自転車談義

いつもの自転車屋さんでまたホイール談義をいたしました。

話した内容の要約です。

 

  • 上級者はチューブレスを使っている。リアはクリンチャーでもフロントはチューブレスの人が結構多いとか。チューブレスの乗り心地、グリップの良さを知ってチューブレスで乗っている人が増えているということです。私も食わず嫌いでしたがチューブレスタイヤを気に入っています。

 

  • シマノの低価格ホイールは優秀。低価格シマノに勝つ手組ビルダーは少ない。手組ビルダーも日々研鑽が必要です。

 

  • やはりタイヤが一番安上がりで効果のあるアップグレードです。チューブも大切です。タイヤ、チューブで走りがよくなるのです。

 

  • 50万円のフレームと5万円のフレームを比べて45万円の差を出すのは難しいです。それならコンポーネント、タイヤ、ホイールにお金をかけたほうが買い物上手といえます。自転車屋が言ってはいけない話ですが。

 

  • アルミリムでは400g以下は剛性の面で難しい。最低でも420~430gは必要とのこと。400以下の軽くて剛性高いリムが必要ならカーボンリムを選ぶしかないでしょう。

 

30分くらいの話でした。いつも仕事を止めてしまって申し訳ないのですが楽しい話でした。特に上級者のチューブレスは面白い話でした。シーラントなしでチューブレスを使っている人も結構多いとか。いろいろ試してみることですね。

手組ホイールの評価

キンリンの24mmワイドリムを使って作ったホイールをシクロクロスAクラスの選手に評価していただきました。

縁あってお話ができるようになりテストしていただくことができありがたいです。

24mm wide XR31t/rt  20/24h

 

詳しいことを書くと何枚ものレポートになるのでざっとお話をいたします。ホイールは5本用意されました。完組ではユーラス、レーゼロです。走るコースを3種類に決めます。

 

1 約-3%の緩い下り坂を漕がずに下る。

2 約3%の緩い坂をのぼる

3 約7%のきつめの坂をのぼる

 

この3種類のコースを走って時間を計測いたします。距離はおおよそ6,7分走るコースです。

テストする人はFTP300wの力をお持ちです。体重は72kg。この人が270wの力でパワーメーターを見ながら一定の力で漕いでタイムを計るという方法で評価したしました。

 

結果は

私のホイールはエアロ効果を発揮できるのか1番のテストでは5本の中で一番、しかしのテスト3の登りでは5番目でした。ちょっとがっかりしましたがこれが現実です。3のテストでは一番はレーゼロです。やはり剛性が高いようです。

 

私のホイールは1と2のテストでは総合的に上位に位置しますが登りでは負けるという結果です。この結果は何を意味するのか?やはり剛性です。軽いから登りに強いのではなかったのです。

 

以下が私のホイールのいただいた評価です。

 

平坦や緩い坂・下りではエアロ効果で速さを発揮するが、ヒルクライム的な使い方には向かない。後輪の剛性が足りていないと言えると思います。

後輪へのウエイトのかかり方が大きくなる上りで体重72kg,SST強度が270Wである私が使う場合での話です。逆に、軽量でパワーもあまり出せない人は、剛性不足に至るまでのパワーが出せないわけですから、「平坦や下りは速くて快適。上りもそこそこいける」となると思います。

 

このような評価をいただきました。

勘違いをしていただきたくないことは一般の人ではなく強力なパワーのある人が乗って評価していることです。

負け惜しみのような言い方になってしまいますがシクロの試合で要求されるホイールはエアロ効果よりも剛性ですのでロードレースの場合とは少し違うかもしれません。簡単に言いますと私のホイールはシクロ向けではありません。ロードレースではエアロ効果が重要な場面があると思います。

 

私のホイールは販売価格15万円前後のレーゼロに挑むのは無理があるとは思います。しかしヒルクライムのコースでは向かないが少しの登りが組み合わされたどちらかといえば平坦コースであれば勝負できるホイールということがわかりました。ありがたいなと思っています。

まさにホイールは乗り手との相性がありますので場面で使い分けることが必要なのかもしれません。

 

私のホイールの改良案をいただきました。全体としてのエアロ効果のあるホイールですので登りの剛性をどう補うかです。答えはスポークを太くすることです。引っ張り剛性を高めるにはスポークの総面積を増やせば剛性が高まります。重量は増えますが剛性が高まります。前輪はそのままで次回はスポークを太くした後輪でテストする予定です。

 

ホイールは軽さだけではだめということがよくわかりました。いや、本当にホールは難しいです。軽さは正義と名を打ったタイトルがサイスポの今月号ですが簡単に答えが出る話ではないといいたいです。

