ステイホームのためベアリング交換を終えましたホイールです。
今度はタイヤをインストールしてどれだけテンションが下がるか調べることにしました。
このホイールのことをまず説明いたします。
リム キンリンXR31T 24h
ハブ ノバテックA291SB24h
スポーク サピムCX-RAY
ニップル アルミ14mm
このホイールのベアリングは3回交換しています。
交換すればまた新品状態に戻ります。これはいいですね。
リムテープは以前の記事に書きましたがポリイミドテープを使っています。テープを2回巻いて使用しています。お客様の貸出用になったり勉強用のホイールになったりいろいろ助けになるホイールです。
タイヤをインストールする前にスポークテンションの調整と振れ取りを行っています。振れ取りといっても1,2か所さわるくらいの調整です。タイヤを外すごとに微調整を行っていますのでほとんどスポークをさわる必要はありません。これはホイール作製のうえでスポークテンションをできるだけ均一に調整しているからです。
スポークのテンションを測りました。
左右のテンションは上グラフの通りです。
左121.1kgf テンションばらつき偏差±3.5%
右121.3kgf テンションばらつき偏差±2.2%
均等に張られていることが分かります。テンションばらつきもあまりありません。
タイヤをインストールします。タイヤはヒートガンで温めています。ヒートガンで温めるとタイヤのシワも伸びきれいな円の状態になります。ちょっとした準備を行うことで楽にタイヤをはめることができます。説明書には書いていないコツですがヒートガンは大変役にたつ道具です。代役に古いヘアドライヤーもいいと思います。ベアリングをはめるときにもヒートガンが役立ちます。新しく購入しても損はありません。
タイヤインストール後のスポークテンショングラフです。
左101.4kgf テンションばらつき偏差±5.8%
右102.5kgf テンションばらつき偏差±7.7%
120kgから100kgfに大きくテンションダウンです。驚きの数字です。もう一つの驚きがスポークテンションのばらつきです。倍近いばらつきに変化していますがこのばらつきは優秀な数字です。
このばらつきの変化はもともとのばらつき度がない状態からの変化ですので最初のばらつきが10%以上あれば押して知るべしです。
このXR31Tというリムは500gあります。重量があるということは剛性もあるということです。このリムをタイヤのビードで締め付けるとスポークのテンションは左右ともに約15%前後のテンションダウンをしてしまいます。ましてリム剛性の低いリムなら20%は間違いなく下がってしまいます。
スポークのテンションが揃っていないとダメホイールになることもよくわかります。
もともとよく揃っているスポークもタイヤをインストールするとばらつきが大きくなります。これは仕方のないことです。しかし対処することはできます。もともとのばらつきを少なくしておくことです。
もしテンションが揃っていないスポークであればテンションダウン後のテンションの不揃いは一層大きくなっていることでしょう。これがスポーク折れなどのトラブルの元になります。
いろいろ調べてみると面白いことがよくわかります。テンションダウンを見越して作る必要があります。振れ取りとテンションを揃えることを同時に進めないといけません。良いホイールを作るとは奥が深いものです。
自分の楽しみのための自作ホイールなら特別気にすることはないでしょう。スポークが折れたら折れたで対処すればよい話です。私は売り物のホイールを作っているので正確な物差しで測って作ることが必要です。楽しみのホイールとは少し立ち位置が違います。