『手組ホイールの評価』の続きです。
前にシクロAクラスの選手に評価いただいたホイールの改良を提案いただきました。
前輪はそのままで後輪のみの変更です。
テストライディングではとても満足のいく結果となりました。下り坂でも、緩い登り坂、きつい登り坂の3か所計測でも前回の結果を上回るようになりました。タイムはストップウォッチではなくパワーメーターからのデータを読み取った時間です。手動でのタイム計測ではありません。
以下結果報告です。
有名手組 | XR31t/rt | |
下り坂-3% | 4.59 | 4.34 |
緩い登り+3% | 6.56 | 6.39 |
きつい登り+7% | 6.37 | 6.31 |
単位:分.秒 |
ニップル アルミ
スポーク 左右 サピムCX-RAY 左右ともに2クロス組
ハブ ノバテックス 28h
キンリン XR31RT 28h
元のホイールの
変更部分はスポークの変更です。
変更部分
スポーク 左 サピムRACE 2.0/1.8/2.0㎜ 2クロス組
右 DTチャンピオン 2.0mm 2クロス組
組み方も同じでスポークの太さを変えることにしました。
これはスポークの総面積が増えたことを意味します。このことによりホイールの剛性が高まりました。ホイールの剛性はスポークの総面積に比例します。
扁平のCX-RAY から太いスポークに替えたことによりホイールの剛性が大きくアップしたわけです。
評価していただいた選手曰く後ろから押してくれる感覚があると言ってくれました。踏み込めば答えてくれるホイールですと評価いただきました。
ホイールは乗る人との相性で決まります。パワーのある人がぐいぐいと漕いでいく乗り方もあれば、そこまでのパワーがなく、くるくる回して乗る人がいます。
今回の改良ではパワーのある人に合ったホイールに仕上がりました。
今回の改良では重量が増えたので漕ぎ出しが若干重くなった感じがするが回りだすと後ろから押してくれる感覚でタイムがよくなっています。
このテストで重量が増えたたから性能が悪くなったということでしたら非常にがっかりしたと思います。しかしそうではなかったのです。
最初のテストではCX-RAY を使っていて平地や下り坂ではとてもいいタイムを出しているのに登りではタイムが出ない。このことから推測して剛性不足の結論に至りました。このことからホイールの剛性を引き出すにはどうすればよいのか。これにはスポークを太くすればよいのではないかと推論し、スポークを太くして再度テストライディングとなりました。結果は予定通りの良好な結果となりました。とても満足しています。
- 軽さだけを追求したために剛性が不足するなら、少し重くなっても剛性のあるほうが登りに強いです。
- スポークもCX-RAY が最高と考えがちですが用途によって違います。
アドバイスいただいたシクロ選手はもともと理科系のご出身でして、論理的な推論で今回の改良を提案いただきました。ありがたいことです。