BoraOne50を購入された方よりご連絡いただきました。程度のよいホイールを手に入れたのですがやはり心配なので見てほしいとのご相談です。
ハブはそのままで、ニップルを回すだけの調整になると思いますがそれでも良ければお送りくださいとお返事しますと送ってこられました。
200サイズのとても大きな箱に入れられてお送りいただきました。傷がつかないように養生されて梱包を見ただけでも自転車愛が感じられました。
ホイールの点検をしましたところ前後ともにフレは少しありました。0.3~0.5㎜の振れを調整しましたので前後ホイール共に5,6カ所ニップルを回しただけの調整です。やはり高価なホイールはよくできています。
調整は簡単といえば簡単ですが全く初めての方には勇気がいると思います。ホイールは壊れはしない頑丈なものですが扱うには専用の道具が要ります。
このBoraOneは一般的なニップルレンチは使えません。ニップルのサイズが大きいのでパークツールの赤色、黒色ではニップルは回せません。専用のレンチが必要です。使われているスポークは扁平スポークなのでスポークの供回りを防ぐ道具も要ります。振れ取り台もがっちりしていないと微妙な振れが分かりません。
ほんの少しニップルを回すだけでですが理屈が分かっていないとできないと思います。難しい作業です。そのために高い送料を出してまでしてお送りいただきました。
BoraOne 50を点検してわかったことですがこのホイールのスポークは細めのスポークです。メーカーはわかりませんがサピムならCX-RAY、DTならエアロライトクラスのスポークで高級スポークを使われています。
お客様はダンシングで走るとシュータッチがすると言っておられました。ホイールは乗り手との相性がありますのでこのスポークでは少し剛性が足りないのかもしれません。力のあるライダーさんにはスポークの剛性が合っていないのかもしれません。
こんな場合はブレーキのシューを少し広げて擦れないようにするか、スポークの剛性を上げてホイールがよれないようにするしかありません。
今回のお客様にはスポークの交換までしなくてもいいのではないでしょうかという提案で終わりました。もう少し乗ってみて答えを出すということです。
お預かり時点では少し風邪をひいたぐらいの振れでしたので数か所のニップルを回して直しました。結果をグラフにしまして診断書がわりにしていただきました。
いくら程度が良いホイールといいましてもリユースの場合はやはり心配です。往復の送料と工賃は出費といえば出費ですが安心料と考えていただければ良いかと思います。お客様にはご納得いただきました。
次のホイールは手組ホイールファンにご注文いただけそうです。ありがたいことです。