ホイールを発送

ホイールを発送にはいろいろ箱を考えました。

今から考えますとその時に応じて工夫していたと思います。

最初は畳サイズの段ボール板をホームセンターで買ってきまして箱を作って送っていました。90x180cmの段ボールをカットして箱にします。中にはリムを保護して写真の赤図のように2本並べます。

 

ずっとこれを続けていましたが毎度箱を作るのでは時間がかかりますので段ボール箱屋さんに箱を作っていただくことにしました。

ある程度の数を発注しないと単価が下がりませんので一部屋つぶれるくらいの数になりました。

ホイールを保護

箱が届いてしばらくはこのような状態でホイール2本を入れていました。しかしこの状態では中が動くので段ボール板を一枚入れていました。

仕切り板に固定

この方法がしばらく続いたのですが研究用のホイールを購入した時にいい方法を完組メーカーさんからヒントをいただきました。これが現在の方法です。

底に仕切りを入れる
ホイールをセット
底と同じように仕切り

中の仕切りづくりに少し時間がかかるのですが完璧です。まったく中身は動きません。ホイールを送った方より箱は残しておきますと連絡いただきました。再利用できます。

超軽量アルミホイールを作る②

出来上がりましたホイールのスポークテンションを測りました。

前輪のテンショングラフです。

後輪のテンショングラフです。

後輪のテンションはハブのセンターオフセットの関係から左右のスポークテンションは均等ではありません。右が高く左が緩い結果となります。テンション比率は計画の時はwheelproの計算ソフトから出ています。計画値では左47:右100の割合ですが実測値は左が57kgf右125kgfで約46:100の結果です。だいたい予定の数値です。

タイヤをインストールしますとスポークテンションが10~15%下がりますので今回のホイールではインストール後でも左スポークを50kgf前後で確保できそうです。

50kgfは欲しいというのは経験から出た数字です。50kgf以下の数値では踏み込んだ時の反応が鈍い感じがします。あくまでも個人の感覚ですので正解というものはありません。

感覚から出た数字ですので高いほうがいいのいうまでもありません。

左テンションを上げるために2:1組やオフセットリムを使うのですが今回のホイールではどちらの手法も使っていません。

オーソドックスに左右2クロス1:1組ですので左テンションは右の半分以下です。左の低いのをカバーするのにどうするかといえば右を高くして左の    テンションを相対的に高くするしかありません。

左右の組み方を変えて例えば左3クロス右2クロスにして組み上げると左が  1%上がります。しかしこの組み方ですと24穴のハブでは左フランジで   スポークがオーバーラップします。

1:1組では47%

オーバーラップ

左3クロス右2クロス組では48%

スポークの頭とスポークが重なるのでこれが嫌な人がいるのも事実です。いや性能には影響ないという人もいます。お好みです。28hではオーバーラップしませんので私は28hではこの組み方を使います。少しでも高いほうがいいでしょう。

今回のAL22での後輪ホイールは2:1組でもオフセットリムでもありませんので右スポークのテンションを高くして左のテンションも相対的に上げるという方法で対処しています。

前後で1330gは非常に軽いです。

後輪のスポークをコンペティションで組んでいるため剛性は高く仕上がっていると思います。もし剛性が足りない感じでしたら右スポークを2mmのストレートに組み替えることで剛性アップをはかることができます。乗る人の体重を考えれば軽量ホイールとして素晴らしい結果が出ると思います。

超軽量アルミホイールを作る

1300g前後のホイールを考えてみました。

軽量ホイールを作ろうと考えておられる方の参考になるかと思います。

リア 777g
フロント558g

リムはキンリンXR200、TNI AL22を選びました。どちらも同じものと思われますが販売する会社は同じものとは言っていません。重量は380g前後です。

369g

 

このリムは軽量リムとして人気があります。しかし取り扱いに注意が必要のようです。

以下このリムを扱うアメリカの自転車部品会社説明文です。

 

At just 383 grams, the Kinlin XR-200 is Kinlin’s lightest road clincher rim, and one of the lightest alloy clincher rims you can buy. It is the perfect rim for a climbing wheel or the weight weenie in you.

