レーシング3リム、シマノハブで3Gホイール作製

レーシング3のリムだけありましたので新しくホイール作れないかと試してみました。ハブはシマノ・ティアグラハブを使います。

ティアグラグレードはシマノハブでは下位グレードですが回転では上位グレードと差異は感じません。外見の仕上がりは上位と比べてはっきり差がありますがカップアンドコーンハブの回転性能では上位と遜色ないと思います。お勧めハブです。

Racing3リム シマノFH-RS400 28H 3G組
左非ドライブ側 一穴飛ばしで作っています
ドライブ側は2クロス 非ドライブ側はラジアル組

オリジナルのレーシング3は左7本右14本の組み合わせです。いわゆる2:1組の3Gホイールです。ティアグラハブは28Hを使います。左は穴の半分使って一穴飛びのラジアル、右は2クロス組で組みます。シマノではラジアル組は推奨していませんのでハブが壊れても自己責任ということで作っています。

スポーク長ですが2:1組の場合今までは数式を使って計算していました。最近は専らwheelproの計算ソフトを使うことにしています。使用料がいりますが必要な項目を入力すればスポーク長が出ますので楽させていただいています。

Racing3のリムは穴ナシリムです

レー3リムは穴なしリムです。マグネットを使ってニップルをリム穴から引っ張り出して組んでいく方法しかありません。手間と慣れが必要です。時間が掛かりますが仮組が終わると出来上がったと同じです。組み上がり後の達成感は絶大でまた組みたいと思ってしまうホイールです。

左右のスポークテンションがほぼ同じ

シマノハブを使いますとハブのセンターオフセット値がちょうどいい具合の値です。左右のスポークテンションはほぼ同じテンションに出来上がります。計算値では左:右は100:99の割合でしたが実際値もほぼ同じでした。これはなかなか面白い数値です。左右の引っ張りが同じなら前輪と一緒なので駆動効率がよくなるのではと期待しています。

今使っているゾンダ、レーシング3を分解してハブを取り出して先ずは3Gカーボンホイールをつくります。残ったリムにシマノハブで新しく3Gホイールを作るという企画は楽しめます。

AL22Wリムでホイール作製

7月24日に記事にしていますカーボンホイールから取り出しましたハブを使ってもう一つアルミホイールの作製をご依頼いただきました。一つのホイールより2種類のホイールを作ることになりました。ありがたいことです。

カーボンホイールより取り出しましたハブはノバテックの軽量ハブです。当初お返しする予定でしたが新しくアルミホイールを作ることで再利用いたします。新しくご用意する部品はリムとスポーク、ニップルです。

リム TNI AL22W20・24H

ハブ ノバテックA291SB F482SB カーボンホイールより取り外した部品の再利用

スポーク 前輪 TB2015 2.2/1.5/2.0mm

スポーク 後輪左 TB2015 2.2/1.5/2.0mm

スポーク 後輪右 TB2018 2.2/1.8/2.0mm

ニップル ダブルスクエア 

前輪666g
後輪876g

今までに何度もこのブログ記事で紹介していますホイールです。AL22Wリムは軽量ながら剛性があります。縦ブレの取りやすいこのリムはチューブレスレディーです。チューブレス用のリムテープを巻き、バルブとシーラントを用意すればチューブレスホイールとして使えます。

スポークは中央部が1.5mmの細いスポークを使って乗り心地を柔らかくしています。後輪ドライブ側は中央部が1.8㎜の少し太いスポークを使って剛性を上げています。

細いスポークはねじれ易いので取り扱いは難しいスポークですがねじれ防止をしてうまく使えば利点の多いスポークです。一般にはCX-RAYのような扁平スポークが空力の面で良いといわれています。しかしあるホイールメーカーの風洞実験では1Wの差があるだけです。高価なスポークを使わなくても高性能のホイールは作れます。

