Light Bicycle カーボンリム

カーボンホイールを久しぶりに作ろうと思いリムを物色していました。

今まではGigantexのリムを買っていましたが海外の有名なビルダーのブログを読むと出てきましたのがLight Bicycleのリムでした。

価格的にもリーズナブルで評判もいいので買ってみました。

チューブラーリムを買ったのですが説明書きが付いていました。

Wheel Building Tips and Instructions

***Important, please read carefully***

以下 略

 

要点として

ビルダーを選ぶのに経験あるビルダーがけっしてプロフェッショナル ビルダーではありません。感覚だけでホイールを作っているビルダーはたくさんいるが カーボンホイールはそれでは不十分でしっかりとテンションメーターを使用してスポークテンションを均一に且つ適切なストレスリリーブ(なじみだし)を行う事が必要ですと書いています。

 

ニップルに注油

スポークのネジ部分とリムとニップルが触れる部分に少量のオイルを注してテンションを上げるのを助けスポークのねじれを防ぎます。

 

お勧めのスポーク

丸スポークを使う場合は2.0/1.8/2.0mmまで、DTならコンペティションでストレイトスポーク2.0mmスポークは丈夫すぎてカーボンホイールには向かないと書いています。CXRAYなどの扁平スポークはお勧めです。

 

スポークテンション

スポークはテンションの均一を測り右も左も許容誤差は5%以内に収める。テンションは120kgf~130kgfに収めしっかりとストレスリリーブ(なじみだし)を行う。

 

以上の様な事を書いた説明書でした。

 

ホイール作りの基本を書いています。読んでいてカーボンホイールは難しそうに書いていますが、丁寧にテンションメーターで確認しながら作ればそんなに難しくありません。

材料費は高くなりますがアルミリムと比べて狂いが少ないのでかえって作りやすいと思います。

 

ファーストホワードのカーボンホイールは全く普通の手組ホイールと同じです。リムも中華リム、ハブはDT、スポークも市販品です。特別に作ったハブを使っているわけでもありません。熟練のビルダーが作ったとしても全くの手組ホイールです。F4Rはウエムラサイクルで18万円、Wiggleでは15万円前後で販売されていますが私には納得できないホイールです。赤いラベルがいいのかもしれませんがメーカーのブランド戦略に乗る必要はないと思うのですがどうでしょうか?

スポークテンション上げる前に

ホイールを組み始める前に忘れてはいけない大切な手順をお話します。

仮組が終わったときに30秒ほどの手間をかけることで狂いの出にくいホイールに仕上がります。

 

スポークのラインを正しくセットすることです。何それ?ですがスポークをハブに通してテンションを上げる前にスポークの曲がる角度を正しくセットすることです。その方法に写真のようにドライバーの様な棒状のものをスポークの間に通しスポークの曲がる角度を調整します。24hのハブでしたら左右12本のスポークですので片方6回ひねるだけです。

入りと出のスポークの角度を調整

図のようにスポークの曲がり角度を調整し真っすぐにします。このことによりテンションアップ後にスポークが緩むことを防ぎます。

大阪の有名なショップではスポークの曲がっているところをプラハンマーで軽くたたいているところを見ました。この方法ですとヘッドアウトのスポークを触ることができませんので私は棒状のものでひねる方法がいいと思っています。

このひと手間でスポークは真っすぐになりテンションアップ後も狂いが出にくいホイールに仕上がります。なんでもないひと手間ですがあまり知られていないことのようです。

失敗作でもよく回る

3年以上メインで使っているホイールです。

チューブラーホイールです。

前輪

リム キンリン TB25 32h

ハブ シマノ HB5700 32h

スポーク ホシ スターブライト 2.0mm

ニップル アルミ 赤

後輪

リム キンリン TB25 32h

ハブ シマノ FH5700 32h

スポーク ホシ スターブライト 2.0mm

ニップル アルミ 赤

32h 3クロスの仕様です。手組ホイールの基本です。

キンリンTB25 は430gぐらいの軽量リムですが25mmの高さがあるので剛性はしっかりしています。アルミニップルを使っていますので外周部はとても軽く仕上がっています。

