マビックの極太扁平スポークは意外と軽いスポークです

マビックのコスミックカーボンSLのスポークを取外してDTのエアロコンプに交換する機会を得ました。

超太めの扁平スポークは見た感じでは太くて剛性が高いスポークのように見えます。しかし実際に軽量してみますと見た目が細い扁平スポークのエアロコンプよりも軽いスポークでした。

マビック コスミックカーボン スポーク18本 90.5g
DT エアロコンプ 18本 102g

計測しますとエアロコンプ18本で102g、マビックスポークでは90gで12g軽いスポークでした。これには驚きました。見た感じではとても重そうに見えますが実際はエアロコンプよりも軽いスポークです。

エアロコンプを使いました

ホイールの剛性は簡単に言いますと重いスポークほど剛性が高いです。エアロコンプに交換しましたので見た目は少し華奢になりましたが剛性は上がりました。

サピムCXRAY 18本 87g

手元にサピムのCX-RAYがありますので18本をまとめて測ってみました。87gです。

3g軽いのですがコスミックカーボンスポークはほぼCX-RAYと同じくらいの剛性とみてよいかと思います。

見た目は太い扁平スポークなのでガチガチの剛性が高いホイールのように見えますがコスミックカーボンは前輪をCX-RAY18本、後輪CX-RAY24本のホイールに近い剛性です。つまり、とてもよく回るホイールですが80kg以上の方がコンタドールのようにぐいぐいダンシングして登るには剛性不足ではないかと思います。

これはあくまで個人的な意見ですのでご理解願います。

これらのことはホイールを分解する機会を得たからわかることで見ただけの印象では太い扁平スポークはとても剛性が高いホイールのように見えます。80kgの方も充分乗れるように見えますがスポークの剛性を考えますと80kgの体重には適していないホイールだと考えています。

ピラースポークが届きました

最近よく使うスポークはピラーのスポークがメインになっています。勿論サピム、DTも使いますがjベントの部分が2.2mmと少し太く、中央部が1.5mmや1.8mmでねじ部分が2mmのトリプルバテッドのスポークがいいなと思っています。

スポークのねじ部分でねじを切っていない部分に少し余裕がありますのでリムのERDサイズに合わせてカットして使うことが出来ます。大まかにいえば4種類ほどの長さのスポークを用意すれば大方のリムに対応できます。これも大きな利点です。スポークをいつも300本~500本単位で購入しますが長さの違うスポークを沢山用意しなくても使えるのがいいです。

トリプルバテッドスポークです

写真のようによく使うスポークの在庫が少なくなってきましたので注文していました。約一ヶ月かかりますがスポーク在庫に余裕があると安心です。

cx-sprintはブランクで手に入る スポークカッターが必要

余談ですが、サピムスポークの代理店、トライスポーツのホームページを検索しますとサピムのcx-sprintブランドが掲載されています。このスポークはシルバー、黒を扱っていますが長さは2種類をブランク状態で販売されています。ねじ部分がない状態なのでユーザーがカットしないといけません。言わばカッターなしでは使えないプロ向けの商品となっています。このcx-sprintもホイールの剛性を上げるときに使いますと有効です。特に後輪ドライブ側に使われることが多いです。

ホイール作製にはリム、ハブ、スポーク、ニップルの4種類の部品を使います。どの部品も大切ですが乗り味を決めるのはスポークが大きく影響していますので特に重要といえます。

レボリューションスポークの注意点

ホイール作りする上でハブやリムに目が行きがちですがスポークはとても重要な部品です。重要度から見ますとスポークの方が上と思うときがあります。中でも中央部が1.5㎜のスポークは多スポークホイール作製に大活躍します。

今回はレボリューションスポーク(2.0/1.5/2.0mm)購入の失敗談です。

黒DTのレヴォリューション シルバーサピムD-light どちらもカットできない

知人よりDTスポークが格安に手に入る情報を得ましたので一番よく使うサイズでレヴォリューションを注文しました。サイズ2種類買ったのですが、届いて調べたところレボリューションはカットが出来ないスポークということがわかりました。つまり全く短くする余裕がないスポークでした。サピムのLaserのようにカット出来る部分があると思っていたのですが全くありません。失敗でした。

ホイール作製の場合リムERDを出せばスポーク長が出ますので材料を用意する手順としてはリムからスポークという流れになります。アルミリムの場合ERDの違うときが間々ありますので少し長めのスポークを用意しておいてその時に応じてカットして使っています。スポークにカットできる余裕があればこのような対応ができますがレボリューションにはこれが出来ません。

多スポークホイールとして活躍できるスポークですが入用の時に用意するスポークでした。在庫として今回沢山買ったのですがこのスポークは長く残ると思います。サピムのD-lightも同じようにカットできませんので長く残りました。どちらも良いスポークなのですがなかなか使える場面がないのが残念です。

先ずはリムのERDを出してスポーク長を計算してからスポークを発注するのであれば問題なくこの優秀スポークを使えます。

取り扱いの注意点としてスポークテンションを上げるときに、プライヤーでしっかり押さえて捻じれを防ぐことさえ怠らなければとてもいいホイールが出来上がります。

24gの増加で剛性を高める

7月16日に記事にしました改造レーシング3ホイールですがオーナー様よりご連絡いただきました。ホイールの乗り心地は柔らかくていいのですが踏み込んだ反応が柔らかいということをお知らせいただきました。言わばぬるいホイールということで改善できないかとお問い合わせいただきました。

解決策としてスポークを太くすることで剛性が上がることをお知らせし、当初のスポークwing21からDTのコンペティションに変更することを提案しました。

果たして了解を得ましたので21本のスポークをすべて取り換え、5gスポークから6gスポークに変更です。

因みにスポークは海外の自転車フォーラムでは4gスポーク、5gスポークと呼ばれています。日本ではこのような言い方はあまり聞かないのですがどうでしょう?

