超軽量ディスクカーボンホイールのご注文

超軽量ディスクリムを使ったカーボンホイールのご注文をいただきました。

 

リムは45mm高でありながら390gと超軽量です。いつも使っているリムの高級版です。一本1万円ばかり高くなりますがこのリム高でこの重量は非常に軽量です。2本で約6万円、高いだけのことはあります。

後輪 391g 穴なしリム 28h
前輪 393g 穴なしリム 24h

ハブはBitexのディスクハブです。価格と性能のバランスが良いと思います。

 

スポークは前輪左右にサピムのCXRAYです。高級スポークを使っています。スポークホルダーを使えばねじれは防げますので非常に扱いやすいスポークです。ホイール作りのビギナーさんにお勧めです。1本350円以上しますのでなかなか簡単に購入できる価格ではありませんが扱いやすさや性能を考えると一番お勧めのスポークといえます。

後輪スポークは左側にCXRAY、右ドライブ側には剛性を高める意味合いで左側より太いDTコンペティションを選んでいます。

DT Squorx Pro アルミニップル

ニップルはDTトルクスを使いました。このニップルは通常ニップルよりも頭の部分が丈夫です。ニップルに関してはアルミをご希望されましたので強度の高いトルクスニップルになりました。

 

普段はガルバニック腐食を考えましてブラスニップルをお勧めしていますがオーナー様は天候がドライの条件で使用されるということでしたのでアルミトルクスを選ばれました。

前輪 641g
前輪スポークテンショングラフ
後輪 797g 28h
後輪スポークテンショングラフ

仕上がり重量は前輪24hで641g、」後輪28hで797gです。スポークが多いにもかかわらず前後で1438gです。やはりこの高級リムの利点は大きいです。外周部の軽さは非常に魅力的です。スポークが多いことは地面からの振動を吸収し乗り味が柔らかくなります。

 

ホイールは穴なしリムを使用していますのでテープ代はかかりません。意外とテープ代金はかさむものです。ホイール代は2万円ほどお高くなりますがランニングコストが少ないないことは結果的にとてもよい選択をされたと思います。

 

ホイールはすべてお客様とご一緒に作り上げていきます。アドバイスはいたしますが決められるのはお客様です。私は作製のお手伝いになります。

 

ホイールはいつものことですがスポークのテンションをできるだけ揃えています。カーボンリムは精度が高いのでテンションのバラつきが少なく、作る立場からいいますと調整は楽です。均一にニップルを締めつけていけば割とすんなりと仕上がります。

 

このホイールは仮組までが一番厄介です。穴なしリムですのでちょっとした力の入れ具合でポロンとニップルがリムの中に落ち込んでしまいます。そうなると作業を止めニップルが出てくるまでリムを振り続けなければいけません。ニップルを取り出してまた作業開始です。

 

仮組が終わりますと後は振れ取りですので作業は順調に進んでいきます。

 

こうして組み上げましたのがこのホイールです。前後で1438gと軽量ながらスポークは24・28hです。スポークが多いと安定した乗り味が期待できます。

チューブラーホイールを組ませていただきました

昨年お納めいたしました方より再度のご注文いただきました。

リピートのお客様は本当にありがたいです。いつも書いていることですが、まえ良かったから今回もということですのでうれしいことです。商いの醍醐味です。

リム、ハブを送っていただきました

ハブとリムはお客様よりお送りいただきました。

Duraハブ 145g
Duraハブ 368g 美しいです!

ハブは8速のオールドDURAハブです。今も性能は驚くばかりです。私個人的にはこの時代のハブのほうが現行ハブより好きです。出来が違います。センターオフセット値が小さいのでスポークの左右テンション差は現行の11速用よりも高い数値です。つまりホイールの走行性能としては現行ハブより上です。

 

細かくギアチェンジをされる方は11速が必要かもしれませんが私の走り方では8速、9速で十分です。しかし好きと仕事とは違いますので現行ハブもできるだけ良いパフォーマンスを得られるようには行っています。

リム重量 388g  軽い!

