ゾンダホイールの再調整

お客様からのご紹介でまたご縁が広がりました。

Y様からの紹介であたらしいお客様より今乗っておられるゾンダを再調整してほしいと送ってこられました。ゾンダのスポークテンションを調整します。

前輪684g

後輪916g

先ずスポーク状態を調べてみることにしました。グラフにしますとわかりやすいです。現状を知るということはとても大切です。

左右のテンションが違いますのでセンターは少しずれています  左右共に均等に張られていますので優秀です
右ドライブ側のバラつき度が約12%ほどあります 左は6.5%です  完組では普通でいいほうです

前輪、後輪ともに少しさわれば良いという程度で、とてもよく回る良いホイールでした。いつも思うのですがゾンダはよくできています。

以下ホイールの現状と作業状況です。

前輪  左右の振れを見ながらスポークテンションを揃えます

前輪

若干左右のスポークテンションの平均値が少し違っていますのでセンターが少しずれています。全体のスポークは均等に張られていますのでばらつきは少なくグラフはきれいな形をしています。左右のスポークテンションの平均値を揃えることでほぼセンターがでます。

後輪  右ドライブ側を揃える  左は振れとのバランスで頃合いの良い点を見つけます

後輪

スポークはドライブ側のテンションバラつき度は11%ほどあります。しかしこのくらいのバラつきは完組では一般的な数値です。完組ホイールはまず見た目を重視しますので振れがないように組まれています。売り物ホイールでは振れが大敵です。ホイールにとってスポークテンションを均一にするのがとても大切なことですがこれは次のこととして扱われるようです。つまりスポークテンションを均一にするまで調整すると時間が掛かります。作業効率は下がりますのである程度で打ち切るということです。

スポークテンションのバラつき度を5%以下になるように調整しました。バラつき度の数値は少ないほどいい状態ということです。今までに出会ったDuraホイールのバラつき度は5%くらいでしたので作業の目標としましてはDura以上を目標としています。今回のホイールはとても程度がいいのであまりさわるところはありませんがテンションメーターを使って確認取りながら作業を進めました。

以下、このホイールの細部を見ての感想です。

●スポーク数は前輪が16本、後輪が21本です。少スポークホイールの典型で、やはり70kgまでのライダーでないとホイールのパフォーマンスを得ることは難しいと思います。自転車屋さんは体重まで聞いてくれるところは少ないと思いますが体重制限アリと理解したほうが良いと思います。体重のある人には向かないホイールです。

●リムは穴ナシ構造にしています。組み立てでは時間が掛かりますがリム全体を強化するということでは成功しているよく考えられたリムです。

●リムは余分なところは削り取り軽量化を図っていますがスポークニップル穴の周りはアルミリムの厚みがあり強化されています。

●スポークはストレイトプルスポークですが後輪右と左は太さが違います。前輪スポークと後輪左スポークが同じです。後輪右側は少し太くなっています。

●ドライブ側のクロス部分には綾が取られていません。最近は綾を取らないホイールがふえています。

●リムは穴ナシリムです。スポーク替えなどの組み替え修理は一般的には難しいです。

●ニップルはがっちりとロックタイトのような固着剤を使われて固めてありますのでニップルは回しにくいです。

さて、調整が終わりました。この度の作業だけではほとんど大きな変化はないと思いますが、ホイールの現状を知ることが出来ました。このことが重要と思います。まめなグリスアップ、タイヤの選択、適切な空気圧の調整、流行言葉でいいますとマージナルゲインを積み重ねることで良い成果が出ると思います。お客様のご感想が楽しみです。

カンパのことはカンパに聞く

ゾンダのハブを分解して新しいカーボンリムを用意してチューブレスホイールを作りました。前々回の記事にしています。

ゾンダのハブはシマノと同じカップアンドコーンのハブですが少し造りは違います。ハブを分解するのは簡単ですがシマノハブと比べますと細かいところが違います。取り扱いの経験数から言いますとシマノハブがほとんどでカンパはたまに扱うという感じです。

カンパニョーロ ホームページより

やはり慣れていないハブを扱うときは注意が必要です。こんな時はメーカーが出しているホームページからサポートのページを探して再確認しています。

カンパのことはカンパに聞く、これが一番早道で間違いがありません。いつもはシマノのホームページを参考にしていますが今回はカンパのホームページにあるサポートの欄をよく読んで復習してからハブを分解しました。

