XR31T/RTリム使用16:8組ホイールの調整

2019年にお納めしましたオーダーホイールの調整をして欲しいとご連絡いただきました。

前輪18穴リム使用 アルテグラハブ サピムCXRAY
アルテグラハブ HB-6700 18h ディスコンハブです 
18hラジアル組 
24穴リム 32穴ハブ 16:8で変則組
右ギア側16本 左8本
左が右より高いスポークテンション

お客様は長年にわたって年間1万キロメートルを走っておられる超ベテランのライダーさんです。自転車の組み立てはなんでも出来る方ですがホイールに関しては任せていただいています。

ホイールは当ブログでは定番のXR31T/RTリムを使っています。

前輪 XR31T 18H

前輪ハブ シマノ HB-6700 18H

前輪スポーク サピムCXRAY

後輪 XR31RT 24H 3mmオフセットリム

後輪ハブ DURAハブ FH-7700 32H

後輪スポーク サピムRace ドライブ側16本3クロス組 非ドライブ側 8本1クロス組

上記の部品で構成しています。

後輪は32穴ハブ、24穴リムで16:8の変則組です。

左側 1穴飛ばして1クロス組

このホイールの特徴は2:1組の変則組ですが、リムにオフセットリムを使っているところが面白いところです。オフセットしていない通常リムを使うとスポークテンション比率は78:100で仕上がります。3mmオフセットリムを使いますと左側100:右側97の比率になります。

左スポークテンションが右より少し高くなることはあまりない組み合わせですがこのホイールの組み方では左がほんの少し上回ります。ほぼ左右同じといっても良いくらいです。

通常後輪ホイールはハブに段数のあるギアを取り付けますのでスポークテンション比率は右100とすれば左は50前後に仕上がります。左側が緩いため駆動ロスが起こるわけです。

このロスを少なくするため出来るだけ左テンションが高くなるように2:1組で組むと左側が70:100くらいになります。左が大幅に上がるわけですが均等にはなりません。

左スポークテンションが右スポークテンションより高い仕上がり

ここでオフセットリムを使いますと左が大幅に上がり100:97と逆転します。数値では違いがあるのですが実際の使用ではほぼ左右テンションは同じと考えて良いかと思います。

スポークテンション差がないということでこれはピストホイールと同じような仕上がりです。

6年使われたホイールのスポーク調整はほとんど触ることがなくお返しいたしました。手前味噌になりますがとても良く出来ています。

今回のホイールを作るまでオフセットリムを使う方法は思いつきませんでした。体重、スポーク数など考慮すべき事柄がありますのでこのホイールでないといけないということはありません。オフセットリムで作られた2:1組ホイールは新しいアイデアと思います。長年使われてもスポークテンションのバラつきの少ないホイールが出来上がります。

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