リムはマヴィックのオープンプロ・チューブラーです。昔はリフレックスと言っていました。現在なかなか手に入りにくいリムです。海外通販でもマビック製品は購入が難しいです。どのサイトでも日本には送れませんと書かれています。このリムを上手に手に入れられたと感心しています。

 

軽量リムながら剛性もしっかりしています。アンブロシオのリムとどちらがいいかと迷ったものです。久しぶりですがやはりいいものはいいです。

 

スポークの選択では私のほうからお願いしました。当初DTチャンピオン2.0mmのストレートスポークをご希望でしたがコンペティション2.0/1.8/2.0mm黒で十分剛性も得ることができますし軽量化できますとお願いしましたら私の意見を聞いていただきました。コンペティション黒でおつくりすることになりニップルは黒のブラスです。

前輪 759g
前輪スポークテンショングラフ
後輪 984g
後輪スポークテンショングラフ

いつものようにスポークテンションはできるだけ均一化を図って作りました。前輪759g、後輪984g前後1743gで仕上がりました。

 

リムの外周部は388gと超軽量リムです。ハブの中心部は若干重いのですが中心部の重さなので回転には影響ありません。テンションバランスも11速ハブよりはるかにいいです。見た目とは違う秘めた力を持っているホイールに仕上がりました。

 

いいホイールを作らせていただき感謝感謝です。

銀輪ホイールのご注文

銀輪ホイールのご注文いただきました。

前後 1623g

オーナー様は現在クロモリロードをオーダーされていますのでオーダーフレームの出来上がりにあわせてのホイールです。

 

なかなか銀輪リムを手に入れることは難しくいろいろ探しました。キンリンリムのXR26T/RTでは銀輪リムを作っていますので取り扱っている会社を探しましたらうまく見つかりました。ハブ、リムともに入手でき作らせていただくことになりました。

 

リム、ハブ、スポークはピカピカでクロモリロードにはぴったりの組み合わせです。

前輪 716g 
前輪スポークテンショングラフ
後輪 907g
後輪スポークテンショングラフ

シルバーハブはバイテックスRAR12,RAF12の組み合わせです。

Bitex hub RAF12 28h  2クロス組
Bitex hub RAR12  32h  3クロス組

スポークは前輪にサピムのLaser2.0/1.5/2.0mm、後輪左はサピムのD-light2.0/1.65/2.0mm、右はDTコンペティション2.0/1.8/2.0mmを使うことにしました。

 

スポークを使う場所に応じて選んでいます。まさに手組ホイールの良さがよく出ています。前輪にはショックアブソーバーの働きをするLaser、後輪は剛性を高めるために太いスポークを使うという組み合わせです。

 

使用するキンリンのリムは非常に軽量ながら剛性があります。キンリンのホームページを参照しますと使用アルミが違うようです。高さも26mm高で重量も460g前後です。空力も期待できるリム高です。

 

スポークテンションには最大の注意を払って作製しています。テンションのバラつきは5%以内に仕上げています。スポークのバラつきを押さえることで前に進む力をロスすることなく伝えることができます。素材を生かすうえでホイール組の一番大切なところと考えています。

 

前輪716g後輪907g 前後1623gです。ワイドリムで多スポークホイールとしては非常に軽量です。後輪にはオフセットリムを使っていますので左スポークテンションは通常よりも10%以上高い仕上がりです。これは駆動ロスを減じることにつながります。

 

2:1組のように組み方で左右テンション差を少なくするために凝った造りにしなくても左右のプルスポークを総動員して駆動に参加させる方法はとても理にかなった方法と思います。もちろん2:1組を否定しているわけではありません。それぞれ長所短所があるわけでこれが最良というものではありません。価格、重量などバランスが必要です。

 

特殊なハブを使わなくても好結果を得られる方法としてオフセットリムを使うことは最良の解決策と思います。

オフセットリムを使用したXR26T/RTは重量、高さなどとても良い塩梅です。これから大いに使っていこうと思います。ロングライドに適したいいホイールが出来上がります。

5セット目のオーダーを頂きました

DTのPR1400のハブを使ってカーボンホイールに作り替えるというご注文です。今回で5セット目のご注文です。

前回の記事にも書きましたがこちらの力を認めていただいているということですのでリピートのオーダーは本当にうれしいしありがたいです。

ベアリングはセラミックベアリング
スポークは扁平スポーク

ハブとスポークをお送りいただき、リムはこちらでご用意いたしました。

 

