DTのPR1400のハブを使ってカーボンホイールに作り替えるというご注文です。今回で5セット目のご注文です。
前回の記事にも書きましたがこちらの力を認めていただいているということですのでリピートのオーダーは本当にうれしいしありがたいです。
ハブとスポークをお送りいただき、リムはこちらでご用意いたしました。
最初気楽に考えていましたが非常に難しいとことが後でわかりました。
扁平スポークは扁平部分が広くて私のスポークカッターでは切れないのです。
ハブ自体はストレイトプルスポークのハブですが構造がまた特殊でした。
前輪はハブの寸法を計測すればラジアル組ですので割とすんなり寸法が出ます。後輪は特殊な作りのためスポークオフセットの寸法がすっきり出ません。
リムはニップル穴なしのカーボンリムです。スポークにうまくニップルがはまらなかったらポロっとリム内に落ちてしまい作業を中断してニップルを取り出します。ニップルを取り出しにはリムを振って運に任せるしかありません。ゴロゴロとニップルが出てくるまで降り続けます。運が良ければポロっと出てきますが出ないときは3分以上振り続けます。
もう今回はお手あげでハブを変えてくださいとお願いしようかと思ったのですがせっかくお話いただいたのでやり遂げないとという変な意地が出ました。
前輪は割とすんなり作り替えが出来たのですが後輪は難儀しました。
ハブを最初見て2クロス組という先入観がありましてスポーク長の計算には2クロスで計算していました。1回目を組んでみたのですがスポークがゆるゆるです。理由がわかりません。計算ソフトにハブ計測の数値を入れて出た数字が違うのでハブをまた測りなおしました。
スポークオフセット値が違うのが分かったので再度スポークカットしなおし組み直したました。
果たしてまたスポークがゆるゆるでした。
じっとハブを観察してわかりました。ハブは左右共に1クロスのハブでした。ほとんどのハブは2クロスか3クロスのハブですが1クロス組のハブを初めて経験しました。1クロスのストレイトプルスポークハブです。注意不足でした。あとでこの話をお客様にしましたがお客様も驚かれていました。あとで確認の写真を送っていただきました。
3度目です。1クロス組でスポーク長を出しスポークオフセット値も確認しまして組み直しますとうまく組み上げることができました。
一時は音を上げたハブですがじっくり観察して完成することができました。
勉強できたことは
初めてのハブはじっくりと観察し正確に計測することです。できれば完成品の写真があればよくわかります。
スポークカットではカッターに入らないスポークの処理の仕方も覚えました。
ホイール作りは奥が深いです。改めて感じました。今回で少し上達しました。難しいハブもこなせるようになりました。お客様のおかげです。
オーナー様は①前後ともにCXRAY使用、②前輪CXRAY後輪コンペティション、③DTハブDICUTの1クロス組ホイールと同じリムで3種類の組み方のホイールをお持ちです。
これらのインプレを聞かせていただけるのが楽しみです。