一日置くとこんなに変わる

軽量カーボンリム、ブーストハブを使ったカーボンホイールをご注文いただきました。組み立てはほぼ完成しましたので一晩おいておきました。

この状態で一晩置きました
仮の出来上がり状態です

昨晩のスポークテンションのグラフが次のようなグラフです。一応完成していますがまだ手直しが必要です。一晩そのままに置きまして翌朝作業を始める前にスポークテンションの状態を見てみました。

半日置いておくとテンションが変わりました

このグラフを見て驚きました。大きく変わっています。約半日そのままにしておきました状態はドライブ側のテンションが下がって、左非ドライブ側が上がっています。勿論センターはずれているのですが、時間をあけるとこんなに違っていることに驚いています。

リム高が低くて260gのリムはカーボンといえどもやはりリムの剛性は高さのあるリムと比べて柔らかいと思います。リム高があればこんなに変わらないと思いますがやはり変わることは必然です。

常々、馴染みだしは時間をあけるといっていますが理由がよく分かります。数値化すれば一目瞭然です。馴染みだしを何度も繰り返せばスポークテンションは変化しなくなり最終的な仕上がりとなります。

120mmシングルハブを広いエンドでつかう

昨日の記事の続きです。

ワッシャーを使えばいいと思います

今日ワッシャーが届きました。ステンレスのワッシャー10x21x2.0のサイズです。1パック12個入りを購入しました。安価で買えます。このワッシャーは厚みが2mmなのでフレームのエンド幅に合わせて数枚入れて取り付けるといいわけです。これならチェーンラインの調整も楽にできます。右と左の枚数を加減すればいいわけです。残念ながらテンショナーは使わないといけません。あまりこんなことはされないと思いますが初めてのシングルなので費用はかけたくありません。一度これで試してみてからでも良いかなと思っています。

120mmシングルハブを135mmで使う

エンド幅135mmのMTBバイクのシングル化を計画されている客様より連絡いただきました。あまり費用をかけないでこのプランに適したハブがないかと相談されましたので調べることにしました。

ハブにスペーサーを入れる
うまく取り付け出来るか試してみました

手元にトラックハブがありますのでじっくり見て思いつきました。軸棒はそのままでスペーサーを入れたらいいのではと思いつきました。昔と違いいろんな機械部品が通販で買える時代です。通販で購入しましたスペーサーは一個400円ほどするのですが左右に入れることで135mmのエンドに使えると思います。

違うハブですがスペーサーで幅を調整することができます

スペーサーが届きハブの両側に取り付けてみました。フレーム側ではぴったりというわけではありませんがフレームには1mm2mmは余裕があります。120mm幅のハブにスペーサーを取り付けてエンド幅の広いフレームに取り付けることが出来そうです。ただこの方法ではチェーンをピンと張ることはできませんのでテンショナーを使う必要があります。

スペーサーの厚みは何種類か用意しておき、チェーンラインを合わすのに左右のスペーサーの厚みを調整すればいいと思います。。

費用をかけずに楽しむのも一つの方法です。ワッシャーとスペーサーを使い分けてフレームに取り付けてみようと考えています。130mmでも135mmでも使えそうです。この部品でないとダメという人もおられますが特別こだわりがありません。面白そうなのでこの方法で進めてみたいと考えています。

ボントレガーホイールと手組ホイールの試乗比較

この度ホイールの乗り比べをしていただく機会を得ました。約4年前に試作した手組ホイールファン製作のキンリンホイールとボントレガーのアルミホイールの試乗比較です。

ボントレガー パラダイムエリート 前輪677g
ボントレガー パラダイムエリート 後輪842g
XR31RT 1070g 28H ティアグラハブ使用
ドライブ側 1クロス組ヘッドイン
左非ドライブ側 3クロス組

試乗していただくライダーさんは軽く35km巡行できるパワーの持ち主です。この方に乗り比べていただきました。実はボントレガーホイールのオーナーさんです。

キンリンホイール後輪は2019年6月4日の記事で発表しているXR31RT28Hです。前輪は同じくXR31T24Hラジアル組です。後輪は左3クロス、右1クロス組と変則組です。ドライブ側が1クロスなのである意味イソパルス組みに近い組み方です。スポークテンション比率を計算しますと高い数値が得られるので試作しました。

