ゾンダ後輪ホイールのハブフリーをベアリング交換

ジャンク品のゾンダ後輪を手に入れたのでカーボンホイールに組み替えしたいと連絡いただきました。

ゾンダホイールのフリーベアリングを交換します

このホイールからハブを取り出してカーボンホイールを作る予定です。
先ずはハブのフリーベアリング交換を行います。

ハブフリーのベアリングを取り出します。フリーにはベアリングが2個使われています。今回のベアリング品番は6803が2個です。

外側からの見えるベアリングはハブ内のスペーサーを指でずらし見えてるベアリングの端をポンチでたたくと簡単に外れます。今回はこのベアリングは外されてお送りいただきました。

取り外すのは中に入っている奥のベアリングです。これを取り出すには少しコツがいります。

左から2つ目のスナップリングとフリー内部のベアリングが厄介です。スナップリング用のプライヤーが必要です。

奥のベアリングはベアリングがずれないようにスナップリングでずれないように固定されています。

ベアリングを取り外すのにスライドハンマーは欠かせません

このため奥のベアリングを外すにはスナップリングを外すことが必要です。
スナップリングプライヤーでこのリングを取り外し、奥のベアリングを外します。

奥のベアリングはポンチでベアリングの端をたたいて取り出すのが一般的です。ペアリングプーラーやスライドハンマーという道具を使う方法もあります。今回は叩く方法とスライドハンマーの両方を使ってベアリングを取り出しました。

新しいベアリングの組付けには取り出した古いベアリングを新しいベアリングの上に重ねて叩くのがよく行われる方法です。力を均等に加えることが出来、新しいベアリングを傷めることなくインストールできます。

手動プレス機を使っています

手組ホイールファンでは手動プレス機を使っています。真っ直ぐに、正確にインストールできます。頻繫につかう道具ではないのですがハブのベアリング交換には活躍してくれます。ベアリングを押し出すにも楽にできるのがいいです。

長ネジを使って圧入するのが一般的な方法です。

ベアリングを圧入するには長いねじを使って両側から締めていく方法もあります。失敗が少ないのは叩いて圧入するよりねじを使う方かもしれません。

ベアリングを新しく交換しましたゾンダハブ

このベアリング交換は慣れれば簡単にできますがそんなにたびたび行う作業ではありません。道具を揃えてこつこつと作業が好きな方にはベアリング交換はとても楽しい作業だと思います。達成感は格別です。

しかし作業経験が必要ですので道具の費用と時間を考えますと出来る人にお願いするのがはるかにコスパが良いと思います。YouTubeで教えてもらっても簡単には出来ない作業だと思います。

2:1組ホイールの作製注意点

ご存知の方には当たり前の話ですが知らない方もおられると思いますので2:1組を説明します。

2:1組は一般には左スポーク7本右スポーク14本、左スポーク8本右スポーク16本の2種類があります。G3組のホイールは左スポーク1本右スポーク2本の3本グループが7グルーブもしくは8グループのホイールです。

2:1組では3本で1グループの構成です

1グループのスポークはギア側から2本反ギア側から1本で1グループとなります。各スポークは右左右、右左右、右左右、右左右、という流れでホイールは構成されています。

①アルミリムの場合リム穴はリムの中央に穴が開けられて角度はついていませんので右左右、右左右、右左右の流れでも穴の位置は変わりません。

②カーボンリムの場合はアルミリムと同じように穴は中央にあけてあるのですがスポークの角度に合わせて穴をあけています。

1:1組の場合はスポークが右左右左と順番に並んでいますのですリム穴も右左右左と角度がついて開いています。

2:1組では右左右、右左右、右左右と穴に角度がついています。カーボンリムで市販の24穴リムを使って2:1組ホイールを作る場合2:1組は出来ません。

穴の角度が違うのでリム穴に無理な力が加わりリム穴が破損するかもしれないのが理由です。

ENVEホイールの場合リム穴に工夫がされていますので右からでも左からでも対応できるように穴の工夫がされています。お客様より教えていただいたTipsですが最近知りました。

