ボントレガーホイールと手組ホイールの試乗比較

この度ホイールの乗り比べをしていただく機会を得ました。約4年前に試作した手組ホイールファン製作のキンリンホイールとボントレガーのアルミホイールの試乗比較です。

ボントレガー パラダイムエリート 前輪677g
ボントレガー パラダイムエリート 後輪842g
XR31RT 1070g 28H ティアグラハブ使用
ドライブ側 1クロス組ヘッドイン
左非ドライブ側 3クロス組

試乗していただくライダーさんは軽く35km巡行できるパワーの持ち主です。この方に乗り比べていただきました。実はボントレガーホイールのオーナーさんです。

キンリンホイール後輪は2019年6月4日の記事で発表しているXR31RT28Hです。前輪は同じくXR31T24Hラジアル組です。後輪は左3クロス、右1クロス組と変則組です。ドライブ側が1クロスなのである意味イソパルス組みに近い組み方です。スポークテンション比率を計算しますと高い数値が得られるので試作しました。

ボントレガーのホイールはこのブログ2023年2月20日の記事にしています軽量ホイールです。スポークの剛性が不足していましたので太いスポークに取り換えています。

パワーライダーであるお客様にお預けしていました手組ホイールとスポークを組み替えたボントレガーのホイールの乗り比べは興味深い結果となりました。インプレをお送りいただきましたのでブログ記事に使わせてほしいことをお願いしましたら快く承諾していただきました。以下インプレです。

ボントレガーパラダイムエリートとキンリンホイール(ハイトが31ミリ)を乗ってみたので、感想をお伝えする約束だったので連絡しました。

今回のインプレ項目は、以下の通りです。

1.平坦巡行

2.ヒルクライム

3.なだら下りでのもがき

4.ダウンヒル

5.コーナリング

6.ブレーキ操作

1.平坦巡行について

 やはり重量があるためなのか、ゼロスタートはボントレガーに軍配が上がった感じです。しかし、速度に乗るとキンリンホイールの圧勝です。転がり出すと、キンリンホイールの方が早く35キロまで上がり巡行が可能でした。さらに、追い抜いてきた人に反応出来てついて行く事が出来ました。35キロから更に加速も凄まじくニンマリしてしまいました。余裕だぜって感じでした。相手は40キロで走っていたのですが、着いていくのが楽勝で先頭交代しても40キロを保つのがボントレガーより明らかに楽に楽でした。そのまま走っていると、相手はちぎれてしまいました。

ボントレガーでも40キロは出たのですが維持するのが大変な感じでした。

 速度が上がると、ある程度重いギア比にしないとスピードを維持が出来ないのように思っています。重いギアで回すため剛性が低いと、力が逃げる感覚があります。高速を維持するのには、剛性が必要になることが分かりました。

 速度が上がりきって巡行に入ると、スポークテンションが均一になっている恩恵を受けて惰性で速度が維持しやすい印象でした。

高速巡行するのも、剛性が大事なんですね。

コースは関西医大~御幸橋を使用しました。

ボントレガー:平均34.6㎞

キンリン:平均37.3㎞

結構差がつきました。風を考慮してコース往復の平均を出しています。

2.ヒルクライム

 ボントレガーに軍配が上がりました。やはりスポークを太くして剛性が上がったのが大きかったです。ボントレガーは、常時80回転くらいでいけた感じです。勾配が10%を越えても何のその、6%くらいであればスイスイいけちゃいました。しかし、ダンシングではまだ抜ける感じがありました。そのため、ほとんどダンシングは使いませんでした。

一方キンリンも、負けてる訳ではありませんでした。やや重さは感じたものの、登ることは出来ました。さすがに8%を超えたあたりから重さを感じるようになりました。ですが、いいところもありました。ダンシングが気持ちいいくらいに、グイグイ進みました。これはかなり大きな収穫でした。シッティングでもう一枚ギアを軽くして、回転上げて登ると、化けるかもしれません。勾配がきついところは、ダンシングでのりきると良さそうな気がします。ダンシングが気持ちいいのは、キンリンの方が、剛性が高いから力が逃げないのだと思います。

