電池を替えても動かないカメラ

写真の仲間がいます。サクラの時期、紅葉の時期など年に4,5回ですが定期的に撮影会をします。仲間内で品評会も行っていますので結構モチベーション維持が出来ています。会の名前が撮り飲み会です。いつも飲み飲み会になっています。

すべて電池を替えても動きません

写真が下手なのでどうしても機材に頼ってしまいがちで機材がどんどん増えてしまいました。これで撮ればうまくなると信じて機材を購入してしまいます。自転車の世界となんとなく似ている気がします。

写真はモノクロ派でして自家現像もしています。昨今のフイルム高騰でどうしてもデジタルカメラになってしまい、今は2台のデジタルカメラがメインであとはフルマニュアルの古いフイルムカメラだけになってしまっています。電池を使わないカメラは今でも現役で働いてくれます。

今では金食い虫のフイルムカメラですが、フイルムの良さは忘れられないので電池交換と汚れ取りだけですが動くかどうかのカメラ点検は定期的にやっています。

最近のことですがしばらく使わなかったカメラを点検していたら使えなくなっているカメラがこれだけ出てきました。すべて電気系統が壊れてしまいシャッターがおりません。一応マニュアルカメラですが基本的には電池で動かすカメラです。やはりこの手のカメラは使っていないといけないようで除湿庫の保管だけではダメなようです。

カメラをジャンク品として売り払うとほとんどお金にはなりません。カメラ屋さんにお願いしますと処分してあげますよといって0円でもっていかれます。

思い出のあるカメラなので直して使おうか、ジャンク品としてオークションに出すべきか今のところ迷っています。

自転車の世界もどんどん電動化しています。電池を使う自転車がどんどん増えています。機械部品を使っていますがコントロールするのに電池がいる自転車はこれからどうなっていくのか考えてしまいます。しかし時代には逆らえません。メカニカルといえども電池が必要な自転車ばかりになっていくと思います。どんどん増えていく動かないカメラを見て今溜息出ています。

スターラチェット方式のハブ

リムブレーキ用スターラチェット方式のハブを入手しました。223gでとても軽量です。

スターラチェット方式のハブ 223g

スターラチェット方式のハブといえばDTSwissですが、このハブのブランドはDTSwissではありません。

爪方式のハブ

ハブには爪方式とDTハブのようにギアとギアをかみ合わせて駆動推進する方式があります。効率がいいのはDTの方法だといわれています。しかしDTの方式でハブを作ればハブメーカーは特許料を払わないといけません。この辺りのことはよくわかりませんが従来の爪方式なら料金は発生しませんのでどのハブメーカーも爪方式で作っているようです。

TNI Biteハブ ホームページより

TNIのBiteハブはスターラチェット方式のハブです。36Tギアが使われているハブです。

今回手に入れたスターラチェット方式のハブを分解しました

今回手に入れたハブを分解してみました。全くDTのハブと同じ構造です。星形のギア2枚入っていましてばねで押し上げられています。

スターラチェット方式のハブがちらほら販売されてきだしたということは特許関連の問題がクリアになったのではないかと思います。高価なDTハブの半額以下で性能の良いハブを使えるということなら、名を取らずに実を取るのも良いかなと思います。

ディスクカーボンホイールの作製

何度もご注文いただいていますお客様より紹介いただいたということで新規のお客様よりご連絡いただきました。

ENVEハブ 後輪用232g
ENVEハブ 前輪用124g

初めてのディスクカーボンホイールの作製依頼です。ハブはENVEハブを持ち込みされました。

リムとスポーク、ニップルをこちらで手配いたします。

リピーターのお客様より手組ホイールファンのカーボンホイールを借りられてすでに試乗をされておられますのでホイールの乗り心地などはご理解されています。

リム高あるのに410gは非常に軽い 波打った形が特徴です

ホイールの詳細ですが、リムは28mm幅46.5mm高で波のある特殊なデザインのリムです。空力が良いということでいろいろなメーカーが同タイプのホイールを作っています。因みにこのリムは今年のMt.富士ヒルクライムの優勝者も使用しているとのこと、出来上がりが楽しみですとお客様よりご連絡いただきました。

