノ ティアグラハブ 32h 黒 こちらで用意

スポーク 前輪 サピム Laser

スポーク 後輪左 サピム Laser 後輪右 サピムRace

ニップル ピラー DNS ブラス シルバー

お客様ご購入のSPハブは台湾製のハブで日本輸入元は東京サンエスさんです。ハブを送られてきた時ですが、初めて触るハブです。手回してみると非常に硬く感じました。最初このハブは不良品ではないかと心配しました。通常のハブでは軽く回りますがこのハブは簡単には回りません。不安になるのは当然です。やはりお預かり品ですので責任があります。

東京サンエスさんに問い合わせしました。手回しではこんなに硬いものですか?ということを確認しますと、そんなものですと答えがありました。知らないということは強いものです。なんでも聞いてしまいます。担当の人も何を聞くのかなという感じでしたが答えはとても穏やかで丁寧な応対でした。これで安心しましたので取り掛かることが出来ます。

ハブには方向性があります  イラストはラジアル組です

ハブに付属の説明書にはラジアル組のイラストでした。32hのラジアル組はちょっと見た目も違和感があります。またロングライドにはクロス組が乗り味を柔らかくできます。お客様にはクロス組を提案し、了解得ました。

スポークは中央部が1.5㎜のLaserスポークですのでスポークがショックアブソーバーの働きをしてくれます。ホイールの組み上げにはねじれが生じやすいスポークなので扱いが難しいスポークです。注意が必要です。

後輪右は1.8㎜のRaceスポークにして剛性を上げています。左はLaserスポークで組み上げます。左右のスポークを変える方法は最近では完組ホイールでもよく見受けます。

SPハブには方向性があります。ハブ中央に矢印がありますので注意が必要です。

後輪リムにも3mmのオフセットがありますのでこれも方向性があります。

前輪1065g ダイナモハブ使用 2クロス組
前輪スポークテンショングラフ
矢印のように方向性があります  左右2クロス組 Laserスポーク使用
後輪1087g  
左Laser 右Race  左右3クロス組
後輪スポークテンショングラフ

前輪後輪ともにスポークテンションの均一化をはかり振れを最小になるようにします。時間が掛かっても手を抜くことなく作り上げることがトラブルの少ないホイールを作るのに必要なことです。早く作るよりゆっくり確実が肝要です。完成しましたホイールにはテンションデータをお付けしてお届しています。

これでブルべでは安心して夜間に走れます。インプレが楽しみです。

DURAハブを使ってチューブラーホイールのご依頼

お客様の手持ち部品をお送りいただきチューブラーホイールの作製依頼の連絡をいただきました。

ハブはHB7700,FH7700です。とっくにディスコンになっているハブですが銘ハブとして今でも人気がありオークションに出すとすぐに買い手がつくハブです。

Duraハブが届きました
台湾ハブと比べると重いのですが重い分丈夫です

ハブはお客様よりお送りいただきリム、スポークは私が手配するというご注文です。

大事に使われてきたハブなのでグリスアップもご依頼いただきました。

グリスを取り除き新しいグリスを注入します

シマノハブのメンテは難しくありません。ユーザーができるように設計されています。ハブスパナが必要ですがナットを緩めて取り外し疲労したグリスを取り除き新しいグリスを注入します。ただし玉あたり調整には少し慣れが必要です。

411g 軽量リムです

リムはチューブラーリムです。最近では手に入るチューブラーリムは限定されます。リム数は少ない中でもTNIのCX22は軽量で高性能なリムです。今回はこのCX22を使います。

スポークはお任せいただきましたのでピラーTB2015 2.0/1.5/2.0mmを前輪に、後輪は左TB2015、右にTB2018としています。ドライブ側を少し太くして剛性を高めています。細いスポークの数を増やして剛性を上げる方法は疲れにくいホイールを作るときには最適です。今は少スポークホイールが流行りですが逆の考えで作ります。