コースは柳谷(島本側)です。

ボントレガー:15分37秒 平均17.1㎞

キンリン:16分2秒 平均16.6㎞

3.なだらか下りでのもがき

キンリンホイールの圧勝です。

後輪のかかりがいいので、どんどん加速しろと後押しされてる感覚でした。これは凄いです。こんな感覚は、初めてでした。めちゃくちゃ気持ちよかったです。

ボントレガー:最高速52㎞

キンリン:最高速64㎞

これもまたかなり差がつきました。

キンリンの方がスルスルと回転が上がって、速度にのるのが早かったです。これは面白いホイールだと思います。

4.ダウンヒル

これもキンリンの勝ちでした。

空力と回転性能をみるために、ダウンヒル中はあえてペダルを漕いでません。

明らかにキンリンが速かったですね。

ボントレガー:最高速51㎞

キンリン:最高速61㎞

なんと10㎞も差が着きました。

 空力だけの差ではないように思います。前輪後輪ともに、スポークテンションが均一なのもアドバンテージになっていると思います。

 ボントレガーは、前輪はスポークテンションが揃っていないので回転性能にロスが生じてるのではないかと考えています。

5.コーナリング

これもキンリンの圧勝です。

 コーナーで自分が描いた線を、思いのままにトレースできるのでめっちゃ気持ちいいです。アンダーも出ないし、よれることもないので安心してコーナーに入って行けます。その結果、ダウンヒルで恐怖心が出ないのでタイムが良かったです。

 一方、ボントレガーはコーナーでややよれる感じとフロントが引っ掛かる感じがして、スピードが落ちます。恐怖心が出るので、ブレーキをかけるタイミングが早いです。

コースは柳谷東下りです。

ボントレガー:4分4秒 平均36.1㎞

キンリン:3分33秒 平均41.4㎞

 キンリンホイールは平坦のコーナーでもよれることなく、曲がって行くのでコーナーでスピードが落ちませんでした。その結果、コーナーの立ち上がりが速くスムーズに加速していきました。これはクリテリウムで、かなりのアドバンテージになると思います。凄く有難いホイールだと思います。

6.ブレーキ操作

 これもキンリンホイールの方が勝っていました。前輪の剛性が関係しているのでしょうか?感覚ですが、キンリンホイールの方がいいように思いました。ダウンヒルでのブレーキも反応がよく、当てききも良かったです。なので安心してコーナーに入っていけました。

7.まとめ

 僕は身長と体重があるので、ヒルクライムはあまり得意ではありません。なので、平坦は得意な方だと思います。よって、僕個人ではキンリンホイールの方が好みです。比較結果からも、キンリンホイールの方が自分に合っているように思います。かといってボントレガーが悪い訳では無いです。凄く良くできたいいホイールだと思います。特にスポークを太くしてもらって、凄く良くなったので物凄く嬉しいです。ヒルクライムが楽しくなりました。ありがとうございます。

 ただ、キンリンホイールの方が自分に合っているので気持ち良くのれたので、気に入りました。ボントレガーよりも値段的にもかなり下回るので、かなりコスパはたかいと思います。

 最後にはなりましたが、こんなに貴重な機会を与えて頂いてありがとうございました。ホイールを乗り比べるなんて、なかなか出来ないことなので凄く楽しかったです。また機会があれば、やってみたいです。その際は、宜しくお願いします。

お礼を言っていただきましたがこちらこそありがたいです。手組ホイールファンのホイールはハブがティアグラハブです。リムも比較的手に入りやすいリムでいわば汎用部品を使っています。手組ホイールでも高性能のホイールは出来るということ証明していただきました。

自転車の重量増やすだけですよ!