出来上がりホイールは前輪666g、後輪876g前後1542gと軽量です。手に入れやすい汎用部品で作りましたホイールです。練習すればだれでも作れるホイールですがどれも同じ出来栄えではありません。。ブランドホイールではないのですが同じグレードなら勝負できるといつも思っています。

キシリウムSLのスポーク調整

キシリウムホイールのスポーク調整をご依頼です。

マビックのキシリウムは1999年の発売で大成功収めたホイールです。発表以来少スポークで見た目の存在感あるホイールが完組ホイールを牽引していくようになりました。1本だけの赤スポークは強烈なアクセントで、確かに今見てもカッコいいホイールです。

太いスポークに赤スポークが1本 存在感抜群です

お預かりの状態ではホイールテンションはドライブ側約145kgf~150kgf、とてもハイテンションでした。センターも左に0.7mm寄っています。勿論この状態で使えないことはありませんがドライブ側のテンションを下げて均一にしました。後輪は右から左がセオリーなので右が決まるとおのずと左テンションが決まります。

ホイールの剛性はスポークテンションを上げることで得ることはできません。リムの剛性とスポークの種類(太さ)で決まります。高すぎるスポークテンションはホイールの剛性を下げてしまいますので注意が必要です。ただこれが正解値ですという数値はありませんので難しいところです。一般には120~140kgfといわれていますが手組ホイールファンでは120~130kgfにしています。

ドライブ側ラジアル  非ドライブ側2クロス
出来るだけスポークテンションを揃える

キシリウムSLのスポークはアルミです。スポークテンションを出来るだけ正確に測って調整するにはテンションメーターが必要です。幸いにも使用しているテンションメーターの交換表にはキシリウムという欄がありますのでこの交換表を見ればある程度はわかります。しかし正確な数値は仮に130kgfならこの数値で引っ張ってあるスポークをテンションメーターで測ればよいわけです。手組ホイールファンでは校正器がありますのでアルミスポーク現物を130kgfで引っ張って測ることにしました。テンションメーターを当てる位置によって多少の誤差は出るかもしれません。しかし概ね信頼できると考えています。各スポークテンションは出来るだけバラつきがないように心掛けています。

キシリウム アルミスポークを測る

スポークを握ってテンション値がわかるものではありません。人の感覚はいい加減なものです。ハイテンションであればよいホイールと考えている人も結構おられるようですが適度なテンションで仕上げることが肝心です。

キンリンリムXR31T/RT28・32Hでホイール作製

もの凄いパワーを持っておられる方よりご連絡いただきました。FTP350wということでびっくりしました。自転車歴は17年とベテランのライダーさんで、プロ以上のアマチュア選手として活躍されました。今はレースには出られていませんが自転車のことはとてもよくご存じです。

今回の提案ホイールはキンリン社のXR31T/RTリムを使った前輪28H後輪32Hのホイールです。一般にはパワーのある方は軽さよりも剛性を希望されます。リムは500g前後の24mm幅31mm高のこのブログでは定番のリムをご案内しました。

スポークはバテッドスポークの弾力を利用することで2mmスポークの太いスポークを使わなくてもパワーを伝えることが出来ます。前輪には中央部が1.5mmの細いスポークで組みました。後輪もバテッドスポークをうまく組み合わせます。左は1.5mm、右に1.8mmで組んでいます。

ハブはノバテック・ハブを使用しています。性能は必要十分で価格もリーズナブルです。

今回使うXR31T/RTリムは約500gありますので重量は軽いリムとはいえません。しかしリムは剛性がとても大切です。重いリムということは剛性があるということです。

地面に接するリムは凹んでいる

自転車のリムは地面に接しているところは常に凹んでいます。この凹みの連続で前に進んでいるわけですが凹みが小さいと駆動ロスが当然小さいのでよく進むということです。リムに剛性が大切な理由はこのリムの凹みを小さく出来るということにあります。

多スポークホイールはスポーク数から生じる空気抵抗を危惧されがちですが、リムを28本、32本と数多いスポークでリムを支えることになりリムの変形を小さくしますので前に進む力はロスなく進むと考えます。