さて、大雑把な言い方ですがホイールの剛性は使用するリムとスポークとその数量で決まります。今回はスポークを太くしました。しかし使用のカーボンリムメーカーでは剛性が高すぎるスポークを使用するとリムが割れる恐れがありますので太さを制限しています。つまり1.8mmのスポークまでなら使用可ですが2mmスポークは使わないように注意されています。このことを守りながら剛性を上げることにしました。

wing21で作製 853g
コンペティションに変更後 877g

ホイールがぬるい、硬いの違いはいろいろ乗り比べないとわかりません。お客様はハイパワーの持ち主でしかも長い経験がおありなので違いがわかりました。最初にお納めしたときの上写真(853g)と今回の下写真(877g)を比べますと24gの差があります。他の部品は同じものです。

ホイールの剛性はスポークの総面積に比例します。今回の24gの増加はスポーク4本増えたのとほぼ同じです。スポーク交換でどれだけ変わったのかお客様のご感想が楽しみです。

刻印のないCX-SPRINT

写真では少しわかりにくいのですがスポークのメーカーは「これは自社製品です」ということでスポークに刻印を打っています。刻印はいろんな位置に打たれています。スポークの頭に多いのですがサピムスポークは頭のすぐ下の部分にsapimと刻印が打たれています。

サピムの刻印があります

ホイール作製にサピムのCX-RAYとCX-SPRINTを左右に使ってほしいとご依頼受けたことがあります。スポークは通常こちらで用意するのですがこのお客様はスポークサイズを聞いてこられてご用意されました。このやり方は普段はやらないのですが何度もご注文いただいている方なので例外ですがお受けしました。

すべて持ち込みのご注文です。こちらでご用意する部品は高いので組み立てだけやってほしいということかも知れません。こんなことは頻繁にあるわけでもありませんので注文を受け付けしました。届きました部品はとても立派な部品でした。ハブ、リム、スポーク、一流品です。

スポークを確認しましたところ届きましたCX-SPRINTには刻印(残念ながら写真には残していいません)がありません。スポークに刻印がないですとお客様にお伝えしますと確認しますと買った店に聞かれたようです。そのお店では仕入れはちゃんとした国内代理店から仕入れていますと返事があったようです。

ホイールご注文のお客様にはサピム刻印がないサピムスポークは初めてですと申し上げました。ホイールはお納めしましたがなんとなくすっきりしません。

最近このお客様と同じ国内代理店経由で同じサピムCX-SPRINTスポークを買われた方に聞いてみたのですがサピムの刻印はありました。同じ国内代理店経由ということです。

これはおかしい話でなお一層もやもやします。お客様が購入したお店が嘘ついていいるのか?CX-SPRINTは本物だったのか?疑問が残りますが出来上がりましたホイールはしっかりしたものです。刻印は、まあ、どうでもいいといえばどうでもいいのですが後味が悪い感じです。

Dura7850とゾンダのスポークは取り付け方法が違う

魔改造ホイールにどうぞと提供していただきましたDuraホイールから取り出したスポークとカンパニョーロのゾンダホイールから取り出したスポークをじっと見比べてみました。

上Duraホイールのフロントスポークは特別仕様です  下ゾンダより取り出したスポークは普通のスポークです

どちらもストレートプルスポークです。しかしじっくり観察しますとDURAホイールの前輪スポークは両側に頭があり、中にアルミプラグが入っています。方やゾンダの前輪スポークは一般に販売されているスポークと同じ(全く同じものではありません)ようなスポークです。

Duraホイールのスポークは手が込んでいます。作り込んでいる感じがします。スポークとしての役割はどちらも同じ役割を果たしているのですがこうも違うと文化論まで論じてしまいそうな違いを感じます。

スポークの機能は同じです。このDURAホイールは約15年前に購入されたと伺っています。勝手な想像ですがこのスポークを見ればシマノの設計チームの意気込みが感じられます。ただし評価はいたしません。

取り出しましたスポークは今や貴重品です。大切に保管したいと思っています。 いただきましたホイールからいろいろ学ぶことが出来ました。ありがたいです。次は後輪ハブについてみてみたいと思っています。

