後輪スポークが折れた

キンリンのXR31T.・RTで組んだホイールの後輪スポークが1本折れたとご連絡いただきました。前輪20H後輪24Hの手組ホイールファンでは定番のアルミホイールです。

後輪ドライブ側 CX-RAY1本折れています

スポークはサピムのCX-RAYを使っています。お怪我がなく本当によかったです。

お客様からは経年劣化は仕方ないといっていただきましたが折れたことにはとても申し訳ないと思っています。ホイールをなん百本も作っています。スポークが折れたとご連絡いただいたのはこれで2回目です。一ヶ所に負荷がかからないようにスポークテンションを均一にしていますが今回は残念ながら折れてしまいました。

すぐに取り換えの段取りを行いました。その際、後輪右ドライブ側をwing21に取り換えませんかと提案いたしました。

CXRAY12本とwing21を12本との重量差は5gでスポーク1本分重くなります。jベントの部分が2.2mmとCX-RAYの2mmと比べると0.2mm太いので強化されます。

ドライブ側をwing21に替えて再調整  テンションを均一にしています

了解を得て取り換えました。スポーク1本分の差はほとんど感じられないと思いますが剛性が上がったことは確実です。Jベント部分の強化もできました。

ご感想をいただきました。


修理していただきましたキンリンホイールですが、とても調子いいです。

多少の重量増との事ですが、全くもってわかりません😅

それよりもホイールテンションを均一に仕上げて頂いていることにより、ブレーキングがとても滑らかです。最高です。

また、巡航もレーシング3より、断然いいです。とてもブランドホイールには戻れません。

近所の山の画像を添付しますね。

後輪スポーク取り換え後の写真

お客様は機械ものだから経年劣化は起こるものとご理解いただきました。このようなご連絡をいただきありがたいです。

初めてのスポーク折れ

ホイール作りを始めて15年以上たちますが作りましたホイールのスポーク折れを初めて経験しました。

2年前にお納めしたディスクホイールのスポークが1本折れたとご連絡をいただきました。まずはお怪我がなくて良かったです。すぐにホイールをお預かりいたしました。

RR411ディスクリムで作ったホイール
1本根元で折れています

ホイールはDTのアルミディスクリムRR411を使い、ハブはREVOハブ、スポークはCX-RAYという仕様です。サピムのCX-RAYは強度的には最上位に位置するスポークです。ホイール作製でもスポークテンションを均一にすることを心がけています。スポークが折れたというご連絡には初めてのことなのでちょっとびっくりしました。

Jベントは折れるということは良く聞く話です。私はこの意見には反対の立場です。スポークの取り扱いを間違わなければそんなに折れるものではないと思っています。

ニップルの頭が飛んだことは5回あります。5回お客様よりご連絡いただきました。これはアルミニップル使用していたことから起こったことです。アルミニップルの弱点をよく知っていたつもりでしたが少しスポークが短くて頭が飛びました。ニップルの頭が飛んだというご連絡いただいてからはブラスニップルに切り替えました。約20gアルミと比べて重くなりますが今はブラスの丈夫なほうを選択しています。

今回のスポーク折れはJベントの曲がりの箇所が折れました。スポークが折れますとほかのスポークテンションに影響します。バランスは大きく変わりました。振れが出たのはもちろんですが他のスポークも変化しましたので再度チェックは必要です。

スポーク交換後、縦ブレ横ブレを修正しました。スポークテンションの均一にすること、通常の作業を行ってお返ししました。

今回のことからどのように改善するかということですがなかなか妙案が浮かびません。アルミニップルからブラスに切り替えるというような中止ということはなかなかできません。折れにくいといわれている(実際はストレイトプルでも折れる)ストレイトプルスポークに変更するということはJベントをやめるということですのでホイールの選択肢が狭くなります。このようなことはできません。

結局出来ることは今まで通りスポークテンションの均一化と適正テンション値の追求くらいかなと思います。緩すぎると折れやすいです。テンションが揃っていないことも理由に挙げられます。

一ついいアイデアがあります。ピラーのスポークはJベントの部分が2.2mmあります。サピム、DTにも曲がり部分が太いスポークがありますが流通面で取り扱いが少ないです。ピラーなら曲がり部分が2.2mmありますのでこれはいいなと思います。

昨年来スポーク不足、自転車の部品不足が続いています。サピムCX-RAYがなかなか手に入らない状況からピラーを使うようになったのですが今回の事案からJベントの太いピラーを使うのはいいアイデアかもしれません。

最後に一言、お客様はこのホイールを気にいっていただいています。漕ぎ出しが軽くよく回るということです。カーボンホイールもご注文いただきましたがスポークが折れたといっても当分はメインホイールのようです。

