シマノハブを使ってディスクホイールを作製しました。
材料は下記の部品です。
リム TNI AL22W オフセット ディスク用 32穴
ハブ シマノ105 HB7070,FH7070 32h
スポーク 前輪 サピムLaser
後輪 左 サピムLaser 右 DTコンペティション
ディスクホイールの作製で注意点は前後ハブがともにオフセットがあるという点です。前輪もオフセットしていますのでリムブレーキなら後輪ホイールを2つ作る感覚です。このためスポークテンションを揃えてセンターを出すのは技術を要します。
ディスク用ハブではブレーキをハブに取り付けますので前輪でもハブはオフセットしています。これにより左右のスポークテンションは100:100にはなりません。
前輪を計算しますと左右スポークテンションはリム穴が真ん中の場合計算上では100:56の割合です。これを是正するために3mmリム穴が偏ったリムを使うことでスポークテンション比率を大幅に改善することができます。
オスセットリムを使用しますとなんと100:77と大きく変わっています。
ハブ、リムは実測します。特にリムはメーカーの発表データと違う場合が多いので先にスポークを用意するのではなくリムを実測してからスポーク長を出します。シマノハブの場合一度計測しておけばまず大丈夫です。
私はDTのスポークカルクとwheelproのスポークカルクを使って先ず2種類のデータを出してから最終値を決めています。微妙に二つの計算結果は違いますので最終的には経験で決めています。この数値は大幅に違うことはありませんが1mmの違いが出るときはたまにあります。
リムブレーキの場合前輪は左右テンションが100:100ですので比較的楽に仕上げることができますがディスクホイールの場合前後ともにハブオフセットがあるので前後輪ともにスポークテンションは左右違います。
以前のブログ記事に書きましたが後輪ホイールのスポークテンションは右から左の作り方が楽という記事を書きましたがディスクホイール前輪は左から右が楽です。
スポークテンションの高いほうを先ず7~8割のテンションで均一に揃えてからリムがセンターに来るように少しずつ緩いほうの各スポークのニップルを回してリムをセンターの位置に来るようにスポークテンションを調整していきます。
この時スポークはねじれますのでニップルレンチを回す反対の手はスポークの回転を防ぐようにプライヤーなどで回転を止めながらニップルを回すのがコツです。スポークを傷付けないように締める部分がギザのない締め具が良いと思います。
注意事項としては上図のようにスポークテンションが揃っていなくても振れ取りができることです。縦ブレ横ブレを取れていてもすべてのスポークテンションをテンションメーターで調べると各スポークが一定のバランスが取れていると振れ取りができていることが分かります。
つまりスポークテンションがばらついていても振れ取りができるのです。
ビギナーの方が勘違いするのはこの点です。ホイールの振れが取れてなじみだしを行ってもスポークのテンションが揃っていないことが多いのです。
スポークテンションを測りますと高低高低でバランスが取れていることがままあります。この高低高低を均一にして初めて完成となります。こうして書いてみれば簡単なことなのですがこれは経験が必要です。
ホイールが完成しました。前後の重量を測りますと1801gと重いホイールです。しかしこの重さはハブの重量が大きく影響しています。ホイールの外周部は440g前後でとても軽量です。このため回転はとても軽く漕ぎ出しは軽快です。確かに軽いホイールを使いたい欲求は抑えがたいのですが単純にホイールの重量だけを見るのは違います。