ピラー社 ホームページより

ニップルはピラーのダブルスクエアニップルを使っています。なかなか国内では手に入れにくいニップルですがとても優秀です。後ろからでも容易に回せますのでとても使いやすいニップルです。

スポークテンションに関してですがシマノ旧バージョンのハブはハブオフセット値が小さいので後輪の左テンションを11速ハブと比べて高く取れます。ギアの枚数が少ないのですがスポークテンションに関してはこちらのほうが優れているわけです。11速にしないで9速、10速で走られる方がまだまだ多いのもわよくかります。ギアが増えるよりホイールの性能を優先されているわけです。

前後 1612g
前輪 699g
スポークテンションを出来るだけそろえています
後輪 913g
スポークテンションを出来るだけそろえています

製作上での注意点は、スポークテンションを出来るだけ揃えて、振れを最小になるように仕上げています。とても地味な作業ですが当ホイールの特徴になっています。スポークテンションが揃っていれば駆動ロスが少なくなります。おまけにスポーク折れなどのトラブルが少ないのです。リム、ハブの持つ力を最大限ひき出すにはこれが一番大切です。

チューブラーホイールは今やカーボンホイールでしか完組では手に入りません。アルミチューブラーでは手組しかないという現状です。アルミチューブラーホイールを選ぶ機会が少ないのですが使ってみると優秀なホイールということが分かります。

今回のようなベテランライダー様からのご注文はありがたいことです。

36mm高リムブレーキ用カーボンホイールのご注文

以前このブログに紹介しましたお客様よりカーボンホイールを注文いただきました。リピートオーダーです。

手持ちナローリムホイール、のむラボ1号をヤフオクに出品して、これを原資に当ホイールを購入されたようです。

のむラボブランドはとても有名です。すぐに買い手が現れました。購入者にとても喜ばれたと伺いました。のむラボさん、さすがです。

高値で売れてお客様は喜び、購入者は憧れのホイールを手に入れ、私はカーボンホイールの注文をいただけました。いや、面白いつながりです。

こんな経緯で新しくカーボンホイールを注文いただいたのですが仕様は次の通りです。

リム 36mm高28mm幅リムブレーキ用

ハブ 前輪ノバテックA291SB,後輪F482SB 20・24h

スポーク ピラー ウィング21

ニップル DT SqourxPro ブラス黒

前輪651g
前輪スポークテンショングラフ
後輪828g

前輪651g後輪828g 合計1479gです。

スポークのテンションを出来るだけ均一に振れを出来るだけ最小にする、これを目標に作製しています。

リムは穴なしリムです。リムテープの運用が要りません。テープを巻く手間は意外と大変です。これがなくなるのは本当に楽だと実感します。テープ代も意外とかさむものでその費用が要らないのは大きな利点です。

また、チューブレスタイヤとは相性の良いリムと思います。普通のポンプで簡単にビードは上がります。特別なポンプはいりません。

チューブレスタイヤと相性がいいリムですがクリンチャーに戻される方も沢山おられます。優秀なクリンチャータイヤが沢山ありますので良質のチューブを使って運用する方法も良いかと思います。つまりチューブレスでもクリンチャーでも、どちらでも楽しめる優秀リムです。

リムは体重がかかると地面に接する部分はわずかですが凹みます。これはどんなホイールもいえることですが剛性が高いリムは変形が少ないです。つまり前に進む力はロスすることなく進むということです。

アルミリムとカーボンリムと比べますとリムの変形はカーボンリムのほうが高剛性なので変形しにくいです。つまりカーボンリムのほうが駆動ロスはすくないというわけです。

お客様は手組ホイールファンの31mm高のアルミリムXR31T/RTホイールと今回のカーボンホイールを乗られることになります。アルミリムホイールで気に入っていただいていました。今回はもっと剛性が高いリムです。両者の違いを聞かせていただくのが楽しみです。