カンパニョーロホームページより  的確で分かりやすい

シマノのサポートページもよくできていますが、カンパもわかりやすいです。順序通りにやれば出来るようになっています。大きなメーカーの部品はサポートがしっかりしていますので安心です。

ゾンダホイール、スポーク替えのお勧め

カンパニョーロのアルミホイール、ゾンダは皆さんがいいホイールだと認めています。自転車屋さんではゾンダかレー3を買っておけば間違いありませんと勧めてくれます。いわばアルミホイールの指針的ホイールです。

しかしゾンダに長く乗っていますといくら名ホイールでも不満が目立ってきます。

先ず考えられるのは剛性不足です。ゾンダは前輪16本、後輪は2:1組の21本でスポークが構成されています。空力とホイール重量を意識されているのでしょう、スポーク数が少ない設計です。

ホイールの剛性はスポークの総面積に比例しますので体重が75kg以上の脚力ある方には少し剛性が足りないとホイールです。いくら自転車さんが勧めてくれるブランドホイールでも剛性が足りなければ不満が出ます。

上 ゾンダより取り出したスポーク 下 DT コンペティション
前輪16本で83gでした

ゾンダ前輪スポークを取り出して重量を量ってみると16本で83gでした。1本5.2gです。DTのコンペティションは16本で100gなので1本6.3gのスポークとなります。差異はほんの数グラム増となりますが太いスポークに取り換えますとホイールの剛性は格段に上がります。

先ずは後輪右ドライブ側のスポークを取り換えて剛性を上げますと走りは見違えって変わります。コーナーのハンドリングを安定させたいのなら前輪も太くされたら良いと思います。

最近ボントレガーの後輪ホイールのスポークを取り換えました。細いスポークを太いスポークに交換されたお客様がおられますので格段にホイール剛性が上がったことは実証済みです。

カーボンホイールに取り換えれば剛性は上がりますが出費も大きいです。今ゾンダに乗っておられる方で登りの時にシュータッチを経験されているパワーライダーの方には是非ともスポーク替えをお勧めします。剛性不足のホイールはシュータッチを起こしますので簡単にわかります。

ゾンダは穴ナシリムなのでスポーク替えは難しいですがひとつ挑戦するのも良いかと思います。手組ホイールファンではスポークの代金と工賃なので費用もそんなに掛かりません。ブログ記事を宣伝で終わるには恐縮しますが安価に性能アップするということでご理解ください。

ゾンダ15c前輪をカーボンホイールに変身

長い間使わずに置いてあったゾンダの前輪を使ってカーボンホイールに作り替えることにしました。すでに後輪ホイールはカーボンに作り替えています。これはすでに21年11月30日の記事にして発表していますので参考にしてください。

分解前のホイールです  662g
特別軽くはありませんが重くもないりむです  穴ナシリムなので剛性は高い

今回新しく作るカーボンリムはすでに作り替えてある後輪と同じ36mm高の穴ナシリムを使います。ゾンダの穴なしアルミリムの重量を量ってみますと445gでした。リム穴部分のリム高を測りますと26mmなのでスポークは単純に考えますと10mm短いスポークを用意すればいいです。勿論ハブを計測してスポーク長を出します。

使用スポークはCX-RAYより少し重いスポークです  16本で組むなら少し重めのスポークが必要です

スポークの重量を調べました。16本で83gです。1本約5gなのでサピムのCXRAYと比べますと少し重いスポークです。このスポークはサピムではcx-sprint、DTではエアロコンプが同等品といえます。やはり16本なのでCXRAYのような4gスポークでは剛性が不足すると考えられたようです。

今回はスポークを切って使う予定でしたがホイールから取り出したスポークには切れる余裕がなく新しいスポークを用意しました。

使用するスポークはDTのエアロコンプで取り出したスポークとはほぼ同じ重量です。新しく組み替えるにはストレイトプルスポークを使っていますのでハブを分解しなくてはスポークを通せません。

