CX22リムでチューブラーホイール作製

アルミチューブラーホイールに関して調べておられたお客様よりご連絡いただきました。

現在完組のアルミチューブラーホイールは販売されていません。絶滅危惧種のホイールですがチューブラーホイールの良さを知ってしまうとなかなかクリンチャーに戻すのは難しいものです。

パンクなど取り扱いがクリンチャーと比べて面倒と感じる方もおられますが慣れるとパンクなど怖くありません。チューブラーホイールの方がよっぽど簡単といっておられる方も沢山おられます。現にプロライダーはチューブラーを使っておられる方が多いので性能の良さが分かります。

良いところばかり述べていますが、では何故廃れたかと言いますとやはりパンク修理が面倒と感じる方が多いのと、チューブを替えればまた使えるクリンチャーとは経済的にも違います。この点が弱点かなと考えます。

今回ご注文いただきましたお客様は現在カーボンチューブラーホイールを使っておられるのでチューブラーをよくご理解いただいています。

いろいろご相談しまして仕様を決めました。内容は次の通りです。

リム重量415gは軽量です 構造が単純なのでチューブラーリムは剛性が高い

リム TNI CX22 前後共に32H

ハブ シマノ HB-RS400 FH-RS400 共に32H

スポーク 前輪レボリューション黒 2.0/1.5/2.0mm

スポーク 後輪左 レボリューション黒 2.0/1.5/2.0mm

スポーク 後輪右 コンペティション黒 2.0/1.8/2.0mm

ニップル ダブルスクエア

スポークは中央部が1.5㎜のスポークを使った多スポークホイールです。空気抵抗が云々と問題視される方が多いのですが乗り味は最高です。地面からの衝撃をこのスポークが和らげてくれますので疲れにくいホイールに仕上がります。後輪ドライブ側にはスポークを1.8mmのスポークを使いホイールの剛性を上げています。

組み上げにはスポークテンションを出来るだけ揃えて、振れを最小になるように仕上げています。書けばたった一行の作業ですが結構難しいです。流行りのコスパを考えますと出来る人に任せるのが良いかと思います。

さて、出来上がりです。前輪770g後輪1009g合計1779gです。台湾の軽量ハブで作りますと100gほど軽くなりますが、重いハブは丈夫ということで決してマイナスではありません。外周部の軽いホイールは漕ぎだしが軽いです。

お客様は普段カーボンチューブラーホイールで走っておられます。同じチューブラーリムでもカーボンリムとアルミリムの違いをお聞かせいただければいいなと思っています。

前輪770g
前輪スポークテンショングラフ

後輪1009g
後輪スポークテンショングラフ  

波型リムホイールのご感想をいただきました

5月2日にブログ記事にしました波型リム使用のホイールインプレをいただきました。

お客様からは今回のホイールで2セット目のご注文です。前回は36mm高のリムを使ったリムブレーキ仕様です。ブレーキ面はオプションで強化されたリムです。

前輪627g
後輪729g

今回は46.5mm高の波型リムを使ったディスクタイプのホイールです。ホイールの特徴をシッカリ捉えておられます。お客様にはブログ記事を了解いただいています。

前回ご注文いただきましたリムブレーキ用ホイールです
今回のホイールを取り付けたバイクです

以下ご感想です。

以前依頼したリムブレーキホイールとの比較です。

wing21スポーク以外の構成パーツ違いますが参考までに。

今回のホイールとても良いです。

 全体のバランスがよく、特にリムの軽さが感じられて登りはよく転がります 。

リムブレーキホイールに比べ、こっちの方が剛性高い印象です。 

フロントはスポーク数、リムホイール20h→ディスクホイール24hなのでかっちりしていてコントロールしやすいです。

リアは駆動ロス少なく、剛性がとてもいい感じです。

 ダンシングでたわんでいる感じがしないのでこれもまた良いです。 

リムホイールに比べると、リムはグイグイ登る感覚に対し、今回のディスクホイールはスルスル登れる感じがします。

リム高の割に登坂で重さを感じないので扱いやすいです。

波形状については、下りで足回りのスムーズさをやや感じるといったところです。

空力がよくなった体感は薄いですが、下りでの加速が早いので効果が出ているのかなと言った感じです。

このように実際のご感想をいただきますと使用感など臨場感が伝わりとても参考になります。

手前味噌になりますがブティックブランドのホイールと比べて遜色ない、またそれ以上と思っています。リピートでご注文いただけるのが励みになっています。

Eバイク用のホイール作製

Eバイクを仕事に使っておられる方よりご注文いただきました。今回のご注文は2回目です。

ホイールの部材はお送りいただきました。組み立てだけのご依頼です。

DT U663 747g
DT 350HYBRID

リム DT  U663 前輪32H 後輪36H

ハブ 前輪 シマノ HB-R7070 32H

ハブ 後輪 DT 350HYBRIT 36H

スポーク 前輪 DT コンペティション黒

スポーク 後輪 DT AlpineIII 黒

ニップル DT SquorxPro 黒 ブラス

リムは国内では販売されていないリムです。お客様は海外より取り寄せられました。MTBの用品は販売量の差と思いますが扱い品目は少ないように思われます。スポーツ自転車のマーケットが小さいのが理由かもしれません。