ボントレガーのホイールはこのブログ2023年2月20日の記事にしています軽量ホイールです。スポークの剛性が不足していましたので太いスポークに取り換えています。

パワーライダーであるお客様にお預けしていました手組ホイールとスポークを組み替えたボントレガーのホイールの乗り比べは興味深い結果となりました。インプレをお送りいただきましたのでブログ記事に使わせてほしいことをお願いしましたら快く承諾していただきました。以下インプレです。

ボントレガーパラダイムエリートとキンリンホイール(ハイトが31ミリ)を乗ってみたので、感想をお伝えする約束だったので連絡しました。

今回のインプレ項目は、以下の通りです。

1.平坦巡行

2.ヒルクライム

3.なだら下りでのもがき

4.ダウンヒル

5.コーナリング

6.ブレーキ操作

1.平坦巡行について

 やはり重量があるためなのか、ゼロスタートはボントレガーに軍配が上がった感じです。しかし、速度に乗るとキンリンホイールの圧勝です。転がり出すと、キンリンホイールの方が早く35キロまで上がり巡行が可能でした。さらに、追い抜いてきた人に反応出来てついて行く事が出来ました。35キロから更に加速も凄まじくニンマリしてしまいました。余裕だぜって感じでした。相手は40キロで走っていたのですが、着いていくのが楽勝で先頭交代しても40キロを保つのがボントレガーより明らかに楽に楽でした。そのまま走っていると、相手はちぎれてしまいました。

ボントレガーでも40キロは出たのですが維持するのが大変な感じでした。

 速度が上がると、ある程度重いギア比にしないとスピードを維持が出来ないのように思っています。重いギアで回すため剛性が低いと、力が逃げる感覚があります。高速を維持するのには、剛性が必要になることが分かりました。

 速度が上がりきって巡行に入ると、スポークテンションが均一になっている恩恵を受けて惰性で速度が維持しやすい印象でした。

高速巡行するのも、剛性が大事なんですね。

コースは関西医大~御幸橋を使用しました。

ボントレガー:平均34.6㎞

キンリン:平均37.3㎞

結構差がつきました。風を考慮してコース往復の平均を出しています。

2.ヒルクライム

 ボントレガーに軍配が上がりました。やはりスポークを太くして剛性が上がったのが大きかったです。ボントレガーは、常時80回転くらいでいけた感じです。勾配が10%を越えても何のその、6%くらいであればスイスイいけちゃいました。しかし、ダンシングではまだ抜ける感じがありました。そのため、ほとんどダンシングは使いませんでした。

一方キンリンも、負けてる訳ではありませんでした。やや重さは感じたものの、登ることは出来ました。さすがに8%を超えたあたりから重さを感じるようになりました。ですが、いいところもありました。ダンシングが気持ちいいくらいに、グイグイ進みました。これはかなり大きな収穫でした。シッティングでもう一枚ギアを軽くして、回転上げて登ると、化けるかもしれません。勾配がきついところは、ダンシングでのりきると良さそうな気がします。ダンシングが気持ちいいのは、キンリンの方が、剛性が高いから力が逃げないのだと思います。