シマノハブは約150g ゾンダは120g 軽くはありませんが丈夫です
ゾンダはカップアンドコーンの造りです

分解してハブを見てみます。ゾンダのハブはとてもよくできています。カンパニョーロのホームページからテクニカルマニュアルを事前に確認しておくとわかりやすいです。

組み方はラジアル組なのでハブ穴に通せば終わりです。比較的簡単に組みあがりますが穴ナシリムなので仮組が終わるまでにはそれなりの時間はかかります。スポークの本数が少ないので振れ取りにはそれなりの慣れが必要と思います。

前輪663g

スポークテンションを均一にして組み上げました。馴染み出しを何度も行いますと後からフレが出ることも少なくなります。今回のハブはリユースハブですが逆に当たりがでた調子のよいハブに成長しています。

鍋料理の残り汁で作った雑炊は特別おいしいです。使い古したホイールも上手に使えば蘇ります。使い切りたいものです。

このサドルは使える

関西人はいいものを安く買った時は恥ずかしげもなくこれなんぼやってん、ということが多いし、周りの人はそれを面白がってくれますし、品のないことだとは言いません。いいものを安く買った時は皆さんとてもニコニコしていますし、友達はよかったね、どこでこうたん?といっています。関西ではそれが普通の光景です。

安価ですが使えます

サドルが傷んだので新しいのを探していましたら通販でこれを見つけました。千円とちょい(関西ではこの言い方でとおる)でこのサドルを購入しました。

長年使ったのでべとついてきました

今まで使っていましたサドルはこのサドルの10倍以上していました。見た目がシャープなデザインで30cmの長さがあるのが気に入っていました。ショップの人がサドルには相性がありましていろいろ試さないと良さが分かりませんが、これはいいサドルですよ、サドルはスピードに関係ないのですが大切ですよ、というアドバイスでした。

この助言でブランドサドルを購入したのですが今回のサドルを買ってみてとても複雑な気持ちです。

千円ちょいの値段に驚きます

安価なサドルですが価格10倍以上のサドルと比べても遜色なく使えます。100gほど重くなるのですがレースに出るわけでもないので1gでも部材を軽くしたいとは思いません。

ブランド品は確かに品質基準がしっかりしていますので安心なのは確かです。しかしブランドというフィルターを取り払うと安価なものでも十分使えるものが沢山あります。いい年してちょっと遅いのですが今頃になってわかりました。関西人だけでなく安くていいものはうれしいものです。

31mm高24mm幅アルミリム使用チューブレスホイール作製

リピーターの方からご連絡いただきました。いつもお客様は部品を指定されます。勿論こうしたらどうですかと相談しながらホイールを作り上げていきます。

今回はリム、ハブを先に指定されています。

リム キンリン XR31T/RT 前輪20H後輪24H

ハブ ノバテックA291SB20H F482SB24H

スポークは前輪を細いスポークであればエアロスポークの2クロス、後輪左は細いスポークに右を2mmの太いスポークで剛性を上げるというプランでした。

一般には前輪20Hはラジアル組が多いのですが2クロスで組むのは珍しいです。シクロ選手がよく使うようですが横剛性が上がりクロス組の為乗り味が柔らかくなるといわれています。この辺りは長く乗り込んで比較できる知識がある方でないと分からないと思います。

後輪リムは3mmオフセットしていますのでこれでスポークテンション比率は大きく変わります。前輪と同じ形の通常リムを使った場合より左右スポークテンション比率は10%くらい違います。

左前輪用 右後輪用3mmオフセット

後輪左は細いスポークで3クロス組、右は太いスポークで2クロス組と指定されています。いわゆるヨンロクという組み方です。左のスポークテンションを高くするという方法のようです。計算上では左2クロス組より1%アップします。

このようなプランからスポークを前輪はサピムのCX―RAY、後輪左はピラーのトリプルバテッドスポークTB2015(2.2/1.5/2.0mm)、右はホイールスミスDH13(2.3/2.0mm)のシングルバテッドスポークを提案しました。

部品は連絡を取り合って決定していきます。この部品はいかがですか?というようなやり取りです。

前輪2クロス組
左3クロス組 右2クロス組

組み上げは出来るだけスポークテンションを揃えて、出来るだけ振れを取ります。出来上がりましたらストレスリリーブと呼んでいます、馴染みだしを何度も繰り返して完成です。