ゾンダホイールを分解して分かったこと

自転車さんにいって新しいホイールは何がいいかと尋ねますとゾンダかレーシング3を勧められます。これを買っておけば間違いありませんと教えてくれるホイールです。

誰もが勧めるゾンダの後輪を分解する機会を得ました。以前のブログでも記事にしたことがありますが調べるポイントが違っていまして気が付かなかったことがあります。

右ドライブ側 14本84g 1本6g
左非ドライブ側 7本36g 1本約5g

ゾンダのスポークは太さが右と左が違います。右は14本84gで1本約6gです。左は7本36gで1本約5gです。右ドライブ側を太くして剛性アップをはかっています。ホイールを作るうえでの手法としてはよく使われる方法です。

この組み合わせを参考にすると左をサピムLaser、右をサピムRaceという組み合わせで作れば同じような感じになります。DTなら左をレボリューション、右をコンペティションになります。

スポークの太さを変える組み合わせはホイール好きの人には徐々に知られるようになってきました。名ホイールを参考にして作るのはとてもいい方法と思います。

ピラースポークが届きました

ピラースポークの記事を書きまして驚くことが起こっています。普段より倍の方々よりアクセスしていただきました。なんでもない普通の記事と思うのですがびっくりしています。ピラースポークは珍しいスポークではありませんがとても不思議です。

シルバースポークならほとんど対応できます

今日、10月に発注していましたスポーク、ニップルが届きました。部品購入にはやはり時間が掛かります。私の場合2か月は待たないといけません。いつも買っているセラーさんも時間が掛かるといっていますがその通りです。時間がかかるのでその分多めに買っています。回転率はよくありませんが余計な心配は無用となりました。私のような細々とホイール作っている者でもコロナで事情は大きく変わりました。入用買いが出来ないので部品がたまる一方です。

よく使うピラースポークのトリプルバテッドは長さを大きく4種類に分けて揃えています。スポークカッターで微妙なスポーク長の違いにも対応できます。ブランクのストレートスポークなら2㎜径300mmを在庫しておけばどんな場合でも対応できますがバテッドスポークはそんなわけにはいきません。

しかし強度、耐久性ではストレートスポークとバテッドスポークとは大きく違います。金属は叩くと強度が増します。使うならバテッドがいいと思っています。

ピラースポークが主役を取るようになりました

いつも部品を買っているセラーさんから「ピラーのスポークはいいスポークですよ。」と紹介していただいて買うようになったのですが最近はこの台湾メーカーのスポークがメインになりつつあります。

1袋500本入りです

ホームページを見てみますとこのピラー社はスポークメーカーとしては後発メーカーのようですが30年以上の歴史はあります。

手組ホイールファンでは多スポークホイールを提唱することが多いです。使用スポークの本数を増やしたリムに中央部が細いスポークを使って地面からの衝撃を和らげた乗り味が柔らかいホイールです。

中央部が1.5mmの細いスポークにはサピムのLaser、DTのレボリューションの名前が上がりますがピラーのTB2015がよく使うスポークになりました。

TB****のTBはトリプルバテッドです。スポークを3分割できる作りをしています。根元が2.2mm、中央部が1.5mm、ねじ部分が2.0mmです。

サピムでないと嫌、DTが一番という方もおられますのでご指定があればそのようにしていますが私からの提案では見積もりにはTB2015もしくは同等品という形で提案しています。

一番良いと思うところは根元の2.2mmです。やはりベント部分が太いというところがいいと思います。スポークは丈夫なものですが強化されているところに安心感が増します。難点は国内で気軽に買えるスポークではないところです。

後輪スポークが折れた

キンリンのXR31T.・RTで組んだホイールの後輪スポークが1本折れたとご連絡いただきました。前輪20H後輪24Hの手組ホイールファンでは定番のアルミホイールです。

後輪ドライブ側 CX-RAY1本折れています

スポークはサピムのCX-RAYを使っています。お怪我がなく本当によかったです。

お客様からは経年劣化は仕方ないといっていただきましたが折れたことにはとても申し訳ないと思っています。ホイールをなん百本も作っています。スポークが折れたとご連絡いただいたのはこれで2回目です。一ヶ所に負荷がかからないようにスポークテンションを均一にしていますが今回は残念ながら折れてしまいました。

すぐに取り換えの段取りを行いました。その際、後輪右ドライブ側をwing21に取り換えませんかと提案いたしました。

CXRAY12本とwing21を12本との重量差は5gでスポーク1本分重くなります。jベントの部分が2.2mmとCX-RAYの2mmと比べると0.2mm太いので強化されます。

ドライブ側をwing21に替えて再調整  テンションを均一にしています

了解を得て取り換えました。スポーク1本分の差はほとんど感じられないと思いますが剛性が上がったことは確実です。Jベント部分の強化もできました。

ご感想をいただきました。


修理していただきましたキンリンホイールですが、とても調子いいです。

多少の重量増との事ですが、全くもってわかりません😅

それよりもホイールテンションを均一に仕上げて頂いていることにより、ブレーキングがとても滑らかです。最高です。

また、巡航もレーシング3より、断然いいです。とてもブランドホイールには戻れません。

近所の山の画像を添付しますね。

後輪スポーク取り換え後の写真

お客様は機械ものだから経年劣化は起こるものとご理解いただきました。このようなご連絡をいただきありがたいです。