最近のネット情報からと思いますがお客様の方がよくご存じで教えていただくことが多いです。今回のリムはその事例です。初めてのリムでした。調べてみますとEバイクに適したリムです。とても重いリムですが、重い=頑丈ということです。組んでみるととても組みやすいリムでした。ジョイントはピンジョイントで価格も特別高価というものではありません。

スポークも丈夫さを優先されていますので後輪にはDTのAlpineIIIを選んでおられます。jベント部分が#13で中央部が#15、ねじ部分が#14のバテッドスポークです。国内流通はほとんどありません。

前輪1152g
後輪1430g DT U663リム使用

組み立てだけを依頼いただいたわけですが、ご注文は2回目なので組み立て方には信用いただいていると思います。今回は自転車を使って仕事されている方が選んだ部品ですので説得力があります。使用感などまた教えていただけると思います。患者数で腕が分かるお医者さんの世界と一緒にするのは厚かましいのですが、ホイールもどれだけいろんなホイールを経験するかで上手下手が現れます。今回はいい経験でした。

キンリンXR31T/RTリムで多スポークホイールを作製

手組ホイールファン一押しのアルミリムXR31T/RTを使ったホイールのご注文です。

お客様はご自分でも自転車を組み立てられ、ホイールも自作出来る実力者です。DURAハブにオープンプロの手組からDuraホイールのWH7900-C24-CLと使ってこられました。

このブログを読まれて手組ホイールファンのホイールに興味を持たれたようです。上記のアルミリムで前輪28H後輪28Hの組み合わせで作りたいとご連絡いただきました。

HB-RS300 28H 146g
FH-RS300 38H 374g
24mm幅31mm高リムで497gは軽い

シマノハブでは上位グレードハブと下位グレードのソラハブを比べると見た目の仕上がりでは大きな差はありますが、メンテナンスが良ければ回転性能での差は大きくないこともご存じでした。結論としてハブは実質本位のソラハブを選ばれました。

お客様は現在10速で乗られています。ソラハブで作ると後輪スポークの左右差も少ないことも承知されています。黒帯のライダーさんには余計な説明は要りません。

前輪812g
出来るだけスポークテンションを揃えています
後輪1067g
左スポークのテンション値がとても高い

今回使用する後輪リムは3mm穴位置がずれていますのでスポークテンション比率は70:100くらいに仕上がります。これなら2:1組にする必要もありません。後輪左右スポークのテンション差異が少ないホイールが出来ます。使うスポークを細いスポークで作りますとスポークがショックアブソーバーの働きをしてくれます。ロングライドに適した、特に平地や緩やかな丘陵地帯をメインに走られる方にぴったりのホイールです。

出来上がりは前輪812g、後輪1067g、前後で1879gと決して軽いホイールではありません。しかしアルミリムの中ではリム剛性は最強クラスのリムを使っていますので重くてもびっくりするほどよく走ります。お客様のご感想が楽しみです。

波型リム使用46mm高カーボンホイールのご注文

2セット目のカーボンホイールをご注文いただきました。

リムは46.5mm高28mm幅で405gの軽量リムです。ハブはスターラチェット方式のRyetハブを使いました。このハブは前後で238gと超軽量ハブです。すでにブログでも紹介したことがありますが高評価のハブでしたのでお勧めしました。

前輪用 75g
後輪用 163g
リム高46.5mm 28mm幅 405gと軽量です

使いました波型リムは空力を上げるために作られています。見た目は非常に存在感があります。リムにはシールがない無印リムですが今までお買い上げいただきましたお客様はどこのホイールですか?とよく尋ねられるようです。結構目立つホイールだと思います。

穴ナシリムですのでリムテープがいらないチューブレス仕様です。リムにはバルブ穴が1つあるだけでニップル穴がないということは強度が高いということになります。約46mm高で400gほどのリムはとても軽量といえます。軽量だけでなく剛性があるということがカーボンリムの良さといえます。

波型がよくわかるようにしました この波が空力をよくします
前輪 627g
後輪 729g

昨今は円高でこれはどうしても仕方ないのですがリムはとても高価なリムです。しかし価格的にはブティックブランドのホイールと比べて半額以下です。コスパを考えますと性能共に価格競争力があるホイールと言えます。

手組ホイールファンでは体重と乗り方を考えてスポークの太さを決めますのでオーダーメイドのホイールといえます。オーナー様よりご感想をお聞かせいただけるのが楽しみです。

