ブログを通じてご連絡いただきました。
HEDのアルミリム、アメリカのONYXハブを使ってホイールの作製依頼です。スポークはサピムのCX-RAYを使います。お客様よりハブとリムはお持ち込みです。スポークはこちらでご用意いたします。
スポークも持ち込みしたい方もおられます。スポーク長の計算をご自分でされて、組むだけを手組ホイールファンでという方も今までおられました。この場合スポークが短い方もおられ、これでは組めないとお断りした方もおられます。持ち込みの場合はリムとハブだけのほうがお互いロスが少ないと思います。
さて、今回お送りいただきましたリムは初めてのリムでした。ハブは取り扱いの経験があります。HEDのホームページからわかりますがグラベル用のワイドリムでリム外径30mm内径25mmと幅広です。700cと650cがありますがお送りいただきましたリムは700cの方です。
ワイドリムなのに重量は意外と軽く460g前後です。リムのジョイント部分は溶接です。とても仕上げがきれいで縦ブレが取りやすいリムで、つまり真円に近づけるのが容易です。値段だけはあると感じました。
アルミリムなのでカーボンリムのように割れに対する心配はいりません。グラベルに適していると思います。剛性や破損に関してアルミリム、カーボンリムどちらも良いところ弱いところがあるのでどちらを優先するかです。どんなものでもプラスマイナスはあります。
ハブはONYXのVesperハブです。ホームページからの情報ですがとても高価なハブです。フリーを回しますと驚きます。全く音がしません。特殊な構造をしているのが分かります。分解も容易でグリスアップはやりやすいようです。
ハブとリムだけで立派な自転車が買える部品を心配することなくお送りいただいたことはありがたいなと思います。
ご用意するスポークはCX-RAY、ニップルはブラスを使って組み上げました。
製作において縦ブレ取りではリムがほぼ真円になるまでにスポークを調整します。出来るだけ均一に張ることが肝心です。スポークは強弱強弱という形でバランスが取れるときれいに振れ取りができます。つまりスポーク張力が均一にならなくても振れ取りはできます。しかし振れを取り終わるだけでは出来上がりはまだ8合目で、もうひと頑張り必要です。テンションを揃えることで長く使われても駆動ロスが出にくいホイールとなります。
各スポークに伝わる力はどのスポークにも同じだけ力が伝わります。スポークに強弱があれば伝わる力は減じます。すべてのスポークが揃っていれば当然ロスは少なくなります。これがホイールの良さを決める大きなポイントと考えています。
また、日をあけてスポークテンションを調整することも大切です。一番楽な方法は一度乗ってみてスポークの張りを再調整するのが一番いい方法ですが遠方の方にはこれが出来ません。このため時間をあけて何度も馴染みだしを行っています。
出来上がりました。非常に存在感があります。色の組み合わせが印象的です。とてもカッコイイので使ってみたいホイールです。グラベルホイール、期待できます。