最初気楽に考えていましたが非常に難しいとことが後でわかりました。

DT aero comp® wide t-head 特殊なスポーク

扁平スポークは扁平部分が広くて私のスポークカッターでは切れないのです。

ハブ自体はストレイトプルスポークのハブですが構造がまた特殊でした。

T-head spoke を使った特殊構造のハブです

前輪はハブの寸法を計測すればラジアル組ですので割とすんなり寸法が出ます。後輪は特殊な作りのためスポークオフセットの寸法がすっきり出ません。

穴なしリム

リムはニップル穴なしのカーボンリムです。スポークにうまくニップルがはまらなかったらポロっとリム内に落ちてしまい作業を中断してニップルを取り出します。ニップルを取り出しにはリムを振って運に任せるしかありません。ゴロゴロとニップルが出てくるまで降り続けます。運が良ければポロっと出てきますが出ないときは3分以上振り続けます。

 

もう今回はお手あげでハブを変えてくださいとお願いしようかと思ったのですがせっかくお話いただいたのでやり遂げないとという変な意地が出ました。

 

前輪は割とすんなり作り替えが出来たのですが後輪は難儀しました。

 

ハブを最初見て2クロス組という先入観がありましてスポーク長の計算には2クロスで計算していました。1回目を組んでみたのですがスポークがゆるゆるです。理由がわかりません。計算ソフトにハブ計測の数値を入れて出た数字が違うのでハブをまた測りなおしました。

スポークオフセット値が違うのが分かったので再度スポークカットしなおし組み直したました。

 

果たしてまたスポークがゆるゆるでした。

 

じっとハブを観察してわかりました。ハブは左右共に1クロスのハブでした。ほとんどのハブは2クロスか3クロスのハブですが1クロス組のハブを初めて経験しました。1クロスのストレイトプルスポークハブです。注意不足でした。あとでこの話をお客様にしましたがお客様も驚かれていました。あとで確認の写真を送っていただきました。

DT PR1400 DICUT 後輪 DTホームページより

3度目です。1クロス組でスポーク長を出しスポークオフセット値も確認しまして組み直しますとうまく組み上げることができました。

後輪 805g
後輪 ドライブ側 127kgfで仕上げています
前輪 676g
スポークテンションを均一に  約125kgfで仕上げています

一時は音を上げたハブですがじっくり観察して完成することができました。

後輪 右DS側 1クロス組
後輪 左NDS側 1クロス組

勉強できたことは

 

初めてのハブはじっくりと観察し正確に計測することです。できれば完成品の写真があればよくわかります。

スポークカットではカッターに入らないスポークの処理の仕方も覚えました。

 

ホイール作りは奥が深いです。改めて感じました。今回で少し上達しました。難しいハブもこなせるようになりました。お客様のおかげです。

 

オーナー様は①前後ともにCXRAY使用、②前輪CXRAY後輪コンペティション、③DTハブDICUTの1クロス組ホイールと同じリムで3種類の組み方のホイールをお持ちです。

これらのインプレを聞かせていただけるのが楽しみです。

ディスクカーボンホイールのリピートオーダー

穴なしカーボンリムを使ったホイールのご注文です。オーナー様は1月に46mm高のリムで作ったディスクホイールをお買い上げいただきました。気に入っていただき2台目のディスクロードを注文されていますので新規のフレーム用にご注文いただきました。先のホイールが良かったで再度のオーダーをいただきました。

どの商いも同じと思いますがリピートいただけるのはありがたいことです。認めていただいたということですのでうれしい限りです。

前後 1448g
前輪 667g

後輪 781g
後輪スポークテンショングラフ

 

ホイールの詳細は次の通りです。

 

リム 36mm高28mm幅カーボンリム ニップル穴なし 前後ともに24h

ハブ TNI REVOディスクハブ 24h

スポーク サピムCXRAY 2.0/0.9/2.3mm 黒

ニップル DT squorx ブラス 黒

 

REVOハブは前後24hの穴数しかありませんので体重のある方は注意が必要です。80kg以上の体重がある方はスポークの本数を増やすほうが良いかと思います。24hでも乗れないことはありませんが私はお勧めしていません。

 

ディスクハブの場合センターオフセット値は小さいので130幅のリムブレーキ用ハブよりは左右のスポークテンション比率は優秀です。ハブ幅が広くなるということは重量も増えるのですがスポークテンションではこちらのほうが優れています。何事もトレードオフの関係です。

 

リムのセンター出しに関してディスクホイールはリムブレーキほどシビアでなくても良いのですがしっかりセンター管理は行いました。タイヤインストール後リムは少し強く引っ張っている方向に寄りますので0.2mmとほんの少しですが事前補正をしてセンターを出しています。

 

一番肝心なのはスポークテンションをできるだけ揃えることです。揃っていれば振れは出にくいです。しっかりとなじみだしを行った後テンションを一致させることが大切です。

 