15年以上前のことです。ロードバイクのビギナーだった時ですが、予備のタイヤチューブを買おうとバイクショップに立ち寄りました。ショップのオーナーさんが私のバイクを見てなんでこんなものつけているのですかと聞かれました。

15年以上使わないDHバー

TTバイクのDHバーのことでした。私は前傾姿勢で走るのが大変でこれに頼っていますと答えますと、自転車を重くするだけじゃないですか?これをつけるより体幹を強くすることですよとグサッとくるアドバイスをいただきました。この忠告に恥ずかしくなってDHバーは取り外しています。

私だけの感想ですが、バーを外してからずっとサイクリングロードで観察しているのですがTT用のDHバーをつけたライダーさんは女性ライダーさんと年配ライダーさんが多いなと思っています。勿論こちらも年配です。

このバーを取り付けて楽々と早く走るバイクを見受けますがTTバイク用としてセッティングしている競技の人が多いと感じています。断然多いのは年配さんと女性です。自転車向きの体が出来ていないのでしょう。人のことは言えませんが…

長い間このバーは部屋の隅に転がっています。ドロップハンドルはいろんな姿勢で乗れますのでもう使うことはないと思います。楽に乗れると購入しました。カーボン製で結構高価な買い物でした。

自転車の重量増やすだけですよ!というアドバイスいただいたときはすこし傷つきましたがロードバイクは見た目もシンプルで美しくなりました。今は頑張らない程度に体幹を鍛えて正しいセッティングをすればいらないな思っています。

メーターから解放される

ずっと自転車には速度や回転数、パワーを測れるパワーメーターいろんな係数が分かるものをつけていました。自転車はオタクではありませんが数台あります。

右のガーミンは古いメーターです パイオニアのパワーメーターも感動しました

どのフレームにもメーターをつけています。回し方がグラフでわかるパワーメーターを取り付けたとき感動したことを覚えています。クランクの回し方を可視化しているので買ってよかったと思いました。自転車にはずっと計測器を取り付けて乗っていました。

閑話休題、

最近アルミフレームの自転車をオーバーホールしました。部品をすべて取り外しフレームのペイントが剥げた部分にはタッチアップを行い、各部品はきれいに洗ってグリスを塗り、ワイヤー類は取り換えました。

メーター類は何もつけていません

この際このフレームだけはメーター類を取り付けないように決めました。計測するものが何もありません。

何故このようにしたかといいますと、ホイールのご注文いただいたお客様にメーター類はすべて外しました、というお客様がおられます。メーターがないと不便でしょ?と伺いますと、スピードに解放されて気持ちがいいとのお答えでした。

解放されて気持ちがいい?とは面白い答えでした。競争が気になって仕方ないのに自転車に乗ってまでスピードを競うのではいや!というわけです。メーター外して走られたらどうですか?また違った感じで乗れますよ!とアドバイスいただいたことを思い出しました。

フラットペダルをつけました

整備しなおしたアルミフレームの自転車ですが何もついていないシンプルバイクです。ついでにペダルもビンディングペダルからフラットペダルに替えました。

昨日、メーター類が何もついていない自転車でいつも走る30kmを走ったのですが面白い感覚でした。スピードにとらわれない乗り方もなかなかいいものです。他の自転車に追い抜かれても全く気になりません。気持ちの良い風や風景を感じることが出来ました。なかなかうまく表現が出来ないのですがゆっくり自転車を楽しむことが出来ました。早く走りたいという気持ちから解放された2時間でした。この乗り方もいいものです。

DT240ハブが届きました

カーボンホイールのご注文いただきましたお客様よりDTのハブが届きました。

ハブはお持ち込みのご注文です。リムは注文中なのでホイールの完成はこの月末になる予定です。手組ホイールファンでは部品の持ち込みはOKです。持ち込み費用は掛かりません。高価なハブも先にお送りいただけるのは信用していただいている証拠と思っています。

新品のハブをお送りいただきました

DTハブは何度も使っていますが、とてもよくできているハブなので紹介したいと思います。

前輪116g 左右のフランジ間が78mmで広い フランジ径も43mmと非常に大きい
後輪213g シマノハブが350gです

メンテナンスがし易いハブです。YouTubeでDTハブのメンテナンスが解説されていますので困ることはありません。ベアリング交換まではしなくても日常のグリスアップはご自分でされたら良いかと思います。

