36hのピストホイールの依頼です。ハブとリムはお客様からの持ち込みです。
クリンチャーのシルバーリムを希望されていましたが当方では36hシルバーのクリンチャーリムはなかなか手配できません。チューブラーリムなら競輪で使われるリムがありますので比較的容易に手に入ることを提案しました。しかしクリンチャーで作るということでしたので、ご自分で手配されハブとリムをお送りいただきました。なかなかの調達力です。メルカリやオークションで探せばあるものです。
ハブはサンシンの36Hトラックハブ、リムはアラヤのCTL385です。アラヤのリムはとうにディスコンとなっていますがうまく新品のデッドストック品を見つけてこられました。視点を変えるとまた違う景色が見えますがホイール部品もこの理屈が通ります。違うマーケットにはあるということが分かった次第です。
ハブはリユースですのでスポークをハブ穴に通すには前の使った通りに組む必要があります。スポークを通す方向が同じということです。違う組み方で穴位置を変えるとまた新しい傷が出来、フランジを傷める原因となります。このため前輪はイタリアン、後輪はJIS組みで作ります。
スポークはピラーのTB2015、ブラスニップル12mmシルバーを使いました。バテッドスポークにはホイールの軽量化を図ると共にスポークの弾性が体重によるリムの変形を少なくする利点があります。少し値段が上がりますがストレートスポークを使うより利点が多いスポークです。
ニップルは丈夫なブラスニップルを使います。アルミ軽さよりもブラスの丈夫さを提案しました。
スポークのテンションはいつも記事に書いています通り出来るだけ均一になるようにしています。素材がすべて均一なものであればテンションを揃えることは容易ですがなかなか思う通りには行きません。上手に加減しながら振れを最小にしてスポークのテンションを揃えるようにしています。これには経験が必要です。何度も馴染みだしを行い出来上がりました。