ニップルのオイル漬け

ニップルを百均の万能オイルにつけて保管しています。ニップルをスプーンで必要な数を取り出して新聞紙などの紙に余分な油分をとって使っています。

ニップルのオイル漬け、これはなかなかの効用があります。

 

  • ニップルを油分でコーティングすることによりニップルの腐食を防ぎます。
  • 十分にオイルがいきわたっていますのでニップルを回しやすくすることができます。
  • 油分のないニップルはスポークに固着し回せなくなります。これを防ぐにはオイルが必要です。

 

今まではニップルに後からオイルをさしていたのですが事前に十分オイルでコーティングしたニップルを使うことでニップルがとても回しやすくできます。テンションを上げるときにとても効果的です。

 

完組はニップルにオイルを注すようなことはしていません。オイルを注すことはとても有効なホイール作りになるのですがオイルを使うことでリムが汚れたりするなど余計な手間が発生します。この手間を省くことで効率よくホイール作りが行われています。

 

しかし手組の場合手間を惜しまずホイール作りを行うことができます。時には余分なオイルがリムについてべとついたりしますがニップル、スポーク、リムが接するところにはオイルは欠かせません。こういう理由でオイルコーティングを施したニップルはとても有効な方法です。

レビューいただきました

先日お買い上げいただきましたホイールです。

ご丁寧なレビューをいただきました。ご紹介いたします。

 

お買い上げホイールの詳細です。

前輪

リム  DT460 32h

ハブ  シマノ HB-RS400 32h

スポーク  コンペティション2.0/1.8/2.0mm 3クロス組

ニップル   ブラス

リムテープ付き

重量  875g

後輪

リム  DT460 32h

ハブ  シマノ FH-RS400 32h

スポーク  左右スターブライト2.0/1.8/2.0mm    3クロス

リムテープ付き

重量 1098g

前後合計1973g

以下ホイールの詳細です。

  • 前後合わせて1973gと重いホイールです。この重さはシマノハブ520gが影響しています。中心部の重さですので外周部は軽くよく回ります。
  • DT RR460リムは剛性が高くチューブレスレディーのリムです。チューブレスで乗られることをお勧めします。
  • シマノのハブは重いのですが定期的にメンテナンスさえすれば20年以上は使用できる優秀なハブです。メンテが楽なのもカップアンドコーンの良さといえます。何事も一長一短です。
  • オーソドックスな32本3クロス組のホイールはトラブルに強いホイールです。輪行でのロングライドには欠かせない安心安全のホイールです。落車でスポークが1本折れても無事に帰れます。
  • レースに出るホイールではありませんが剛性がありますので登りに強いホイールです。
  • 多スポークホイールの特徴は疲れにくい安心安全、乗り心地の柔らかいホイールです。

 

お買い上げいただいた方の感想を聞かせていただきました。

以下ご感想です。

 

感想お伝えしたいと思います。
タイヤが届きまして、早速つけました。タイヤはIRCのFORMULA PRO TUBELESS Lightを選びました。初チューブレスタイヤにしては、クリチャータイヤより簡単に着きました、タイヤレバーなし、手も痛まず簡単にハマりました。ビート上げも普通の空気入れで1回で上がりました、逆に簡単すぎて不安でした。
後輪はバキバキ音出ていましたが前輪は静かでした。指摘通り最初はシーラントなしでやって見まして、湯船でエアー漏れ確認しましたが、リムの繋ぎ目から前後タイヤから少々漏れていました。ニップル、バルブ周りが全く漏れていませんでした。
リムの繋ぎ目は仕方ないと思っています。
シーラント入れまして、再度確認しましたが、漏れが全くありませんでした、リムの繋ぎ目漏れも直りました。
走行の方は、一言で言うと大満足です、スピード乗ってからの推進力は前のホイールに比べ物になりませんでした。おなじみのコース走って来ましたがギヤー2枚重くしてもスイスイ進んでくれました。
いつもの登り坂も、1枚重くしても楽に登れました。風が強い地域に住んでいまして、横風の受けは少し強い気がしました、荒れた道は、いつもケツ浮かして通過していたところは、座ったまんまでも衝撃のほとんどがタイヤとホイールが吸収し、前乗っていた25cタイヤと全く違う乗り味でした。
感想をお伝えしたかったので、長々とすみません。
とても良いホイールありがとうございました。

 

ありがたいレビューです。

私はいつもシーラントを入れていますが最初シーラントなしでは空気漏れがありました。リムの個体差で空気が漏れたようですがシーラントを入れれば解決とのことです。

 