キャップを引き抜くだけでグリスアップは容易にできます

ご自分で出来るようにDTもYouTubeに動画を上げていますので参考にされるのが良いでしょう。こまめなメンテで無駄な費用を省くことが出来ます。

ハブを調べてみますとフロントの左右フランジ幅が大きいです。フランジ幅が68~70mm前後のハブが多い中でこのハブは78mmあります。8~10mm長いです。このフランジ幅が広いことは横剛性に大きく影響します。

フランジ径が台湾ハブでは30mmが多いのです。しかしDTハブでは43mmと非常に大きいのでスポークがリムに向かう角度が大きくなるわけです。この角度をブレイシングアングルと呼んでいます。塀のツッパリ棒を想像していただければわかりますがこの数値が大きいと横剛性が高くなります。

高価なハブですが細かく数値を見ますと非常にバランスが取れた優秀ハブだと感じました。前輪用116g、後輪用213gと非常に軽量です。もっと軽量ハブもありますが軽すぎるのもやはり剛性に影響します。こんなことからも良く考えられています。

リムがまだ届きませんがホイールが完成しましたらまた報告したいと思っています。

シムで位置調整する

クロスバイクの後輪ホイールですが最上段にシフトしますとかすかに音がします。シャリシャリとチェーンがスポークに触れて出る音です。バイクに乗らずに空で回すと擦れないのですが体重がかかるとリムは少し移動するのでしょう。かすかにこすれる音がします。乗れないことはないので面倒でそのままにしていました。この最上段のギアを使わなかったらいいと不精な解決方法でした。

1パック10枚入りです

最近のことですがシムを使えば良いというヒントをいただきました。シムを使えばディスクブレーキのローターやスプロケットの微妙な位置調整がとても簡単に行えます。

シムリングを検索して内径35mm外径42mm0.2mm厚10枚パックを購入することにしました。スチールとステンレスの2種類あり、今回はステンレスを選択しました。

シムをスプロケットの位置調整に使いましたがディスクブレーキのローターにも使えます。ほんの少しローターの位置をずらしたいときがありますがブレーキ側を動かせないことの方が多いのでこのシムを使うのはとても有効です。

シムでローター位置を調整することなどシマノのホームページを見ても書いていません。いわば裏技です。知っている人は昔から行っているでしょうがなかなかこういうことを知る機会は少ないものです。また、こうすればいいと思いついてもシムをどこから手に入れたらよいのかなどハードルが立ちはだかります。検索すればどこにあるのかわかる時代なのでこの探す力も大切と思っています。

パンク修理が楽なチューブラーホイール

久しぶりにタイヤがパンクしました。ホイールは前輪がクリンチャー、後輪がチューブラーという変な組み合わせで走っています。作ったホイールが沢山ありますので適当に組み合わせています。

クロスバイクが楽なのでロードバイクよりクロスバイクに乗ることが多くなっています。クロスバイクは1,2時間走る分には便利で愛用しています。

今使っているホイールは前輪がクリンチャー、後輪がチューブラーなのでまさかの時の為に予備のチューブラータイヤ、クリンチャー用のチューブとポンプを持って走っています。嵩張りますのでリュックに入れています。

今回のパンクでチューブラーホイールはパンク修理に適したホイールだと再認識しました。前輪はクリンチャーなのでタイヤレバーを使いますが、チューブラータイヤの場合、タイヤを切り取って丸ごと取り換えです。

修理が終わったところです タイヤを切り取りチューブラーテープで新しいタイヤを貼り付けました

携帯用のナイフでタイヤを切り取っていますが、ドライバーを差し込んでタイヤを浮かすことでもよろしいです。リムからタイヤを取り外してチューブラーテープを巻いて新しいタイヤをセットすればいい訳で所要時間は20分くらいです。15分から20分でタイヤ修理はできます。

お客様でチューブラーホイールしか乗らない方がおられます。理由を伺いますとパンク修理が楽だからという理由でした。クリンチャーホイールは結構力が必要なので難しく、修理が出来ないのですがチューブラーなら比較的楽に交換できるというわけです。