コースは柳谷(島本側)です。

ボントレガー:15分37秒 平均17.1㎞

キンリン:16分2秒 平均16.6㎞

3.なだらか下りでのもがき

キンリンホイールの圧勝です。

後輪のかかりがいいので、どんどん加速しろと後押しされてる感覚でした。これは凄いです。こんな感覚は、初めてでした。めちゃくちゃ気持ちよかったです。

ボントレガー:最高速52㎞

キンリン:最高速64㎞

これもまたかなり差がつきました。

キンリンの方がスルスルと回転が上がって、速度にのるのが早かったです。これは面白いホイールだと思います。

4.ダウンヒル

これもキンリンの勝ちでした。

空力と回転性能をみるために、ダウンヒル中はあえてペダルを漕いでません。

明らかにキンリンが速かったですね。

ボントレガー:最高速51㎞

キンリン:最高速61㎞

なんと10㎞も差が着きました。

 空力だけの差ではないように思います。前輪後輪ともに、スポークテンションが均一なのもアドバンテージになっていると思います。

 ボントレガーは、前輪はスポークテンションが揃っていないので回転性能にロスが生じてるのではないかと考えています。

5.コーナリング

これもキンリンの圧勝です。

 コーナーで自分が描いた線を、思いのままにトレースできるのでめっちゃ気持ちいいです。アンダーも出ないし、よれることもないので安心してコーナーに入って行けます。その結果、ダウンヒルで恐怖心が出ないのでタイムが良かったです。

 一方、ボントレガーはコーナーでややよれる感じとフロントが引っ掛かる感じがして、スピードが落ちます。恐怖心が出るので、ブレーキをかけるタイミングが早いです。

コースは柳谷東下りです。

ボントレガー:4分4秒 平均36.1㎞

キンリン:3分33秒 平均41.4㎞

 キンリンホイールは平坦のコーナーでもよれることなく、曲がって行くのでコーナーでスピードが落ちませんでした。その結果、コーナーの立ち上がりが速くスムーズに加速していきました。これはクリテリウムで、かなりのアドバンテージになると思います。凄く有難いホイールだと思います。

6.ブレーキ操作

 これもキンリンホイールの方が勝っていました。前輪の剛性が関係しているのでしょうか?感覚ですが、キンリンホイールの方がいいように思いました。ダウンヒルでのブレーキも反応がよく、当てききも良かったです。なので安心してコーナーに入っていけました。

7.まとめ

 僕は身長と体重があるので、ヒルクライムはあまり得意ではありません。なので、平坦は得意な方だと思います。よって、僕個人ではキンリンホイールの方が好みです。比較結果からも、キンリンホイールの方が自分に合っているように思います。かといってボントレガーが悪い訳では無いです。凄く良くできたいいホイールだと思います。特にスポークを太くしてもらって、凄く良くなったので物凄く嬉しいです。ヒルクライムが楽しくなりました。ありがとうございます。

 ただ、キンリンホイールの方が自分に合っているので気持ち良くのれたので、気に入りました。ボントレガーよりも値段的にもかなり下回るので、かなりコスパはたかいと思います。

 最後にはなりましたが、こんなに貴重な機会を与えて頂いてありがとうございました。ホイールを乗り比べるなんて、なかなか出来ないことなので凄く楽しかったです。また機会があれば、やってみたいです。その際は、宜しくお願いします。

お礼を言っていただきましたがこちらこそありがたいです。手組ホイールファンのホイールはハブがティアグラハブです。リムも比較的手に入りやすいリムでいわば汎用部品を使っています。手組ホイールでも高性能のホイールは出来るということ証明していただきました。

パンク修理が楽なチューブラーホイール

久しぶりにタイヤがパンクしました。ホイールは前輪がクリンチャー、後輪がチューブラーという変な組み合わせで走っています。作ったホイールが沢山ありますので適当に組み合わせています。

クロスバイクが楽なのでロードバイクよりクロスバイクに乗ることが多くなっています。クロスバイクは1,2時間走る分には便利で愛用しています。

今使っているホイールは前輪がクリンチャー、後輪がチューブラーなのでまさかの時の為に予備のチューブラータイヤ、クリンチャー用のチューブとポンプを持って走っています。嵩張りますのでリュックに入れています。

今回のパンクでチューブラーホイールはパンク修理に適したホイールだと再認識しました。前輪はクリンチャーなのでタイヤレバーを使いますが、チューブラータイヤの場合、タイヤを切り取って丸ごと取り換えです。

修理が終わったところです タイヤを切り取りチューブラーテープで新しいタイヤを貼り付けました

携帯用のナイフでタイヤを切り取っていますが、ドライバーを差し込んでタイヤを浮かすことでもよろしいです。リムからタイヤを取り外してチューブラーテープを巻いて新しいタイヤをセットすればいい訳で所要時間は20分くらいです。15分から20分でタイヤ修理はできます。