Recommended rider weights (front and rear):

Under 145 lbs: 20/24  約66kg
145 – 175 lbs: 24/28
  約66-80kg
175 – 200 lbs: 28/32
  約80-90kg

 

リムが軽量ということはこのリムがいくら剛性の高いリムとしても乗り手の体重は考えなくてはいけません。もちろん90㎏の人が20/24hのリムに乗ることはできます。ホイールが壊れることはないでしょう。しかし安心のコーナリング、力が逃げない乗り味を得るには乗る人の体重に応じてリム穴、スポーク数を選定することが大切と思います。安価でとても良いリムですが注意が必要です。

 

ハブはノバテックです。

フロントはA291SB 76g リアはF482SB-11 255gです。

スポークはフロント サピムLaser2.0/1.5/2.0mm

リアDTコンペティション2.0/1.8/2.0mm

後輪スポークは剛性を高めるために太くしました。前輪後輪の太さを変えるとか、左右の太さを変える方法、例えば右をチャンピオン左コンペティションという組み合わせも考えられます。いろんなことを試せるのも手組の良さです。

ニップルはDTのアルミ12mmを使っています。アルミニップルはDTでないとだめとかいう人が多いのですが私個人的にはサピムもピラーも使っています。

DT以外はなめやすいといいますがニップルレンチが3サイドのレンチであれば大丈夫と思います。四方ぴったり合ったニップルレンチが大切です。

フロント2クロス組

組み方はフロント、リア共に2クロスにしました。フロントはラジアル組が一般的ですがスタイルがクロス組のほうが好みなので2クロスにしました。クッション性は2クロスのほうがあるといわれているようです。

スポーク長の計算は2つのソフトで確認しながら出しています。DTのソフトとwheelproの計算ソフトを使っています。なぜ2つのソフトかといいますと元のスポーク長を出す計算式は同じでもスポークの伸びを最後に計算しているので結果が違うときがあります。

結果が違うときは経験で判断です。

 

スポーク長の計算では入力要素はどれも同じなのでERDリム内径の寸法が正確でないと正しくスポーク長を出せません。ERDを出すことが一番大切です。

 

スポーク長の結果が出ますと一番迷うのは小数点以下の数値の問題です。切り捨てにするか切り上げにするかです。私は基本的には切り上げです。

 

DTのソフトではスポーク長のお勧め数値が出ます。DT計算ソフトの通りやればほぼ問題はないと思いますがたまにうまくいかないときもあります。アルミニップル使用の時にはテンションアップ後にニップルから突き出る長さは問題ありません。短い長さより突き出る長さのほうが安心です。アルミニップルの弱点をカバーできるからです。アルミニップルの弱点は下図の赤線のところです。1mm突き出ても失敗ではありません。

大まかに部品代を表にしてみました。参考にしてください。

ノバテックハブ20/24h
単価 数量 金額
XR200 3800 2 7600
ハブセット 10000 1 10000
スポーク 100 44 4400
ニップル 30 44 1320
合計 23320
ティアグラハブ32h 星スポーク
単価 数量 金額
XR200 3800 2 7600
ハブセット 5000 1 5000
スポーク 60 64 3840
ニップル 30 64 1920
合計 18360

安価な完組もありますが手組の場合は材料費だけです。自分で組めば楽しいです。もちろんアイデアをプロと相談しながらプロにお願いするのも一つです。

組み方関しては練習しかありません。仮組が終わったらスポークが緩い状態で一度組み上げてしまうことがうまくできる方法と思います。一度きれいに組み上げてから均等にテンションを上げていけばいいのです。いいホイールが出来ます。

有名ビルダーRich Lesnikさんからのヒント

アメリカのホイールビルダーとして有名なRich Lesnikさんのホームページを見てみました。http://handsonwheels.com/faq/です。

 

FAQのページにこの方の作られるホイールに関しての考え方がはっきり述べられていています。ホイール作りに参考になる事柄を知ることができます。

ブログで書かれた一部です。

 

  • カーボンはゆっくりと腐食が進み突然予測外の事故を起こしたりするのでカーボンリムは使いません。

 

  • アルミニップルは腐食と金属疲労を起こしやすく割れたりしやすいので使いません。ブラスニップルだけを使います。

 

  • 私の作るホイールは普段使いでも手荒に使っても楽しくのれてツーリングにもこなせるホイールです。丈夫な部品を使い多スポークのホイールにすることでトラブルの少ないホイールが出来ます。

 

  • 多スポークホイールはホイールを丈夫にします。安定した乗り心地を得ます。前輪20後輪24hのホイールではスポークが折れるとその場から乗れなくなります。しかし32h、36hのホイールでは振れは大きくなりますが家には無事帰ることができます。