リム高が31mmありますのも利点です。空力の援護を得ることが出来ますのでスポークが多いと空気抵抗が増えるというマイナス点をカバーできるのも良いところです。

前輪740g
振れは最小になるように スポークテンションは出来るだけ均一にしています
後輪951g
振れは最小になるように スポークテンションは出来るだけ均一にしています

ホイール作りで一番大切なポイントはスポーク調整と考えています。クランクを回して前に進む力は各スポークを通して前に進みますがこのスポークテンションがバラバラに張ってあれば均等に力が加わらないので駆動ロスが発生します。力を減じることがないようにスポークテンションを均一に仕上げることを重視しています。

上記の注意点をしっかり守って作り上げました。

前輪740g後輪951g前後1691gと軽量です。多スポークホイールでこの重量はとても軽いと思います。今回のホイールですが普段使われているホイールと比べたレポートをいただけそうです。これは大いに楽しみです。

46mm高リムブレーキカーボンホイールをディスク用に組み替え

昨年に前輪20H後輪24Hリムブレーキ用カーボンホイールをお納めしましたお客様よりご連絡いただきました。

時代の流れなのか今使われている自転車をディスク化されました。そうなるとせっかくのカーボンホイールがリムブレーキの為に使えなくなってしまいました。ホイールはとても気に入っていただいていましたので何かいい方法がないかと考えられたようです。

お客様はとても素晴らしい妙手を考えられました。リムはそのままで前輪20H後輪24Hのディスク用ハブをご用意されたのです。

お送りいただきました昨年納品の20・24Hのホイールです
前輪ハブ 20H 159g 
後輪ハブ 24H 280g

ホイールとハブを送るので新しいハブで組み替えできますか?とご連絡いただき、すぐにお受けいたしました。技術的には特別難しいことではありません。20/24のディスクホイールは誰もが思いつきますがなかなかハブを手に入れるのが難しいです。個人的にも20Hのハブは売っているのか調べたのですが結局買うことはできませんでした。今回のように20Hのディスクハブを手に入れられたことが素晴らしいです。

スポークが20本と強度的に心配なところもありますがそれには少し太めのスポークで対応するというような工夫がいるかと思います。今回は当初のリムブレーキに使ったスポークと同じスポークwing21で作ります。

リムブレーキのリムをディスクブレーキに使えるのかと心配される方がおられると思いますが心配は要りません。見た目も全く違和感なく使えます。だいぶ前の記事ですが、リムブレーキ用リムを使用したディスクホイールの修理をしたことを書きましたが今回も同じです。ブレーキ面はディスク用として使っても気になりません。

最初はリムブレーキで運用して、将来的にはディスクブレーキ用に変更しようということなら最初から24/24、24/28の組み合わせでカーボンリムを注文されても良いアイデアと思います。リムをディスクからリムブレーキには構造上できませんがリムブレーキからディスクブレーキ用に変更するのは可能です。見た目も違和感ありません。ハブも手に入れやすくなります。これはなかなかいいアイデアと思います。

前輪746g リムブレーキ用リム使用 違和感はありません
前輪スポークテンショングラフ
前輪左右2クロス組
後輪893g リムブレーキ用リム使用 違和感はありません
後輪スポークテンショングラフ
後輪左右2クロス組

ホイールの組み替えは出来上がりました。スポークも新しく用意したのは前輪のみで後輪用はスポークカットで対応できました。ニップルはブラスなので再利用できますが念の為新品を使うことを希望されました。安心の為には良いことと思います。

20Hのディスクハブを手に入れられたお客様には脱帽です。取り外したリムブレーキ用のハブセットはいつでもホイール作りに再利用できますので無駄な投資ではありません。お金を出せばなんでもできる時代ですが大切に物を使い切るということは大切です。良いヒントをいただいたご注文でした。

