クリスキングハブでホイール作製

6月にONYXハブでホイールのご注文いただきましたお客様より再度ご連絡いただきました。

今回はクリスキングハブを持ち込みされてのご依頼です。

前輪102g  べリングが大きいのでこの重量です
後輪222g 軽量です

前輪24穴後輪24穴でリムはキンリンのXR31T・RT前後ともに24Hで左右2クロスのホイールです。スポークはwing21黒でお作りすることになりました。

写真はお送りいただきましたハブです。とても滑らかな回転はさすがに高級ハブと感じました。ハブは再利用ですので穴位置には出来るだけ注意を払って組み立てます。お客様より前の穴位置には気を使わなくていいと了解いただいています。

前輪はラジアルで組まれていましたハブですので今回2クロスで組んでも穴位置には心配いりません。後輪ハブはドライブ側2クロス非ドライブ側にはラジアル組で組まれていましたので今回の左右クロス組でも大きくハブを傷つけることはありません。再利用のハブには注意が必要です。仮組には前のスポーク通し穴と同じ穴を使って組み立てることが出来ました。

各スポークを均等にテンションアップしていきます。後輪リムはオフセットリムです。3mmセンターからずれていますので左スポークテンションは10%ほど通常リムより高く仕上がります。左右のスポークテンション差が少なくなり駆動ロスが減少しスポーク折れも防げます。

前輪767g
後輪882g

前回は前後共32穴のホイールでしたが今回は前後ともに24穴ホイールです。どちらも同じXR31T/RTリムなので乗られた印象がどのように変わるのか楽しみです。

MTBホイールのご注文

9月に開催される王滝のレース用としてホイールを新調したいとご連絡いただきました。今までにロード用として3セット、今回のMTB用ホイールで4セット目のお客様です。

シマノハブにスタンスのリムを使いました

リムはお客様がご用意されお送りいただきました。ハブ、スポークはこちらで準備しています。リーズナブルに手に入れた部品を持ち寄って良いホイールを作り上げていきます。

Stans MK4リム 378g

リムはスタンスのCrest MK4に決まりました。27.5規格の軽量リムです。1.5㎜のオフセットがありますのでスポークテンションの左右差を軽減することが出来ます。

ハブはアルテグラグレードのシマノハブを使います。スポークはエアロ効果を期待することはないので丸スポークで提案しています。

前輪はピラーのTB2015 2.2/1.5/2.0mm

後輪左 TB2015 2.2/1.5/2.0mm

後輪右 TB2018 2.2/1.8/2.0mm 

後輪右を少し太くして剛性を上げています。お客様と打ち合わせしましたところ左右を1.8㎜にしますと剛性がありすぎて足が残らないかもしれないということで右側だけ太くして剛性を上げすぎないようにしています。

リムは378gと非常に軽量です。外周部の軽いホイールに仕上がりアップダウンの激しい場面にはとても有利なホイールに仕上がります。

ホイール作製の注意点としまして、穴位置に1.5mmオフセットがありますのでリムの向きには注意が必要です。クランクから伝わる力が減じることなく伝えるにはスポークの張り方はとても重要です。スポークテンションを均一に張ることで駆動ロスを少なくできます。ホイールでは一番大切なところと考えています。

前輪713g
出来るだけスポークテンションを均一に
後輪947g
出来るだけスポークテンションを均一に

シマノハブは重いのですが重いということは剛性が高いということでもあります。大きな力がかかるハブの剛性が高いということは回転のロスが少ないということです。決して重さはマイナス要因ではありません。

MTBホイールについてお客様とご相談しながらハブ、リムを決めました。いろいろと勉強できありがたいことです。

キンリンTB25で作ったホイールが5セット

キンリンのTB25で作ったチューブラーホイールが今5セットあります。ハブはどれもシマノハブで作っています。いろんなタイプで作っていますが基本はすべて3クロスです。いろんなスポークの組み合わせで作りました。

沢山作ったTB25ホイール

最初のころは星のスターブライトで作っていました。2mmの太いスポークが32本ありますのでとても剛性が高く硬い印象でした。最初はこんなものだと思って乗っていましたがスポークで乗り味が変わることを知ってDTのコンペティションに組み替えたり、サピムのLaserで作ってみたりと徐々に内容が変わっていきました。何度も組み替えしていますのでこんなに増えてしまった訳です。