前輪用46mm高カーボンホイールのご注文

36mm高のディスクカーボンホイールをお買い上げいただきました方よりご連絡いただきました。36mm高のホイールは快調に回っているとお知らせいただきました。

シマノホームページより

何故46mm高の前輪をといいますとシマノアルテグラWH-R8170-C50ディスクの後輪ホイールだけを購入されましたので前輪が必要となりご注文いただいたわけです。

片方を購入する、こんなお買い物もいいアイデアと思います。

前輪用46mm高ディスクホイール 725g
スポークテンショングラフ

お手伝いが出来ました。ありがたいです。

46mm高ホイールの前輪を提案しますと即決いただきました。これもうれしい限りです。36mmホイールの実績があるからでしょうか。厚かましいですがいいように解釈しています。

スポークは手を抜くことなくできるだけスポークテンションを均一に張っています。喜んでいただけると思っています。

ベテランライダー様よりリピートオーダーをいただきました

前回アルミリムブレーキホイールをご注文いただきましたお客様よりご連絡いただきました。今回はカーボンディスクホイールです。自転車を何台も持っておられる方が多いのですがお客様もディスクブレーキ仕様のロードを組み立てるといっておられます。ホイール注文でご連絡いただくお客様はご自分でバイクを組み立てられる方も結構多いです。ベテランライダーさんは目が肥えています。こちらも正しく評価いただけるように頑張るだけです。

ディスクカーボンホイールのご要望は以下の通りです。はっきりご希望をいただきますと提案しやすいです。

希望要件

・リム素材:カーボン

・リム高:30~50mm程度

・リム幅:700×28~32Cタイヤに最適なもの

・タイヤ:チューブレスタイヤを使用予定

・ブレーキ形状:センターロック ディスク

・フレーム:Trek Domaneを使用予定

・乗り方:街乗り・ロングライド(レースはやりません)

・予算:10万円程度

このようなご希望です。このようにお知らせいただきますとご提案しやすいです。

36mm高と46mm高のホイールを提案しました。価格的にはリム価格の違いで僅かの差です。お客様は46mmを選択されました。

この36,46mmはほとんど同じ数量の納品数です。どちらも使いやすいホイールですがどちらかといえばやはり46mm高は平地に強いと思います。

仕様は次の通りです。

46mm高28mm幅 カーボンリム

ハブ TNI REVOハブ

スポーク ピラー ウィング21 黒

ニップル Squorxpro 黒

最近のご注文いただくホイールは修理品のカーボンホイール以外すべて穴なしリムです。リムテープのいらない、リム打ちパンクのないリムのご注文ということは作り手には面倒なリムですが使われる方には本当に扱いの楽なリムといえます。チューブレスのテープ貼りが面倒だからクリンチャーに戻す方も結構おられると聞いています。経済的にも有利なリムです。

46mm高ディスクカーボンホイール
前輪717g
後輪819g
前輪スポークテンショングラフ テンションばらつき度は5%以内
後輪スポークテンショングラフ テンションばらつき度は5%以内

スポークテンションを出来るだけ均一になるように仕上げます。出来上がりテンションは次のグラフです。穴なしリムを使ってスポークテンションばらつき度を5%以内にするというのが当ホイールのウリです。何故5%かといいますとDuraホイールが約5%のバラつき度といわれています。まあこの数字を目指し上回ろうということです。

乗られた感想をまた聞かせていただけることが楽しみです。

カーボンホイールの再調整

昨年お納めしましたお客様より連絡がありました。下り坂でのカーブで柵に当たってホイールが歪んだとのことです。お怪我がなかったようでよかったですがホイールは傷んでしまいました。

ほとんどのお客様は遠方の方ばかりなのが残念です。メールでのやりとりでお話を進めます。しかし納品に関しては何の問題もありません。本当に宅急便のおかげでありがたいです。