リムメーカーのテンションばらつき度の推奨値は5%以内に仕上げてくださいとパンフレットに書かれています。もちろん5%以内に仕上げていますがこのハードルは結構高いハードルです。リム自体はとても精度の高い仕上がりですがご自分で組まれる方は注意が必要です。営業になりますができない方はお任せください。

穴なしリムはテープが要りません

穴なしリムを使用したホイールはリムテープがいらないのでメンテナンスが楽です。タイヤ交換はパンクの度にリムテープを交換するのは手間がかかります。テープ代も結構かかります。皆さんリムテープの代替品を探すのはよくわかります。

性能では36mm高のホイールは空力もしっかり得られとても軽量です。リム剛性が高いので踏み込んだ力が逃げません。駆動ロスの少ないホイールです。オールラウンドホイールとして活躍してくれます。価格、性能などブティックブランドに負けません。

チューブラーホイールのご依頼

チューブラーホイールの作製依頼がありました。

 

当初次のようにプランを立てておられました。

以下は最初のご連絡です。

 

[Fホイール]

リム:tni cx22 24h

ハブ:tni エボリューションライトハブ 24h

スポーク:sapim cx-ray シルバー

ニップル:dtswissアルミニップル シルバー 組み方:ラジアル

 

[Rホイール]

リム:tni cx22 28h

ハブ:tni エボリューションライトハブ 28h(シマノ11sフリー)

ndsスポーク:sapim cx-ray シルバー

dsスポーク:sapim leader シルバー

ニップル:dtswissアルミニップル シルバー

 

 組み方:nds3クロス ds2クロス ※ニップルワッシャーがあったほうがよいリム穴形状であればニップルワッシャーも追加

 

体重58kg  ftp265です

使用バイク 東京サンエスjff501

ブルベやロングライドでの運用

マビックgp4で組んだホイールを使用してきましたが摩耗による限界がきたため

 

このようなご連絡いただきました。かなりのご経験がある方と推察いたします。なかなかFTP265は出せません。

ホイールを組める方からのご注文はうれしいものです。しっかりしないといけないと思いますがいろいろご相談できますので面白い組合せができます。

 

メールでやり取りしている間にハブの変更がありました。リムはそのままです。

イタリアのミケハブでの組み合わせです。スポークは前輪サピムのLaser2.0/1.5/2.0㎜、後輪左Laser右DTコンペティション2.0/1.8/2.0mmという組み合わせです。

前輪はラジアル組後輪は左3クロス右2クロス組です。

私の提案も受け入れていただきました。

リム TNI CX22 24・28

ハブ ミケ シルバー 24・28h

スポーク 前輪 サピムLaser ラジアル組

後輪 左 Laser  3クロス組

右 コンペティション 2クロス組

ニップル ブラス

 

ご連絡しながらホイールを考えていく時間は楽しいです。

体重、乗り方、スポークハブの選択など決めていきます。

前輪 シール付き 689g
前輪685g               シールをはがして納品4g軽量化
前輪スポークテンショングラフ
後輪889g
後輪スポークテンショングラフ
前後1574g 外周部が軽いホイールです

TNIのリムシールは剝がして8gの軽量化となりました。TNIのリムは軽量ながら剛性が高く価格もこなれています。いまチューブラーホイールの完組が少ない中今回のホイールはとてもいい選択肢と思います。チューブラーホイールは外周部を軽くできます。良いタイヤを選べばオールラウンドホイールとして活躍してくれます。後日インプレをいただけます。楽しみです。

前輪46㎜高、後輪56mm高カーボンホイールのインプレ②

一月末のインプレ記事の継続版です。

お納めしましたカーボンホイールを少し乗り込まれた感想を再度聞かせていただきました。リムはニップル穴のないリムを使っています。リムテープがいらないチューブレスホイールです。

製作の私としましてはとてもうれしい話です。

56㎜高リム使用 8:16ハブ
後輪スポークテンショングラフ
46mm高リム使用 DURAハブ18h
前輪スポークテンショングラフ
バイテックス BX301 8:16
DURA HB9000 18h

あれから何回も乗りました。

やはり良すぎます。

 

ホイールのネガな部分が無く(0発進のもたつき)なおかつ空力の良さで急斜面の登り以外でのシチュエーションでのアドバンテージがかなり大きいです。

 