ハブが重くて総重量は重いホイールですが外周部は軽いのです。

多スポークのホイールは鉄下駄とかいう人もいますが実際はそんなことはありません。疲れにくく乗り心地の良いホイールと気に入っていただくことができました。

ベアリングの交換

近所の自転車屋さんのところでまた話をしました。

一見ママチャリ専門のように見えますがお話していますとびっくりの実力者です。

いろいろ教えていただいています。

 

この前ベアリングの交換についての意見を伺いました。

この方の意見では

シールドベアリングのハブは使っていると悪くなる一方でよくなることはありません。ベアリングを替えても新品の状態以上にはなりません。

 

それなら私はカップアンドコーンのハブ(シマノ)を使います。私にとってカップアンドコーンは最初の状態が最悪の状態であり、グリスアップ、ねじの締め付け状態を調整して最良の状態にもっていくことができます。ベアリングも取り換えができます。定期的に適切に手入れをすれば20年以上でも使えます。今よりもっといい状態に持っていくことが容易にできるハブですので私は使いますとのことでした。

 

ひとつの参考になる意見です。

 

私はベアリングの交換で新品の状態に戻すことができることは便利なことと思います。ベアリング交換は慣れればそんなにハードルは高くありません。ただ特殊な道具がいることは確かです。これがハードルを高くしています。

スライドハンマー
圧入用ドリフト

シールドベアリング使用のハブは新品以上にならないと意見をいただきましたがベアリングのグリスを交換する、ベアリングシールを接触型、非接触型、シールなし、いろいろ試すことがありますので新品以上にできそうな思いもあります。

ベアリングはそんなに高いものではありませんのでいろいろ試してみるのもいいと思います。

ホイールは奥が深いです。

ベアリングのインストール

ベアリングを引き抜き次に新しいベアリングをインストールします。

ホームセンターで購入しました道具です。

ねじ棒、外形20mmのステンレス丸ワッシャー2枚、ナット2個、モンキーレンチ2個です。モンキーレンチでなくナットを回せるレンチ・スパナとか回せるものなら何でもいいです。ワッシャーはベアリングの品番を調べて同じ外径のワッシャーを用意します。

 

道具はどこで手に入れたらいいのかとか、高価な道具と考えがちですが要は圧入すればいいことです。ねじの力を利用して押し込んでいけばいいだけです。ホームセンターに行けばこれ使えるのではないかとアイデアが浮かんできます。

 

写真のように両側にベアリングを通しベアリングの外側より同じ外径のワッシャーで押していくというやり方です。

 

ワッシャーの代わりに引き抜いた古いベアリングを使えばいいのでよと工具店の人に教えていただきました。なるほどのこれは簡単です。

 

新しく入れるベアリングと同径のもので押していけばいいです。

ベアリング交換は難しいと思われている人は高い道具がいるという先入観でハードルが高くなっているのではないでしょうか。意外と簡単なものです。

 

注意事項としてグリスをハブ側とベアリング側に塗ることは大切です。

 

シールドベアリングにもいろいろあります。

非接触型、接触型などあります。いろいろ研究すると楽しいものです。

前輪ベアリングを外す

ノバテック前輪ハブベアリングの交換です。

このノバテックの場合ベアリングは#699ですのでベアリングの穴は9mmです。8mmの金具とスライドハンマーを使います。

取り外す金具の名前はハブプーラーというようです。自動車工具を扱っている工具屋さんで私は求めました。ベアリングに取り付ける金具はバラで売っていますので必要な金具だけを買っています。

ベアリングを外す金具とスライドハンマーといえばいいです。私はハブの現物を見せて相談しました。よく知っている人に教わると答えが早く見つかります。

 

金具をベアリングに取り付けてレンチで硬くしめつけます。後はスライドハンマーでコーンコーンコーンと3回ほどたたくと簡単に引き抜くことができます。あっけなく外れます。こんなに簡単なのかとびっくりします。

ハードルが高い作業のように見えますが道具さえそろえば簡単です。

ホールのご注文

ハイアマチュアの方よりホイールをご注文いただきました。

私の作ったホイールに関しての適格な感想をしていただく方です。FTP300Wのパワーをお持ちの方ですので微妙な感覚がお分かりになるのでしょう。私にはこの方ほどの力がないのでとてもありがたいご意見です。

 

さてご注文の内容はリム、スポークの材料は私のところに送っていただき私が組み立てるやり方です。

 

リムは後輪オフセットリムです。重要は460gほどで軽すぎず重すぎずのリムです。

前後ともに28h

 