便利なオイラー

ホイール作りにはオイルが欠かせません。

ニップルとリムが接するところにオイルをさし、ニップルの回転をよくします。

スポークテンションを上げていきますとオイルなしではうまくニップルが回転しません。こんな時にオイルを一滴さしていると回転が良くなりニップルを痛めることもありません。この理由でオイルはとても必要な道具の一つです。

百均のオイルと注射器型スポイト

オイル差しにホーザンの精密オイル差しを使っていたのですが最近はこれです。

百均の化粧品の小分け用注射器型スポイトです。オイルも百均の万能オイルです。リンシード・オイルとこの万能オイルを使い分けています。オイル差しにこの注射器型スポイトは使いやすいです。

 

この注射器型スポイトはほかの用途にも活躍しています。チューブレスタイヤのシーラント入れに最適です。このスポイトは3ccしか入りません。しかしこの少ない量しか入らないのが逆に扱いやすく液漏れを起こさずに容易に入れることができます。10回ほど繰り返せばいいだけです。

おススメします。

リムテープの軽量化

ホイールで重量の軽量化に使える順番として考えられるのはホイールの外側からまずタイヤ、チューブ、リムテープ、リム、ニップル、スポーク最後にハブの順で考えればいいと思います。

私が今使っているテープはチューブレスレディのリムに使えるリムテープをクリンチャーにも使っています。

グラム数を測ってみます。

18㎜チューブレス用 8g
シマノ18mmリムテープ 18g
18mmリムテープ 20g

18mm幅のテープですがそれぞれグラム数が違います。やはり軽いほうがいいと思いますがお好みです。一つアイデアですがチューブレス用のテープはクリンチャーにも使えます。私は2周巻いて使っています。シマノのリムテープより約10g軽くできます。ニップルをブラスからアルミに替えると約20g軽量化できます。テープとニップルで約30gの軽量化です。

ポンプの調子が悪い

10年ぐらい使っているヒラメのポンプヘッドが調子悪くなりました。

うまく空気が入りません。空気が漏れています。

 

ヘッドを分解してみると中に入っているパッキンが薄くなっています。これが原因で空気がうまく入らなかったのです。

パッキンを購入するのにわざわざ電車に乗って買いに行くのも面倒でアマゾンで調べると売っていました。162円です。送料が360円。高い送料ですが要るものですから仕方ありません。買いに行ってもこれ以上掛かります。

右が新品

右側のパッキンが新しいものです。左がすり減った古い分です。だいぶん薄くなっています。取り換えは簡単です。また調子よく使えるようになりました。このポンプヘッドは使いやすい。おすすめです。私のポンプは2代目です。ポンプヘッドも古いポンプのヒラメをはずして付け替えました。今回はパッキンの取り換えでまた使えるようになりました。これを使っている自転車屋さんが多いのがよくわかります。

なるほどと集めたヒント

  • エアロヘルメットを使えば5ワット セーブ。エアロヘルメットはちょっと高いですが効果は大きいようです。

 

  • チェーンをきれいに洗って適切にオイルすれば5ワット セーブ。きれいにするだけで5Wは大きいです。

 

  • サピムLaserとサピムCX-RAYを同じスペックのリム、ハブ、タイヤで作られたホイールで風洞実験をして違いは1ワットCX-RAYが上という結果です。価格が3倍違うのに1ワットでは少ないのと違うのと思われるが1秒を争うレースでは1ワットは大切です。私はレースに出ないので価格が1/3 のLaserを取ります…。

 

  • タイヤ比較サイトwww.bicyclerollingresistance.comを参照してコンチネンタル コンペティションで15ワット セーブ。やはりタイヤは大切です。いいタイヤに替えてすぐにそれに慣れてしまうのは仕方ないですね。また違うのが欲しくなります。

 

  • 転がり抵抗の少ないラテックスチューブを使って6ワット セーブ。これも安価で効果ありです。私はレースに出ないのでブチルですが、いいチューブは安くて効果大です。

 

  • ハンドルで安価なハンドルは丸パイプのアルミハンドルですがこれを高価なエアロハンドルに取り換えて10ワット セーブ。これはその時は高いがずっと使えそうです。ハンドルは相性があっていろいろピッタリに出会うのに何本も買う必要アリです。

 

このように安価なロードバイクに乗っている私でもこういったあまりお金のかからない方法で性能アップすれば年齢をカバーできるかもしれません。

 

練習の汗で体重減らすのが一番ワットを稼ぎますが。

 

CX-RAYの効果があまりにも少ないのにはびっくりしていますが、製品の耐久度が違うのでエアロ効果だけを議論するにはちょっと違うのではと思います。しかし心理的な効果は大です。

ロードバイクの価格差がスピードに影響?