以上、組んだことがある人ならわかる話ですが、何のことやらという感じだと思います。カーボンリムでは組み方で穴の角度が違うので注意が必要ということです。

ディスクローターの取り外し 

MTBの前輪ホイールの組み替え依頼がありました。お送りいただきましたホイールはディスクローターがついています。

組み替えするにはローターを外してホイール分解しないといけません。

6穴式のローターでしたので用意する道具は通常の6角レンチと思っていましたがうまく回せません。ネジをじっくり観察しますとトルクスねじでした。

トルクスのビットは持っていましたので簡単に外せましたが慣れていないと見分けがつきにくいです。

いずれにしましてもローターを外せないとホイール調整ができません。トルクスT20のビットで解決できました。

ホイールを分解して再度組み立てする、いろいろ道具が要るので大変です。

ミニベロホイールの調整依頼

漕ぎ出しに異音がするということでホイールの調整依頼を受けました。お預かり時点ではシルバーの12mmブラスニップルが使われていました。この標準ニップルでは通常のニップルレンチしか使えません。スポークの間隔が狭くてレンチが使えないホイールです。スポークのテンションがゆるゆるで振れ取りだけ行ったホイールで駆動効率の悪いホイールと言えます。

スポークの間隔が狭くてレンチが使えません

ホイールを新しく組み替えました。ニップルも新しく黒のSquorxProブラスで仕上がることにしています。このニップルなら後ろから回せますので微妙な調整ができます。スポークの間隔が狭い小径車にはぴったりのニップルです。高価なだけはあります。

小径車のホイールは作るのが簡単そうに見えますがそんなことはありません。どちらかといえば難しいホイールです。ニップルを少し回しても大きく反応しますのが理由です。おまけにスポークが短いのでテンションメーターが使えません。各スポークテンションが適正な値で揃っていることが必要ですがこれが容易ではありません。

テンションメーター校正器でスポークを100~120kgfで引っ張り、弾いて音で調整すればよい
ギターピックでスポークを弾きます  音を揃えて調整します  シンプルですが難しい

方法としまして音で調整しています。使っているスポークと同じスポークを100~120kgfで引っ張ってギターのように弾いて音を出し、この音を頼りに調整していきます。これならテンションメーターがなくても調整は可能です。方法はシンプルですがとても正確です。ただし適正な一定の音になるようにするのは結構大変です。難点はキリがないことです。ピアノ調律のような厳密なものではありませんのである程度揃っていればいいということで納得します。これは個人の性格によって変わるかもしれません。

お住まいが近くの方なのでホイールを引き取りに来られました。音で調整することを説明しました。試しにスポークを弾いてみましたら納得されました。

簡単そうに見える小径車のホイールは意外と難しいです。音で合わせることが出来るなら道具なしで調整ができますので試されるのも良いかと思います。キリがないことは覚悟してください。

12月20日追記

ホイールをフレームに取り付け25kmほど走られたようです。音鳴りが消え、快適だっとお知らせいただきました。

スポーク交換でホイールの剛性アップ

約2年前にご注文いただきました定番ホイールの36mm高28mm幅前輪20H後輪24Hがシュータッチするようになったというご連絡をただきました。

温いと難じるようになったホイールです

最初にお納めしました時は快調に乗られていましたがブレーキ面がこすれるようになったようです。言い換えれば乗り手のパワーがついたと考えられます。日頃の練習の賜物です。

ホイールの対策案としてスポーク替えの提案をしました。

スポークを取り換えました

現状スポークはピラーのウィング21を使い後輪ドライブ側のみCX-Sprintです。新しいスポークは前輪を左右CX-Sprint、後輪ドライブ側にはコンペティション、後輪反ギア側にCX-Sprintの組み合わせです。全体としては20gほど重くなります。これだけでホイールの性能はガラッと変わります。

お客様からご感想をいただきました。他にディスクホイールもご注文いただいていましてそのホイールとの比較です。何事も比較すれば変化が分かります。しっかりと剛性が上がったのを感じていただいたようです。以下メール文です。

剛性アップ感じることができました。前のはたわんでいましたが、今回はホイールが立っている印象で特にフロントの支えが効いていて前荷重がしやすくなりました。discの方はフロント24本wing21でそれに近い印象です。

CX-Sprintx20本とウィング21x24本がほぼ同じ印象です。スポークで剛性が変わります。日頃ホイールに不満があれば先ずはスポークを交換するのはコスパが良いと思います。

クリスキングハブ使用ミニベロカーボンホイールの作製②

テンションメーターが使えないという条件で正確にギア側120kgfのスポークテンションで作り上がるにはどうすればいいのか?