前輪 スポーク コンペティション 2.0/1.8/2.0mm 3クロス

ハブ TNIエヴォリューション・ライト 28h

重量 708g

後輪 スポーク   右 チャンピオン 2.0mm 3クロス

左 CX-RAY  3クロス

ハブ  ノヴァテック F482 SB-11 28h

重量 909g

シクロ選手のご希望はご自身のパワーに耐えるホイールです。このためあえて太いスポークを選択しています。軽さではなく剛性です。もちろん軽さは優先しますが漕ぐ力に耐えうる剛性が必要です。ホイールスポークの引っ張り剛性はスポークの太さに比例します。このため後輪右スポークは2.0mmの太さを選択です。スポークの太さを前輪、後輪の場所に応じて変え、軽さと強さが両立するようにしています。すべてこの選手のアイデアです。

前後 1617g

私の出番は正確に狂いの出ないように作り組むことです。しっかりとストレスリリーブを行いました。リムの剛性が高いのか縦、横±0.1㎜で納めることができました。

試走された結果をうかがうのが楽しみです。

電話いただきました

XR31T/RT20/24hのホイールセットをお求めいただいた方がリピートでお買い上げいただきました。本日届いたと連絡いただきました。

xr31t/rt 20/24h 最初のお買い上げ品
xr31t/rt 18/24h 今回のお買い上げ品

35年前は選手で自転車競技に出ていたと話されていました。またロードバイクに乗ることになりいいホイールを探していましたとのことです。ホイールも組める方です。上級者に褒めていただくとうれしいです。

 

最初のホイールはヤフオクでの私のホイールに目が留まりお買い上げいただきました。予備のバイクが手にはいりホイールを考えていたところまた縁があり再度お買い上げいただきました。

 

上級の実力ある方にお買い上げいただけることはとてもうれしいことです。

宣伝めいたブログになりましたがとてもうれしくなりましてお礼方々このブログアップしました。上級者に認めていただくことが励みになります。ありがたいことです。

スポークの選択

ホイールに関してのブログを読んだり、メーカーの説明文を読んで感じることですがサピムCX-RAY が最高のように書かれています。

サピムのホームページ(https://www.sapim.be/)からの引用ですが

CX-RAYのテクニカル・スペックは

Weight: (64 pcs x 260 mm ) 272 g
Quality: AISI 302
Strength on middle section: 1600 N/mm2

なるほど強度も最高値です。空力もいいです。

 

アメリカのノベンバーサイクルズ(https://novemberbicycles.com/)というホイールビルダーのブログが面白く参考になることが多いのでよく目を通すのですがこのビルダーさんが風洞実験をしました。サピムCX-RAY とLaserの違いをホイールで実験した結果が掲載されていました。

Laserのテクニカル・スペックは以下の通りです。

Diameter: 2.0 – 1.5 – 2.0
Length: 145-310 mm
Weight: 283 g (64pcs x 260 mm)
Strength on middle section: 1500 N/mm2

 

ノベンバーサイクルズの風洞実験の結果は1Wの違いでした。風洞実験ではCX-RAY が1W分優れていたと発表しています。あくまで風洞実験の違いです。

Laserは数グラムCX-RAY より重くて強度的にも少し劣っています。しかし価格は1/3の値段です。この違いは大きいです。

私は長い間CX-RAY が一番と思っていました。実際スペックを見ますと一番です。価格も一番高いといえます。

ではノベンバーサイクルズはそんなに違わないからLaserでいいのではないですかといって販売はしていません。CX-RAY を勧めています。販売ホイールのカタログにはCX-RAY を中心に販売しています。

しかしLaserも悪くないですよ、という姿勢も出しているので信頼できるビルダーだなと感心しています。

 

私もこれを見習って奥様のホイールを注文いただいたときに1Wの違いを説明したことがあります。ご主人はそれでしたらLaserにしておきますと変更されました。

CX-RAY は販売しているほうとしましたら一つのウリになります。実際優れているので嘘ではありません。

ただ何がなんでもCX-RAY ではなく乗り手の実力、乗る場面などに応じてスポークを選択すればいいと思っています。

後輪ホイールの改良

『手組ホイールの評価』の続きです。

前にシクロAクラスの選手に評価いただいたホイールの改良を提案いただきました。

前輪はそのままで後輪のみの変更です。

テストライディングではとても満足のいく結果となりました。下り坂でも、緩い登り坂、きつい登り坂の3か所計測でも前回の結果を上回るようになりました。タイムはストップウォッチではなくパワーメーターからのデータを読み取った時間です。手動でのタイム計測ではありません。

以下結果報告です。

有名手組 XR31t/rt
下り坂-3% 4.59 4.34
緩い登り+3% 6.56 6.39
きつい登り+7% 6.37 6.31
単位:分.秒


ニップル アルミ

スポーク 左右 サピムCX-RAY  左右ともに2クロス組

ハブ ノバテックス 28h

キンリン XR31RT 28h

元のホイールの
変更部分はスポークの変更です。

 