多スポークホイールですがトラブルの少ないホイールとして気に入っています。

ずっと気にしなかったのですが空気を入れるときになんか狭いなと思っていましたがわかりました。

スポークをリムに通す時に位置を間違えていました。1穴間違っていました。位相を間違えていたのです。後輪は正常にスポークを通しています。しかし前輪は1穴間違ってスポークを通した為バルブ位置がスポーク間の狭い位置になっています。

ホイールの回る性能には影響ないのですが見た目が悪いのと空気を入れにくいという欠点があります。

最初にスポークを通す穴を間違えてしまいました。組みかえればいいのですが1穴位相を変えるということはスポークの出と入りを変えることになるのでハブに傷がついた形になります。これはハブ穴を壊す原因になるのでもう組み替えすることはあきらめました。

よく見ないとわからないのですがホイールとしては失敗作になります。ホイールの性能はとてもいいのでずっとそのまま使っています。タイヤを張り替えるときにテンションアップの調整を行っています。全体としてはハブが重いので重量のあるホイールですが踏み込んだ時の反応のいいコスパのいいホイールです。安価でよく回る入門チューブラーホイールとしてお勧めします。

前輪よりコツンコツンと変な音

ロードバイクに乗っていて何か変な音が聞こえてきました。止まって何か当たっているのかなとバイクを持ち上げて車輪を回しますと何も聞こえてきません。また乗りますと一定間隔でコツンコツンと音がします。最初何かわかりませんでした。色々調べてみてやっとわかりました。タイヤチューブのバルブの部分が原因でした。チューブのバルブ部分を固定するナットを締めずにいました。

ナットは1gですが外周部に1g狂うとバランスが崩れると思いナットをつけずにそのままで使っていました。

1g

現にナットのないチューブもあります。音の原因はこれです。ここから音が出ていました。

VALVINATORという名前でビニールの製品が売られているのを知りました。しかしバルブが動かないようにすればいいだけの事なので何か代用できないかと考えて電気工事の絶縁テープを使うことにしました。この様にします。

大阪のウエムラサイクルで教えてもらった方法に水道管のシールテープを使う方です。この方法も簡単で有効です。リムのバルブ穴に合わしてバルブ金具にシールテープを巻くだけです。ホームセンターに100円ほどで売っている一番小さい巻きを買ってきていつも携帯しています。

エンヴィのメンテナンス依頼がありました

以前ホイールを販売した方より連絡があり別のホイールの振れ取をしてほしいと連絡がありました。できるだけの事はしますが手に負えない場合は送料代金お返しいたしますと返事しましたら送られてきました。

 

エンヴィ フロント35mm/リア45mm

ハブ   クリスキング 20/24h

スポーク サピムcxray シルバー

ニップル インナーニップル

 

上記のホイールでした。高級ホイールです。セットで20万円以上のリムとハブは7,8万円、スポークは1本350円と材料だけでも30万円以上します。弁償するのは大変ですので慎重に行いました。

エンヴィホイール
フロント 570g 軽い
スプロケットがついて982gです

前後共に若干の振れはありますが気にするほどではありません。テンションを調べますと下のグラフの様な状態でした。

スポークテンションはびっくりするほど緩い状態でした。特にフロントは緩い。緩いスポークはスポーク折れの原因になります。

ほとんど振れは無いのですがスポークテンションは緩いということは作った人のテンションメーターが狂っていたか、メーターなしで作って振れ取だけを一所懸命行って作り上げたホイールでした。リムの剛性を生かせていません。

