10年以上前に作ったホイールを今でも使っています。しかしこのホイールは失敗作です。以前のブログ記事で紹介しました「失敗作でもよく走る」のですが大きな失敗をしています。
①スポークをリムに通すときの第一スポークを間違う。
②アルミニップルの使い方
③スポーク長の出し方
①はスポークを一番目に通す穴を間違えると位相がかわりバルブ穴の位置が変わります。最初にスポークをバルブ穴に通すとき注意が必要です。
②と③はスポーク長の問題です。
スポークは2つの計算ソフトを使って計算していました。スポカルクとDTの計算ソフトです。当時の計算ソフトはスポークの太さまで考えて答えが出るのではありません。また私はリムのERDを出す方法でもいい加減でした。
ERDはカタログやネットで発表されている数値を使っていました。これは実際に測ることがいちばんです。アルミリムは製品のロットごとに微妙に寸法が違っています。カタログの数値は違うことが多いです。
次の間違いは出した寸法の切り上げ、切り捨てです。長さの小数点まで寸法は出ますので切り上げか切る捨てでスポークの長さは大きく変わってきます。そのうえ販売されているスポークは長さが286cm,288cmのように偶数単位でしたので奇数の場合困ったものです。なかなかニップルの頭ギリギリで納めることができなかったのも事実です。
私は高価なホイールよりもスポークカッターのほうが欲しかったのでスポークカッターは割と早く購入しました。このためスポーク長の失敗は少なくなりました。しかし今でもホイール作りの中では難しいポイントと考えています。
結論を申しますとスポーク長は切り上げです。長めの寸法が良いと思います。もちろん長すぎてもだめです。
ねじ山が見えるくらい短いスポークで作りますとホイールとして使えますがニップルが飛ぶかもしれないリスクが生じます。
10年以上前に手組ホイールしていますと大見得の自称メカニックさんにホイールお願いしたことがあります。出来上がったホイールはスポークのねじ山が見えるホイールでした。この時は何も知らずに喜んで持ち帰ったのです。ホイールのことを深く知るようになった今は『あの時はあほやってんな(関西の人はこういいます)』と思い出します。
短いスポークにアルミニップルを使いますとニップルの頭が飛ぶことがあります。もちろんアルミでなくブラスでも起こることがありますがアルミのほうが頻度は高いです。こんなとき長めの寸法でニップルから突き出ていてもこのほうがいいのです。突き出たら失敗ではありません。スポークが短いのが失敗作です。
写真のホイールは今もよく使っています。売り物ではありませんのでタイヤ取り換えたときにスポークのテンションを再調整し、振れ取りを行っています。出来が悪いのですがよく回るので承知で使っています。しかしホイールは一番大切なところですので近々に組み替えようと思っています。