XR200リムで超軽量ホイール作製

昨年ご注文いただきました方よりリムとハブをお送りいただきホイール作製のご注文です。

前輪66g
後輪用183g 超軽量!
リムは400g前後です

リムはキンリン社のXR200です。ナローリムで約400gの軽量リムです。ハブも初めてお目にかかるQUANXARというブランドです。計量しますと前後で249gと驚きの重量でした。お客様は登りに使うホイールとして部品をお送りいただきました。前輪を24H、後輪28Hとスポーク数を増やして計画されています。軽量部品を使いながらも剛性には十分気を使われています。

スポークは手組ホイールファンで提案します。前輪はピラーのTB2015,後輪左TB2015右TB2018という組み合わせです。前輪は中部が1.5mmの細いスポークです。後輪左もこの細いスポークにして、後輪右は少し太くして剛性を上げています。

ピラーホームページより

ニップルはブラスのダブルスクエアを使います。このダブルスクエアは前からも後ろからもニップルを回せます。最初は取り扱いしやすい前で回して最終の締め増しに後ろから回すという方法が取れるのでお勧めです。価格が通常の倍以上しますが扱いやすさを考えますと納得できると思います。

XR200リムは剛性が高いリムなのでとても組みやすいリムです。競輪用のチューブラーリムは柔らかいのでとても難しいリムですがその点このキンリン社のリムはとても扱いやすいのでお勧めです。しかし何事も長所短所があります。軽量で剛性が高いからオールラウンドホイールとして使えるかといえばやはり無理があると思います。平地ではもう少し高さがあるほうが空力の援護があり乗りやすいと思います。

お客様もこのことはよくご理解されていますので登り専用に使われるようです。勿論平地でもくるくる回して乗られる方がおられますがそんな乗り方される方にはあっているホイールです。ぐいぐいと踏み込むのではなく、くるくると回転で走られる方には軽くていいホイールと思います。

ホイールのスポークテンションは出来るだけ均等になるように、フレは最小になるように注意します。スポークの寸法さえ間違えなければ誰でも作れるのですが出来上がりは作り手によってそれぞれ違います。手組ホイールの面白いところでしょう。

前輪599g 2クロスで組みました
スポークテンションを出来るだけ均一に
後輪778g
振れは最小になるように

出来上がりました。前輪599g、後輪778g、前後1377gと軽量です。お客様のインプレが楽しみです。

キシリウムホイール エリートのスポーク調整

リピートでご注文いただいているお客様よりキシリウム エリートの後輪ホイールの調整依頼でお送りいただきました。

キシリウム エリート 後輪877g

このキシリウムはスポークが1本折れたので購入されたショップに持ち込まれて修理を依頼されたそうです。ホイールは一応直ったのですが乗り味が変わってしまい再調整を手組ホイールファンに依頼されたという曰くのホイールです。

10本で84g、エリートのスポークは意外と重いスポークでした

お客様よりスポークの予備も一緒にお送りいただきました。このスポークが役立ちました。キシリウムのスポークを持っていなかったのでこのスポークでテンションデータを取れます。

スポークテンションを校正器で事前に確認しておくとわかりやすい

スポークは2mm丸スポークを元にした少し重めの扁平スポークでした。少スポークで作られたキシリウムホイールは剛性の高いスポークを使わないと成果が出ない構造です。事前にドライブ側を130kgf前後で仕上げるにはテンションメーターの示す数値を知っておけば作業能率が上がります。

お預かり時のホイールセンターは左に約1mmも寄っている仕上がりでした。縦ブレも大きく振れていました。おまけにドライブ側スポークテンションは約150kgf前後のハイテンションで作られていました。預けられたショップの振れ取り台が安物なのかセンターゲージを当てていなかったのか、よくわかりませんが驚きです。リムを左に寄せているのでドライブ側はハイテンションでした。1mmも左に寄せると右側のスポークテンションは当然高くなってしまいます。どうしてこんなことをするのか理由が分かりません。