この幅ではテンションメーターは使えません
テンションメーター校正器に使用するLaserスポークを取り付けて120kgfまで引っ張ります
ギターピックでスポークを弾いて音を聞き、ホイールのスポークと同じ音になるようにする

答えは音で聞き分けて仕上げることにしました。テンションメーター校正器にサピムのLaserスポークを取り付けて120kgfで引っ張ります。この時のスポークをギターピックではじいて音を出し、この音をキーにしてスポークテンションを上げていくことにしました。ギターの弦を調整するのと同じです。

基本は120kgfで引っ張るとどんな音がするのかを知ることです。音を聞き分ける。慣れないと難しいことですがキーとなる音が分かりますと作業ははかどります。

各スポークが均一であればホイールの駆動効率がよくなりますが完璧を求める必要はありません。こだわり過ぎることは要りません。ホイールは振れ取りが出来ていれば十分使えます。すべてのスポークが同じ音色でないといけないということはありません。音がそろっているほうがいいという感じでよいと思います。

非ドライブ側はどうすればいいのか?

スポーク長を出すときにスポークの左右テンション比率が出ます。100:74という感じです。この比率をもとに非ギア側の予想テンションを出し、校正器のスポークテンションの音を聞き取ります。センターが出たホイールのスポークを予想テンションに近づける方法で最終の微調整を行って仕上げるという方法です。

前輪649g 
後輪865g

音を聞き分けてスポークテンションを揃える方法は手軽でいい方法です。しかし完璧を求めるとキリがないのである程度で切り上げると良いかと思います。十分いいホイールに仕上がっています。

比べてみると違いがわかるベアリング交換

スポーク調整など点検でお預かりしましたホイールです。

フリーを外して振れ取り台にのせてハブ軸だけで回しましたらとてもきれいに回ります。ベアリングはご自分で打ち換えられました。上手にベアリングを取り付けておられました。

お預かりのカーボンホイール ハブはF482SB 24H ベアリングはNTNに取り換え済み

比較のために同じハブを使って組み立てた新品ホイールがありますのでフリーを外して回転の比較をやってみました。

XR31T 24H  F482SB 24H フリーを外して回転性能を比べました

同じハブですが使っている中のベアリングは違います。どちらも新品ベアリングです。同じくらいの力を加えて回してみました。何回も繰り返して回転の平均を取りますと明らかに回転の違いが出ています。倍くらいの違いが出ています。

お預かりホイールのベアリングはNTNのベアリングです。勿論比較に使ったデフォルトのベアリングは悪くはありません。しかしこの違いを見るとベアリングの取り換えは効果があると思います。少しの勇気があればベアリングの取り換えは出来ますのでやってみる価値はあります。

クリスキングハブ使用ミニベロホイールの分解

451サイズのミニベロカーボンホイールの作製依頼がありました。今使っておられるアルミホイールを分解してクリスキングハブを使うという段取りです。

矢印のアダプターを取り外す  

ホイールはディスク仕様で前輪ハブにはディスクアダプターを使われています。この特殊なアダプターが使われているホイールを分解するのですがなかなか手強いハブでした。

ハブとディスクアダプター

クリスキングのホームページではいろいろな取り扱い方法の情報を提供しています。以下ディスクブレーキのアダプターを解説しています。

このアダプターはハブに3mmネジで3カ所固定します。取扱説明ではねじを外せば簡単に取り外しが出来るように書かれています。

しかし実際この作業を行いましても簡単には外れませんでした。がっちりと固着しています。

タイヤレバーが折れてしまった

ハブを傷つけないようにプラ系のタイヤレバーでこじるのですが微動だにしません。タイヤレバーの先が折れてしまいました。 クリスキングの取扱説明書には固着した場合の救済策は書いていません。ではどうすればいいのか?