スポークはサピムのCX-RAYを前輪に、後輪左にもCX-RAY使い、剛性を上げるために後輪ドライブ側にはCX-SPRINTという組み合わせでお作りしました。

バルブの穴が一つあるだけのリムです

リムは穴ナシリムなのでリムテープがいりません。少しの違いですがテープがいるのといらないのでは手間が違います。後々のメンテが楽なことはとても大きな利点です。TNIのリムとかのご指定が無い限りカーボンホイールのご注文はほとんど穴ナシでご注文いただきます。作るのは難しい穴ナシリムですが、使う側にとっては剛性も上がりとても有益なリムと思います。

前輪671g
前輪スポークテンショングラフ
後輪790g
後輪スポークテンショングラフ
リムは空力を考えられて波打っています

出来上がりは前輪671g後輪790g前後1461gとリム高のあるホイールとしましては非常に軽量です。波打った形状は空力を上げるためです。各スポークの張りを出来るだけ均一になるようにして駆動ロスを少なくしています。

お客様の今後に出られるレースにサポートできればいいなと願っています。

ホームページのデータにはご用心

カーボンホイールのご注文をいただきました。ハブはお客様がご用意され、ENVEハブをお持ち込みいただいています。リムを注文していますのでスポークも同時に準備をしました。

ENVE 前輪ハブ124g
ENVE 後輪ハブ232g

ハブメーカーのホームページではサイズデータが発表されていることが多いのでこのデータを見てスポークを注文される方がおられるかと思います。リム、ハブが届く前にスポークを注文しておく手順です。段取りとしましてはいい方法ですがこれは失敗することが多いです。

今回のENVEハブですが、ホームページのハブデータを参考にするとスポーク長は間違います。現物とホームページのデータは違っていました。このようなことはよくあることでホームページから得たサイズは間違っていることが多いので注意が必要です。

ハブの実寸を測ってからスポークを発注しました。現物から出しました寸法ですので正確です。リムが届けばすぐに取り掛かれます。

知っている人には当たり前でも

表題の通りのことですが最近DTハブの整備をいたしました。知っている人には当たり前のことでもたまにしかやらないことには迷うことがあります。

DT350ストレートプルハブを分解します

このハブはスターラチェット方式のハブです。ハブのエンドキャップは嵌め込み式で取り外しには引き抜くだけです。硬くて抜けないときがありますがこんな時はバイスに固定してポンと引き抜くと意外なほど簡単に抜けます。

フリーを外して中のラチェットを取り外します。ばねで押さえてありますのでばねもそっと外します。

ハブ内部の構造はとても簡素にできています

古いグリスで汚れた部品をきれいにふき取りまた新しいグリスを塗って順番に元に戻していきます。とても簡単な作業で整備が出来ます。

元に戻すときですが、ばねには方向性がありました。分解するときにじっくり観察すればいいことなのですがフリーを引き抜くときに一緒に取れたので向きが分かりません。

今回はDTSwissのホームページから整備方法をYouTubeやテクニカルマニュアルで教えてくれますので確認しました。ばねの向きなんて慣れている人には当たり前のことなのですが、どうしたらよいのか迷うときもあります。こんなことの積み重ねで上達するのだとあらためて感じています。

テンションメーターなしで組んだホイール

久しぶりにテンションメーターを使わずに前輪ホイールを組んでみました。

結論から言いますと、縦横のフレをとりきれいに回るホイールが出来ましてもテンションメーターなしではやはりまともなホイールは組めません。前輪ですので左右のニップルを均等に回していけば組めるはずですが実際はなかなかうまくいきません。経験を積んでも手の感覚だけでは難しいのが現実です。

XR31T、シマノハブで組みました

このブログでテンションメーターなしで組んだという記事を21年1月17日に出しています。約2年経ち少しは上達しているのですが、やはりメーターなしではしっかりとしたホイールは組めないということです。