遠距離を走るロードバイクではパンク修理は必須科目です。パンクは自分で直す必要があります。山の中でパンクすれば大変です。誰も助けてくれません。

お客様はパンク修理ということを重要な選択基準としてホイールを選んでおられます。クリンチャータイヤは力が要るので難しいがチューブラーなら楽に自分で取り換えられるということからチューブラータイヤを選ぶということです。これも一つの方法だと感心しました。

後輪ホイールを太いスポークに組み替える

前回の記事で説明しましたホイールですが8年ほど使われていると伺いました。

現状は高級スポークのDTエアロライトです。優秀なスポークですが何分にも細いのでパワーライダーのお客様には剛性が不足しています。太さのあるコンペティションに交換を勧めました。

軽量アルミホイールでリムはオフセットリムを使っています。とてもよくできているホイールですがやはり経年変化を感じました。理由は振れ取りがとても難しいリムとなっています。

スポークテンションを揃えると振れが大きくなるというとても取り扱いの難しいリムでした。これはリムが何らかの理由で癖がつき、振れ取りがとても難しいリムになっていました。微妙なことですがホイール作りをしますとよくわかります。

ホイールを作り上げていく場合、まずはホイールの振れがないようにすることが大切です。振れ取り優先で作り上げるのが一般的な方法です。振れ取りが出来れば組み上がりとなります。しかしこれだけではスポークテンションが揃っていないことが多いので駆動ロスも大きいです。

お預かり時は振れ取り優先で作られていました 振れはほとんどありませんがスポークテンションは不揃いです
スポーク取り換え後のスポークテンションです 出来るだけ均一になるようにしました

手組ホイールファンではスポークテンションを優先しています。このほうが駆動ロスが少ないです。先ずはスポークテンションを揃えることを優先してから出来るだけ振れを少なくするという方法を取っています。

スポークテンションを優先するとどうしても振れを取り切ることが出来ないこともあります。こんな時は何故このようにするのか理由もお客様に説明しています。勿論大きな振れはないようにしていますが振れ取り優先ではありません。少しのフレは残ることもあります。しかし理由があっての振れですので納得していただいています。今回のホイールはスポークを太くして剛性を上げています。パワーライダーのインプレが楽しみです。

知ってしまうと気になるホイール

お客様より使っておられるボントレガーのホイールの調整の為をお預かりしました。

お預かりのホイールは購入された自転車屋さんに振れ取りの調整依頼をされたことがあるようです。残念なことにサイズが合っていないニップルレンチで回されたようでニップルを舐めてしまってレンチが使えなくなっていました。幸いにもDTのProlock Hexagonal ニップルでしたのでニップルの後ろから回すことが出来ました。後ろから回せることを知らなかった自転車屋さんもちょっと考えてほしいものです。お客様はニップルのことをご存じなかったのです。自転車屋さんは知らん顔していたことも驚きました。しかしこのようなことは間々あるものです。

ホイールをお預かりしますとまずスポークのテンションをチェックします。グラフにしましたのでわかりやすいです。

この状態で乗っておられました。スポークは強弱強弱とバランスは取れています。振れもあまりありません。

お客様は平均時速35kmで走れる猛者ライダーです。剛性の不足を感じませんでしたか?とおたずねしますと踏み込んだときにすこし力が逃げる感じですと仰っています。ずっとこのホイールで乗ってこられたので慣れておられるのだと思います。

今の細いスポークを取り換え、スポークを太くして剛性を上げたら乗り味が変わりますよとお伝えしました。

ずっと慣れて乗っているホイールは振れがないのでこんなものだとして乗ってこられました。お客様にとっては軽くてよく回るホイールだったと思います。

しかし グラフで可視化しましたテンショングラフをお示しした後、スポークの状況を知ってしまうと気になるものです。 スポーク替えを了解いただきました。

現状はDTのエアロライトでサピムのCX-RAYと同じクラスのスポークです。スポークを太くしてコンペティション黒(2.0/1.8/2.0mm)に変更します。スポークが届くのは少し先になりますので月末には新します。ホイールの剛性はスポークの総面積に比例しますのでスポークを太くすると剛性アップとなります。インプレが楽しみです。