前輪705g 2クロス組 乗り味は柔らかくなります
後輪913g 左3クロス組 右2クロス組

同じようにアルミリムを使って前輪20H後輪24Hのホイールが販売されていますがやはりオーダーホイールは乗り手の体重、乗り方にあわせて作ります。

リム、ハブ、スポーク、ニップル、4つの部品の組み合わせですがとても奥が深いです。ホイール沼にはまり込むとなかなか抜け出せませんが、少しは試されても良いものです。

ゴローの登山靴をオーダーしました

登山靴メーカーの「ゴロー」の記事が朝日新聞3月27日の夕刊に大きく載っていました。

手がけた登山靴12万足以上、職人を志した大学3年の体験とこだわり

この表題に吸い込まれました。職人さんの写真も大きく出ていました。

山から帰ると洗います 乾かしています

実は、長年ゴローの靴をオーダーしたいと思っていましたので昨年8月に行ってきました。今愛用しています登山靴はゴローの靴です。山の仲間には東京まで新幹線に乗って誂えに行ってきたといいましたら驚かれました。

若い時から冒険家の故・植村直巳さんが履いておられたということでゴローの靴に憧れていました。ミーハーですがこれも山登りのモチベーションを高めるにはいいことと思っています。

今はモダンな登山靴が主流なので皮の登山靴は珍しいのですが履き心地は抜群です。

プロの人が採寸してくれます

オーダーするには足形を取ってから、主に使う場所はどんなところなのかとかいろいろ尋ねてくれました。何種類かの靴を提示していただき、どの種類の靴がいいとアドバイスをいただきます。私の場合右足と左足が5mm違いました。この足の寸法差にあわせて靴もオーダーできますよといっていただきました。オーダー品の良いところです。

5mmの違いは足を入れたときの感覚で判るのですが私にはそこまでこだわることもなかったので結局は左右同じの既成サイズで注文しました。

上の写真は山に行った後、靴を洗って乾かしていいるときの写真です。今まで履いていた靴ではこんなにまめに手入れすることはなかったのですが、今では毎度靴を洗っています。乾いた後のワックス掛けは結構楽しい時間です。

長い枕でしたが、さて本題です。

ホイールもオーダーすると走りが変わります。体重に、乗り方にあわせて作るホイールは疲れにくいホイールです。既成のホイールは幅広い乗り手に合うように作っています。どちらかといえば硬いホイールが多いです。60kgの人も90kgの人も同じものを選ぶしかありません。当然ホイールは90kgの人にあわせて作ってあります。こうすれば60kgの人も使えます。大は小を兼ねますので。

ゴローの靴で山に行きますと山仲間からその革靴はどこの靴?とよく聞かれます。ゴローの靴です、疲れにくい靴ですよとちょっと自慢気に答えてしまいます。手組ホイールファンのホイールもこんなイメージを目指しています。

46mm高カーボンホイールのインプレをいただきました

3月にお納めしましたカーボンホイールのインプレをいただきました。

ホイールの内容は3月14日の記事にしています。

いつもお客様にホイールをお納めしましたらインプレをお願いしています。これは勿論宣伝効果を期待しての厚かましいお願いですが新しいホイール購入を考えておられる方や自分で作ってみようと計画しておられる方にはとても参考になると考えます。

リム 46mm高28mm幅カーボン穴ナシリム ブレーキ面は強化加工

ハブ ミケハブ 24・28穴

スポーク wing21 黒

ニップル SquorxPro ブラス

前輪はラジアルでなく2クロスで組んでいます。後輪は通常の3クロス組です。

お客様は手組ホイールファンの試作ホイールを試していただいたことがあります。ボントレガーのアルミ軽量ホイールのスポーク替えのご依頼もいただきました。このホイールの比較インプレもいただきました。3月9日の記事にしていますので参考になるかと思います。