90k以下のライダーなら前輪28h後輪28hまたは32hを、90kg以上なら32/36hまたは36/36hを勧めます。

 

  • 後輪11速に伴いスポークテンションを高くする必要があります。ホイールのセンターを出すと左が緩くなるのでこれを補うために右側を高くします。最近のリムは140kgfのハイテンションにまで耐えうる造りになっていますので最大130kgf近くまで上げることにより左のテンションを上げます。

 

以上は一部ですがホイール作りに参考になると思いました。詳しくはHPを覗いてください。

 

私はアルムニップルも使いますしカーボンリムも使います。しかしアルミニップルは腐食しやすいということを念頭に注意して組むようにしています。乗り手の体重も気を付けてスポーク数を考えています。アルミニップルの腐食などなかなか知ることができない話です。有能なビルダーさんの知識、技を参考にさせていただいています。

 

Rich Lesnikさんは24年の実績あるビルダーさんです。日本とは道路や走る環境が違うのですべてこの人の言うことが通りやればいいというわけでもありませんが学ぶべき基本は同じです。ベテランの技を参考にさせていただいて自分のホイールに生かしたいと思います。

ゾンダ17Cを購入

アルミホイールのベンチマークにはゾンダ、レーシング3とよく言われています。テンションバランスなどを知っておくのもいいかなと思い買うことにしました。

個人的な感想ですがホイール購入の参考にしていただければ幸いです。

3G組

結論から言いますと

性能ではゾンダに負けないホイールをもっと低価格で作れます。ただどうしてもデザイン性には勝てないと思います。DTのRR411、キンリンのXR31T、同じ製品ですがTNIのAL31Wを使えば十分対抗できるホイールが出来ると思います。コツはオフセットリムを使うことです。低価格で十分勝負できるしそれ以上に上回ることも出来ると思います。ただ走ることには変わりないのですが3Gのホイールは格好いいと思います。私はコスパ支持派ですが所有する喜びでは勝てません。コスパには勝つがデザインで負けるという感じです。

 

以下、購入しましたゾンダ17cの詳細です。

重量 フロント 676g リア 874g 合計 1550g

リム幅23mm内寸17mmのリムは25mm以上のタイヤに適しています。リムにはバルブ用の穴だけです。リムテープはいりません。スポークは前後ともに2.0/0.95-2.2/2.0mmの扁平スポークです。スポークヘッドの刻印にはAのマークが打たれているのでイタリアのアルピナ製と思われます。

スポークテンションは信頼できるデジタルテンションメーターで測ってグラフにしていますので順にみていきたいと思います。

 

購入するときに振れがあるか、ないかが重要な評価基準になります。テンションに関してはメーターがないとわからないのでまずは振れ取りです。とても正確に振れ取りされています。一か所0.2mmくらい触れている部分がありましたが前後ホイールともにきれいに振れ取りをされています。

 

テンションメーターを持っている人は少ないと思いますのでテンションに関してのグラフは参考になると思います。

前輪テンションは約120kgfです。テンション偏差は左11.1%右10%です。割とバラツキはあります。16本の少スポークですので振れ取りを優先するとテンション偏差はこのぐらいの値になるのかもしれません。テンション偏差が高いと振れが出やすくなるのは否めませんがニップルが緩まないように対策は取られているのでしょう。

後輪スポークは前輪に比べてテンション偏差は左6.8%右5.7%で優秀な数値です。テンションは左82kgf/右132kgfで、左右テンション比率は  62:100です。2:1組だから左テンションは右と同じくらい高いと思っていましたが実際測ってみると意外と低いです。

後輪ハブの実測値はCRF14.1mmCLF48.2mmでハブのオフセット数値が高いことが理由でしょう。左テンションが高いことには間違いありません。

ハブを実測しました

テンション比率がこの数値ならオフセットリムを使えば左を56~60%近くまで上げることができるので1:1組で作ったホイールもテンション比率では負けないと思います。

次にセンターが出ているかを調べました。

右12.65mm
左12.53mm
左6.72mm
右6.64mm

しっかりセンターは出ています。とても優秀です。センターが出ていない完組もよくありますので今回購入のホイールは感心しました。

 