フロント 左58kgf右57.4kgf テンション偏差 左21%/右11%

リア   左46kgf右104kgf テンション偏差 左26%/右47%

右に極端に緩い部分があり左も全体のスポークテンションが揃っていません。

ゆっくりテンションアップを行いました。

エンヴィのリムは固く普通のカーボンリムと比べても音が違います。剛性が非常に高いリムです。

前輪 テンション修正後 左108.5kgf 右106.9kgf 偏差1.8%右3.3%

後輪 テンション修正後 左55.3kgf 右130.0kgf 偏差左4.1%右4.6%

2時間ほどで図のようになりました。

フロント100kgf/リア120kgfの目標でしたがリム剛性が高いのでテンションは少し高めにしました。

最小の振れ且つ最大限のスポークテンション均一化を目標に、ころ合いのいいところで納めました。

中古ホイールを買われたのか、使っていてこのような緩い状態になったのかはうかがっていませんが、中古ホイールでしたらこの様なリスクがあるということです。見た目だけではわかりません。

数日前に中古ホイールのリスクの事を書いたすぐにこんな話が起こりました。

センターはロックナットの位置で測る

ホイールセンターを測るのにその位置は写真のように中心軸で測られると思います。私だけかもしれませんが私は長い間この様にしていました。

右側5.47mm
左側4.96mm

ホイールをひっくり返してすいている半分を片方のスポークをほんの少し回して調整します。ホイール一周スポークの張りを直してセンターを出すのですが、ある日ふと考えました。

センターは左右のロックナット間であることでした。

いろんなブログで先輩方のやっていることを見ながらこうするのやな、なんて思い当たり前になっていましたがセンターは左右のロックナットの中心ということです。

 

参考のため実際測ってみましょう。

このホイールはロックナット間で測ると1.11mm、1.26mmと出ています。その差は0.15mmの違いでまあ良としています。

中心軸で測ると4.96mm、5.47mmと出ていますのでその差は0.51mmです。これはカップ&コーンのハブの構造上ロックナットの締めこむ位置で違います。

0.5mm違うと性能が違うのかと言われると性能は全く変わりません。しかしビルダーの技量をうたがわれますので私は注意しています。

完組で1mmくらい違っていることはよくあると聞きます。1mmくらい狂ってもブレーキシューで調整すればどうってことありませんがセンターが正確に出ているにこしたことはありません。

手組ホイールのおすすめ

ホイール作りはプラモデルを組み立てるようなもので誰でもできます。もちろん出来栄えはどなたも同じとは言えませんがハマれば結構楽しい作業です。振れ取は心の振れ取とはうまく言ったものです。

私は約10年前自称プロメカニックと言っている人に誰でもできますと言われて始めました。以来面白くて色々勉強しました。ホイール作りは難しいといいますがゴルフみたいなもので誰でもできるがプロになるにはそれなりに努力がいるというとこです。

 

ざっとこんな感じです。

 

道具を揃える。    3万円

リム、ハブを購入   1万6000円

スポーク長の計算

スポーク発注                  4000円

 

道具に関してはミノウラなどの安価な振れ取台があります。ニップル回し、テンションメーターなどを揃えます。予算約3万円。

リムは2本で1万円、ハブはティアグラで6000円、スポークはホシのスポークで約4000円です。ホイールを組むのに約5万円かかります。もっと安価にそろえることもできるかもしれませんがまあこんなものです。

 

1万円でしっかりしたホイールを購入できる時代に5万円もかかるのはちょっと考えてしまいますが趣味の世界はちょっと違います。

写真が趣味の方で自家現像するのとよく似ています。同じ写真を2回楽しむ、取って楽しみ現像して楽しむこの感覚に似ています。自分で作ったホイールに乗るのは特別のうれしさがあります。