オイルとヒートガンで解決

今回はオイルとヒートガンです。オイルをひと吹きしてしばらく置いてからヒートガンで温めた後タイヤレバーでこじるとポロっと取れました。固着したらオイルとヒートガンで試してみる。ヒートガンはとても便利な道具です。

タイヤ優先で作ったチューブラーホイール

ホイールの良さを決める要素としてはいろいろありますが一番にタイヤ、2番にリム、3番にスポークが重要と考えています。ハブは意外と後ろのほうです。

ワイドリム使用32Hチューブラーホイール  細いスポークで乗り心地はとても良い

タイヤですがプロライダーはチューブラーを選ぶ人が多いようです。チューブラータイヤは対パンク性、ローリング、グリップなど乗り心地を決める性能が優秀なのが理由です。

ヴェロフレックス プロツアー28mm
1本321g

今回選んだタイヤはヴェロフレックスのプロツアー28mmです。

CX22  この赤いシールは剝がしています

リムはTNIのアルミリム、CX22を使いました。ワイドリムで手に入るアルミチューブラーリムはこのリムしかないと思います。チューブラーには根強いファンがいますので長く販売していただきたいものです。

シマノ RS470 前輪ハブ 163g
シマノ RS470 後輪ハブ 360g

ハブは安心のシマノハブです。ティアグラハブを使っています。カップアンドコーンで十分な回転性能です。外観はシンプルで高級感はありませんがよく回ります。ハブの回転性能にクラス分けすることは出来ません。このハブはとてもコスパが良いと思います。

スポークは中央部が1.5㎜の丸スポーク、DTのレボリューション黒で組みました。このスポークを叩いて扁平にしたスポークが高級スポークエアロライトです。価格は3倍違います。

丸スポークと扁平スポークではほんのわずかな空力差はあることはありますが、これには目をつぶり価格優先で採用しています。

チューブラータイヤの扱いは難しいと思う人が多いようです。これは自転車屋さんが面倒くさがるのが原因という話を聞いたことがあります。クリンチャーなら簡単に処理できるのでお客さんに勧めるめるのはクリンチャーばかりということです。そうかもしれません。本当はいいと思っていても本音とビジネスは違うということで残念です。

チューブラータイヤはタイヤの構造上リム打ちパンクがありません。釘のようなものが刺さってパンクするだけです。今の道路事情を考えますと道がきれいですのであまりパンクするということはありません。仮にパンクしても空気はクリンチャーのように一気に空気が抜けるということはありません。ゆっくり空気が抜けるので安全度は高いです。パンクしたときはタイヤをはがして新しいタイヤを貼りつけます。作業はそんなに長い時間かかるものではありません。

タイヤを決めてから作ったホイールです 乗り心地は最高です 直ぐに慣れてしまうのが残念です

出来上がりのホイールはリム剛性が高く外周部が軽いので登りにも強いです。細いスポークを使っていますのでショックアブソーバーの働きをしてくれます。地面からの振動を和らげてくれるのでロングライドでも疲れにくいホイールに仕上がります。

ホイールの価格ですが、タイヤとホイールがほぼ同額です。ホイール本体は意外と安価に仕上がります。良いタイヤで作るチューブラーホイールは良いことずくめです。タイヤ2本でライディングが変わるというのは言い過ぎかもしれませんが初めての方なら驚かれるのは間違いありません。

音を聞き分けてスポーク調整

テンションメーターを使ってホイール作製を行っています。メーターは校正器を使って出来るだけ正確にテンション値を測っています。パークツールのTM-1は相対値を測るにはいい道具ですが絶対値を出して精度の高いホイール作りには向いていないと思います。

スポークテンションですが一般にはハイテンションが良いと思われがちです。しかしあまりのハイテンションで調整しますとリムの強度が下がります。各スポークが中央に引っ張る力の度合いが高過ぎるのはリムによくありません。カーボンリムでしたら注意書きが張られていますが通常120~130kgfまででおさめるように指示されています。

スポークテンションを出来るだけ均一になるように調整しています  デルの古いパソコンを専用にしています
ホイール作りの最終段階ではギターピックを使って音で調整が楽です

ホイールは何度も繰り返してスポークテンションを調整しますが、最終の調整ではほとんどスポークの張りに変化がありません。この段階になりますとテンションメーターをあてるのが面倒になりますの音で聞き分けています。

ギターピックではじき、音が揃っているとほぼ同じスポークテンションということが分かります。

音の違うところだけスポークを調整すればいいのでとても簡単です。

しかしこの音で調整を最初から行うとなりますと大変です。出来る人もおれらるかもしれませんがこれは厄介と思っています。

テンションメーターとギターピックの併用で調整していますが時短で効率良くホイールを組み上げるにはお勧めです。