スポーク折れたが無事に帰れた

お客様より次のご連絡をいただきました。

後輪左非ドライブ側のスポークが1本折れました

昨年の5月頃に組んでいただいたホイールのスポークが折れてしまいましたので修理の依頼です。
今日ライドに出かけて帰り道の途中で折れていたようです。
ブレーキの当たりに違和感を感じて気付きました。
状態はリアホイールの非ドライブ側のスポークが1本ハブの方で折れてしまいました。
いわゆる首が飛んだと言われる状態です。

走行不能にはならず転倒もしませんでしたので無事に帰れました。
振れは最小限で走行は出来る状態でしたので、多スポークホイールでよかったと実感しました。
思い当たる原因としては、今日の帰りの途中に薄い板状の金属片のような物を踏んで跳ね上がって自転車のリア付近のどこかに当たったような場面があったことです。
そのときに乾いた感じの「カンッ」という音がしたのですがそれが直接の原因かはわかりません。

すぐにお送りいただくことにしました。

スポークは残念ながら折れるときは折れます。折れないようにスポークテンションを均一にしていますが何か分からない力が働いて折れることはあります。

お客様のように無事に帰宅出来ましたのは多スポークホイールであったからと思います。

お怪我がなくよかったです。すぐに修理をしてまた使っていただけるようにしました。

特筆する点は多スポークホイールでよかった感じていただいたことです。このブログでは多スポークホイールの利点を何度も記事にしています。残念ながらスポークが折れることは間々あります。事故にならなかったこと、無事に帰られたことが本当に良かったと思います。

多スポークホイールの場合、スポークが折れると振れが少し大きくなるくらいで自転車に乗って帰れます。ロングライドに向いたホイールと思います。

タイヤレバーを入れるのが面倒

クリンチャータイヤの場合タイヤ交換、パンクの時はタイヤレバーを使います。長年タイヤを取り外していますが力も衰えてきましたのでなかなかうまくいかなくなりました。

新品のタイヤの場合タイヤレバーを差しいれるのは結構大変です。ビードから外したタイヤを親指で押して隙間を作りタイヤレバーを押し込みます。何とか隙間を作って1本目目はまだ簡単ににできます。次にまた同じように2本目のレバーを差し込みますが今度は隙間がほとんどない状態です。次のレバーがどうしても入らないことが多いのです。何度もレバーを押し込みますが入りません。力んでやりますので血圧が上がる感じです。

何度も外してすこしくたびれたタイヤ、少しビードが伸びたタイヤならレバーは比較的容易に差し込めますが新しいタイヤの場合はなかなか難しいです。コンチネンタルのタイヤは特にきついです。四苦八苦です。しかし何とかやり遂げないといけません。

タイヤシーターでタイヤをつまんで隙間を作ってレバーを差し込む  簡単にできます
タイヤシーターを使えば簡単です

最近このタイヤレバーの悩みを解決することが出来ました。もう何度もブログ記事で登場していますがパークツールのタイヤシーターを使うことで解決できています。ただし屋外では重い道具なのでもっていけないのが残念です。

方法は次の通りです。

タイヤシーターでレバーを差し込む位置のタイヤをつまみます。この巨大なプライヤーを横に倒してタイヤとリムに隙間を作りそこにタイヤレバーを差し込みます。こうすることでこの隙間にレバーを容易にいれることが出来、リムの縁からタイヤのビードを外すことが出来ます。次にまたレバーを差し込んでと同じことを繰り返せばいいわけです。タイヤシーターでタイヤをつまんでレバーを入れる隙間を作る。この繰り返しです。

タイヤ外しはタイヤレバーを入れる隙間作りが大変なわけでこれが簡単にできるなら解決したも同じです。

とても楽な方法です。力を使うことなく簡単にタイヤは外れます。これは優れもので買ってよかった道具の中でも上位に位置するものと思います。