私のロードバイクは2台あります。

1つはアルミ、TNIの3万円アルミフレームにアルテグラのチェーンセットです。このバイクにはパイオニアのパワーメーターを取り付けています。

もう一つはフレームビルダー橋口さんのクロモリフレーム エクタープロトンにアルテグラのチェーンセットを積んでいます。ホイールは私が組んだホイールです。メーターはガーミンの古いメーターをつけています。

マヴィックのカーボンやジップのカーボンなどたくさん乗ってきましたが今は全部私の組んだホイールです。どんどん考え方が変わってきました。自分で組んだホイールで十分と今は思っています。

時々一緒に走る人のフレームは45万円のカーボンで、バイク価格は90万円だそうです。しかし最初からついていたホイールは床の間に飾っているとのこと、今はシマノの名品!RS21です。よく回るのでこれで十分と言っておられます。

45万のフレームと3万のフレームオーナーが一緒に走っています。手組ホイールとRS21です。とても楽しいライドです。私のフレームにはパワーメーターがついていますが。バイク自体はは10万から12万円のバイクです。

40km以下の走りではロードバイクの値段差はどうもあるのかないのかわからないくらいなのかもしれません。価格差がスピードに正直に表れるのでしたらわかりやすいのですがどうもそうでもありません。私は低価格で楽しんでいます。

ホイールお買い上げの人とホイール談義

ヤフオクでお買い上げの方が直接引き取りに来られました。

せっかくですのでお茶でもいかがとなりましてコーヒー飲みながらホイール談義をいたしました。

 

シクロクロスをされている方です。関西シクロの一番上のクラスで頑張っておられます。

私のホイールのインプレッションを報告いただけます。楽しみです。

別の方で愛知県の方のインプレッションを紹介します。この方は通算4セットもお買い上げいただいた超ハイアマチュアの人でご自分でもホイール作りをされています。自転車のいろんなことにとても造詣の深い方です。たくさん教えていただきました。

このホイールのインプレッションです。

内容は

前輪

リム  キンリン  XR31T  20h

ハブ  ノバテック 20h

スポーク サピム CX-RAY  黒 ラジアル組

ニップル  アルミ

重量  680前後

 

後輪

リム  キンリン  XR-31RT   3mm オフセット  24h

ハブ  ノバテック  24h シマノ10/11速兼用

スポーク  サピム CX-RAY 黒 左右2クロス組

ニップル  アルミ

重量   870前後

『こんばんは、500キロ程走行しました。
今回のホイールは良い出来ばえですね。
平坦はカーボンディープリム50ミリと遜色無く60キロ以上出ますしエアロ効果も実感出来ます。
横からの風の影響も受けませんし、此からの季節は良いです。
斜度の緩やかな所はインナーで気持ち良い反応です。
斜度の勾配が7%を越えると若干リムの重量を体感しますコンチネンタル25CのGP4000S2+コンチネンタルブチルチューブです。(クリンチャーIRCアスピーテドライ24C+軽量チューブにした場合は改善しました)

総じてバランスの良いオールラウンダーと感じました。』

うれしいメールでした。こういう方からアドバイスいただくととても参考になります。当方としましては年齢的にも40kmで走ることができないので走れる方から感想、提案をいただくとありがたいです。ちょっと宣伝させて頂きました。

アレックスリム製ホイールについて

アレックスリムのALX473evoホイールです。あるブログの記事からの疑問です。

 

ブログでは前モデルからの変更点としてワイドフランジとフランジ大形化による横剛性アップを伝えています。

 

この製品のことを少し調べてみました。軽量ワイドリムを使った2:1組のホイールです。価格的にはゾンダ、レー3より安価で高性能を謳った製品と思います。またチューブレスレディーといいとこ取りの製品のようです。

 

前モデルの使用ハブはノバテックのハブを使用と書かれています。汎用ハブのためサイズデータは発表されています。

 

前モデル

フロントA291SB-SL

サイズ PCD左30/右30mm  CTF 34.35/34.35mm

リア  F482SB-SL-11 サイズ PCD41/49  CTF 38/17.5mm

です。

 

新モデル

フロント

サイズ PCD左37/右37mm  CTF  34.35/34.35mm

リア

サイズ PCD43/54  CTF 44/17.5mm

 

太字が変更された部分です。

 

ブログの説明に疑問を感じたのでテンション比率などを計算してみました。

リムサイズがわからないので仮に24㎜ワイド31mm高リムのXR31Tとします。ERD580㎜のリムです。

いろんな計算ソフトがありますが基本はみな同じ関数を使っています。私はエクセルを使ったSpocalcを用いて計算しました。

 