ちょっと覗かれても良いかと思います。

HB6700,FH6700シマノハブを手に入れる

アメリカの通販でシマノのバルクを手に入れました。新品ですが少し傷があるという品物です。正式な箱には入っていません。しかし使用には影響ありません。

FH6700 24h
HB6700 18h

シマノハブは重いのですが中心部の重量は外周部には影響しません。耐久性、メンテナンスに関して優秀ですので新品があれば購入しています。

ハブセット 重いが高性能

FH6700は8/9/10速使用可能です。私には10速で十分なので今のままで満足しています。

このハブについて説明しますと

PCDは左右44/45㎜

11速ハブでは10速で使うには1.85㎜のスペーサーを使いますが10速ハブではこのスペーサー分フランジ間寸法が広く作られています。

LtoR寸法は38.4/20.8でこのハブを使ってホイールを作ると左右スポークテンション比率は左右55:100の比率で仕上げることができます。

理論値ですので実際は少し違うこともありますが左スポークが11速では45%ですが、FH6700では55%のテンション比率で作ることができます。55%あればオフセットリムを使わなくても十分なテンションを得ることができます。FH6800では左右45:100%のテンションになります。

3mmのオフセットリムを使うなら左右68:100%の比率で作ることができます。

2:1組にしなくても十分なテンション比率で駆動ロスの少ないホイールを作ることができます。

まさにあっちが立てばこっちがたたずの関係、トレードオフの関係です。

8速9速10速ホイールは決して性能の悪いホイールではないと思います。

シマノハブデータより感じた事

シマノFH5800 105シリーズハブデータを見ますと下図のように詳しく出ていません。

 

アルテグラ FH6800 は詳しく下図のように出ています。

 

シマノのお客様相談室にハブデータを教えてほしいと電話しますと気持ちよく対応して頂けます。

データを教えていただきました。

105

フランジ間寸法 56.9

オフセット9.75

PCD 44/45

です。

 

アルテグラは発表されている表より

 

フランジ間寸法 56.9

オフセット9.7

PCD 44/45

 

となります。オフセット9.75と9.7と違うだけで他は同じです。11速のフリーの構造からも同じになってしまいます。

 

外見の姿が若干まるみあるのがアルテグラですがほぼ同じなんだなと勝手に思っています。

DURAも調べましたが同じです。アルテグラも105も11速ですのでサイズ的にはみな同じです。

DURAのフリーはチタンで他はスチール、重量も100gほど軽くその違いはとても大きいのですがホイールの中心部ということで外周部の重量とは違うので回転に関しては余り違わないと勝手に解釈しています。

Duraは別物とよく言われますが私の様なアマチュアレベルではその差は感じられないのです。

耐久性は違うとよく言われますが私はハブがつぶれるほど乗ったことがないのでこの耐久性については意見ができないです。

グリスアップをしなくてもよく回るのでほとんどメンテナンスしていません。

以上の理由で10/11速のハブに関しては最近は下位グレードのティアグラを選んでいます。勿論手組ホイールビギナーの時はハブはDura、アルテグラで揃えていました。

異論ある方もおられるでしょうが、シマノは本当に優秀です。

ハブオフセットについて

ホイールを作るのにスポーク長を計算します。たくさんの計算ソフトをネットから使うことができます。

私はDT spoke caluclater 、Wheel Proの計算ソフトを使っています。2種類よりいい方を選んでいます。

 

ハブデータ、リムのERD、使うスポーク、ニップルを入力します。

シマノのホームページからティアグラFH-RS400のデータを取ることにしました。シマノのデータは安心できます。

この図がシマノホームページからのデータです。

 

フランジ間寸法 56.9

オフセット   9.75

P.C.D.     44/45

このオフセットが何かわかりませんでした。

この数字から計算ソフトにデータ入力するのですがオフセット9.75㎜ということはセンターの位置から9.75mmずれている事なので56.9の半分28.45mmの位置から9.75mmずれているので左38.2mm右18.7mmの位置がハブセンターになります。

計算ソフトにERDを入れ、ハブセンターより左38.2mm右18.7mm、ハブのPCD44/45を入力、スポークのクロス数、スポークを選択すればスポーク長が出ます。

パソコンを扱う時に簡単なことでも一度わからなくなるとどうしてもうまくいかなくなる時があります。このような簡単なことでもわからないことが何度もありました。

 

知っている人には当たり前のことが知らない人にとっては何のことかわからないこと、このオフセットの数字は私にはその中の一つでした。ベテランの人にはお笑いの話ですが初めての時はこんなものです。