左側を緩めてスポークテンションを全体にスポークテンションを落としてからドライブ側を約130kgfに揃えることが出来ました。事前にスポークのテンションデータを知ることが良かったです。縦ブレ、横ブレを出来るだけ最小になるように調整すること、スポークテンションを出来るだけ均一になるようにすることを同時に行います。コツが分かれば簡単ですが会得するまでには経験が必要です。

マビックのスポークプラグには2種類あります

テンション調整のプラグは2種類あります。5.5mm径と6.4mm径があります。このホイールは取り換えたスポークには5.5mmのプラグ、ほかのスポークは6.4mmのプラグが使われていました。2種類のスポークレンチを持っていましたので対処出来たのですが、こんなことも勉強になったホイールです。ホイールは見た目ででは分からないという典型的は一例でした。

スポークは0.29の目盛りで約130kgfとなり、この値で調整しています

古いホイールはあきらめてもらって新品ホイールを買ってもらいたいショップと気に入っているホイールを大切に使いたいユーザーのやり取りの軍配はユーザーに上がりました。これはだめです、直りませんの言葉を鵜呑みにすることなく一呼吸置くのも大切なようです。

レーシング3を36mm高カーボンホイールに組み替え

リピーターのお客様よりご連絡いただきました。

スポークを曲げられて使っていないレーシング3をカーボンホイールに組み替えするというご注文です。

レーシング3前輪654g
レーシング3後輪884g

使用しますリムは当ブログでは定番の36mm高28mm幅のリムです。いつもお願いしているメーカーの係の方に特注リムを注文して作り替えします。このような組み替えは何度も行っていますので発注の打ち合わせに関してもわりとすんなりと進みます。ただ特注なので出来上がり時間は通常よりも掛かりました。部品の内容は以下の通りです。

リム 36mm高28mm幅 穴ナシリム リムは特注穴あけ

ハブ フルクラム レーシング3ハブより転用

スポーク ピラー Wing21 黒

ニップル DT SquorxPro ブラス 黒

傷んでいるスポークがありましたのでスポークカットが出来ません。結局使いますのはハブだけになったのですがとてもいい感じに仕上がっています。リムは前輪のみオプションでブレーキ面を強化加工しています。穴ナシリムはテープがいらないので運用面ではとても楽です。36mm高は空力も期待でき、軽量リムなので用途の広いホイールに仕上がります。

体重がある人にはスポーク数が少ないので剛性不足を感じるかもしれません。しかし同じタイプのゾンダ改造版を持っていますので乗り味などの内容はよくわかります。

やはりカーボンリムは剛性がありますので少スポークでもリムが真円を保つ力が強いのでしょう、よく進むと思います。

カーボンリムはアルミリムと違いつなぎ目がありません。このため真円の状態を維持しやすいと思います。値段はアルミリムの何倍もするだけのことはあると思います。

見た目もオリジナルでフルクラムの新型ホイールかな?と思ってしまいます
前輪667g
後輪853g
リム柄がオリジナルです
2:1組です

ホイール作製においてリムが均質なので各スポークへ均等に力を加えれば振れも出にくいホイールに仕上げることが出来ます。別注ホイールは決して安くはありませんが値段が3倍のブランドホイールとは違ったオリジナル感たっぷりの2:1組ホイールが出来上がります。剛性不足を感じる場合は少しスポークを太くすればよいだけで応用が利くのも良い点だと思います。

・別注の穴ナシリムを注文する

・特別なスポーク長を計算

・ホイールを分解する

上記のように考えてみれば難易度の高いホイールです。しかし組み終わった時の達成感は格別で、また組みたいと思ってしまいます。

アメリカンクラシックハブでホイール作製

アメリカンクラシックのハブを持っておられる方よりご連絡いただきました。このハブは軽量で人気でした。

お客様のホイールプランをお聞かせいただきました。リムはTNIのAL22Wを使い、スポークは黒スポークを使うということでお任せいただきました。

Micro58
後輪224g

写真はお送りいただきましたハブです。前輪ハブは58g、後輪ハブはワイドフランジのナローハブで重量は225gという超軽量ハブセットです。欲しかったのですが高価なハブなので手に入れる機会がなく諦めたことを覚えています。