フリーのベアリングがむき出し

気になる点があります。フリーの部分を写真に撮りました。じかにベアリングが見えています。シールドベアリングを使用しているのでこの上からは防御シールはいらないということでしょう。しかし通常ノバテックなどは防御シールを施しています。ベアリングが露出しているということは水やホコリ、泥には注意が必要と思います。特にシクロレースには細かいメンテがいるでしょう。

ニップルホールがない

リムはニップル用の穴がありません。リムテープがいらないということです。これは長所と欠点がはっきり表れている構造と思います。スポーク穴がないのでスポークの交換にはマグネットを使ってニップルを動かします。カンパの説明にはスポーク交換が簡単と書いてありますがとても簡単にはできません。非常に面倒なことです。

ニップルホールがないことはリムの剛性を高めることができると思います。スポーク交換などの利便性には欠けますがリム自体の強度は高めることができるのではないでしょうか。ホイール作りの作業効率よりも強度面の性能を優先したのかなと想像します。それにしてもスポーク折れたら大変やなと思いますね。個人で直せる人は少ないでしょう。

ブラスニップルと厚みのあるニップルベッド

ニップルはブラスを使用しています。アルミの軽さよりブラスの強度を選択しています。1個のブラスニップルの重量は1gなので後輪は合計21gです。これをアルミにすると合計7gなのでわずか14gの違いで強度的なトラブルを避けられるならブラスニップルを使うと思います。

また、リムのニップル部分をを厚く強化し、このニップルベッドから離れたほかの部分を削ることでリムの軽量化を図っています。これもよく考えられたリム作りといえます

製造番号、製造者が分かる証明書

説明書にはフィンガープリントとあります。ホイールの指紋、つまり各ホイールには誰が作ったかがわかるようになっているのも安心できます。DTのホイールも誰が作ったかわかるようにしていると説明しています。しっかりと製品管理していると謳っています。

 

 

このゾンダはクリンチャーホイールでチューブレス対応ではありません。最近はチューブレスで楽しんでいる方も多いので残念です。

 

よくよく見ると結構簡略化されているところも目立ちます。

例えば前述の後輪フリー部分です。ベアリングはむき出しですしスプロケットはかみつき防止がありません。うまく簡素化されているといえばそれでいいのかもしれません。

 

分解したらわかるのですがさすがに新品からは勿体ないのでリム重量は他の部品から逆算してみました。ハブやスポーク、ニップルは大まかな数値ですがわかりますのでホイール重量から引いてみますとしたの表のようになります。

重量g 数量 単品重量 合計重量
後輪 874g ハブ 1 250g 250g
スポーク 21 5g 105g
ニップル 21 1g 21g
合計 376g
リム 498g
前輪 676g ハブ 1 80g 80g
スポーク 16 5g 80g
ニップル 16 1g 16g
合計 176g
リム 500g

 

リム重量は500gくらいと想像いたします。

 

スポークテンションをハイテンションで仕上げるには剛性の高いリムでないとニップルホール部分が割れてきます。この割れを防ぐためにもニップルベッドは丈夫でないといけません。このためニップルベッドを厚く仕上げほかの部分を切削して仕上げています。理屈に合ったリム作りといえます。

500gのリムは軽いリムとはいえません。しかしこれは決して弱みではありません。特別重いわけではないです。重量があることは剛性も高いということですから特にマイナス要因ではないと思います。

 

こうしてみていきますとアルミホイールのベンチマークといわれるのはわかります。よく考えられたホイールです。振れもよく取れていてセンターもばっちり出ていました。これ1本で十分という人もおられるでしょう。

よく話を伺いに行くメカニック店長さんもレー3かゾンダを買えば間違いありませんといっています。

しかしながら私、手組派としましてゾンダ並み、ゾンダ以上のホイールも手組で十分対抗できると思っていますのでいろいろ考えていきたいと思っています。

チューブレスタイヤの重量

新しくホイールを作りましたのでタイヤも新しくしました。これです。

Hutchinson Intensive2 Tubeless 実測345g

ブログに出したらベテランライダーさんよりこのタイヤ何グラムですか?重量の問い合わせがありました。測ってみると実際の重量は345gです。Hutchinsonのカタログ発表重量は315gですのでちょっと誤差が大きいと思います。

ベテランさんは国産のIRCタイヤを使われています。重量はちょうどカタログ通りで満足とのこと。国産メーカーと海外メーカーは考え方が違うのでしょうか?約10%も違うのはちょっと…と思います。