昨年お納めしました36mm高軽量ディスクカーボンホイール
昨年お納めしたときの前輪テンショングラフ
昨年お納めしたときの後輪テンショングラフ

ホイールは36mm高のディスクホイールです。前後24hの一般的なホイールです。

軽量に仕上がっています。スポークは前輪にはCX-RAY、後輪には剛性を高めるためにコンペティションで組んでいます。乗り手の体重、力量、好みなどにあわせて組み上げることができます。手組ホイールの最も良いところです。ホイールを購入したがガチガチで疲れるというようなことはありません。もしそんなことになってもスポークを交換すれば乗り手にあわすことが出来ます。

送られてきましたホイールはいつものようにスポークテンションを最初に計測します。

落車後の前輪テンショングラフ
落車後の後輪テンショングラフ

上のグラフが落車後のホイールです。リムが左右に大きく振れていました。こんなに大きい振れではリムブレーキなら帰宅できなかったと思います。ディスクホイールではフレに対しての許容範囲が広いので思わないところで良さを感じてしまいます。

ディスクホイールはリムがすり減らないのがいいですね。最近はとても軽量のディスクホイールが出てきていますのでディスクホイールは重いという固定観念はなくなりつつあります。しかしリムブレーキが悪いわけではありません。リムブレーキはまだまだ軽さを追求する上では有利と思います。ディスクも軽くできますが費用面ではリムブレーキに負けると思います。つまりお金をかけないと軽量化が出来ないということです。

話がそれました。もとに戻します。

少しずつニップルを回してもとに戻しました。この時感じたのですがやはりブラスニップルでよかったと思いました。ブラスニップルは強い。ニップルを何度も回したり緩めたりしますのでやはり強度の高い製品が安心です。勿論使い方さえ間違いなければアルミニップルは強度を担保できます。恐れることはありません。ただ私は売り物のホイールを作っていますので強いご依頼がない限りブラスを採用しています。

一気にニップルを回さないでゆっくりと、そろりそろりと元に戻していきました。結構集中しますので長い時間できません。ゆっくり休みながらの仕事になります。

修理後の前輪テンショングラフ
修理後の後輪テンショングラフ

2日かかりましたがホイールテンションはほぼもとに戻りました。運よくスポークも傷んでなくニップルを回すだけで調整は終わりました。喜んでいただけると思います。

Eastonチューブラーカーボンホイール組み換え依頼

ホイール組み替えのご連絡をいただきました。ハブ、リムの手持ちがあるので後輪ホイールを組んでほしいとのことです。

EastonのEC90AEROカーボンリム20穴のリム、スポークと新しいハブをお送りいただくことで商談は進みました。

高いリムハイトですが軽量です  チューブラーーならではと思います
左10右10の1:1組 ストレイトプルスポーク使用

20hのカーボンリム、20hのストレイトプルスポーク用ハブと使われていたスポーク20本が届きました。カーボンリムは使われていたので新品ではありません。チューブラー仕様でとても軽量です。

後輪は20hハブです。市場にあまりないハブですがうまく見つけられたと思います。ストレイトプルスポーク使用のハブです。初めてのハブですのでデータがありません。基本通り計測から始まります。

インターナルニップル用のニップル回し 3種つかえます

リムはインターナルニップル用のリムです。ニップルを回すにはリム穴から回す必要があります。通常のニップル回しは使えませんのでパークツールのSW-15の出番です。使いやすいです。

ストレートプルスポークハブでの注意点はやはりハブの計測です。測るところはほんの数か所ですが正確なデータを取らないとやり直しに直結します。

Up side down nipple sapim ホームページより

今回使いましたサピムUp side downニップルやサピム、ピラーのダブルスクエアニップルはリム穴から調整できますのでスポークの最終締め増しには便利で仕事しやすいです。慣れが必要ですがいいニップルと思います。

完成後のホイールです
743g非常に軽量です チューブラーホイールの優位性は重量と思います
右ドライブ側1クロス組
左ラジアル組
バラつき度が低い仕上がりです

スポークテンションのバラつきを5%以内に仕上げます。なじみだしを何度も行いました。最初簡単と思っていましたが結構難易度の高いホイールです。リーズナブルにいいホイールが再生できました。