組むスピードはとても速くなりました。振れのないホイールは約1時間で組み上がります。しかしプロとしましては早く仕上げているとは言えないようです。上手な人は30分で組み上げます。まだまだ修行が足りません。

ダイヤルゲージと手の感覚だけで作って調べた最初のテンションデータです

ゆっくりなのはニップルにグリスを塗りながら着実に作っているのが理由ですが、早く作れるということはニップルを無駄に回していないということでホイールの丈夫さアップにつながります。何度も締めたり、ゆるめたりすればニップルのねじ部分は弱くなるということです。特にアルミニップルの場合は注意が必要です。とはいうものの腫れ物に触るというようなものでもありません。

縦ブレ横ブレをダイヤルゲージで管理

上のグラフを見ますと振れ取り台に取り付けたダイヤルゲージと手の感覚を頼りに組んだホイールですがテンションメーターを使ってグラフ化するといかに人の感覚は頼りにならないかがよくわかります。

組み上げた後さらに1時間ほどメーターを使いながら調整施したホイールのスポークテンションが次の通りです。

テンションメーターを使って仕上げたホイールのスポークテンションデータです

何度も馴染みだしを行って各スポークは出来るだけ均等に張り、フレは最小になるように仕上げています。同じ言葉の繰り返しになりますがスポークを握っただけでは分からないものです。正しく道具を使えばいいホイールが出来上がります。テンションメーターなんかいらないと豪語する人は神の手を持っておられると思います。

ピラースポークが届きました

最近よく使うスポークはピラーのスポークがメインになっています。勿論サピム、DTも使いますがjベントの部分が2.2mmと少し太く、中央部が1.5mmや1.8mmでねじ部分が2mmのトリプルバテッドのスポークがいいなと思っています。

スポークのねじ部分でねじを切っていない部分に少し余裕がありますのでリムのERDサイズに合わせてカットして使うことが出来ます。大まかにいえば4種類ほどの長さのスポークを用意すれば大方のリムに対応できます。これも大きな利点です。スポークをいつも300本~500本単位で購入しますが長さの違うスポークを沢山用意しなくても使えるのがいいです。

トリプルバテッドスポークです

写真のようによく使うスポークの在庫が少なくなってきましたので注文していました。約一ヶ月かかりますがスポーク在庫に余裕があると安心です。

cx-sprintはブランクで手に入る スポークカッターが必要

余談ですが、サピムスポークの代理店、トライスポーツのホームページを検索しますとサピムのcx-sprintブランドが掲載されています。このスポークはシルバー、黒を扱っていますが長さは2種類をブランク状態で販売されています。ねじ部分がない状態なのでユーザーがカットしないといけません。言わばカッターなしでは使えないプロ向けの商品となっています。このcx-sprintもホイールの剛性を上げるときに使いますと有効です。特に後輪ドライブ側に使われることが多いです。

ホイール作製にはリム、ハブ、スポーク、ニップルの4種類の部品を使います。どの部品も大切ですが乗り味を決めるのはスポークが大きく影響していますので特に重要といえます。

レボリューションスポークの注意点

ホイール作りする上でハブやリムに目が行きがちですがスポークはとても重要な部品です。重要度から見ますとスポークの方が上と思うときがあります。中でも中央部が1.5㎜のスポークは多スポークホイール作製に大活躍します。

今回はレボリューションスポーク(2.0/1.5/2.0mm)購入の失敗談です。

黒DTのレヴォリューション シルバーサピムD-light どちらもカットできない

知人よりDTスポークが格安に手に入る情報を得ましたので一番よく使うサイズでレヴォリューションを注文しました。サイズ2種類買ったのですが、届いて調べたところレボリューションはカットが出来ないスポークということがわかりました。つまり全く短くする余裕がないスポークでした。サピムのLaserのようにカット出来る部分があると思っていたのですが全くありません。失敗でした。

