アルミニップルで作られた手組カーボンホイールの後輪スポークが一ヶ所ニップル破損したということでご連絡いただきました。お客様は何度もホイールのご注文をいただいているリピーターの方です。お預かりホイールは手組ホイールファンのホイールではありません。


お預かりホイールはリムにFORMOSAと書かれています。ハブはホワイトインダストリーのハブを使っています。前輪スポークはサピムのCXRAY、後輪スポークはギア側にサピムのRase、反ギア側にCXRAYという組み合わせです。


破損ニップルは頭が飛んでいました。アルミニップルの弱点は頭部ですがこのホイールを作られたビルダーさんはアルミニップルの急所をご存知なかったようです。
すべてのニップルを確認しましたがスポークは少し短めでニップルスリット(すり割り)を突き抜けていませんでした。アルミニップルではスポークが短いと頭が飛ぶ恐れがあります。
一ヶ所だけ直してもまた同じことが起こるかも知れません。お客様はすべてのニップルを交換することにされました。とても賢明なご判断だと思います。


因みにアルミニップルは44個で15gです。取り換えに使ったDTのSquorxProブラスは44個で53gでした。「軽さは正義」と考える方々には驚くばかりの重量ですがアルミニップルのガルバニック腐食を考えますと手組ホイールファンではブラスの方を支持しています。

作業終了です。すべてのニップル交換は新しくホイールを作るのと同じですので意外と時間は掛かります。馴染みだしを何度も繰り返して調整しました。新しいテープを巻いて納品します。