お客様でチューブラーホイールしか乗らない方がおられます。理由を伺いますとパンク修理が楽だからという理由でした。クリンチャーホイールは結構力が必要なので難しく、修理が出来ないのですがチューブラーなら比較的楽に交換できるというわけです。

遠距離を走るロードバイクではパンク修理は必須科目です。パンクは自分で直す必要があります。山の中でパンクすれば大変です。誰も助けてくれません。

お客様はパンク修理ということを重要な選択基準としてホイールを選んでおられます。クリンチャータイヤは力が要るので難しいがチューブラーなら楽に自分で取り換えられるということからチューブラータイヤを選ぶということです。これも一つの方法だと感心しました。

後輪ホイールを太いスポークに組み替える

前回の記事で説明しましたホイールですが8年ほど使われていると伺いました。

現状は高級スポークのDTエアロライトです。優秀なスポークですが何分にも細いのでパワーライダーのお客様には剛性が不足しています。太さのあるコンペティションに交換を勧めました。

軽量アルミホイールでリムはオフセットリムを使っています。とてもよくできているホイールですがやはり経年変化を感じました。理由は振れ取りがとても難しいリムとなっています。

スポークテンションを揃えると振れが大きくなるというとても取り扱いの難しいリムでした。これはリムが何らかの理由で癖がつき、振れ取りがとても難しいリムになっていました。微妙なことですがホイール作りをしますとよくわかります。

ホイールを作り上げていく場合、まずはホイールの振れがないようにすることが大切です。振れ取り優先で作り上げるのが一般的な方法です。振れ取りが出来れば組み上がりとなります。しかしこれだけではスポークテンションが揃っていないことが多いので駆動ロスも大きいです。

お預かり時は振れ取り優先で作られていました 振れはほとんどありませんがスポークテンションは不揃いです
スポーク取り換え後のスポークテンションです 出来るだけ均一になるようにしました

手組ホイールファンではスポークテンションを優先しています。このほうが駆動ロスが少ないです。先ずはスポークテンションを揃えることを優先してから出来るだけ振れを少なくするという方法を取っています。

スポークテンションを優先するとどうしても振れを取り切ることが出来ないこともあります。こんな時は何故このようにするのか理由もお客様に説明しています。勿論大きな振れはないようにしていますが振れ取り優先ではありません。少しのフレは残ることもあります。しかし理由があっての振れですので納得していただいています。今回のホイールはスポークを太くして剛性を上げています。パワーライダーのインプレが楽しみです。

知ってしまうと気になるホイール

お客様より使っておられるボントレガーのホイールの調整の為をお預かりしました。

お預かりのホイールは購入された自転車屋さんに振れ取りの調整依頼をされたことがあるようです。残念なことにサイズが合っていないニップルレンチで回されたようでニップルを舐めてしまってレンチが使えなくなっていました。幸いにもDTのProlock Hexagonal ニップルでしたのでニップルの後ろから回すことが出来ました。後ろから回せることを知らなかった自転車屋さんもちょっと考えてほしいものです。お客様はニップルのことをご存じなかったのです。自転車屋さんは知らん顔していたことも驚きました。しかしこのようなことは間々あるものです。

ホイールをお預かりしますとまずスポークのテンションをチェックします。グラフにしましたのでわかりやすいです。

この状態で乗っておられました。スポークは強弱強弱とバランスは取れています。振れもあまりありません。

お客様は平均時速35kmで走れる猛者ライダーです。剛性の不足を感じませんでしたか?とおたずねしますと踏み込んだときにすこし力が逃げる感じですと仰っています。ずっとこのホイールで乗ってこられたので慣れておられるのだと思います。

今の細いスポークを取り換え、スポークを太くして剛性を上げたら乗り味が変わりますよとお伝えしました。

ずっと慣れて乗っているホイールは振れがないのでこんなものだとして乗ってこられました。お客様にとっては軽くてよく回るホイールだったと思います。

しかし グラフで可視化しましたテンショングラフをお示しした後、スポークの状況を知ってしまうと気になるものです。 スポーク替えを了解いただきました。

現状はDTのエアロライトでサピムのCX-RAYと同じクラスのスポークです。スポークを太くしてコンペティション黒(2.0/1.8/2.0mm)に変更します。スポークが届くのは少し先になりますので月末には新します。ホイールの剛性はスポークの総面積に比例しますのでスポークを太くすると剛性アップとなります。インプレが楽しみです。

