ホイールのリムは常に地面に接しているところが凹んでいます。この凹みの連続で自転車は前に進みます。凹みといいましてもほんのわずかな凹みですので見た目にはわかりません。出来るだけ真円に近い状態を維持できるリムほど駆動ロスが少ないと考えています。
ずっとこの歪を調べリムの剛性を知ることが出来ればロスの少ないホイールが作れると思っていました。重りをリムに載せて歪を測ればよいとわかるのですがどのようにして調べたらよいか分からなかったのですが大阪産業技術研究所という公的な機関で調べていただけることを知りお願いしました。
約3週間で荷重試験の報告書をいただきました。ただし、理事長の承認が必要なので詳しいことは公表出来ません。概要だけはお話できます。
試験的に行いますので調べるリムはキンリンのXR31TリムとS社完組ホイールリム2点を調べていただくことにしました。
この2点を選びましたのは今までの作っているアルミホイールの中で一番成績の良いリムと一般的な完組アルミホイールから取り出したリムを比較することにしました。
荷重試験はリムの上から圧力をかけて一定の時間内で0kgから100kgに至るまでのリムの変化をグラフにしていただきました。
通常は試料をお渡しして結果の報告書をいただくということでしたが、初めてのことなので立ち会わせていただきました。残念なことですが現場の写真は撮らせていただきましたが発表は出来ません。どのような機械を使って調べるかということも発表できないという規則なのでできません。ただ、結果は予想していた通りで今までの疑問が解けて喜んでいます。
完組ホイールのS社リムとXR31Tの剛性は大きな違いがありました。キンリンのリムで作ったホイールはよく走ります。平地でも登りでもよく走るホイールです。特に平地では力を発揮します。
この理由は100㎏の荷重をかけてリムの変化の違いを比べてみましたところ約1.5倍の違いがあったことが分かりました。これから考えられることはXR31Tの方が走るときのリムの凹みが少なく真円を保つ力が高いということです。
リムの剛性とスポークの均一化が大きく影響するという考えていましたがこれは正しいようです。勿論ほかの理由もありますのでリムの剛性だけで決めつけることは早計ですが意味あることには違いありません。
XR31T/RTのリムは505g、完組ホイールS社リムは538gのリムです。重量は完組ホイールの方が重いので剛性はこちらの方が高いと思っていましたが今回の荷重試験では違っていました。この点も面白いと思います。
一般には軽いリムが好まれますが走るホイールは軽さだけではないと考えています。剛性が高いホイールがよく走ると考えます。アルミホイールよりカーボンホイールの方がよく走る理由はリムの剛性がアルミより高いからといえます。次回はカーボンリムで荷重試験をお願いしようと考えています。
すごく深く研究されてますね。興味津々です。
初心者でRS100のまま3年走っています。パーツ交換も楽しみたいところですが、お値段に辟易しています。
いつも楽しく記事を読ませていただいてます。