このブログをお読みいただいた方よりご連絡いただきました。
現在使用中ホイールリムが減ってしまい交換を考えています。 今後チューブレス化を考えています おすすめのキンリンリムXR31T/RTに交換とスポークは 星ウィングスターがいいと思っています 見積りをお願いします。
使っておられるホイールはシマノハブを使った手組ホイールでした。このハブを使ってホイールを組み替えるご注文をいただきました。
キンリンのXR31T・RTはいまなかなか手に入りません。当初在庫がなかったのですがいつも買っているセラーに確認をしましたらあるということでした。少し時間が掛かったのですが手に入れることが出来ました。今はモノを持っているのが強いです。見つけたら買いかもしれません。部品はいつでも手配が出来る時代は終わった感じがします。
約一ヶ月お待ちいただきました。リムが揃い、ご連絡しましたらホイールをお送りいただきました。
梱包がしっかりしています。このホイールのハブを取り出して新しくホイールをお作りいたします。
ホイールの構成は次の通りです。
リム キンリンXR31T・RT 前後ともに32H
ハブ 前輪シマノHB9000 後輪FH6800 前後ともにお持ち込み
スポーク 前輪 ピラーTB2015
後輪 左ピラーTB2015 右TB2018
ニップル ピラーDSN ブラス
スポークは星ではなくピラーのスポークを提案しました。スポークの中央部が1.5mmの細いスポークを使います。バテッドスポークの特徴を生かしてホイールを作りました。細いスポークは地面からの衝撃を吸収してくれます。長い距離を走るとよくわかるのですが振動が少なくなるということは疲れにくいということにつながります。輪行などのロングライドに適したホイールです。
リムは約500g、31mm高24mm幅です。剛性があり高さの割には軽量です。空力が良いリムなので平地での走行では足を休めることが出来ます。
ニップルはブラスを選択しています。アルミニップルも強度がありますがやはり安心度はブラスが高いです。
スポークテンション均一化に注意を払い、振れを最小に組み上げます。NHKのチャリダーという番組で有名ビルダーさんがホイールを作っている場面がありました。この時ビルダーさんはスポークを弾いて音で均一になるように調整していました。音を聞き分けながらスポークを調整する方法は昔から行われていますがとてもいい方法と思います。ただ○○kgfで仕上がるということはできません。音の音色で仕上げますが慣れた人にはいい方法なのでしょう。
私もテンションメーターと音の聞き分けを併用しています。ギターのピックではじいています。きれいな音が出るのでわかりやすいです。このためテンションメーターの横にはピックを置いています。
音で判断には欠点もあります。音のほうが調整のスピードは速いと思いますが違いがわかりすぎてなかなか終わりがありません。いつまでも続けてしまいます。適当なところで切り上げることも必要です。割り切りることでホイールの仕上がりは格段にスピードアップできます。
テンションはグラフにしてお客様に報告しています。このグラフにはスポークテンションばらつき度を表示しています。このばらつき度は5%以下になるようにしています。理由はシマノDuraホイールが今まで調べた結果5%くらいの仕上がりでした。このため手組ホイールファンではDuraホイールを上回る仕上がりになるようにしています。大体いつも3%前後で仕上げています。難易度が高い数字ですが精度の高いホイールには必要です。
リムはチューブレスレディーのリムなのでバルブとシーラントを用意すればチューブレスホイールとして使用できます。用途が広いホイールです。お客様のインプレが楽しみです。