とりあえず非の打ち所が無いホイールですね。

これでさらに軽かったらどうなることやらって感じです。

 

やっぱり2対1で組んだ効果とあのハブの性能が良いのですかね?ラチェットのノッチ数も多いのでかかりがいいと思います。

 

以上のインプレをいただきました。

 

ホイールはとても良い印象のようです。乗り手がFTP300の力のある方ですのでどの方にもお勧めはできないと思いますがこうした生の声を聴かせていただくと大いに参考になります。

BX301 爪が6個あります

バイテックスのBX301 8:16ハブを分解してみました。なるほどフリーの爪は6個あります。ちなみにノバテックは4個です。2個の違いがどう影響するのかはっきりと私にはわかりません。

ノバテックハブ 爪が4個あります

1:1組のハブではよく使うノバテックハブで好結果が出ています。センターオフセット値ではバイテックスよりもノバテックのほうがいいのでスポークテンション比率は若干ノバテックのほうが勝っているのです。

今回のホイールは2:1組の方法で組んでいますのでテンション比率に於いて左右の差が少ないのが大きく寄与していると思われます。左を約90kgfで引っ張っています。右は130kgfくらいで引いていますが握っての感触はラジアル組の左側が強く引いている感じがします。

私の印象は次の通りです。

よく走る原因は先ずはエンジンですね、FTP300はなかなか出せません。

リムの剛性が次にあげられると思います。やはりカーボンリムは剛性が高いです。つまり駆動ロスが少ないということです。あとは空力です。高速域でのエアロ効果は大きいと思います。最後に作り手も少しは貢献していると考ます。

ホイール作製のアイデアはオーナー様と相談しながら決めました。とてもいいホイールが出来上がったと思っています。

ピストホイールのご注文

以前DTリムRR411のリムを使ってピストホイールのご注文いただきました。

お客様よりマビックOpenproチューブラーリム32h、シマノDuraトラックハブを使ってのピストホイール作製のご依頼です。2本目のご注文です。ハブとリムはお客様よりお持ち込みです。私はスポークの提案を行いました。。

リピートのお客様は正直うれしいです。前回お納めしたホイールがご希望を裏切っていない証拠ですのでありがたいです。

さて、スポークはコンペティション、CX-RAY、Laserの3種類から選択することになりました。それぞれのスポークには特徴があります。しっかりしたメーカーの品物ですのでどれを選んでもいいホイールが出来るのですが前回はコンペティションでしたので今回はLaserかCX-RAYです。

後輪
前輪

価格的にはCX-RAYはLaserの約3倍です。空力、強度、扱いやすさ、どれもトップランクです。もちろん価格もトップです。ではLaserは劣るのかとなりますとほんの少し空力に於いてCX-RAYと比べますと劣ります。あるホイールメーカーが風洞実験を行い1Wの違いがあると調べました。

1Wですので大きいと取るかほとんど変わらないと取るかです。0.1秒の差で勝負が決まる場合はCX-RAYかもしれません。もともとLaserはCX-RAYの扁平前のスポークですので強度や空力にはCX-RAYと比べて少し劣りますがとても優秀なスポークであることに変わりありません。

ただLaserはビルダー泣かせのスポークであることには間違いないです。サピムのホームページでも熟練の人でないと難しいと書かれています。CX-RAYはスポークホルダーを使えば楽に組めますのでビルダーはお客様にCX-RAYがいいですよというのは当たりまえです。あまりにCX-RAYを勧めるビルダーは要注意です。

 

私はどちらでも組めますのであくまでもお客様志向でお勧めしています。両方の利点欠点を説明しています。

 

少しでもパフォーマンスの良いホイールがいいとおっしゃる方もおられます。キラキラとスポークが光るのはCX-RAYシルバーですが私はLaserが渋くて好きです。

果たしてお客様は渋好みでした。好みが一致しました。当初ご連絡いただきました時はCX-RAYをご希望でしたがいろいろご説明を繰り返すうちにLaserを選ばれることになりました。

組み方では後輪をJIS組、前輪はイタリアンで組んでいます。いつものことですがスポークテンションはできるだけ揃えるように作製しています。

後輪 862g
後輪スポークテンショングラフ
前輪 759g
前輪スポークテンショングラフ

 

ホイールには作業仕様書というほどではありませんがスポークテンショングラフを一緒に納品しています。どのお客様もこのグラフで安心していただいているようです。わかりやすいので可視化は大切です。

