シクロレースに使うついうことでホイール作製依頼のご連絡いただきました。お客様は何度もオーダーいただいているリピーター様です。
今回のホイールはこのブログ記事を参考にしていただきリム、ハブを決められたようです。リムは剛性が高いTNIのワイドリムです。前輪はリムの高さが22mmのAL22W,後輪は31mm高のAL31Wです。ハブはシマノ・ソラハブを選択されています。ソラハブは本来10速用ですがスプロケットを選べば11速で使えます。10速ハブで11速が使える裏技は面白いです。
持ち込み部品は次の通りです。
リム 前輪 AL22W 28H
リム 後輪 AL31W 28H
ハブ 前輪 ソラ HB-RS300 28H
ハブ 後輪 ソラ FH-RS300 28H
手組ホイールファンでご用意するのはスポークとニップルです。
スポーク 前輪、後輪共に コンペティション黒 2.0/1.8/2.0mm
ニップル DT SquorxPro 黒
ハブの選択はホイールを作るときに悩むところです。お客様はソラハブを選ばれました。個人的にはとてもよい選び方と思っています。シマノ上位グレードのDuraハブと下位グレードのソラハブとの回転性能は金額に比例して違うものかと常々感じることがあります。
結論を言いますと大きな差はないと思っています。勿論ハブ内部の仕上げのグレード差はありますが、カップアンドコーンの玉あたりの調整を上手く行えば、下位グレードハブでも上位グレードに負けない回転性能を得ることが出来ます。自動車レースの回転数とは比較にならない低速度の回転数ですので大きな差はないというのが理由です。
勿論外見は違います。見た目が大きく違いますのでシマノ下位グレードではすこし見劣りがします。しかし実質本位でホイール作りをやってみるならこの下位グレードハブはお勧めです。ディスコンになったDuraハブを探す必要はありません。現行ハブを使えばいい訳です。勿論穴数には28穴、32穴に限定されますが乗り心地の良い多スポークホイールを作ると考えますと適材と考えます。
お客様は前輪を軽くするためにリムは22mm高を、後輪にはより剛性の高い31mm高リムを選択されています。駆動ロスを少なく出来るリムとして選ばれています。よく考えられていると思います。
ホイールの重量はけっして軽いホイールではありません。これはハブが重いことが理由です。しかし重いということは悪いことではありません。重いということは丈夫ということで、重さがあると歪を減らせるので駆動ロスが軽減できるという利点があります。何事もトレードオフということです。
出来上がりです。スポークテンションを出来るだけ均一に仕上げ、出来るだけ振れをとって仕上げています。比較的低価格で出来上がる今回のホイールです。気兼ねなくレースに使ってもらえそうです。
10速のハブに前後で高さが違うリムに、構成が考え抜かれてますねぇ。