変更部分

スポーク 左 サピムRACE 2.0/1.8/2.0㎜  2クロス組

右 DTチャンピオン 2.0mm   2クロス組

 

組み方も同じでスポークの太さを変えることにしました。

これはスポークの総面積が増えたことを意味します。このことによりホイールの剛性が高まりました。ホイールの剛性はスポークの総面積に比例します。

扁平のCX-RAY から太いスポークに替えたことによりホイールの剛性が大きくアップしたわけです。

 

評価していただいた選手曰く後ろから押してくれる感覚があると言ってくれました。踏み込めば答えてくれるホイールですと評価いただきました。

 

ホイールは乗る人との相性で決まります。パワーのある人がぐいぐいと漕いでいく乗り方もあれば、そこまでのパワーがなく、くるくる回して乗る人がいます。

今回の改良ではパワーのある人に合ったホイールに仕上がりました。

 

今回の改良では重量が増えたので漕ぎ出しが若干重くなった感じがするが回りだすと後ろから押してくれる感覚でタイムがよくなっています。

このテストで重量が増えたたから性能が悪くなったということでしたら非常にがっかりしたと思います。しかしそうではなかったのです。

 

最初のテストではCX-RAY を使っていて平地や下り坂ではとてもいいタイムを出しているのに登りではタイムが出ない。このことから推測して剛性不足の結論に至りました。このことからホイールの剛性を引き出すにはどうすればよいのか。これにはスポークを太くすればよいのではないかと推論し、スポークを太くして再度テストライディングとなりました。結果は予定通りの良好な結果となりました。とても満足しています。

 

  • 軽さだけを追求したために剛性が不足するなら、少し重くなっても剛性のあるほうが登りに強いです。
  • スポークもCX-RAY が最高と考えがちですが用途によって違います。

 

アドバイスいただいたシクロ選手はもともと理科系のご出身でして、論理的な推論で今回の改良を提案いただきました。ありがたいことです。

ユーラスと後輪ホイール比較

後輪ホイールの仕様

リム キンリンXR31 RT オフセットリム  (左スポークテンションが高い)

ハブ シマノ ティアグラFH-RS400 28h (重いがよく回る)

スポーク DTコンペティション2.0/1.8/2.0mm 28本

ニップル アルミ

重量 リムテープ込み 1076g

 

ユーラスの後輪リムハイトは30mm、スポーク数21本、重量864g

 

前にも比較をお願いしましたシクロのAクラスの選手の方に評価をお願いしまして結果を教えていただきました。

私も年齢の割には走ることができますがやはりパワーが足りません。力のある選手に評価していただくことは正しくホイールに反映することができます。気分だけとか見た目だけの品物を作る間違いをしなくなりとても得るものが多いです。

 

今回はユーラスと比較しました。カンパのユーラスは軽量で、実力のクラス的には

ゾンダ<ユーラス<レーゼロ

の順と言われています。

数値的な表現は控えますが今回のホイールはほぼユーラスと同じくらいの登る力です。約7%の上り坂を270Wの一定の力を保ちながら登ったタイムを計るという方法です。登り方はダンシングをしないでシッティングで登る方法です。 一定に270wで登り続けることが私の力ではできないので本当にありがたいです。

計測した結果はほぼ同じタイムでした。下り、平地ではXR31のホイールがダントツにエアロ効果で力を発揮するのでXR31がユーラスに勝つのは以前から知っていましたが登りにいささか不安がありました。

 

心配はハブ重量です。ユーラスに比べるとハブの重さが100g以上重いので、重量が大きく影響するのではないかと思っていました。果たしてそれは杞憂に終わりました。

 

若干漕ぎ出しの際重さを感じるが気になるほどではないとのこと。走ればエアロ効果もあり巡行の際良好な感覚を得ることができ、登りも重量があるにもかかわらずしっかりパワーを伝えることができると評価いただきました。

 

後輪の剛性不足をスポークの総面積を増やすことで対応する、少し重くなるが重量が増えるマイナスよりも剛性のプラス面が勝っているということがよくわかりました。

ハブの重量はホイールの総重量が増えることになるので漕ぎ出しには少し影響するが、外周部は軽いので基本的な回転に関しては大きく関わってこないことが分かりました。

手組も負けていないことが言えます。

 

サイスポの4月号のタイトルは『軽さは正義』ですが単純に軽量化だけを考えるのは早計ということがよくわかりました。剛性が伴っての軽量化です。

単純に登りの比較をしただけで、この通りですと結果を出すことは慎まないといけませんがホイール作りの参考になることは間違いありません。