今回のインプレにはXR31T/RTで作りましたキンリンリムのことが出ますがこれは試作品のことです。

以下本文です。


ホイールを平坦とヒルクライムを走ることが出来たので、以下の通りインプレを送ります。

1.平坦巡行

2.ヒルクライム

3.ダウンヒル

4.コーナリング

5.なだら下りのもがき

6.ブレーキング

1.平坦巡行

 チューブレス運用で、タイヤはGP5000STRです。

 最初はゼロスタートが、重たい感じがありました。28cのタイヤ(5.5bar)をインストールしたためとかと思っていましたが、空気圧を4.5barまで下げてサドルを1ミリ上げることで解決出来ました。今ではゼロスタートの加速が、気持ちいい感じになりました。かなりの加速で、かかり具合がキンリンやボントレガーを超えているのでかなり気に入りました。おそらく、Wing21で3クロス組がかなりいい仕事をしているのではないかと思っています。かかりがいいので、ゼロスタートから20秒くらいで30㎞を越えていきます。巡行速度も35㎞は何のそので、40㎞巡行もキンリンよりも楽に維持出来ました。

2.ヒルクライム

 剛性が高いので踏みすぎると、すぐに脚にきてしまいます。解決方法としては、ギアをいつもより1枚軽くしてクルクル回すようにすると、スーと登りはじめてかなり気持ち良かったです。驚くことに、ボントレガーよりも登れてしまいました。思わず笑いが出てくるくらい、めっちゃ楽しかったです。4%くらいまでであれば、かなりのスピードを維持できます。5~6%でクルクル回すと、気持ちよく走れます。8%当たりから重さを感じるのですが、ダンシングで乗りきれました。ダンシングも力が逃げないので、気持ちいいですね。ボントレガーの時は、力が逃げて践みすぎてすぐに脚にきていたのですが、今回は脚のダメージを最小限に出来ました。ダンシングして、脚を休めれたのはかなり大きいアドバンテージです。

3.ダウンヒル

 エアロ効果を試す為に、漕がずに今回も下ってみました。体感ですがキンリンよりも速く感じ、速すぎて恐怖心が出るくらいでした。車に追い付いてしまったので、タイムは出なかったですがエアロ効果と回転性能はかなりいいです。

4.コーナリング

 キンリンよりもかなり安定感があり、かなりの安心感がありました。コーナーでフロントが全くよれることなく、曲がっていくのでもめっちゃ楽しかったです。2クロスにして良かったです。2クロスにして、横剛性が強化されてるのだと思います。更に28cをはいているので、接地感が半端なくいいです。思ったラインをトレースできるので、コーナーが全く恐怖心が無いです。

5.なだら下りのもがき

 今回もやってみたのですが、最高速は58㎞でした。これは風の影響とヒルクライムを今回はなだら登りも多くやったので、脚が残ってなかったのではないかと思います。今回は120回転くらいまでしか上がらなかったので、少し践みすぎてる感がありました。改善は出来そうな感じです。しかし、加速感はキンリンより良かったと感じています。践みすぎたので、途中から脚にきてしまいトップスピードまで乗らなかったのではないかと思います。肩甲骨周りがあまり使えてなかったので、次は肩甲骨周りの意識をして試してみます。

6.ブレーキング

ブレーキ面強化の効果なのか、アルミリムよりもしっかり効いてくれる印象です。なので、安心してコーナーに入っていけました。ブレーキがよく効くので、コーナーギリギリでブレーキがかけれるのでコーナーめっちゃ速いです。

一番気に入っているのが、ブレーキの音です。シューっていう音が、カーボンホイールになったという満足感を味わえます。ブレーキをかけるたびにニンマリしてしまいます。

7.最後に

ボントレガー、キンリンと3種類のホイールにのりましたが一番好きなのは今回のカーボンホイールが圧倒的です。オールラウンドな使用感に、かなりかなり満足しています。凄くいいホイールを組んで頂いてありがとうございます。大事に使いたいと思います。

お客様の体重を伺い、乗り方から考えて前輪24本後輪28本で組んでいます。巡行40kmで走れる方なので剛性を重視しています。このスピードで走れる人はなかなかおられません。100人に一人もおられないでしょう。この凄腕ライダーさんに気に入っていただきましたので喜んでいます。

いろいろとおたずねいただき、私なりの答えを出すという繰り返しでプランを練り上げていきました。出来上がり品をハイどうぞとお渡しする既製品とは違います。乗り手に合うように作り上げていきますのでこの過程はなかなか楽しい時間です。お互いに知識が深まります。