アメリカンクラシックハブがディスコンになって久しいですが、お送りいただきましたハブは新品の箱に入っています。ジップ303のリムにこのハブを使ったホイールに乗っていましたので懐かしいです。久しぶりのアメリカンクラシックのハブなので心躍る思いです。

閑話休題、

前輪24後輪24の組み合わせは一般にはあまり見かけません。20/24の組み合わせが多いのですが前輪24にするとコーナーでの安定感が増します。個人的には好きな組み合わせです。

スポークは前輪を中央部が1.5mmの細いスポークを使います。後輪は左側に細いスポーク右側には剛性を上げるために1.8mmのスポークで仕上げます。

ニップルは前からでも後ろからでも回せるダブルスクエアを使っています。最終の締め増しには後ろから回せるのは1/4、1/8、1/16回転と見ながら出来るので作業が楽でおススメです。

前輪656g リムシールははがしています
スポークテンションを出来るだけ均一にしています
後輪840 リムシールははがしています
ナローハブ、オフセットリム使用ということで左テンションが高いホイールに仕上がりました

仕上がりは前輪656g、後輪840g、合計1506gでした。後輪のワイドフランジが目を引きます。

AL22Wリムは24mm幅22mm高のチューブレスレディーリムなのでリムテープ、シーラントを使えばチューブレスで楽しめます。軽量ながらリム剛性が高いのでこのアメクラ軽量ハブ(昔はアメクラと呼んでいました)と組み合わせると用途の広いホイールとして使えると予想します。お客様のインプレが楽しみです。

バイテックスハブ、AL300リムで銀輪ホイール作製

銀輪リムとバイテックスハブをお送りいただきました。スポークとニップルは手組ホイールファンでご用意します。

SONY DSC

リム  AL300 前輪20H 後輪24H

前輪ハブ 87g 20H
後輪ハブ 222g 24H

ハブ  バイテックス シルバーハブ20/24H

ハブとリムをご自分で手配される方が最近増えています。ネット社会ですのでいろんな購買チャンネルがあります。ご自分でいろんな部品を集めて自転車を作り上げていくことはとても楽しいものです。

しかしホイールだけは経験が必要で、こんなことを申し上げるのはおこがましいのですがハードルが高いようです。ホイールは作れるが納得したものが出来ないとお考えの方が多いようです。ホイールは見た目では分かりません。2セット同じものがあり、どちらも振れがないホイールでも、試し乗りで比べてみると走りが全く違うということは多々あることです。

ハブとリムを個人で手配して、ホイール作りは専門に任せるというのも賢い選択と思います。難点は送料が重複することで、これも考えておかねばなりません。

今回のリムは使用するフレームに制約があり、ナローリムしか載せられないということでTNIのリムを選ばれました。30mm高あるこのリムは剛性が高いので少スポークホイールとして作ることが出来ます。勿論体重が大切な要因でありますので重量にあわせてスポーク数は考えなくてはなりません。今回は20/24の組み合わせです。

銀輪ホイールとしてシルバーハブは欠かせません。バイテックスハブはいろんな色のハブを作っています。ハブの入手では国内に代理店が無いので、海外から個人輸入されたようです。昔と違い今の情報社会では細かい部品も個人で手配出来る時代になりました。勿論失敗もあるでしょうが自分で部品を準備出来ればすべて納得できますので満足感は高いと思います。

前輪649g
後輪832g

出来上がりましたホイールです。前輪649g、後輪832g、前後1481gと軽量ホイールです。リムに剛性がありますので走りに裏切られることはありません。

前後1481g

銀輪ホイールは根強い人気があります。クロモリフレームにはシルバーのホイールがよく似合います。姿はクラシックですが内容はモダンなホイールです。最近では骨太スタイルのロードバイクが多い中で異彩を放つことだと思います。