スポーク折れたが無事に帰れた

お客様より次のご連絡をいただきました。

後輪左非ドライブ側のスポークが1本折れました

昨年の5月頃に組んでいただいたホイールのスポークが折れてしまいましたので修理の依頼です。
今日ライドに出かけて帰り道の途中で折れていたようです。
ブレーキの当たりに違和感を感じて気付きました。
状態はリアホイールの非ドライブ側のスポークが1本ハブの方で折れてしまいました。
いわゆる首が飛んだと言われる状態です。

走行不能にはならず転倒もしませんでしたので無事に帰れました。
振れは最小限で走行は出来る状態でしたので、多スポークホイールでよかったと実感しました。
思い当たる原因としては、今日の帰りの途中に薄い板状の金属片のような物を踏んで跳ね上がって自転車のリア付近のどこかに当たったような場面があったことです。
そのときに乾いた感じの「カンッ」という音がしたのですがそれが直接の原因かはわかりません。

すぐにお送りいただくことにしました。

スポークは残念ながら折れるときは折れます。折れないようにスポークテンションを均一にしていますが何か分からない力が働いて折れることはあります。

お客様のように無事に帰宅出来ましたのは多スポークホイールであったからと思います。

お怪我がなくよかったです。すぐに修理をしてまた使っていただけるようにしました。

特筆する点は多スポークホイールでよかった感じていただいたことです。このブログでは多スポークホイールの利点を何度も記事にしています。残念ながらスポークが折れることは間々あります。事故にならなかったこと、無事に帰られたことが本当に良かったと思います。

多スポークホイールの場合、スポークが折れると振れが少し大きくなるくらいで自転車に乗って帰れます。ロングライドに向いたホイールと思います。

シマノハブ、TNIカーボンリムでホイール作製

TNIのカーボンリムRoad35を使ってホイールを作製しました。ハブはすでにブログ記事にしていますがシマノホイールよりハブを取り出して使っています。何故こういうことをするかと言いますとカップアンドコーンのハブを使いたいからです。

シマノホイールより取り出したカップアンドコーンハブ 20・24穴

シマノのハブはカップアンドコーンです。玉あたりの調整が必要ですが非常に丈夫です。シマノハブはユーザーが育てるハブです。定期的にグリスアップを行えば非常に信頼できるハブとして長く使えます。ハイグレードのハブ、下位グレードのハブと種類がありますがどのグレードも頼りになります。見た目にはグレードの差異はありますがどれも回転性能は優秀です。

残念なことにシマノハブでは前輪20穴後輪24穴のハブは販売されていません。用意するカーボンリムは前輪20穴、後輪24穴です。ここでうまいアイデアがありました。既成のホイールからハブを取り出して転用します。シマノホイールの下位グレードには20・24hのホイールが販売されています。価格もリーズナブルです。これを使うことにしました。

前後セット 1649g

仕様は次の通りです。

リム TNI カーボンリム Road35 20・24H

ハブ シマノ 20・24h

スポーク 前輪後輪ともにピラーwing21 シルバー

ニップル ピラーDSNブラス シルバー

スポークはWing21シルバーにしました。市販のカーボンホイールは黒色ばかりです。オリジナル感を出すためにシルバーのスポークにしています。

Wing21はエアロタイプのスポークです。空力面ではサピムのCX-RAYより優れているという風洞実験の結果があるようです。CX-RAYより少し重いのでCX-RAYやDTのエアロライトで組んだホイールより剛性は上がります。つまり20・24の組み合わせで少しホイールの剛性が弱いと感じる方にはちょうど良い硬さになると思います。