私の購入タイヤは重いのですがインストールも一回で簡単にできました。空気はシーラントなしでも大きく漏れていません。重いのは逆に丈夫と思いますのでそれなりに納得しています。

 

タイヤ購入で参考になるブログがあります。

https://www.bicyclerollingresistance.com/road-bike-reviews/vittoria-rubino-pro-speed-2016

このブログを参考にしてタイヤを買えばいいのですが私の場合レースに出ないのでタイヤ選択基準の第一番が価格でして次に重量や性能となります。

毎年タイヤを取り換えてもそんなにいろいろとタイヤの種類を知ることができません。私にはタイヤの微妙な差を評価するほどの力がないので安いタイヤで満足しています。

チューブレスホイール、シーラントなしでどのくらい使えるか調べました

チューブレスタイヤにシーラントは欠かせません。しかしできましたらシーラントは使いたくないものです。シーラントなしでどのくらい空気圧をキープできるかを試してみました。
今回の結果はリムとタイヤの相性もありますがシーラントなしでも結構使えることが分かりました。

ホイールはキンリンXR31RT28hのリムを使っています。空力がよくてよく回るホイールとして私のホイールの中ではお気に入りのひとつです。

新しいタイヤ(Hutchinson Intensive 2 road folding tire)を購入しましたので空気を入れてからシーラントなしでどのくらいいけるかを調べました。

 

XR31RTは24㎜幅のリムです。リムにテープを3回巻いています。 テープが18mm幅で少し狭いので1回目は右に寄せて2回目は左に寄せて最後に真ん中でもう1回の3回巻いてタイヤをインストールしています。3回巻いても12gです。

3回巻きのリムテープ 12g

チューブレスレディーはテープ巻きが一番大切です。空気が漏れるもとを止めることが確実にできれば成功です。

バルブをしっかり取り付けます
タイヤレバーを使ってインストール

タイヤインストールにはIRCのタイヤレバーを使いました。タイヤレバーなど使うのは邪道とかいう人がいるのですが非力の私にはタイヤレバーなしでインストールすることはできません。なんの迷いもなくレバーを使っています。

空気タンク付きのポンプを使っています。一回でタイヤのインストールはできました。空気も無事充填できました。空気を入れるとバルブ部分のねじが緩むのでもう一度バルブのねじを締めなおします。これでひとまず終わりです。

シーラントを入れずに一日置くことにします。どのくらいこの状態を保てるかじっと待つことにいたしました。

右Dサイド1X 左NDサイド3X

一日置きました。空気漏れはほとんどありません。これならシーラントなしでも一日くらい持ちそうなのでこのホイールはシーラントなしで行こうと思います。リムの完成度とテープ巻きが肝心といえます。同じ品番でも空気が漏れるリムもあるので一日かけて調べるのもいいと思います。漏れた場合はシーラントです。

ホイールの組み換えのブログを読んで

『手組ホイール』をキーワードで調べていましたら手組ホイールで有名なブログに当たりました。

 

18万と高価なレイノルズのアサルト後輪のスポークテンションがぬるいので組み替えてほしいと依頼があり組み替えたという記事です。

 

依頼前のレイノルズはスポークテンションが緩くてシュータッチをするということです。レイノルズのアサルトは設計が悪いだめなホイールで私が組み替えてよくなりましたという内容です。

 

読んでみて気になったことは組み換え前はどのくらいのテンションであったのか、そして組み換え後のスポークテンションはどのようになったのかを知りたいと思ったことでした。

組み換え後のスポークテンションを計算したいと思います。

組み換えに使われたエボライトハブ24hを使ってリムERD580mmのアサルトに近いリムでスポークテンションを計算しますと下記のようになります。

左右スポークを2クロス2クロスで組みますと次のテンションです。

テンション比率は45:100です。

左右スポークを左3クロス右2クロスで組みますと下図の通りのテンションで計算されます。念のため違う計算ソフトSpocalcを使ってみます。

Spocalcでの計算です。

このソフトでも同じ結果です。

左3クロス右2クロスにすることによりスポークテンション比は左47:右100です。2%上げることができます。

この結果から右ドライブサイドを120kgfで仕上げますと左側は56.4kgfです。これはあくまで理論値です。

レイノルズアサルトは18万円の定価です。高価なので私も買って調べてみようということには簡単にはいきません。組み換え前のアサルトのスポークテンションはどのくらいだったのか知りたいです。

 