星スポークを応援したい

タキザワさんの通販サイトで少し足りないDTスポークを購入しようと覗いてみますとタキザワさんではDTスポークを扱わなくなったようです。エアロスポークが欲しかったのですが残念です。すべて星スポークに切り替わっていました。

星のエアロスポークがありましたので試しに購入しました。実はこのスポークは初めてです。ずっと扁平スポークは海外メーカーばかり使っていますので星スポークはどんなものかと興味ありました。星スポークの細かいデータが分かりません。ホームページでも発表されていません。ショップの案内では中央部は2.3mmなのでCX-RAYと同等品かなと思いました。もちろん星のスターブライトや段付きバテッドなどは使ったことがありますがメインで使っていません。こんなわけで星のエアロスポークは初めてです。

星#14エアロスポーク 278mm10本66g

購入しました#14エアロスポーク278mm10本を測ってみます。65gです。1本6.5gです。サピムのエアロスポークはCX-RAY、CX-sprintの2種類ですがグラム数が違います。サピムのほうが4g、5gと軽いので私が選択する扁平スポークでは星のエアロスポークは出番がありません。

スターブライト #14 285mm10本68g

ちなみに星のストレートスポークを計測してみました。#14スターブライトスポーク285mm10本測ってみました。68gでした。

この数字から判断しますが星のエアロスポークは#14スターブライトを扁平にしたスポークのようです。

カーボンリムではリムメーカーが#14のスポークを使うことは禁止しています。剛性が高すぎてリムを壊す恐れがあるのです。カーボンホイールでは#14のスポークは剛性がありすぎて使えません。つまり一番欲しいスポークではないわけです。これがとても残念です。

会社の事情もよく知らないのに軽々に物申すのはいけないことですが、あえて言いますと星スポークには台湾のピラー社のウィング21のようなロードバイク用のホイールに使ってみたいスポークは無いようです。日本国内に安定したマーケットがあるのであえてリスクを張って挑戦しようとしないのではと悪いのですが邪推してしまいます。ホームページでは製品はわかりますがサピム、DT、ピラーのように細かいデータが発表されていません。分からないので余計なものを買ってしまいます。些細なことですがこんな点でも不満が残ります。

話が余計な方向に行きましたが星のエアロスポークを買っての感想です。ピラーWing,サピムCX-RAYのようなスポークを作ってほしいです。そして国産の星スポークを買って応援したいです。技術の日本ではないのでしょうか?

ところで278mmエアロスポーク沢山買ってしまったので使わないといけません。ピカピカしてとても存在感があります。カーボンリムでは使えませんがアルミリムなら使えるので出番はあると思います。しかし今のままでは端役しかありません。主役には重量が重すぎます。

ゾンダスポークを測って見ました

ゾンダのスポークを測りました。278mm10本で約60gです。私はスポークをグラム数で区分けしていますのでゾンダのスポークは6gスポークです。

ゾンダ 右ドライブ側スポーク 10本 59.5g

扁平スポークなのでCX-RAYのように見えるのですが軽いスポークではなかったです。重いスポークでコンペティションとほぼ同じです。コンペティション284mmを10本測ってみました。62gです。6グラムスポークです。

コンペティション黒10本 62g

ゾンダは前輪16本後輪21本のスポークを使っています。こんなに少ないスポークで剛性を出すにはやはり重いスポークでないと剛性は保てません。

折れたり、ゆがんだりしてスペアスポークを手配しないといけないとき高価なスポークを購入しなくても6gスポーク、コンペティション黒を代用すれば使えます。純正スポークを購入しなくても見た目さえ気にしなければコンペティション黒で十分代用できると考えます。

ピラーのホームページからスポークの伸びを学ぶ

ホイール作りの重要なことにスポーク長の出し方があります。スポーク長の出し方は今や計算ソフトを用意にネットを利用して使うことが出来ますのでとても簡単に長さを出すことが出来ます。

私がよく使うwheelpro、DTの計算ソフトではスポークを選択する項目があります。これはスポークの伸びをあらかじめ考えられていてスポークの長さ調整をしています。

しかし丸飲みで信じてしまうと失敗することがあります。大方は長すぎることが多いようです。ただし長いのは失敗ではなく見た目が素人っぽくなるだけです。長めのスポークは安全を考えますと失敗ではありません。私は長めのスポークにしています。

一番注意がいるのは短いスポークです。短いと事故のもとになります。ニップルが飛んでしまうのはスポークが短いときに起こります。

しかし長すぎると見た目が良くないのでどうしても短めにしてしまうのですがヒントがあります。

ピラースポークの伸び

ピラースポークのホームページではスポークの伸びを書かれています。

大体100kgfの力でスポークを引っ張りますと約1mm~1.5mm伸びます。スポークの太さから計算で出したスポークの長さから伸びを引いてスポーク長を出せば適正なスポーク長が算出されます。