前輪703g
前輪 ラジアル組
後輪946g
後輪 左右2クロス組

ホイールはリムテープを貼り、バルブを用意すればチューブレスホイールとして使えます。シルバースポークのカーボンホイールはあまり見たことがありません。ありきたりのホイールにご不満な方、カップアンドコーンのハブがいいと考えておられる方にお勧めです。ハブが重いので総重量は少し増えますが前後で1649gは軽量ホイールには違いありません。外周部が軽量なので漕ぎ出しは軽いホイールです。

シマノエントリーモデルWH-R500ホイール前輪を分解

カップアンドコーンのハブで容易に手に入るのはシマノの製品です。しかしユーザーが容易に手に入るハブの穴数は限定していまして28、32、36穴のハブがほとんどです。ディスコンになっている古い製品には18、24、28、32、36とバリエーションがありました。しかし残念ながら現状ではこのようなハブは販売されていません。

ここで奇策を取ることにしました。完成品のホイールからハブを調達するわけです。シマノのエントリーモデルは価格的には驚くばかりです。こんな価格が成り立つのかといつも思います。

前輪20H後輪24Hのカーボンホイールを計画しているのですが軽量の台湾製ハブを使用すれば簡単ですがベアリングの調整が必要ながらカップアンドコーンのハブで作ったホイールが欲しいというユーザーさんも沢山おれらます。

新品のシマノホイールから目的のハブを取り出して使うことにしました。一粒で2度おいしい使い方です。ハブとリムは2回使えますが取り出したスポークは2mmスポークなのでほとんど活躍する場面がありません。このため2mmスポークがたまる一方です。

シマノ エントリーモデル WH-R500 前輪862g

今回新しく取り寄せたホイールはシマノのWH-R500です。重量は862gです。決して軽くはありませんが乗る人の用途に合えば素晴らしいホイールです。今回は新品状態ですぐに分解となりました。

新品の状態でスポークテンションを調べてみました。結構優秀です。しかしこの状態からスポークをいつも行う馴染みだしを行いますと次のようになりました。15%くらいテンションは下がりました。

馴染みだし後のスポークテンション

スポークテンションは大きく緩み、ばらつきも大きくなっています。こうなった理由はホイールメーカーの馴染みだしにはプレス方式を取っているからです。リムを固定してハブを押して馴染みだしする方法です。作るのにスピードを要求するホイールメーカーでは仕方ないことでしょう。

馴染みだしの足りないホイールはホイールをフレームに取り付けてしばらく乗るとこのようになるということです。おまけにタイヤをインストールしますとまた10~15%テンションが下がります。これがエントリーモデルはだめだといわれる原因かもしれません。本当はとてもよく走るホイールです。高価なアルミホイールに決して負けるホイールではありません。ただし調整が必要です。

いっそのことラベルを外すのも良いかと思います。安物ホイールを使っているという心理的な影響があるかもしれません。ホイールはとてもプラセボ効果が出る部品です。安物を使っているという負い目が走りに出るかもしれません。冗談ですが…

ホイールは見た目が大切です。購入の際、先ず振れがないかを皆さん調べます。このポイントは大切ですがもう一歩踏み込んできっちりストレスリリーブ(なじみだし)が行われたホイールかということが大切です。勿論価格的にはメーカーとしては手間をかけることはできないわけです。メーカーは見た目を大切にしています。おまけによく走るホイールになってしまいますと高級品が売れなくなります。わかっていてもやらないのが現状かもしれません。

①前輪20後輪24Hのカップアンドコーンハブにはシマノのエントリーモデルがある。性能は優秀です。シマノハブはユーザーが育てる必要があります。これがポイントです。

カップアンドコーン 20穴 145g このハブを使ってカーボンホイールを作ります

②ホイールを作る力があれば取り出したアルミリムは重量がありますので剛性の高いホイールを作ることが出来ます。軽いだけが走るホイールではありません。剛性が大切です。

21mm幅23.5mm高 534g 20穴

③調整をしっかりすれば本当はとてもよく走るシマノエントリーモデルです。スポークを替えればなお一層よくなります。

このようにシマノのエントリーモデル称されるホイールは2度楽しめるホイールです。ディスコンになる前にまた買おうと思っています。部品不足に悩むことはなくなります。