作ったホイールがタイヤとスポークで印象が大きく変わることを知りました。いろいろ試した結果落ち着きましたのは、廉価版タイヤではコンチネンタルのGiro、高級版ではヴェロフレックスの高級タイヤです。どちらかといえば乗るよりも作るほうが多いので試したタイヤの種類も少ないですが高いタイヤと安物タイヤははっきり違うことが分かりました。

いいタイヤで走るのは安価にできるチューンアップです

タイヤにお金をかけるのが一番安価なチューンアップといいますがまさにその通りです。しかし一般にはそんなにとっかえひっかえできるものではありません。

何故5セットもあるのかといいますと理由はコスパです。いろいろ作って比較してきましたので自然と増えてしまいました。ホイール作りの勉強には最適です。

TB25で作ったホイールはとても安価にできます。高級タイヤ1本の値段でホイール一つが出来てしまいます。チューブラーにすると外周部が軽いので漕ぎ出しが軽くよく走ります。チューブラーのタイヤ交換は簡単で、おまけにホイールはリーズナブルな価格というのが理由です。

ホイールは多スポークで作っていますのでロングライドに最適です。郊外でパンクしてもテープで貼り替えれば楽に交換できます。

2本で860gは軽量です

またTB25を2本買ってしまいました。クリンチャータイヤ1本分の価格でした。今では人気のないチューブラーですが食わず嫌いの方には是非お勧めしたいTB25ホイールです。

10速ホイールに11速スプロケットを入れてみた

お客様より10速ハブに11速スプロケットを取り付けることが出来ると教えていただいたことを既にブログに記事にしています。

FH-7900にCS-HG700を取り付けました

しかし実際はどうなのかは試していませんでした。果たして取り付けは大丈夫でした。CS-HG700にはスペーサーがついていました。これを使わずギアだけを10速ハブに取り付けるとうまくいきます。教えていただいたとおりの結果です。ロー側は34TなのでディレーラーはGSタイプがいりますので注意が必要です。

既に10速ハブは使えることを記事にしていますがリムブレーキ部品はだんだんと絶滅危惧種になりつつあります。安価なハブに注目が行きますと値上がりしますので光が当たってほしくないのです。手持ちのディスコンハブは大事にしたいと思っています。

36穴ハブ24穴リムでホイール作製

シマノカップアンドコーンハブで前輪20H後輪24Hのカーボンホイールを作るために手に入れたホイールがあります。シマノの下位グレードwh-rs100ホイールを分解しました。

ハブを取り出して組み立てたカーボンホイールがこのホイールです。

TNIカーボンリム シマノ24穴ハブ スポークwing21使用
559gの24穴オフセットリムが余りました

ハブだけ使いましたのでリムが余ってしまいました。後輪用の24穴オフセットリムを使わずに置いてあったのですが36穴ハブを使って組み立てることにしました。使用するハブはティアグラハブFH-RS400 36穴ハブです。

スポーク長はspocalcで計算 2.17クロス組

36穴ハブ、24穴リムを使って組むのは今までにブログ記事にもしていますが今回はSpocalcの計算ソフトで2.17クロスを入力してスポーク長を出しました。変則組ではいろんなやり方があります。日本流では5本どり、6本どりというのですが英語圏の言い方で作ります。

24穴ハブを台湾ハブで作ると軽量にできますが価格も当然高くなります。最初の目的は24穴のカップアンドコーンハブでカーボンホイールを作るということが目的でした。余ったリムが勿体ないので今回のように手持ちの36穴ハブで変則組ホイールを作製しました。

後輪1087g 重い=剛性が高い 決してマイナス要因ではありません
2.17クロス組

実用ホイールとしては元のホイールよりもいいホイールが出来上がりました。古い36穴ハブがあれば24穴リムに使えますのでカーボンホイールも作れます。ダイナモハブも36穴なら安価に手に入りますので24穴カーボンリムを用意すれば面白いホイールが出来上がります。36穴ハブはアイデア次第で楽しめると思っています。