フロントハブを計算します。

ハブフランジが7mm増えた結果スポークのリムからハブに行くスポークの角度、bracin gangleツッパリ角度は7.0度から7.1度広がっています。0.1度角度が広がりました。

旧製品フロントがこれです。

新製品を計算しました。

この0.1度を大きく変わったと採るかは人によると思いますが私は大して変わらないほうを取ります。0.1度スポークの角度が広がったからブログで言うほど大きく安定度が増したとは言えないと思います。

 

このように後輪も計算します。左フランジが2mm、右フランジが5mm変わり、左CTFが6mm変わったとブログでは書いています。

表で示すのは割愛しますが

 

旧製品では

テンション比率88:100と左がとても高い数字を示し、左bracin gangleツッパリ角度は8度です。

新製品ではテンション比率76:100で決して左が低い数値とは言えませんが新しいホイールのほうが左テンションは緩くなっています。スポークの左bracin gangleツッパリ角度が8度から9.3度に高くなっていますので横剛性が増しているのかもしれませんが左スポークテンションは88から76と落ちています。

 

あくまでも計算値ですので乗ってもいないのであれこれというのはいけないと批判されるかもしれません。

ブレイシングアングルは上げているが左テンションは大きく下がっています。これで剛性力がアップしているのか?

 

ブログではアレックスリムのホイールを大きく変わりましたよと打ち出しています。

私は計算したらそんなに変わっていませんよと言いたいのです。

 

決して私はこのホイールは良くないと言っているのではありません。

 

2:1組で作られた左テンションの高いホイールであり、とても軽量です。おまけにワイドリムでクリンチャー、チューブレスと両方に使えるいいホイールと思います。価格もとてもこなれています。

 

しかしながらハブサイズが数ミリ変わるとこんなに性能がアップするのですよと書いている人がいるので本当にそうかなと思っています。

私はアレックスのホイールに乗ってもいないのにあれこれ書くのはどうかと思うのですが手組ホイールを作っているものとして疑問に感じたことを述べました。

パークツールテンションメーターは正確か?

注意しないといけないことがあります。パークツールのテンションメーターは正確かどうかはわからないということです。120kgf出ているので十分張っていると思っていても実際は90kgfのメーターがあるということです。

パークツールのテンションメーターはテンションを測れるがその数値は正確かどうかです。

日本のパークツール代理店はHOZANです。こちらに問い合わせたことがあります。私のテンションメーターを校正してほしいと依頼しましたら校正はやっていませんとのことでした。

おまけにこの方はパークのテンションメーターは新品ホイールを買った時のテンションを調べておくぐらいのこととして使ってくださいと言われました。正確でないと言っているようなものです。

扱っている会社の人が言うのですから間違いありません。

 

ヤフオクで出品さる方のベテランビルダーさんのホイールが緩いスポークテンションで出品されていたことがあります。

なぜこのことが分かったかというと私は校正装置をすでに手に入れましたのでこの方のテンションメーターを校正させていただいたことがあるのです。

 

私のほうにテンションメーターを送っていただき100kgf、120kgfと張ったスポークをテンションメーターで計測するという方法で測りなおしましたところ20%ほど違っていました。

ご本人はずっとご自分の使っているテンションメーターが正確と思ってホイールを作ってこられたわけですが実際には20%も緩いテンションのホイールだったということです。

今は校正されたテンションメーターで作られていますのでしっかりと張られたスポークです。いいホイールをヤフオクに出品されています。

 

スポークテンションをぐっと握ってこれでよしといってもその数値が100kgfだとはなかなかいえるものではありません。

 

ではどうすればいいのでしょうか?

 

新しいホイールを持っている場合このホイールのスポークテンションに合わせるという方法があります。持っているホイールのテンションに近づける方法です。これですと調子のよいホイールに合わせていく方法ですので正確に100kgf、120kgfと知ることなくいいホイールができると思います。

あくまでパークツールのテンション換算表は参考程度にするということです。換算表は信頼できないということであきらめが必要です。

 

スポークを100㎏、120㎏で引っ張れる環境を作る。スポークをある場所に固定して下に重りをつけて引っ張る方法です。高いところにスポークを取り付け下から重りをつけてひっぱります。このような方法です。いろいろ考えられます。

 

パークツールのテンションメーターは正確かどうかわからないと理解しておかないといけません。手組ホイールを売りにしているショップが校正されてないパークのテンションメーターだけで作っているのでしたら要注意です。聞いてみるのがいいかもしれません。