ディスクホイールの作製

サーリーのクロモリフレームに載せるディスクホイールのご注文をいただきました。お客様はリピートオーダーのお客様です。手組ホイールの良さを知っていただいています。

DT RR411 437g
アレックスディスクホイールを分解します
取り出したシマノディスクハブ FH-RS505 375g
新しいシマノディスクハブ HB-R7070

リムはDTの軽量アルミディスクリムRR411(437g)です。リアハブは135mm規格のシマノハブFH-RS505(375g)を使います。後輪ホイールをお送りいただきこのホイールを分解して転用するというご注文です。いわゆるお持ち込みです。

前輪ハブはこちらで用意します。シマノハブで105シリーズのHB-R7070(164g)を提案しました。今はシマノハブの手配が難しく幸いにも私のほうで手持ちがありました。スポークは定番のコンペティションで組みます。ニップルはブラスです。

お送りいただいた後輪ホイールを調べてみました。

スポークテンションは不揃いで振れも大きい

いつも預かりましたホイールはテンションを調べます。以下のグラフです。まあ予想の通りです。テンションにバラつきがあります。これでは振れも出やすいです。

このホイールのハブを使い新しいホイールに作り替えます。

手組の良さはいろんな組み合わせが出来ることです。手持ちのハブやリムを使っていろんな組み合わせを考えることができます。性能の良いハブを持っておられるとリムは消耗品ですのでアルミリムからカーボンリムに変更も可能です。

お客様はおそらく沢山自転車を乗り継いで来られたのでしょう。余っている部品を沢山お持ちでした。言い換えればいろんな経験知を持っておられます。こちらもアドバイスをいたしますが決められるのはお客様です。果たしてお客様とのやりとりはすんなり進みました。ありがたいことです。

今はアルミ不足が影響してリム、ハブが手に入れにくい状況です。今回のリムも入手に時間が掛かったのですが無事お納めすることが出来ました。

DT RR411 ディスクリム使用 前輪865g
完成後の前輪スポークテンショングラフ バラつきが少ない
DT RR411 ディスクリム使用 後輪1072g
完成後の後輪スポークテンション

重量は前輪865g、後輪1072グラムとホイール自体は結構重いのですがリム重量は約440gです。中心部が重いだけなので漕ぎ出しの軽いホイールに仕上がります。やはり外周部が軽いと回転は軽快です。

ホイールはいつものようにスポークの張りをできるだけ均一にし、振れはできるだけ最小になるように調整しました。お客様のご意見が楽しみです。

スポークを交換しました

マビック36hオープンプロリム、シマノDURAハブ、DTチャンピオン(2.0mm)スポークで組まれたホイールのスポーク交換の依頼を受けました。

MAVIC rim Duraハブ DT チャンピオン 使用 
MAVIC rim Duraハブ DTチャンピオン 使用

2㎜スポークですのでとても剛性の高いホイールです。普段の通勤に使われた愛用のホイールとのことです。以前ブログに紹介しましたホイールですがこの時はテンション調整をさせていただきました。今回はこのホイールのスポークをすべて取り換えます。

前輪はサピムのLaser(2.0/1.5/2.0mm)、後輪にサピムのRace(2.0/1.8/2.0mm)に交換します。

ホイールの剛性はスポークの総面積に比例するといいます。お預かり時点ではチャンピオンの36本ホイールですので100㎏以上ある人がキャンプの道具を運んでも十分乗れるホイールです。

今回はご自分の体重を考えながらスポークを変えることにより軽量されました。

DTチャンピオン 後輪 36本
DTチャンピオン 前輪用 36本
前輪用 サピム Laser 36本
後輪用 サピム Race 36本

取り換える前にスポークの重量を比べてみます。

前輪チャンピオンLaser重量差
277156121
後輪チャンピオンRace重量差
27722849
合計170

170gの軽量化です。

前輪のLaserは中央部が1.5mmの細いスポークですが36本ありますので十分な剛性です。スポークの中央部がショックアブソーバーの働きをしますので地面からの振動を吸収してくれます。

後輪のRaceも中央部が1.8mmで振動を吸収してくれます。これらのスポークを使うことで疲れにくいホイールが出来上がります。ロングライドに最適なホイールです。

一般的に完組では少スポークホイールです。剛性を高めるために太いスポークを使って剛性を高めています。多スポークホイールに仕上げることでスポークの総面積は同じであっても細いスポークを使ったホイールは疲れにくいホイールに仕上がります。もちろん空力では若干劣りますが比べれば少しという程度です。他に良い点が多々あります。

前輪スポークテンション
後輪スポークテンション

さて、上のグラフはスポーク取り換え終わった時のスポークテンショングラフです。できるだけ振れを少なくし出来るだけテンションを均一になるように調整しています。

ずっと通勤に使われていましたホイールですので乗り味が変わったことはよくお分かりと思います。どれだけ変わったか教えていただくのが楽しみです。