DTリムで多スポークホイールのご依頼

今までのブログ記事を参考にしていただいたようでDTのRR411軽量アルミリムを使ってのホイールをご注文いただきました。

乗り手の体重と乗り方にあわせた手組ホイールは既成ホイールとは違った良さがあります。

105グレードハブ 

今回はハブを持ち込みいただきました。リムとスポークはこちらでご用意いたします。ホイールの内容は次の通りです。

前輪用429g
後輪用455g オフセットリム

リム DT RR411 前後共32H 後輪リムはオフセットリム

ハブ シマノ 105 HB-R7000 FH-R7000 32H  

スポーク 前輪 TB-2015 2.2/1.5/2.0mm シルバー

スポーク 後輪 左TB-2015 2.2/1.5/2.0mm 右コンペティション2.0/1.8/2.0mm シルバー

ニップル ダブルスクエア 黒

スポーツ系の自転車ではシルバースポークを使ったホイールは見かけることはほとんどありません。お客様はシルバースポークをご希望されました。

前輪795g 外周部が軽いです
後輪1061g 外周部は軽いです

このブログでは何度も多スポークホイールの利点を述べています。完組ホイールでは前輪20後輪24本のホイールのような少スポークホイールが多いのです。当然スポークは太いスポークを使って剛性を上げています。前20・後24のホイールを2mmのスポークで作るとスポークの総面積は前輪62.8mm²、後輪75.4mm²です。

今回のホイールでは前輪56.6mm²、後輪68.9mm²とスポーク数は前後で64本ありますが面積的には完組ホイールとほぼ同じです。

少スポークホイールの剛性を維持するにはスポークが少ないのでスポークを太くするしかありません。乗り味はとても硬いホイールに仕上がります。

多スポークホイールでは細いスポークを多くして体重を支えるます。この時スポークはショックアブソーバーの働きをしてくれます。ホイールの剛性も確保します。

シルバースポークとてもいいです

スポークの面積では少スポークのホイールとほぼ同じです。乗り味では多スポークホイールに軍配が上がります。

今回のご注文ではお客様は多スポークホイールを選択されました。ロングライドに向いた疲れにくいホイールの良さを感じていただけると思います。

ホイールの再調整依頼

昨年の9月にご注文いただきましたリム高約46mmのディスクホイールの再調整依頼を受けました。レースなどシーズン予定が終わり一度見てほしいとお預かりしました。

リム高46.5mmリム幅28mm 波型リム 空力がいいと言われています

タイヤを外してみますとこのようになっていました。

リムから取り外したタイヤです

お客様にシーラントの名前を伺いますとマクハルのシーラントをお使いです。

このような皮膜状になってめくり取ることが出来ます
取り除いたシーラントの固まりです
リム内部もきれいな状態でした

シーラントをはがしていく感じで取り除くことが出来ました。いつも液状のシーラントでしたので初めてです。使い方を調べたのですが、タイヤ内部に膜が出来たら余分なシーラントを抜き取るという方法を取ります。重量を軽くできる利点がありますのでレースに出る人にはいいかなと思います。

タイヤを外してスポークテンションを調べましたが特別ニップルをさわることもなくホイールをきれいにするだけで終わりました。お客様にもこのことをお知らせしています。

スポークテンションは変化することなく均等になっています

ホイールを仕上げるときに時間をあけて何度も馴染みだしを行った効果が出たようです。作るのに時間が掛かりますがスポークテンションを出来るだけ均一になるように手をかけて仕上げると後が楽です。振れが出るホイールは改善の余地があるホイールということです。

自慢げになることは慎まないといけませんが、半年たったホイールを再点検してほとんど触るところがなかったことが分かり喜んでいます。知らなかったシーラントも知ることが出来ました。最近お客様から新しく前後で1260gのホイールをご注文いただきましたので新しいホイールのインプレをいただけるようです。ただ単にホイールを作って、納品して、終わりではありません。ありがたいことです。

32mm幅40mm高の軽量カーボンリムでホイール作製

何度もリピートオーダーいただいているお客様よりご連絡いただきました。

ディスク仕様の自転車を作るので高さ40mm前後の軽量リムを提案してほしいとのことでした。いままで注文いただいたホイールの中で評判のよかったリムの中で選びましたリムです。

リム幅32mm40mm高 398g軽量カーボンリム

リム高、リム幅を考えますと約400gのリムはとても軽量です。ハブはノバテックの台湾の軽量ハブです。量産ハブなのでメンテ用の部品も手に入れやすく必要十分なハブと考えます。

スポークはCX-RAYよりも剛性が高いピラーのWING21で組みます。スポークは乗られる人の力や乗り方で決めるのが良いと思います。サピムCXRAYが最高のスポークと思っている人が多いのですがそんなことはありません。使い方で決めるべきと思います。