45mm高30mm幅フックレスホイールの作製

FTP280の猛者ライダーさんより以前ブログ記事(23年6月8日)に発表しましたホイールに興味を持たれお問い合わせいただきました。

当初は記事のホイールと同じものということでしたがご希望のリムで作るには別の種類でなければならなく最終的に今回のリムに決定しました。

リムは亀甲柄でつやアリリムです  特注です
フックレスリム

リムは45mm高の軽量リムでリム面には亀甲柄が施されたとても美しい特注リムです。

ハブはノバテックのハブ、スポークは前輪にはサピムのCX-RAY、後輪左CX-RAY、後輪右にはwing21と少し太くして剛性を上げています。

前輪707g
スポークテンションは出来るだけ均一に
後輪843g
スポークテンションは出来るだけ均一に

前輪707g、後輪843g、前後で1550gと軽量です。リムが美しいので存在感がたっぷりのホイールに仕上がりました。

使用部品はすべてが海外調達です。円安なので価格面では影響ありますがブティックブランドのホイールと比べますと1/3の価格で作れますので価格競争力はあります。性能もスポーク調整に時間をかけていますので踏み込んだ力は正しく伝わります。駆動ロスの少ないホイールに仕上がっています。

10速FH-RS300は11速でも使える用途が広いハブ

恥ずかしいことですが最近10速ハブで使える11速スプロケットの存在を知りました。お客様が教えてくれましたのですが個人的にはずっと10速で乗っていましたのでなんの不便もなかったのが知らなかった理由です。

しかし11速で乗っておられる方にはとてもいい話だと思います。勿論使えるスプロケットは限られていますのでギアの選択肢はありませんがとても良い点が沢山考えられます。

FH-RS300は375gと重いのですが重いハブは剛性が高い

下図はシマノホームページより引用いたしました。ハブの詳細がよくわかります。

XR31RT で左右テンションレシオを計算しますと62%、69%の違いが出ます

①11速ハブよりもフランジ幅が広いので横剛性が高くできる。僅か1mmほどですが幅が広くセンターオフセット値が11速よりも少ないのがいいです。

②ハブの価格が安い。現行の10速ハブはFH-RS300ですが価格は安価でよく回ります。重いハブですが重い=剛性が高いということでもあります。見方を替えれば欠点が長所にもなります。キンリンリムXR31RT との組み合わせはとてもいいと思います。

③シマノは大々的に宣伝していませんが11速ユーザーに10速ホイールが使える道を用意したことは素晴らしいと思います。しかしシマノのホームページから互換表を調べてみたのですが使えるとは書かれていません。ピンとくる人は使ってくださいというところなのかもしれません。とても細い道ですが通れるように作ってくれたことは歓迎です。

④説明が重複することになりますがスポークの左右のテンションレシオが高いホイールが出来ます。左テンションが高いことは駆動ロスが少ないことに通じます。

上記のように長所が沢山あるハブFH-RS300は注目されて良いハブと思います。スプロケットが限定しますが11速で乗られている人は10速ハブが使えます。勿論ヤフオク、メルカリで上手に古い10速ハブを見つけられたら一つくらい買っておかれるのも良いかと思います。兎に角軽いホイールがいいという方には向きませんが実用でよく走るホイールが欲しい方には最適と思います。

10速ハブ、AL31W28Hリムで後輪ホイール作製依頼

ご自分でもホイールを組める方よりご注文いただきました。プロに頼んだほうが安心できるといっていただきました。メールでプロと呼んでただきますと少し緊張します。

ご連絡の内容は下記の通りです。

日常使いの後輪を組んでいただきたいです。
10s
28Hを以下の構成で考えています。
ハブ:FH-RS300シルバー
リム:AL31Wまたはxr 31Tオフセット
部材調達からお願いしたいのですが、可能でしょうか。

このようにホイールには部品のご指定がありました。

部品は手持ちがありましたのですぐに取り掛かれます。

リムはTNIのAL31W 28Hオフセットアリ シールは剝がします

スポークは非ドライブ側にピラーTB2015(2.2/1.5/2.0mm)、ドライブ側にはTB2018(2.2/1.8/2.0mm)と太さを替えています。

ニップルはダブルスクエアを使っています。

後輪1067g 重いがよく走る
左スポークテンションが高い

リムは3mmオフセットのリムです。このため左スポークテンションは約10%も高く作れます。スポーク長計算ソフトではスポークテンション比率を計算できるようになっているソフトが多いです。今回のホイールのテンション比率を計算しますと計算値では67:100になります。