前回はクリンチャーで今回はチューブラーホイールです。また違う乗り味なのでインプレが楽しみです。

銀輪ホイールの作製

以前ホイールをお納めした方のご友人からご注文いただきました。

前輪28h
前輪スポークテンショングラフ
後輪 28h
後輪スポークテンショングラフ

 

今回は銀色のヴェロシティA23アルミリムと銀色のハブを使います。この部品を使ってのご依頼です。クロモリ自転車にはぴったりの組み合わせです。見た目はクラシックでありながら中身は新しい高性能の部材を使っています。

ヴェロシティ A23
ヴェロシティ ハブ 28h
TRADIZIONE クラシックハブ28h

ロングライドでは地面からの振動で疲れるので振動を吸収してくれるホイールがいいというご希望です。

ホイールはリムとスポークの選択で乗り味が大きく変わりますのでスポークは私のほうで提案いたしました。

 

前輪はピラーのTB2015 2.2/1.5/2.0mmのトリプルバテッドスポークを使います。中央部が1.5mmの細いスポークはショックアブソーバーの働きをします。振動を吸収してくれますので乗り味の柔らかいホイールに仕上がります。

 

後輪は右ドライブ側にDTコンペティション 2.0/1.8/2.0mmと太くして左側にはサピムD-light 2.0/1.65/2.0mmを使っています。剛性を高める意味もあって太くしています。後輪の左右の違いは軽量化と左右スポークの応力の違いを利用して左スポークテンションを高めています。もちろん後輪リムはオフセットリムなので左テンションは通常リムよりも10%ほど高くでき力の伝達ロスを防いでいます。

ハブは計測してスポーク長を計算します

A23リムは精度が高くとても組みやすいリムでした。銀輪リムはなかなか手に入らないのでよい選択をされたと思います。銀輪ホイールは完組ではあまり販売されていません。結果的には手組ホイールになります。

 

フレームとのバランス、走りの具合など聞かせていただけるのが楽しみです。

前輪46㎜高、後輪56mm高カーボンホイールのインプレ

楽しみにしていましたホイールのインプレをご連絡いただきました。ホイールの詳細は以下の通りです。

前輪683g Duraハブ18h
CX-RAY 18h ラジアル組

前輪 46mm高28mm幅カーボンリム

ハブDURA HB9000 18h

スポーク サピムCX-RAY

ブラスニップル

後輪877g Bitex BX301 8:16
左8本右16本 1:2組

後輪 56mm高30mm幅カーボンリム

ハブBitex BX301 8:16

スポーク コンペティション ストレイトプル

ニップル ブラス

前輪18hラジアル683g、後輪24h2:1組877gのホイールです。前後で1560gです。とても軽いホイールです。

穴なしリムです

久しぶりに走られたそうですが良かったと印象の連絡いただきました。以下メールでいただきました。走力ある人のインプレです。次のホイールに参考になると思います。

 

今日3週間ぶりに自転車乗って160キロ程走ったんですがメチャクチャ走ります。正直下りは怖いほどスピードのるのできょうは路面がスリッピーだったせいで怖かったです。

 

1500gちょっと重量ありますけど初速のもたつきなど無かったです。平坦もスピードの乗りがかなりいいので僕にはもってこいです。誰かの後ろについた時にホイールの惰性が強いので大分脚も休められますし、そこからさらに平坦でアタックとかしやすいです。

 

登りはキシリウムproと同じです。キシリウムの方が軽いですけど剛性が今回のホイール方が高いのでグイグイ進んでくれるので重さは気になりません。これ一本でなんでもいけるので正直キシリウム要らないです。。。

3週間ぶりに走ったわりには走れた感覚ですが大分ホイールに助けられました。お世辞でも無くてホンマです。気にいりすぎました。

 

詳しく教えていただきました。ビルダーとして本当にうれしいご連絡です。このホイールは後輪を2:1組にしています。後輪スポークはコンペティションを使ってスポークを太くしています。硬さがすこし増えますが力のある方なので逆にい良いのだろうと思います。

存在感あるリムは空力の良さを十分体感していただけるリム高です。前後輪ともにリム幅が広いので良好な空力を得ることができます。

どんどん作り手としてのデータが増えてきました。沢山乗っていただいて得れる情報は貴重です。それにしてもカーボンホイールは穴なしリムがいいですね。リム打ちパンクがありません。テープがいりません。穴ありリムよりは穴がないので剛性が高いと思うのですがいかがでしょうか?