サピムでは伸びについては書かれていない

ピラースポークのデータですが他メーカーのスポークでは使えないことはありません。スチールはスチールです。サピム、DTのホームページでは伸びまでデータをだされていませんのでこのデータはとても参考になります。

正確にリムのERDを出して計算したスポーク長から予想される伸びを引くと正しいスポーク長になります。伸びを予想して出したERDでは間違います。

ピラースポークが届きました

この7月末の話です。

いつも買っている自転車部品セラーとメールでのやり取りですが、サピム・チャイナではCX-RAYは一本もないとのことでした。できるだけいろんなディストリビューターから買っておく方がいいよとアドバイスくれました。

9月になっても自転車部品業界はあまり回復していない模様です。

まあ私のように細々とホイールを作っている分には大きな影響がないのですがやはりいまだにアルミリムは手に入らない状況です。早く前のようにもどって欲しいです。

さて、いろんなところから分散して買ったほうがいいとアドバイスをもらった時にピラーのウィングスポークがいいよと勧めてくれました。以下ピラーのホームページより引用しています。

ピラースポークではトリプルバテッドのスポークはよく使うのですがウイングスポークは初めてです。飛行機の羽のような構造ですので空気抵抗に関してはCX-RAYよりも風洞実験で良い結果が出ています。

ブランド力はサピムが上かと思いますがピラーは実利優先の私には合っているスポークと思います。

2か月経ってやっとピラースポーク10kg届きました。当分安心です。 スチールはスチールですのでこれからどんどん使っていきたいです。 もちろんサピム、DTと使いますがピラーもメインで使っていこうと思います。

約10kg届きました

アメリカにBoydというホイールメーカーがありますがボイドさんのブログを読むと販売するホイールのスポークはピラースポークにすべて切り替えたと書いています。

ブランドにとらわれることなくいいものはいいという姿勢は大事と思います。。

手の感覚について

ディスクホイールを作製していました。

RR421リムで作製

リムはDTのRR421ディスクリムです。ワイドリムで軽量ながら剛性も期待できる優秀なリムと思います。

フロントホイールを作っている途中でなんとなく1本スポークが違うなと思っていました。

 

スポークはピラーのTB2015というトリプルバテッドスポーク(2.2/1.5/2.0mm)を使っています。スポークカットを行った時点ではいつもの通り計算したスポーク長にカットしてニップルにグリスを塗りながら作業を進めました。

 

仮組が終わった時点ではわからなかったのですがスポークテンションを上げている時にわかりました。やはり1本太さが違うのです。どうもおかしいのでノギスで測りますと太さが1.8mmあります。どうもピラースポークのストックの中に1本紛れ込んだのでしょう。スポークカット前の時は長さがほぼ同じでわかりませんでした。いつ紛れ込んだのかわかりません。

上DTスポーク 下ピラースポーク

点検しますとスポークのマークが違いました。やはり違っています。スポークはDTのコンペティション(2.0/1.8/2.0mm)でした。長年スポークをさわっていますと感覚でわかるようになってきました。

 

ではスポークテンションはどうでしょう。

 

このホイールですがスポークの違いはすぐに分かるのですがスポークテンションはなかなかさわってもわかりません。私には感知しにくいです。

スポークテンションを上げて振れも全くないホイールに仕上げましたがスポークのテンションを調べると全く揃っていませんでした。

強弱、強弱と各スポークがバランスとりながら仕上がります。振れはきれいに取れています。

スポークを握ってテンションの違いはよくわかりませんのでテンションメーターを信頼して作ることにしています。もちろんある程度違いはわかるのですが細かい絶対値となるとスポークを握っただけではわかりません。校正したテンションメーターが頼りです。

サピムCX-RAYは偶数の長さで販売されています

ホイール作りの中でスポーク長をまず計算します。それからスポークを用意します。この時スポークを発注するのですが長さの偶数、奇数が問題となります。1mm単位で販売されているスポークなら問題がありません。

CX-RAYは偶数の長さで販売されています

Wheelproの計算ソフトを無料で使わしてくれているロジャー・ムッセンさんはスポークの小数点は切り上げにしてくださいといっています。例えば283.2mmの場合284mmのスポークを用意します。0.8mm長いのですが短いよりはいいというわけです。

私はスポークカッターを持っていますので目測ですがほぼ283.2mmに近い長さにカットしてスポークを用意しています。ほぼ近い寸法でも通常は少し長めになります。ニップルを突き抜けるほどにはなりませんが短いということはほとんどありません。

 

個人用のホイールなら1mmニップルから突き抜けていても特別問題ではありませんがお金をいただくホイールなら見た目も大切です。

 