超ベテランのライダーよりインプレいただきました

ハブはシマノDuraハブFH7700,HB7700を使ってリムはDTのRR411リム32hで組んだホイールの評価をいただきました。

DTリム RR411 32h
Duraハブ FH7700 HB7700 32h

ラインでのやり取りでホイールの印象を送っていただきました。

以下インプレを送っていただいた文です。何度かのやり取りを集めた文章ですがホイールを気に入っていただいたことがよくわかります。

 

『カンパのユーラス持ってまして、完組が良くて、もう手組には、戻らないと思ってましたが、間違えでした。
チューブが無くなったからですかね?軽いし 加速もいいです。
他のホイール タイヤに戻れないかもです』

『30キロ走りました。すばらしいです。初めてチューブラー乗った時よりも、素晴らしい。ホイールが良い?タイヤが良いのかとかは、分かりませんが、素晴らしい。ビートがあがらなくて敬遠してる人は、やってみるべきですね

このホイールなら、200キロも 楽に行けそうです』

『クリンチャーホイールと、古いチューブラーホイールは、もう出番なしかもしれません。今日 フロントのテープを張り替え クロモリに付けて走ってみました。自分の中では クロモリには 手持ちのユーラス+ミシュランパワーエンデュランス(ハブにグリスホール開いてる)が、相性抜群に思ってました。が、今回作った ホイール+チューブレスレディも、負けてません。軽さ 加速 負けてませんでした。路面の情報も 凄く良く分かります それでいて乗り心地が良いし転がり感も良い不思議な足下です』

『インプレで、忘れてましたが、中間加速が良いです』

『新しいホイールセットで、走りに出ました。転がってる感が凄いのと、路面からの情報が 心地良く伝わってきます。』

 

32hのホイールはオーソドックスすぎるかもしれませんがとても乗り心地の良いホイールです。おススメいたします。

体重とホイールの関係について

ホイールを作る際体重を考えて作る必要があると考えています。ホイール作製の依頼を受けるときは必ず体重を伺っています。

 

ホイールの剛性はスポークの太さ、タイプでも違います。またリムの形状によっても違います。このためこのリムを使ってこのスポークでは体重がこの体重までというような厳格な分け方をしていません。現に完組ホイールメーカーでも分けていません。体重何kgまでということは決めているようです。柔なホイールでも人を乗せることはできます。

 

しかし大体の目安はいると思います。いろんな経験豊かなビルダーさんの意見をあつめて私なりの目安を決めています。

 

20/24h  75kg+少しの重量

24/28h  90㎏まで

28/32h  110㎏まで

32/32h  どなたでも

 

この指標を目安にスポークの太さで調整しています。

前後32hであればどなたでもOKです。こんな意味でも多スポークホイールの32hは乗る人を選ばないホイールです。

 

一例をあげますと、400g以下の軽量アルミリムで20/24hのハブを使い細いスポークで組み上げると1280g~1300g前後で組み上げることができます。

この軽量ホイールがどなたでも対応できるかといえば難しいと思います。90㎏の人でももちろん乗れることはできますが上り坂でぐいぐいとダンシングすれば剛性の面で、コーナーでのホイールの撓みなど強度面、耐久性で体重に合わない軽いホイールは危険と思います。

 

雑誌のサイクルスポーツでは『軽さは正義』と名を打ってロードバイクの軽量化の記事を載せていました。確かに理論的にも軽量ホイールは有利ですが剛性が伴っての軽量化と思います。

 

あるライダーに私の作ったホイールや、ユーラス、レーゼロなど5種類のホイールを乗り比べた実験をしていただきました。この方は73kの体重でFTPは300という強者です。この実験で32hの2000gを超えた手組ホイールが7%の登りで結構よい結果を出しています。

これに反してサピムCX-RAY でしっかり作ったつもりの私の軽量ホイールは7%の登りで32hのホイールにタイムで負けました。

 

これはホイールの剛性と乗り手の体重が影響していると考えています。重くても剛性と体重の関係がよければホイールは走ります。軽ければ軽いほどホイールはいいホイールという考えではなく乗る人の体重を考慮に入れて剛性を含んだ軽量化が必要と思います。体重の重い人がスポークの細い軽量ホイールに乗ってもホイールは撓んで力を逃がしてしまうに違いありませんし危険度が増します。軽さは重要なファクターですが軽いだけで選択するのは間違いと思います。