売り上げが上がってうれしいのは確かですがそれ以上のやりがいを感じることが出来ます。ありがたいなと思っています。

クロスバイク用ホイールのご注文

このブログに次のようにご連絡いただきました。

 クロスバイクの前後ホイールを探しています。 車体はトレック。 リムブレーキ、タイヤ 700 32C、リヤエンド幅135mm、シマノ105 10速です。 ブランド指定はありませんが派手目好き、スパークはエアロタイプがカッコいいかなとミーハーです。 本人体重は90kオーバーです。

こちらからお客様に次のような提案をしました。

リムは一押しのキンリンXR31T/RT前後共32Hのアルミリムです。

リムを先に決めましたのでグレードを分けて提案しますとハブとスポークでいろんな案がでます。

お客様に寿司屋、うなぎ屋のように松竹梅の見積もりがありますがいかがされますか?梅でも素晴らしい性能ですよ、とお伺いしました。

すると梅で提案くださいとお返事いただきました。

梅クラスのホイールですがこんなホイールです。

リム キンリンXR31T/RT 前後32H 後輪は3mmオフセット

ハブ HB-RS300 32H  FH-TX500 32H

スポーク ピラー前輪TB2015 後輪左TB2015 右TB2018

ニップル ピラーDSN ブラス シルバー

スポークはご希望のエアロタイプではありませんがレースに出て時速50kmで勝負するということでもなければ丸スポークが安価で良いと思います。力は十分発揮できます。

前輪ハブ 145g
後輪ハブ 383g

ハブはシマノハブの下位グレードです。下位グレードではありますが回転部分のカップアンドコーンにまで厳しいグレード分けはできません。下位グレードは回転が悪いというようなことはありません。調整をしっかりすれば回転はすこぶる良好です。外回りの仕上げはなるほどそっけない仕上げですが実用に徹するなら十分使えるハブです。

馴染みだしを何度も行って振れ取りとスポークテンションの均一化を行って仕上げます。

前輪845g
スポークテンションが均一になるように仕上げています
後輪1095g 重いホイールですが重いから走らないということではありません
後輪左のスポークテンションが高い

後輪左右のスポークテンション比率を見ますと非常に優秀です。後輪左75:右100の比率で仕上がるホイールはなかなかありません。これはリムが3mmオフセットしているリムを使っていること、ハブ幅が135mmということが理由です。

通常後輪が130mmのハブならテンション比率は50:100くらいで左が緩い出来上がりです。これはハブの構造上仕方のないことですが今回のホイールのような比率で仕上がることはなかなかありません。ホイールの販売価格は一応の目安になりますがホイールの良さを価格だけでは判断できないということがよくわかります。

今回のホイールは細いスポークを使った多スポークホイールなので地面からの衝撃は軽減します。このため長時間乗られても疲れにくいホイールとなっています。クロスバイクはホイールを替えれば性能は見違えるほどよくなります。自転車のグレードアップはまずホイールからです。

ピストホイールのご注文

ブログにご連絡いただきました。ピストホイールのご依頼です。

リムはご指定でTNIのAL22Wを使います。ハブ、スポークは手組ホイールファンからの提案でミケのトラックハブ(スモールフランジ)、ピラーのトリプルバテッドスポークTB2015(2.2/1.5/2.0mm)の組み合わせになりました。

後輪ハブ 307g 軽くはありません

ミケのトラックハブは結構重いハブですが軸棒に重量があるのが影響しています。しかし重いということは剛性があるということでもありけっして悪いことではありません。価格的にもこなれています。ベアリングは6001を使用しています。大きいので安心です。

スポークはピラーのトリプルバテッドスポークTB2015(2.2/1.5/2.0mm)です。細いスポークゆえにねばりがあり衝撃を吸収しますので疲れにくいホイールに仕上がります。

組み方は32穴リムでは標準仕様の3クロス組です。

ピストホイールの完組はとても少ないです。このため手組を依頼される方が多いように思います。

前輪861g
前輪スポークテンショングラフ
後輪954g
後輪スポークテンショングラフ  

リム、ハブ、スポークと部品をそれぞれ選んで作り上げていきますので完組にはない楽しさがピストホイールにはあります。勿論ロードのホイールも同じように部品を選んで作るのですが完組も沢山ありますので選択肢は多いです。その点ピストは既成品の数が多くないのでどうしても手組になってしまいます。

お客様はピストレースに出ると仰っています。競輪場でなくクリテリウムとして特設会場で競われますが、機材のお手伝いが出来てうれしいです。