オールドホイールのスポーク替え

スポークが折れて長く使われていないホイールの修理依頼です。

スポークが1本折れていました

約40~50年前のホイールの修理です。ホイールはマビックのGP4 、ハブは1970年代のDuraハブです。とても珍しいハブですが今も調子よく回ります。

6枚ギアです
1970年代のDURAハブです ギアの外し方が特殊です
チェーンが落ちてスポークの根元が傷んでいました
フリーにねじ部分があります
ヌンチャクを2つ使ってギアを外しました(ホーザンのホームページより)
6速ハブ ギアを外しました

ギアをはずしてみますとチェーンが落ちたからと思いますがギア側根元が傷んでいるスポークが多数あります。チェーンで削れているところもありスポークの取り換えを提案しました。反対側の非ドライブ側はスポークの損傷はありません。何度かスポークが折れたのか取り換えたところがあります。

今回のホイール再点検では

①折れたところだけ変える

②ドライブ側16本を変える

③32本すべて変える

④とても珍しいホイールで、特にハブはなかなか手に入らないオールドDURAハブです。ネットオークションに出されると良いかもしれません。

このように選択肢を4つ用意しましたところ2番をお客様は選択されドライブ側のスポークを取り換えることとしました。

ホイールの組み替えでは難しい問題があります。リム精度の高くないリムが多い点です。最初に組まれた時の癖が残るといいますか、どうしても振れとスポークテンションが一致しないリムがあります。こちらが下手だからかもしれませんがスポークのテンションを揃えると大きく振れが出ることがあります。振れ取りを優先しますとスポークのテンションが揃ません。

このようなことは度々起こります。今回もリムには癖がついていました。スポークが折れた状態で長く置かれていたのかもしれません。

スポークテンションばらつきを出来るだけ抑え、振れを最小になるように仕上げました。テンションと振れのバランスですがどちらかといえばテンション優先です。

スポークテンションを優先すれば振れは少しあってもそれ以上に振れは大きくなりません。この逆では長く使われますと振れは大きくなってきます。こんな事から振れ取りではスポークテンションを出来るだけ揃えるようにしています。

お預かり時点のニップルは3.4mmニップルでしたのでスポークを新しく取り換える際ニップル径は左右同じにしています。左右揃っていますと作業が楽なので星のニップルを使いました。

再生しましたチューブラーホイール

出来上がりました。1970年代のハブですが現役で使えます。カップアンドコーンハブの良いところは自分で手入れ出来るところです。定期的なグリスアップを行えば何十年も使えるとこのハブは証明しています。自転車の歴史を感じるホイールです。

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