ホイール作製の場合リムERDを出せばスポーク長が出ますので材料を用意する手順としてはリムからスポークという流れになります。アルミリムの場合ERDの違うときが間々ありますので少し長めのスポークを用意しておいてその時に応じてカットして使っています。スポークにカットできる余裕があればこのような対応ができますがレボリューションにはこれが出来ません。

多スポークホイールとして活躍できるスポークですが入用の時に用意するスポークでした。在庫として今回沢山買ったのですがこのスポークは長く残ると思います。サピムのD-lightも同じようにカットできませんので長く残りました。どちらも良いスポークなのですがなかなか使える場面がないのが残念です。

先ずはリムのERDを出してスポーク長を計算してからスポークを発注するのであれば問題なくこの優秀スポークを使えます。

取り扱いの注意点としてスポークテンションを上げるときに、プライヤーでしっかり押さえて捻じれを防ぐことさえ怠らなければとてもいいホイールが出来上がります。

落車ホイールのリム交換

2年前に45mm高のカーボンホイールの点検依頼をいただきましたお客様のお知り合いからご連絡いただきました。お客様は譲り受けられたホイールを使われています。修理に手組ホイールファンを紹介されたといっておられます。

2年前に点検したことがあるホイールです

落車されてから後輪ホイールが一定間隔で音が鳴るようになったそうです。いつも行かれている自転車屋さんで見ていただいた結果はホイール内部で何か不具合があるとのことです。結局は自転車屋さんでは対応できないということでした。

自転車屋さんに相談されたあと手組ホイールファンにもご連絡いただきましたがカーボンリムの内部に問題がある場合どうしようもないということをご説明しました。音がしないときもあるようでしたが大切な部品にすこしでも問題があるのは気持ちのいいものではありません。お客様には新品を購入するかリムの交換をお勧めいたしました。

最初に相談された自転車屋さんではホイールの買い替えを勧められたそうです。ハブはDTの350ストレートプルハブでしたのでこれを使わないのはもったいない話です。

よく考えられたようで再度ご連絡いただきました。

ホイールは45mm高のリムでした。このブログでは定番ホイールの46mm高リムなら在庫があることをお知らせしましたところリム交換のご依頼をいただきました。

手組ホイールファンでは穴ナシリムがメインですので取り換えは46mm高の穴ナシリムに交換となりました。少しだけリム高が増えましたのでスポークをカットし傷んでいる左スポークは取り換えということで組み上げることにしています。

後輪867g
出来るだけスポークテンションを均一に
取り換えたリム 459g

出来上がりのホイールは新品状態になりました。ハブは使い込まれていますのであたりが出ています。見込み客を失った自転車屋さんには悪いのですが、ハブ、スポークが再利用できた上にホイールは新品になりましたのでお客様にはプラスとなりました。

フリーの爪をハブシェルに収める方法

ハブの整備でお困りのお客様より問い合わせがありました。

ノバテックの後輪ハブF482SBをグリスアップして外したフリーをハブシェルに納めるときです。爪が4つ立っているのでどうしてもハブシェルに入らないとのこと。

グリスの量は難しい 多すぎても爪が立ちにくい 少なくてもダメ
4つの爪が邪魔をしてハブシェルに入らない

フリーをハブシェルに入れるのですが4つある爪が邪魔をしてすんなり入らないということです。一つの爪を押さえても後の3つが立っているので入りません。どうしたらいいのかと考え込んでしまいます。

実は初めてハブフリーを引き抜いたとき同じように悩みました。じっとフリーを眺めていてピンとひらめきました。知恵の輪のゲームみたいなものです。

荷造り用のPP紐を用意する
紐でグイっと縛るとフリーは入る

答えは荷造り用の平らなPP紐を20cmほど切りフリーの爪に巻き付けます。平らな紐がミソです。紐をグイっと引っ張りと4つの爪を締めあげてハブフリーをシェルに押し込めばすんなり入ります。あとは紐を引っ張り出せば終わりです。簡単にフリーは収まります。

お問い合わせのお客様には喜んでいただきました。たぶん皆さん同じようにされていると思うのですが今回のように問い合わせてこられる方もおられるのでお知らせいたしました。