この数値は非常に高い比率です。これはホイールの駆動効率の良さを考えるうえで一つの指標になると思っています。やはり左スポークのテンションが低いとスポーク折れの原因となったりしますので高いほうが有利と思います。

お客様は10速ハブの利点をよくご存じでした。すでに記事にしていますが10速ハブはスプロケットが限定されますが11速でも使えます。おまけに10速ハブはハブ構造上のセンターオフセット値が11速ハブと比べて小さいのでスポークテンション比率に関して11速ハブよりも有利です。

このようにハブの特徴をご理解されて今回のホイールをご注文いただいています。ホイール組が出来る黒帯の有段者さんからご注文いただきましたので大いに喜んでいます。

カーボンホイール4本目のご注文

最初はこのブログでは定番のアルミホイールから始まりました。2年前にカーボンホイールを1セットお買い上げいただき、その年の暮れに後輪をご注文いただきました。お客様よりこの度36mm高の前輪をご注文いただきました。今回でカーボンホイール4本目のご注文です。これで合計4本2セット分になります。

①56mm高のリムで後輪ホイール1本

後輪889g  56mm高28mm幅 穴ナシリム使用

②46mm高のリムで前輪ホイール1本

前輪702g  46mm高28mm幅 穴ナシリム使用

③46mm高のリムで後輪ホイール1本

後輪868g 46mm高28mm幅 2:1組

④36mm高のリムで前輪ホイール1本  今回のご注文です

前輪687g 36mm高28mm幅リム使用
つやアリ加工の36mm高リム  穴ナシリムです
ブレーキ面はオプションで強化加工しています

リムは同じ柄で特注していますので統一感があります。リム高がそれぞれ違いますので走る場面に応じて取り換える使い方が出来ます。これだけあればどんな所でも良い走りが出来ます。

お客様とは最初に31mm高のキンリンリムで作りました定番のアルミホイールのご注文からが始まりです。

チューブレスホイールを始められたのもほぼ手組ホイールファンと同時期なのでいろいろと教えていただきました。最初はこちらがお教えしましたがだんだんお客様の情報量が多くなりこうしたほうがいいよという感じでご教授いただいています。ホイールがご縁で売り上げだけではないお付き合いが広がりました。ありがたいことです。

最近まで知らなかったスプロケットの話

恥ずかしながら最近まで知らなかったのですがお客様より教えていただきました。10速ハブで11速のスプロケットが使えます。

早速シマノのホームページを調べてみました。

シマノホームページより

スプロケットの説明文にはこのように書かれています。

11速で使うには1.85mm厚のスペーサーを入れるこのスプロケットですが逆にスペーサーを使わなければ10速ハブに使えるということです。

最近約5年前に作製しましたチューブラーホイールの調整しました。ホイールはキンリンのTB25を使っています。ナローリムですが剛性もありとても組みやすいリムです。チューブラーリムの選択肢はあまりありません。今や貴重品になりつつあります。

整備しなおした10速ホイールです
FH7900 Duraハブ

ホイールの内容は次の通りです。

リム TB25 36H

ハブ Dura FH7900 36H

スポーク TB2015

ハブは10速ハブのFH7900DURAハブです。10速ハブですがこのホイールを11速で乗ることが出来ます。10速ハブのホイールを数セット持っていますので11速で使えることが分かり喜んでいます。

今頃何言うてる?と笑われそうですが意外と知らない人もおられると思います。現にここにいますので...

シマノのマニュアルを隅から隅まで読む人はまずおられないと思います。上記の説明文にはスペーサーを使わなければ10速で使えますよとは書いていません。何か理由があるのかもしれません。

今まで11速をあきらめてローラートレーニング専用にしておられる10速ホイールが11速で使えます。オークション出品で昔の名ホイールをただ10速という理由だけで購入をあきらめていた人もこのスプロケットを使えば大丈夫です。ただし注意点が一つあります。ギアのロー側が34TなのでロングケージのGSディレーラーが必要です。ショートケージのSSではこの34Tギアは適応していません。SSの場合は一番ローの34Tギア使用をあきらめることです。ギア全部使えなくてもホイールを使えるということに重点を置くということで良しとします。

そんなに声を大きく言うことではないと思うのですが長年知らなかったことなので喜んでいます。笑われそうですが...