剛性が強すぎればスポークを細くし、弱すぎればスポークを太くするというチューンアップで最良点を見つければいいのです。これが手組ホイールの良いところと思います。

ニップル穴のないリムはテープが不要です

リムは穴なしリムで作ります。ニップル用の穴は前だけですのでホイール作製には面倒なリムですが使い手にとってはとても良いリムです。チューブレスにも使えるし、チューブタイプにも使えます。テープ巻きが不要なのでタイヤの選択が広がります。

ニップルはブラスニップルを使用しています。軽量リムですがニップルはブラスでアルミニップルではありません。ガルバニック腐食のこともありますのでブラスの方が安心です。

前輪689g
後輪814g

前輪689g後輪814g、前後で1503gの軽量ホイールが完成です。

波打っているリムは空力をよくする形状です

リムは波打っている形状で、空力が良くなる形です。タイヤはメーカー推奨では28c~50cです。お客様は28cを使われるようです。年間10000km以上走っておられるお客様なので的確な評価が楽しみです。

シングルスピードバイク用のホイールをご注文

シングルスピード用のホイールをご注文いただきました。ハブは持ち込みです。

前輪用 281g
後輪用は両切ハブです

リム XR31T 32穴 黒

ハブ グランコンペ 32H 黒色 持ち込み

スポーク ピラー TB2015 2.2/1.5/2.0mm 黒

ニップル ピラー DSN 黒

XR31T 31mm高24mm幅で454g

リムは剛性の高いリムです。アルミリムの中では一番剛性のあるリムの一つと考えています。31mm高24mm幅なので決して軽いリムではありませんが重量がかかっても歪みにくいリムです。結論から言いますと、とてもよく走るホイールに仕上がります。

ホイールは4つの部品で出来上がっています。どれも大切ですが中でも一番大切な部品はリムだと思います。ある公的機関で荷重試験をお願いして調べた結果、歪が少ないとても優秀な成績でした。このリムを選ばれたのは賢明です。

グランコンペのラージハブ スポークはTB2015

ピラーのTB2015スポークは中央部が1.5mmで細い部分がショックアブソーバーの働きをします。地面からの衝撃を吸収できるので疲れにくいホイールが出来上がります。これが多スポークホイールの利点です。

前後ともに左右スポークは3クロス組

スポークテンションに注意して組み上げました。時間をあけて何度も馴染みだしを行っています。精悍な姿のホイールに仕上がりました。リムテープを巻いてバルブを用意すればチューブレスホイールとして使えます。ご感想が楽しみです。

前後1260g超軽量カーボンホイールのご注文

リピーターのお客様よりご連絡いただきました。とてもよく研究されている方でほとんどの部品はご自分でお決めになっています。スポークの選択には少しお手伝いいたしました。ホイールはヒルクライムに使われる予定です。

28mm幅35mm高リム 367g
前輪ハブ 75g
後輪ハブ 156g

リムは35mm高のディスク用リムです。ハブはお送りいただきました。Ryetというメーカーの超軽量ハブです。前輪24穴後輪24穴の組み合わせです。

スポークはいろいろ相談いたしました結果、前輪はDTのエアロライト、後輪ドライブ側に少し太いエアロコンプ、反対側にエアロライトという組み合わせです。スポークの剛性も考えての組み合わせです。

ニップルはアルミニップルも考えられます。しかし20グラムほど重くなるのですがやはり丈夫なブラスのSquorxProで組み上げました。手組ホイールファンの使用ニップルはブラスとしています。

ハブはストレートプル方式のハブです。スポーク長はハブ寸法の計測さえ間違えなければ通常のjベントハブと同じです。注意点はハブ穴のスポークを通す部分です。ほとんどのハブはスポークオフセット値が発生しますのでこの数値を正確に測ることです。少し細かいことですがわかる人にはわかる話です。

スポークは扁平スポークで作りますのでニップルを締めていくときスポークの供回りはスポークホルダーを使えば防ぐことが出来ます。丸スポークの場合もスポークがニップルと同じように動きますのでねじれを防ぎながらスポークテンションを上げます。丸スポークは安価ですが取り扱いは難しいです。何事も一長一短です。

スポークテンションはメーカーの指定に沿って組み上げています。テンション値は出来るだけ揃えることに注意しています。

前輪584g
前輪スポークテンショングラフ
左右スポークはエアロライト使用
後輪676g
後輪スポークテンショングラフ
ドライブ側エアロコンプ 非ドライブ側エアロライト
リムにはニップル穴がありません リムテープが不要です

出来上がりは前輪584g後輪676g合計1260gです。超軽量のホイールが完成しました。あまりの軽さに驚きます。

6月のヒルクライムレースに間に合いました。良い結果出るといいですね。