長さが偶数単位で販売されているスポークでは長さがうまく合わないときがあります。1mmの差ですがこれは結構大きいです。しかしスポークが短くなることは避けないといけません。ニップルの頭が飛んだりするトラブルの元になります。突き抜けるほうなら見た目が少し悪いだけで問題がありません。特にアルミニップルの場合は少し突き抜けるほうが正解値です。

ニップルワッシャーで長さ調整する方法もあります。ワッシャーの本来の目的ではありませんがこれもありです。長さ調整の方法としてニップルの長さで調整するとうまく解決できます。

DTのスポークカルクで計算したところニップルを変えてみるとスポークが奇数から偶数に変わります。図のように12㎜のニップルと14mmのニップルではスポーク長の結果が偶数、奇数と違います。この方法で長さ調整すれば奇数、偶数の調整ができます。スポークカッターを持っていなかったときはこのように調整していました。今はスポークカッターがあるのでしていません。

サピムスポークのTCSとは

えー馬鹿馬鹿しいお話を一席・・・ではありませんが15年以上サピムのスポークを使ってきましたが最近TCSとは何かを知りました。

サピムのホームページより引用

ホイールを作るのに全く関係のないことですがサピムのホームページを見ていてもスポークの説明でこのTCSという言葉が出てきます。じっくり読んだらわかることですが長年使っているのにわからなかったことが分かったので記事にしました。

ネジ部分の終わったところが四角に加工されています

TCSはTorsion control squaresの略です。ねじれをコントロールする四角ということです。

じっくりサピムのストレイトプルスポークを観察しますとねじ部分が終わったところが四角に加工されています。スポークがねじれないようにこの部分をプライヤーなどで挟めばねじれを防ぎます。ホイールを作る機械ロボットがこの部分を挟むように作られているという話です。

なんでスポークのねじ部分の終わったところが丸でないのかがよくわかりました。スポークを挟みやすくしているのです。ここを挟めば丸スポークはねじれません。本当によく考えられています。

サピムCX-RAYは使いやすい

最強のスポークといわれていますサピムのCX-RAYですが値段も最強のようです。

500本入りの袋です

黒のCX-RAYは小売価格ではなんと1本500円以上します。シルバーで1本350円です。驚く価格です。10年以上前の話ですがこのスポークを知った時はびっくりしました。なんと高いスポークでしょう。前輪20本後輪24本でホイールを作りますとスポークだけで15400円以上となります。さぞかし性能のよいホイールができるだろうかと思ったものです。リムよりスポークのほうが高いのです。サピムのホームページでも最初のページに紹介されています。強度も1600 N/mm2です。

 

このスポークで作ったホイールをアメリカのホイールメーカーが風洞実験しまして空力を調べますとサピムのLaserと比べて1%のワット数の違いがあるということです。1Wの差で価格が3倍のスポークを使うのかということです。

 

今までお客様にこの話をしますとLaserでいいですということで収まることが多く結果的には安価なLaserで作らせていただくことが多いです。

 

ここで作るほうからの話をいたします。CX-RAYはとても高いスポークですがホイールを作るにおいてはとても扱いやすいスポークです。高いがいいぞ!ということです。

 

このスポークでホイールを作りますと失敗が少ないです。理由はねじれを用意に押さえることができるのが理由です。スポークホルダーを使うとねじれを簡単に防ぐことができます。

DTのスポークホルダー

ピラーのニップルレンチで使っています

タキザワさんのHPより VARの工具です
お値段が手ごろな価格と思います

扱いにくいスポークは丸スポークです。特に1.5mm径のスポーク、サピムLaserは扱いが難しいスポークです。理由はねじれ易いのです。ねじれを防ぎながらスポークのテンションを上げる必要が生じます。プライヤーなどでねじれを防ぐことが必要です。これは技術的には高度なテクニックが必要でサピムのホームページでも難しいですよと述べています。いいスポークであることには全く異論はありません。私の好きなスポークです。

 

これに反してCX-RAYもねじれ防止をしながらテンションを上げるのですがスポークホルダーを使いながらテンションを上げていきます。

 

プライヤーでねじれ防止をしながらテンションを上げるのとスポークホルダーを使うのとは全く作り上げ方が違います。CX-RAYのほうがはるかに楽です。ホイール作りはこんなに簡単なのかと思わせてくれるスポークです。

 

価格的にはお高いスポークですがホイール作製においては一番お勧めできるのはCX-RAYではないかと思います。予算が許せるならCX-RAYで作られることをお勧めします。適度なねばりがありますのでスポークを曲げながらリムに通すことなどとても楽に仕上げることができます。長ささえ間違えなければ空力がよく乗り味がマイルドでおまけに軽量のホイールが出来上がります。

 

値段も性能も作りやすさもまさに最強スポーク!と思います。